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ラナンキュラスラックス新品種!ペネロペやアポロンの特徴

ラナンキュラス ラックス 新品種 20251 2025年新品種のラナンキュラス・ラックス「ペネロペ」と「アポロン」が咲き誇る春のイングリッシュガーデン ラナンキュラスラックス
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こんにちは、My Garden 編集部です。

まだ冷たい風の中に少しずつ春の匂いが混じり始めると、私たちガーデナーの心は自然とそわそわし始めますよね。「今年の春はどんな庭にしようか」「あの花壇には何を植えようか」と想像を膨らませる時間は、何にも代えがたい楽しみです。そんな春の準備において、今年は特別な年になる予感がしています。なぜなら、ガーデニング界の革命児「ラナンキュラスラックス」に、これまでの常識を覆すような魅力的な新品種がいよいよ登場するからです。「ペネロペ」や「アポロン」といった名前を、SNSや園芸雑誌ですでに目にした方も多いのではないでしょうか。

「新しいラックスは一体どんな花が咲くの?」「従来種と何が違うの?」「予約はいつから始まるの?出遅れたくない!」と、期待と焦りが入り混じった気持ちで、スマートフォンの画面をスクロールしている方もきっと多いはずです。実は私もその一人で、毎年新しいカタログが発表されるたびに「今年はどの子をお迎えしようか」と、嬉しい悲鳴を上げながら頭を悩ませています。ラックスといえば、植えっぱなしでも夏越しができるという驚異的な強さで、ラナンキュラスの常識を変えた植物です。その育てやすさは折り紙付きですが、やはり新品種となると、その具体的な特徴や、従来種とは異なる管理のコツがあるのかどうかも気になりますよね。

そこで今回は、注目すべき新品種の詳細な特徴から、絶対に失敗したくない人のためのプロレベルの育て方のコツ、さらには争奪戦必至の予約・販売店情報まで、皆さんが知りたい情報を余すところなく、徹底的に深掘りしてまとめてみました。この記事を読み終える頃には、あなたの「欲しいものリスト」はきっと更新され、春の庭づくりの計画がより具体的でワクワクするものになっているはずです。

この記事のポイント

  • 今年の注目新品種ペネロペやアポロンの特徴
  • 従来種から進化したアルテミスIIの変更点
  • 夏越しや冬越しを成功させる栽培のコツ
  • 予約開始時期やホームセンターでの販売情報
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今年のラナンキュラスラックス新品種と特徴

今年のラックスシリーズの進化は、単なる「新色の追加」というレベルを遥かに超えています。これまでのラックスといえば、ピカピカと輝く光沢のある花弁が最大の特徴でしたが、最新モデルでは、花の咲き方(花型)そのものの変化や、株全体のシルエット(草姿)、さらには環境適応能力に至るまで、遺伝的な多様性が大きく広がっています。育種家の情熱と技術の結晶とも言えるこれらの新品種は、これまでの「ラックスらしさ」を保ちつつも、全く新しいガーデニングの楽しみ方を提案してくれるユニークな個性を持っています。

ペネロペはバイカラーの色変化

ラナンキュラス ラックス 新品種 20252  環境によって花色が変化するラナンキュラス・ラックス「ペネロペ」のバイカラー比較写真

まず最初にご紹介したいのが、今年のフラグシップモデルとも言える存在、「ペネロペ(Penelope)」です。この品種は、ラックスシリーズに新しい「色彩の魔法」をもたらしました。

ペネロペの最大の特徴は、なんといってもその複雑で繊細なバイカラー(複色)の美しさです。基本となるベースカラーは、上品でクリーミーなホワイトなのですが、そこにふんわりと優しいピンクの差し色(ブラシストローク)が入ります。しかし、このペネロペの本当に凄いところは、その色が「固定されていない」という点にあります。気温の低い早春にはピンクが濃く鮮やかに出たり、逆に気温が上がってくると透明感のある白さが際立ったりと、まるで生き物のように表情を変えるのです。また、日照条件や肥料の効き具合、あるいは株の充実度といった環境要因によっても色の出方が異なるため、同じペネロペでも隣の家とは全く違う表情を見せることもあります。これを専門的な言葉では「表現型の可塑性(かそせい)」と呼んだりしますが、要するに「あなただけの庭で、あなただけの色のペネロペが咲く」ということです。

