こんにちは、My Garden 編集部です。
可憐な白い花を揺らす姿が愛らしいすずらん。その姿を見ると、春の訪れを感じて心が和みますよね。でも、すずらんについて調べてみると、何月に咲くのかという開花時期や、北海道の名所ではいつが見頃なのか、花屋で売ってる時期はいつなのかなど、時期に関する情報が意外と複雑だったりしませんか。また、自分で育てている方なら、植え替えや植え付け、種まきのタイミング、あるいは芽が出る時期や実がなる時期についても気になるところかなと思います。さらには、怖い花言葉があるという噂やピンクの品種の時期など、知っておきたいことがたくさんありますよね。今回は、そんなすずらんの「時期」にまつわる疑問を、栽培カレンダーや流通事情も交えて詳しくご紹介していきたいと思います。
この記事のポイント
- 自然界での開花時期と花屋での流通時期には大きなズレがある
- 北海道などの名所で見頃を迎えるのは桜が終わったあとの初夏
- 5月1日のスズランの日に向けて花屋で購入するなら予約が確実
- 植え替えや株分けは地上部が枯れている秋に行うのが失敗しないコツ
すずらんが何月に見頃や旬を迎えるか
すずらんの季節と聞いて、皆さんは何月を思い浮かべますか。「春の花だから4月くらい?」と思う方もいれば、「5月の花だよね」という方もいるかもしれません。実は、すずらんの「旬」は、自然の中で咲く時期と、お花屋さんで見かける時期とで全く違った動きをしているんです。ここでは、そんなちょっと不思議なすずらんのタイムラインについて、詳しく見ていきたいと思います。
すずらんの開花時期と季節のズレ

すずらんの開花時期についてですが、自然界、つまりお庭や自生地で咲く時期は、一般的に4月下旬から6月中旬にかけてです。地域によって差はありますが、桜の季節が終わって新緑が美しくなる「初夏」の入り口あたりが見頃と言えるでしょう。しかし、この「時期」の話をする上で最も重要なのは、私たちが普段目にする「お店のすずらん」と「自然のすずらん」の間には、数ヶ月にも及ぶ大きなタイムラグが存在するという事実です。
お花屋さんや園芸店で見かけるのは、もっと早い時期だったりしますよね。実は、市場に出回る切り花や鉢植えの多くは、温室などで温度管理をして早く咲かせたものなんです。そのため、お店では1月から3月頃が最も多く出回るピークとなり、私たちが「そろそろお庭ですずらんが咲くかな?」と思う5月頃には、お店では逆に入手が難しくなっていることも珍しくありません。
自然界のタイムライン:桜のあとにやってくる天使
自然環境下でのすずらんは、春の暖かさが安定してきた頃にようやく花を咲かせます。日本列島は南北に長いため、すずらんの開花前線もゆっくりと北上していきます。例えば、九州や中国地方の山間部、そして関東地方の平地であれば、早ければ4月下旬頃からちらほらと咲き始め、ゴールデンウィーク頃に満開を迎えることが多いですね。
これが東北地方や長野県の標高1000mを超えるような高原地帯になると、5月中旬以降がシーズンとなります。さらに北上して北海道に至っては、5月下旬からようやく咲き始め、6月に入ってからが見頃の本番となります。桜前線が通過した後、新緑が眩しくなる季節に、足元でひっそりと白いベルを揺らすのがすずらんなのです。ですから、お庭で季節を感じたい場合は、「春本番」よりも少しあとの「初夏」をイメージしておくと、実際の開花と感覚がマッチするはずです。
市場のタイムライン:真冬に春を先取り
対照的に、フラワーマーケットの世界では、すずらんは「春を告げる花」として扱われます。そのため、まだ外は雪が降るような1月や2月に、温室で大切に育てられたすずらんが店頭に並びます。これはチューリップやヒヤシンス、スイートピーなどと同じく、冬の厳しい寒さの中で春を待ちわびる人々の心に寄り添うための「商業的な旬」と言えます。
このズレを知らずに、「庭のすずらんが咲いたから、お花屋さんでも買ってきて一緒に飾ろう」と思って5月中旬にお店に行くと、「もう時期が終わってしまいました」と言われてがっかりする……なんてことがよくあります。私自身もガーデニングを始めたばかりの頃、この失敗をして悔しい思いをしたことがあります。「自然の旬」と「お店の旬」は全く別物であると割り切って考えることが、すずらんを楽しむ第一歩ですね。
自然と市場のタイムラグまとめこの「季節のズレ」を整理しておきましょう。
| 場所 | 旬・見頃のピーク | 特徴 |
|---|---|---|
| 自然界(庭・自生地) | 4月下旬〜6月中旬 | 地域や標高に依存。初夏の風物詩として新緑と共に楽しむ。 |
| お花屋さん(市場) | 1月〜3月(切り花) | 促成栽培が中心。冬の間に春を先取りする商材として流通。 |
北海道のすずらんはいつが見頃か
すずらんといえば、北海道をイメージする方も多いのではないでしょうか。冷涼な気候を好むすずらんにとって、湿度が低く夏が涼しい北海道はまさに楽園のような場所ですよね。北海道の花としても親しまれており、多くの自治体の花にも指定されています。そんな北海道におけるすずらんの見頃は、本州よりも少し遅い5月下旬から6月中旬になります。
特に平取町や札幌市の「国営滝野すずらん丘陵公園」などの名所では、この時期になると一面に広がるすずらんの絨毯を楽しむことができます。私が以前訪れた際も、6月に入ってからが一番の見頃でした。本州では梅雨入り前の蒸し暑さを感じる時期ですが、北海道では爽やかな風の中で可憐な花を楽しめるので、観光にはベストシーズンかなと思います。
平取町芽生すずらん群生地の魅力

北海道にはいくつかのすずらんの名所がありますが、中でも「日本一の広さ」として有名なのが、沙流郡平取町(びらとりちょう)にある「芽生(めむ)すずらん群生地」です。ここは約15ヘクタールという広大な敷地(東京ドーム約3個分!)に、野生のすずらんが一面に咲き乱れます。実はこの場所、かつては乱獲によって絶滅の危機に瀕していたのですが、地元の方々の10年以上にわたる懸命な保護活動によって見事に復活を遂げたという、感動的な歴史があるんです。
ここでは毎年5月下旬から6月中旬にかけて「すずらん観賞会」が開かれます。白樺の木立の中に広がる白い花畑は、まるで童話の世界に迷い込んだような美しさです。開花状況はその年の雪解けの早さや気温に左右されるので、お出かけ前には必ず現地の観光協会などの公式サイトで最新情報をチェックすることをおすすめします。
国営滝野すずらん丘陵公園の見どころ
札幌市南区にある「国営滝野すずらん丘陵公園」も、北海道観光で外せないスポットです。ここでは、「スズランの小径」という散策路があり、約5万株ものすずらんが植栽されています。公園の名前にもなっている通り、すずらんはこの公園のシンボルフラワーなんですね。
こちらの見頃もやはり5月下旬から6月上旬。札幌市内中心部よりも少し標高が高いため、街中のライラックが咲き終わる頃に満開を迎えるイメージです。チューリップフェスティバルの後半と重なることもあり、色とりどりの花々と白いすずらんのコントラストを楽しめるのが魅力です。都市部からのアクセスも比較的良いため、レンタカーなしでも訪れやすいのが嬉しいポイントですね。
観光に行くなら服装に注意
北海道へすずらんを見に行く際に、ぜひ気をつけてほしいのが「服装」です。「もう6月だから半袖で大丈夫でしょ」と思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。北海道の6月は、日中は暖かくても朝晩や曇りの日は肌寒く、特にすずらんが咲くような山間部や木陰はヒンヤリとします。気温が10度台前半になることも珍しくありません。
ですので、薄手の長袖シャツに、脱ぎ着しやすいカーディガンやウインドブレーカーを一枚持っていくのが正解です。また、自然の中を散策することになるので、歩きやすいスニーカーも必須ですね。快適な服装で、北国の遅い春を存分に満喫してくださいね。
すずらんが花屋で売ってる時期

プレゼントや自宅用にすずらんを飾りたい場合、お花屋さんで実際に売ってる時期を知っておくことはとても大切です。先ほど少し触れましたが、切り花としてのすずらんは非常にデリケートで暑さに弱いため、気温が上がる5月以降は流通量が激減します。この「欲しい時期に売っていない」というジレンマを解消するために、流通の仕組みを深掘りしてみましょう。