この「個体差」や「環境差」は、一見すると通販での購入を難しくさせる要因にも思えますが、実はガーデニングの醍醐味そのものです。毎日庭に出て観察するたびに、「昨日は白っぽかったのに、今朝はほんのり桜色になっている!」という発見があり、飽きることがありません。まるで、ペネロペ自身がその日の気分でドレスを選んでいるかのような愛らしさを感じさせてくれるでしょう。

ペネロペの魅力的なテクスチャと輝き

ラナンキュラス ラックス 新品種 20253 直射日光下でワックスのような強い光沢を放つラナンキュラス・ラックス「ペネロペ」の花弁のクローズアップ
ラックスの代名詞である「ワックスをかけたようなピカピカした光沢」は、ペネロペでも健在です。バイカラーの花弁が光を反射すると、単色の花よりも複雑な屈折を生み出し、まるで真珠層(マザーオブパール)のように虹色の輝きを放ちます。曇りの日よりも、晴れた日の直射日光下で見た時の輝きは格別で、庭の中で主役級の存在感を放ってくれます。

また、生態的な特性として、ペネロペは「スプレー咲き」の性質が非常に強く、一本の太い茎からたくさんの枝分かれをして、次々と蕾を上げます。この多花性のおかげで、一度咲き始めると、早春から初夏まで途切れることなく花を楽しめるのも大きなメリットです。切り花にしても非常に優秀で、花瓶の中で蕾が次々と開いていき、その色の変化を室内でも楽しむことができます。リビングに一輪飾るだけで部屋全体の雰囲気が明るくなる、「育てて楽しい、見て楽しい、飾って楽しい」の三拍子が揃った、まさに今年を象徴する品種だと言えるでしょう。

アポロンのイオ咲きと黄色い花

ラナンキュラス ラックス 新品種 蕾から満開、反り返るまで花型が変化するラナンキュラス・ラックス「アポロン」のイオ咲きの様子

次にご紹介するのは、ギリシャ神話の太陽神の名を冠する「アポロン(Apollon)」です。名前の通り、春の陽射しを浴びて輝く姿は、庭全体にポジティブなエネルギーを与えてくれるような、力強い存在感を持っています。

アポロンの最大の注目ポイントは、「イオ咲き」と呼ばれる、これまでのラックスにはなかった新しい花の形です。従来の品種が一重から半八重咲きが主流だったのに対し、イオ咲きは花弁の重なり方や展開の仕方が独特で、咲き始めから満開になるまでの過程で、花の形が劇的にドラマチックに変化します。最初はカップ咲きのようにコロンと丸みを帯びてほころび始め、徐々に花弁が平開し、最終的には外側に反り返るほどにダイナミックに咲き誇ります。蕾がほころぶ瞬間の初々しい姿から、満開時の堂々とした太陽のような姿まで、毎日庭に出るたびに違う表情を見せてくれるので、観察日記をつけたくなるほどの面白さがあります。

そして花色は、既存の黄色系品種である「ピュタロス(ゴールド系)」や「ハデス(中心が濃いゴールド)」とは一線を画す、鮮やかで爽やかなレモンイエローです。これまでの黄色系ラックスが少し重厚感のある色合いだったのに対し、アポロンは透明感のある明るい黄色で、春の青空とのコントラストが素晴らしく映えます。この色は、色彩心理学的にも「希望」や「幸福」を象徴し、視覚的に「進出色」と呼ばれる手前に飛び出して見える色であるため、庭のフォーカルポイント(注視点)を作るのに最適です。