具体的には、1月から2月頃に出回り始め、3月から4月上旬にかけてが流通のピークです。この時期なら、比較的手頃な価格で元気なすずらんを入手しやすいですね。鉢植えの場合も同様で、芽出し球根や花付きのポット苗が園芸店に並ぶのは、まだ寒さが残る2月から3月頃が中心です。
なぜ切り花は1月〜3月が勝負なのか
すずらんの切り花が真冬に出回る理由は、大きく分けて2つあります。一つは先ほどお伝えした「春を待つ需要」に応えるため。そしてもう一つは、「暑さに極端に弱い」という植物的な特性によるものです。
すずらんは涼しい環境を好むため、気温が20度を超えてくると、切り花にした際の水揚げが悪くなり、すぐに首を垂れて萎れてしまいます。そのため、暖房の効きすぎない部屋で楽しむ冬の切り花としては優秀ですが、気温が上がる4月後半以降は、お店側としても品質管理が非常に難しくなるのです。お花屋さんが5月以降に入荷を渋るのは、お客様にすぐに枯れてしまう花を売りたくないという誠実さの裏返しでもあるんですね。
鉢植えと切り花の流通の違い
切り花よりも少し長く出回るのが「鉢植え」や「ポット苗」です。これらは根がついているため、切り花よりは環境の変化に強いです。園芸店やホームセンターの店頭には、2月頃から芽が出始めたポット苗が並び始め、3月から4月にかけて花付きの株が販売されます。
もし5月に入ってから「どうしてもすずらんが欲しい!」となった場合は、切り花を探すよりも、園芸コーナーで鉢植えを探した方が見つかる確率は高いかもしれません。ただし、その場合も直射日光に当てられた売れ残りの株ではなく、涼しい日陰で管理されている元気な株を選んでくださいね。根付きのものを購入して、花を楽しんだ後は庭に植えるというのも、サステナブルな楽しみ方としておすすめです。
5月は品薄のリスクあり5月に入ると気温が高くなり、切り花のすずらんは水揚げが悪く萎れやすくなります。そのため、品質保持が難しくなり、取り扱いを終了するお花屋さんも多いんです。
スズランの日はいつ祝うものか
最近日本でも定着しつつある「スズランの日(ミュゲの日)」は、5月1日です。これはフランス発祥の素敵な習慣で、愛する人やお世話になった人にすずらんを贈ると、受け取った人に幸福が訪れると言われています。ゴールデンウィークの初日あたりということもあり、イベントとして楽しむには絶好のタイミングですよね。
しかし、「5月1日に贈るなら、その当日に買えばいいや」と思いがちですが、ここが最大の要注意ポイントです。先ほどお話しした通り、5月1日は市場流通の終盤戦。しかもこの日は需要が爆発的に集中するため、お花屋さんでは争奪戦になったり、価格が高騰したりすることがあります。当日お店に行っても、すずらんの姿がどこにもない…という悲劇も少なくありません。
もし5月1日に大切な人へ贈りたいと考えているなら、4月中旬までには予約をしておくのが安心です。また、切り花は日持ちが難しい時期なので、根付きの鉢植えやアレンジメントを選ぶのも賢い選択かなと思います。
フランスの素敵な習慣「ミュゲの日」

フランス語ですずらんは「Muguet(ミュゲ)」と呼ばれます。フランスでは5月1日に、愛する人や家族、日頃お世話になっている人にすずらんを贈る習慣があり、街中がすずらんの香りに包まれるそうです。歴史は非常に古く、1561年にフランス国王シャルル9世が、5月1日にすずらんの花束を贈られて大喜びし、「宮廷の女性たちにも毎年贈ろう」と決めたことが始まりだと言われています。
この日にすずらんをもらった人は、その一年間幸せに過ごせると信じられています。なんてロマンチックなんでしょう! この日はフランスでは、一般の人でも許可なく路上ですずらんを売ることが認められている特別な日でもあります。日本でもこの素敵な文化が広まってきており、母の日(5月の第2日曜日)の前哨戦として、あるいはパートナーへの感謝を伝える日として大切にする人が増えています。
日本で贈る場合の完全攻略法
では、気候条件の異なる日本で、この「スズランの日」を成功させるにはどうすれば良いでしょうか。ポイントは「早めの行動」と「形態選び」です。
| 予約は必須 | 5月1日当日に飛び込みで買おうとしても、売り切れているか、状態の良くないものしか残っていない可能性が高いです。遅くとも2週間前にはお花屋さんに相談し、入荷が可能か確認しましょう。 |
| 根付き(ポット)がお洒落 | 切り花は寿命が短いため、最近ではバスケットに入った「根付きのすずらん(ムスカリなどと寄せ植えになっていることも)」が人気です。これなら贈った後も長く楽しめ、うまくいけば翌年も咲かせることができます。 |
| プリザーブドフラワーも選択肢 | 生花にこだわらないなら、アーティフィシャルフラワー(造花)やプリザーブドフラワーのすずらんを選ぶのも賢い方法です。季節を問わず入手でき、ずっと飾っておけるので「永遠の幸せ」を願うギフトにぴったりですよ。 |
すずらんの芽が出る時期のサイン
ガーデニングですずらんを育てていると、冬の間は地上部が枯れて何もない状態になるので、「本当に生きているのかな?」「枯れちゃったんじゃないかな?」と心配になることがありますよね。でも大丈夫です。すずらんは寒さに非常に強い植物ですので、土の中でじっとエネルギーを蓄えています。そして、春の訪れとともに、地中からひょっこりと芽が出てきます。
すずらんの芽が出る時期は、地域にもよりますが3月から4月頃です。地温が上がってくると、タケノコのような形をした硬い芽が顔を出します。この時、丸みを帯びた太い芽が「花芽(将来花が咲く芽)」で、先が鋭く尖った細い芽が「葉芽(葉っぱだけの芽)」であることが多いです。
3月の地面の下で起きていること
まだ空気が冷たい3月上旬、土の中ですずらんは目覚めの準備をしています。冬の寒さに当たることで休眠から覚めた地下茎(リゾーム)は、雪解け水などの水分を吸収して膨らみ始めます。この時期に完全に水切れをさせてしまうと、せっかくの芽が干からびてしまうので注意が必要です。冬の間も、土の表面が乾いて数日経ったら軽く水やりをするのが、春に元気な芽を出させるコツです。
地上に芽が出る少し前、土の表面がなんとなく盛り上がってくる様子を見つけると、本当にワクワクします。「生きてた!今年も会える!」という感動は、宿根草を育てる醍醐味ですよね。もし3月下旬になっても全く芽が出る気配がない場合は、少し土を掘ってみて、地下茎が白くて硬い状態であれば生きています。逆に茶色くブヨブヨしている場合は腐ってしまっている可能性があります。
花芽と葉芽の見分け方マスター

芽が出てきたら、ぜひじっくり観察してみてください。「今年は花が咲くかな?」というドキドキの瞬間です。
| 芽の種類 | 形状の特徴 | 期待できること |
|---|---|---|
| 花芽(はなめ) | ふっくらとして丸みを帯びている。太くて頼もしい感じ。 | 中から葉と一緒に花の蕾が出てきます。開花確定の嬉しいサインです! |
| 葉芽(はめ) | 先が鋭く尖っていて、スリムな形。 | 葉っぱだけが展開します。今年は花が咲きませんが、来年のために栄養を蓄える重要な株です。 |
遅霜から新芽を守るテクニック
この芽出しの瞬間は、育てている人だけが味わえる特別な喜びですよね。ただし、芽が出始めたばかりの頃はまだ寒暖差がある時期なので、遅霜(おそじも)などで芽が傷まないように注意してあげてください。特に寒冷地では、芽が出た後に急な寒波が来ることがあります。
そんな時は、不織布をふわっとかけたり、腐葉土や藁でマルチングをしたり、鉢植えなら夜間だけ玄関に入れたりして、新芽を寒さから守ってあげましょう。この一手間をかけるかどうかで、その後の葉の美しさや花の咲き具合が変わってきます。
すずらんの実がなる時期と毒性

可愛らしい花が終わった後、すずらんはどうなるのでしょうか。受粉に成功すると、夏の間(6月〜8月)に緑色の実をつけ、秋が深まる10月から11月頃には、その実が熟して鮮やかな赤色になります。
この赤い実は宝石のように綺麗で、つい触れたり食べたくなったりするかもしれませんが、ここで非常に重要な注意点があります。すずらんは花や葉だけでなく、この実や根を含む全草に強い毒性を持っています。
花から実へ、季節の移ろい