栽培上の特性としては、アポロンは非常に強健で、茎が太く立ち上がる性質を持っています。黄色い花は虫たちを呼び寄せる効果も高く、春の庭にミツバチなどが訪れることで、生態系豊かなビオトープのような環境を作り出す手助けもしてくれます。初心者の方でも比較的容易に大株に育てることができるため、「初めてのラックス」としても自信を持っておすすめできる品種です。

おすすめの組み合わせ:補色対比を楽しむ
アポロンのクリアなイエローは、ブルー系の花と合わせると、互いの色を引き立て合う「補色関係」になり、非常にフォトジェニックな光景を作り出します。例えば、アポロンの足元に「ネモフィラ」や「ワスレナグサ」、あるいは青い「ムスカリ」を植えてみてください。黄色と青のコントラストは、春の庭を最高に爽やかに演出してくれます。

リーベラの背の高さと太い茎

ラナンキュラス ラックス 新品種 20255 花壇の後方で他の植物よりも背が高く、太い茎で直立する大型品種ラナンキュラス・ラックス「リーベラ」

もしあなたが、花壇に「高さ」や「立体感」を出したいと考えているなら、選ぶべきは間違いなく「リーベラ(Libera)」です。今年のラインナップの中で、最もスケール感のある大型品種と言えます。

リーベラの特徴は、その物理的な迫力にあります。他の品種に比べて背が高くなる傾向があり、成長すると大人の腰の高さを超えることも珍しくありません。そして何より、その高い草丈を支える花茎が非常に太く、がっしりと成長します。通常のラナンキュラスや草丈の高い植物は、春の嵐や雨の重みで倒伏しやすいのが難点ですが、リーベラのこの剛健な茎は、多少の風雨ではびくともしない頼もしさがあります。花壇の後方(バックグラウンド)に配置すれば、手前の低い草花との間に美しい高低差(レイヤー)が生まれ、奥行きのあるプロのような庭作りが可能になります。

花色は、サーモンピンクをベースにしつつ、アプリコット、茶系、クリームイエローへと移ろいゆく、非常に複雑なニュアンスカラーを持っています。いわゆる「アンティークカラー」や「くすみカラー」と呼ばれる色合いで、派手すぎない落ち着いた大人の可愛らしさがあります。近年のガーデニングトレンドである「シック&ナチュラル」なスタイルや、錆びたアイアン雑貨などを用いた「シャビーシック」な庭に、これ以上ないほどマッチする品種です。咲き進むにつれて色が退色していく様も美しく、散り際まで優雅な雰囲気を保ち続けます。

また、リーベラはその体の大きさに比例して、根の張りも非常に旺盛です。地植えにすると、驚くほどのスピードで根域を広げ、地面の深い場所から水分や養分を吸収します。これにより、乾燥や肥料切れに対する耐性も高く、一度定着してしまえば、手のかからない優秀なガーデンプランツとして活躍してくれます。広い庭をお持ちの方や、花壇のフォーカルポイントを作りたい方にとって、リーベラは唯一無二の選択肢となるでしょう。

初期成育の注意点と支柱の活用
最終的にはがっしりとした株になりますが、苗の段階や植え付け直後は、急激な成長に伴って少し徒長しやすく、茎がグラつくことがあります。特に日当たりが不十分だとひょろりと伸びてしまいがちです。定植する際は、通常より少し深めに植え付けるか、早めにリング支柱などを立ててサポートしてあげることで、その後の成長がスムーズになり、美しい立ち姿を維持できます。

アルテミスIIと従来種の違い

ラナンキュラス ラックス 新品種 花弁の丸みや茎の太さが改良されたラナンキュラス・ラックス「アルテミスII」と従来種の比較写真

ラックスシリーズの中でも不動の人気を誇る「アルテミス」。その正統進化版として今年に登場するのが「アルテミスII(Artemis II)」です。「なぜ人気品種をわざわざリニューアルしたの?今のままでも十分素敵なのに」と思うかもしれませんが、そこには明確な改良の意図と、育種家の執念とも言える想いが込められています。