すずらんの花が終わると、通常は株の消耗を防ぐために花茎をカットしますが、そのままにしておくと小さな緑色の実が膨らみ始めます。夏の間、葉っぱが光合成をして作った栄養がこの実に送り込まれ、秋になると直径1cmほどの真ん丸な実になります。
この実がオレンジ色から赤色へと熟していく様子は、秋の庭のアクセントとして非常に美しいものです。葉が黄色く枯れゆく中で、赤い実だけが鮮やかに残る姿には、花とはまた違った風情があります。しかし、この美しさには大きな罠があります。見た目が美味しそうに見えるため、事故につながりやすいのです。
命に関わる毒成分「コンバラトキシン」
すずらんが持つ毒は、「コンバラトキシン(convallatoxin)」などの強心配糖体と呼ばれる成分です。これは心臓に直接作用する非常に強力な毒で、摂取すると嘔吐、頭痛、めまい、血圧低下、不整脈などを引き起こし、最悪の場合は心不全により死に至る危険性があります。その強さは、青酸カリをも上回ると言われることもあるほどです。
特に危険なのが、赤く熟した実です。子供が木の実と間違えて食べてしまったり、ペットが興味本位で口にしてしまったりする事故が後を絶ちません。また、切り花を生けた花瓶の水にも毒成分が溶け出すため、誤って飲んでしまうと中毒症状を起こすことがあります。テーブルの上に飾る際は、絶対に誤飲が起きない場所に置くことが鉄則です。
絶対に食べないでくださいすずらんの毒は非常に強力で、摂取すると嘔吐や頭痛、最悪の場合は心不全を引き起こす危険性があります。特に赤く熟した実は小さなお子さんやペットが誤って口にしてしまうリスクがあるため、実がなる前に花茎をカットするか、手の届かない場所で管理するなど、徹底した対策が必要です。(出典:厚生労働省『自然毒のリスクプロファイル』)
すずらんを何月に栽培するか作業適期
「すずらんを庭に植えたい」「鉢植えの植え替えをしたい」と思った時、適切な時期に行うことは成功への第一歩です。すずらんは意外と丈夫な植物ですが、作業のタイミングを間違えると花が咲かなかったり、株が弱ってしまったりすることもあります。ここでは、具体的な栽培カレンダーに沿って、失敗しない作業適期をご紹介します。
すずらんの植え替え時期と方法
すずらんは地下茎(根っこ)をどんどん伸ばして増えていく植物なので、鉢植えなら1〜2年に1回、地植えでも数年に1回は植え替えや株分けをしてあげる必要があります。この植え替えのベストシーズンは、地上部が枯れて休眠している10月から12月上旬の秋です。
なぜ秋が良いかというと、葉っぱがある時期に根をいじると株へのダメージが大きいからです。休眠期であれば、根への負担を最小限に抑えられますし、冬の間に新しい土に馴染んで、春の芽出しをスムーズに迎えることができます。
なぜ「秋」がベストなのか?
多くの植物は春に植え替えを行いますが、すずらんのような寒さに強い宿根草の場合、秋が適期となることが多いです。10月に入り、葉が黄色くなって枯れ落ちると、植物は「休眠」に入ります。この時、地上部は何もないように見えますが、地下では来春の花芽の準備が着々と進んでいます。
このタイミングで植え替えを行うことで、切ってしまった根の傷口が冬の間に癒え、春の雪解け水とともに勢いよく根を張り出すことができるのです。逆に、春になって芽が動き出してから根をいじると、せっかく伸びようとしていたエネルギーを削いでしまい、その年の花が咲かなくなる原因になります。「葉っぱがあるうちは根をいじらない」というのが、すずらん栽培の鉄則と覚えておいてください。
具体的な植え替え手順

では、実際の手順を見ていきましょう。難しそうに見えますが、ポイントを押さえれば簡単です。
- 掘り上げ: 鉢から株を抜くか、庭土を掘り起こします。根がびっしりと回っていることが多いので、土を落としながら丁寧にほぐします。地下茎は横に長く伸びているので、ちぎれないように注意しましょう。
- 株分け: 地下茎を整理します。花芽(丸い芽)が4〜5個つくように、ハサミで地下茎を切り分けます。この時、必ず火であぶるなどして消毒した清潔なハサミを使ってください。黒ずんで腐っている根があれば取り除きます。