「II」への進化で最も重要視されたのは、近年の日本の過酷な夏を乗り切るための「夏越し性能(耐暑性)」の強化です。ラックスは比較的夏越しが容易な植物ですが、それでも近年の猛暑、激しい夕立、そして熱帯夜は植物にとって過酷さを増しています。特に、休眠中の球根が高温多湿によって土の中で腐敗してしまうトラブルは、多くのガーデナーを悩ませてきました。アルテミスIIは、基礎的な樹勢を強くすることで、この腐敗リスクを低減させ、より確実に翌年も花を咲かせられるように改良されました。これは、「せっかく買ったのに夏に枯らしてしまった」という失敗を恐れるユーザーにとって、何よりの朗報と言えるでしょう。

形態的な違いとしては、従来種に比べて花弁がより丸みを帯びた「丸弁」になり、花びらの厚みも増しています。これにより、雨に当たっても花が傷みにくく、花自体の物理的な耐久性も向上しています。花色も、従来のアロマティックな香りを持つ優しい雰囲気はそのままに、より発色が良く、遠目からでもはっきりと分かる存在感を放ちます。また、茎が太くなり分枝数も増えているため、株全体のボリューム感がアップし、一株植えるだけで花束のような見ごたえがあります。

市場ではしばらくの間、従来のアルテミスとIIが混在して流通する可能性があります。パッケージやタグに「II」と明記されているかどうかが識別のポイントとなりますが、もし店頭で見分けがつかない場合は、葉の付け根や蕾の先端が黒みがかる特徴(これが従来のアルテミスの特徴の一つ)と比較してみるのも良いでしょう。より育てやすさと丈夫さを求めるなら、迷わず「II」を選ぶことを強くおすすめします。

人気ランキング上位の品種一覧

ラナンキュラス ラックス 新品種 20257 アウラ、ティーバ、サティロスなど、人気ランキング上位のラナンキュラス・ラックス定番品種が咲き揃う庭

新品種に注目が集まりがちですが、長年愛され続けている「定番品種」には、やはりそれだけの理由と実力があります。「初めてラックスを育てるから、まずは失敗の少ない強健な品種がいい」「特定の色の庭を作りたい」という方のために、今年も変わらず人気ランキング上位に君臨するであろう、鉄板の品種たちを詳しく比較してみましょう。これらの品種は、日本の気候で長年栽培され、その実績が証明されている「間違いのない」選択肢でもあります。

品種名 花色・系統 詳細な特徴とおすすめポイント
アウラ
(Aura)
ピンク系
(濃淡あり)
まさに「女神」の名にふさわしい優美さ。ピンクの濃淡が美しく、どんな庭にも馴染む王道の可愛らしさがあります。スプレー咲きのバランスが良く、花束にした時の華やかさはピカイチです。飽きのこない普遍的な美しさを持っています。
ティーバ
(Thiva)
パープル系
(アメジスト)
深みのある紫色は、光沢のある花弁と相まって、まるで宝石のアメジストのような高貴な輝きを放ちます。白い花やシルバーリーフ(シロタエギクなど)と合わせると、お互いを引き立て合い、非常に洗練された空間を作れます。
サティロス
(Satyros)
ゴールド・ブロンズ系 ラックスシリーズの中で、おそらく最も「光沢(テカリ)」を強く感じられる品種の一つです。メタリックな輝きは遠くからでも目を引き、日光が当たると眩しいほど。個性的な庭を作りたい方や、シックな色合いを好む方に最適です。
エリス
(Eris)
サーモンピンク とにかく「強健」で「育てやすい」のが最大の特徴。病気(うどんこ病など)にも比較的強く、放任気味でもたくさんの花を咲かせてくれます。淡いサーモンピンクは優しく、見る人の心を癒やしてくれます。初心者さんの最初の一株に激推しです。
アリアドネ
(Ariadne)
淡いピンク
(桜色)
ラックスの原点とも言える品種。花弁の数が多く、波打つように咲く姿は非常に豪華。香りもほのかにあり、日本人の感性に響く桜のような色合いが絶大な支持を集めています。どんな花とも合わせやすい万能選手です。