- 植え付け: 新しい土に植え付けます。水はけの良い土(赤玉土や腐葉土のミックスなど)を用意し、花芽の頭が隠れる程度の深さ(2〜3cm)に植えます。深植えしすぎると芽が出にくくなるので注意です。
- 管理: たっぷりと水をやり、冬の間は屋外に置きます。寒さにしっかりと当てることが、春に花を咲かせるためのスイッチになります。乾燥させないように時々水やりを忘れないでください。
もし秋にできなかった場合は、芽が動き出す直前の3月頃もギリギリ可能です。ただし、すでに芽が伸び始めている場合は、根を崩さないように慎重に扱う必要がありますね。
すずらんの植え付け時期と苗選び
新しくすずらんを育て始める場合の植え付け時期も、基本的には植え替えと同じく秋(10月〜12月)か早春(3月)が適しています。ただ、園芸店で苗が一番多く出回るのは春先なので、現実的には2月〜3月にポット苗を購入して植え付けるケースが多いかもしれません。
苗選びのポイント

- 芽の太さ: 鉛筆の先のような細い芽ではなく、小指の先のような丸くて太い芽がある株を選びましょう。それが花芽です。芽の数が多いものほど元気な証拠です。
- 土の状態: カラカラに乾いているものは避けます。適度な湿り気があり、苔などが生えていないきれいな土のものが管理の良い証拠です。
- 葉の色(春の場合): すでに葉が出ている場合は、色が濃く、斑点や害虫がついていないか確認します。ヒョロヒョロと徒長しているものは日光不足のサインなので避けましょう。
購入後の管理:焦らず慣らす
春先に購入したポット苗は、温室育ちの場合が多いです。お店の中は暖かかったのに、いきなり氷点下になるような屋外に出すと、寒暖差でビックリして弱ってしまうことがあります。これを防ぐために、最初は昼間だけ外に出し、夜は玄関内や軒下に取り込むなどして、1週間ほどかけて徐々に外の空気に慣らしてあげてください。
これを「ハードニング」と呼びますが、このひと手間でその後の生育がぐんと良くなります。地植えにする場合も、すぐに地面に植えるのではなく、しばらく鉢のまま環境に慣らしてから定植するのが失敗しないコツですよ。
すずらんの種まき時期のポイント
すずらんを種から育てるのは、実はかなり上級者向けの方法です。発芽までに時間がかかりますし、花が咲くまでに数年かかることもあります。それでもチャレンジしてみたい!という方は、種まきの時期を知っておきましょう。
種まきの適期は、実が熟して種が採れる10月から11月頃です。これを「採り播き」と言って、採種した種を乾燥させずにすぐに撒くのがポイントです。すずらんの種は乾燥すると発芽率が極端に落ちてしまうんですね。
気が遠くなる?開花までの道のり
種まきから開花までの道のりは、まさに忍耐の連続です。以下のような長いプロセスを経る必要があります。
- 1年目の秋: 赤い実から種を取り出し、周りの果肉(発芽抑制物質が含まれるため)を水できれいに洗い流します。そしてすぐに赤玉土などの清潔な土に撒きます。
- 1年目の冬: 寒さに当てないと発芽スイッチが入りません。鉢を屋外に置き、雪の下などでじっと寒さに耐えさせます。乾かさないように注意が必要です。
- 2年目の春: うまくいけば発芽しますが、出てくるのは小さな葉っぱ一枚だけです。花は咲きません。
- 3年目〜4年目: ひたすら葉を育てて地下茎を太らせます。肥料を与え、夏は涼しく管理し、大切に育てます。
- 5年目以降: 株が十分に充実して初めて、待ちに待った花が咲きます。
このように、種から育てると花を見るまでに最低でも4〜5年はかかります。育種家(新しい品種を作る人)を目指すのでなければ、一般的には地下茎(根茎)を植え付けるか、株分けで増やす方が圧倒的に簡単で確実です。「どうしても種から育ててみたい」という探究心のある方以外は、苗からのスタートをおすすめします。
ピンクのすずらんの特徴と時期

すずらんと言えば白花のイメージが強いですが、最近は可愛らしいピンク色の花を咲かせる品種も人気ですよね。これは主に「ドイツスズラン」の園芸品種(ロゼアなど)で、白花と同じく4月から5月頃に開花します。