これらの品種は、新品種に比べて流通量が安定しており、ホームセンターなどでも入手しやすいのも魅力です。育種元の綾園芸では、これら以外にも多数の魅力的な品種を作出しており、それぞれの品種が持つ「神話の名前」に込められたストーリーを知ることも、ラックス栽培の楽しみの一つです。(出典:綾園芸 公式サイト

ラナンキュラスラックス新品種の育て方

「ラックスは植えっぱなしで大丈夫」という言葉をよく耳にしますが、それは「正しい環境さえ整っていれば」という条件付きの真実です。特に新品種を手に入れたなら、そのポテンシャルを最大限に引き出し、来年も再来年も咲かせたいですよね。ここでは、植物の生理学に基づいた、失敗しないための「プロレベルの栽培管理」を、初心者の方にもわかりやすく解説します。

夏越しの植えっぱなしと休眠

ラックス栽培において、最も多くの人がつまずくポイント、それが「夏越し」です。ここさえクリアできれば、ラックスは多年草として長く付き合える最高のパートナーになります。ラックスの球根は、ダリアやチューリップとは異なり、乾燥するとカチカチに硬くなる「塊根(かいこん)」という性質を持っています。

まず理解しておきたいのは、ラックスは高温期になると地上部を枯らし、地下の塊根だけで過ごす「休眠」という生存戦略をとる植物だということです。5月から6月頃、気温が上がってくると、花が終わり、葉が徐々に黄色くなってきます。これは病気でも枯れたわけでもなく、「もう暑いので寝ますよ」というサインなのです。このタイミングで「元気がないから」と水や肥料を与えてしまうと、休眠に入ろうとしている球根が呼吸できなくなり、土の中で腐ってしまいます(軟腐病などの原因になります)。

成功の鉄則:勇気を持って「断水」する
葉が半分以上黄色くなったら、水やりを完全にストップします。これを「断水」と言います。鉢植えの場合は、雨の当たらない風通しの良い日陰(軒下など)に移動させ、秋に芽が出るまで一滴も水を与えません。カラカラに乾かすことが、日本の蒸し暑い夏から球根を守る唯一の方法です。最初は勇気がいりますが、ラックスの球根は乾燥にはめっぽう強いので安心してください。

ラナンキュラス ラックス 新品種 20258 夏越しのために断水を開始し、葉が黄色くなって休眠に入ろうとしているラナンキュラス・ラックスの鉢植え

地植えで「植えっぱなし」にする場合は、人為的に水を切ることが難しいため、「植える場所」の選定が全てを決めます。夏場に雨水が溜まりやすい場所や、他の植物(アジサイなど水を好む植物)と一緒に毎日水やりをしてしまうような花壇の中では、腐敗のリスクが高まります。もし地植えにするなら、水はけが抜群に良く、夏場は半日陰になるような落葉樹の下などが理想的です。どうしても夏越しが不安な場合や、土壌の水はけが悪い場合は、葉が完全に枯れた後に球根を掘り上げ、泥を落としてネットに入れ、風通しの良い冷暗所で秋まで乾燥保存するのが最も確実な安全策です。

冬越しの寒さ対策と不織布

ラックスは、一般的なラナンキュラス(ラナンキュラス・アシアティクス)に比べると格段に耐寒性が強く、マイナス5℃〜10℃程度までは耐えられると言われています。しかし、これはあくまで「株が死なない(枯死しない)」という限界値であり、「ダメージを受けない」わけではありません。特に、まだ株が小さい苗の状態や、植え付けたばかりの時期は寒さへの抵抗力が完全ではありません。

特に危険なのは、「凍結と融解の繰り返し」「冷たい北風」です。夜間に葉の細胞内の水分が凍り、昼間に溶けるというサイクルを繰り返すと、細胞組織が破壊され、株が著しく体力を消耗します。また、乾燥した冷たい北風は葉からの水分蒸散を促進させる一方で、地温の低下により根からの吸水活動を鈍らせるため、「凍りながら干からびる」という最悪の状態を招きかねません。霜が降りて葉が茶色くなっても、春になれば中心から新しい葉が出てきて復活することが多いですが、その分エネルギーを使うため、春の花数は確実に減ってしまいます。