ピンクのすずらんも基本的な育て方は白花と同じですが、ひとつだけコツがあります。それは「日当たり」です。日光不足になると、せっかくのピンク色が薄くなって白っぽくなってしまうことがあるんです。もちろん真夏の直射日光はNGですが、春の柔らかい日差しにはしっかりと当ててあげると、綺麗なピンク色を楽しめますよ。
色の濃さを引き出すコツ
ピンクスズランを育てている方からよく聞くお悩みが、「買った時はきれいなピンクだったのに、翌年咲いたら白っぽくなってしまった」というものです。これは肥料不足や日照不足が原因であることが多いです。春の芽出しから開花までの間は、カーテン越しの光や木漏れ日程度の日差しに十分当ててください。
また、花が終わった後にカリ分(根を育てる成分)の多い肥料を与えることで、翌年の花色を良くする効果が期待できます。土壌の酸度も影響すると言われますが、まずは日照条件を見直すのが一番の近道です。苗の流通時期も白花と同時期の2月〜4月頃ですが、流通量は少なめです。園芸店で見つけたらラッキーかもしれませんね。ネット通販などでは比較的入手しやすいので、探してみるのも良いでしょう。
すずらんの花言葉に怖い意味はない
すずらんについて検索すると、「怖い」「呪い」といった不穏な関連ワードが出てきてドキッとしたことはありませんか? 実はこれ、すずらんが持つ「毒性」から連想された誤解であることがほとんどで、すずらんの花言葉自体に怖い意味は一切ありません。
むしろ、すずらんの花言葉は「再び幸せが訪れる(Return of Happiness)」「純粋」「純潔」といった、非常にポジティブで美しいものばかりです。ヨーロッパでは古くから「聖母マリアの涙」に例えられるほど神聖な花とされています。
なぜ「怖い」と言われるのか?
この誤解の背景には、いくつかの要因があります。一つは先ほど詳しく解説した「強力な毒性」です。美しさの中に死に至る毒を秘めているという二面性が、ミステリー小説やドラマのトリックとして使われることが多く、そこから「すずらん=怖い」というイメージが定着してしまったようです。
また、アイヌの伝説などでも、毒草としての側面が語られることがありますが、花言葉としての意味合いとは別物です。結婚式のブーケとしても人気が高く、イギリスのキャサリン妃がウィリアム王子との結婚式で持ったブーケにもすずらんが使われていました。これは「必ず幸せになります」という決意の表れでもあったのでしょう。
ですから、プレゼントとして贈る際も心配はいりません。ただし、贈る相手がペットを飼っている場合などは、念のため「食べると危ないから気をつけてね」と一言添える配慮があると、より誠実かなと思います。正しい知識を持って、この美しい花言葉を大切な人に届けてあげてください。
すずらんが何月かに関する総まとめ
ここまで、すずらんに関する様々な「時期」についてご紹介してきました。最後に、この記事でお伝えした内容を要点としてまとめておきます。季節の移ろいに合わせて、すずらんとの暮らしを楽しんでくださいね。
この記事の要点まとめ
- すずらんの自然開花は4月下旬から6月中旬の初夏
- 花屋での流通ピークは1月から3月で自然界より早い
- 北海道のすずらん群生地の見頃は5月下旬から6月中旬
- 5月1日のスズランの日は市場では品薄になる可能性があるため予約推奨
- スズランの日はフランス発祥で幸福を贈るイベント
- すずらんの芽が出る時期は3月から4月頃
- 秋(10月〜11月)には実が赤く熟すが猛毒があるため誤食厳禁
- 全草に毒があるため植え替えや切り花の扱いは手袋着用などで注意する
- 植え替えや株分けのベストシーズンは休眠期の10月から12月
- 春(3月)の植え替えも可能だが芽を傷つけないよう注意が必要
- 種まきは難易度が高いため一般的には苗や根茎から育てるのがおすすめ
- ピンクのすずらんは日光不足だと色が薄くなる傾向がある
- すずらんに怖い花言葉はなく「再び幸せが訪れる」など幸福の象徴
- 季節のズレを理解することで欲しい時期に入手できない失敗を防げる
- 栽培管理は「春の開花」「夏の遮光」「秋の植え替え」のリズムが大切
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