そこで有効なのが、不織布(ふしょくふ)の活用です。ホームセンターや100円ショップでも手に入る農業用の白い不織布を、ふんわりと株全体にかけてあげるだけで、冷風を直接受けるのを防ぎ、周囲の温度を数度保つ効果があります。ベタがけでも良いですし、支柱を立ててトンネル状にしても構いません。もし雪の予報が出た場合は、不織布の上からさらにビニールをかけるか、鉢植えなら必ず軒下や玄関内に取り込んでください。水分を含んだ重い雪は、ラックスの柔らかくみずみずしい茎を物理的に押し潰して折ってしまいます。冬の間、少し過保護にするだけで、春の開花数は劇的に変わります。

地植えの水はけと土作り

ラナンキュラス ラックス 新品種 20259 水はけを確保するために周囲より土を高く盛った、ラナンキュラス・ラックスのマウンド植え花壇

ラックスを地植えにする際、最もこだわってほしいのが「水はけ(排水性)」の確保です。ラックスの根は水分を蓄える構造になっていますが、常に水に浸かっている状態(低酸素状態)には極めて弱く、すぐに窒息して腐ってしまいます。特に日本の梅雨や秋の長雨は、原産地である地中海沿岸の気候とは大きく異なるため、土壌改良が必須となります。

日本の多くの庭土は粘土質で水はけが悪いため、地面を平らなまま穴を掘って植えるのはリスクが高いです。おすすめなのは、周囲の地面よりも土を10cm〜20cmほど高く盛って植える「マウンド植え(盛り土植え)」や、レンガや木枠で土留めを作って植える「レイズドベッド」の採用です。こうすることで、重力によって余分な水が自然と下へ抜けていき(重力排水)、根の周りに常に新鮮な空気が供給されるようになります。高い位置に植えることで、風通しも良くなり、病気の予防にもつながります。

土壌改良には、腐葉土や完熟堆肥などの有機物に加えて、水はけを物理的に良くする資材である「軽石(小粒)」や「パーライト」、「籾殻くん炭」などをたっぷりと混ぜ込んでください。粘土質の土壌であれば、掘り起こした土の全体の3割〜4割程度をこれらの資材に置き換えるくらいの気持ちで大胆に改良します。「少し水はけが良すぎるかな?」と思うくらいでちょうど良いのがラックスの土作りです。また、酸性土壌を嫌うため、植え付けの2週間前には苦土石灰を撒いてpH調整をしておくと、根の張りがさらに良くなります。

鉢植えの用土と水やり方法

ラナンキュラス ラックス 新品種 202510 ベラボンや赤玉土がブレンドされ、通気性と水はけが良さそうなラナンキュラス・ラックス専用の鉢植え用土

鉢植えで育てる場合も、土選びは重要です。市販の「草花用培養土」をそのまま使っても育ちますが、さらに成績を良くするためには、ひと手間加えて「ラックス専用ブレンド」を作るのがプロの技です。市販の土は、万人向けに作られているため、保水性が高すぎる場合があるからです。

具体的には、市販の良質な培養土に、通気性を劇的に高めるベラボン(ヤシの実チップ)硬質赤玉土(小粒)日向土(細粒)などを全体の2割〜3割ほど混ぜ込みます。ベラボンは、土の中に空気の層(気相)を作りつつ、適度な保水性も持つ優れた資材で、根が呼吸しやすい環境を整えてくれます。こうすることで、土の中に「空気の通り道」が確保され、根が勢いよく伸びていきます。水やりをした時に、水が鉢の表面にたまらず、スーッと底から抜けていくスピード感が理想です。

水やりのタイミングにもメリハリが必要です。「土の表面が乾いたら」ではなく、「土の表面が白っぽく乾き、鉢を持ち上げると軽くなっているのを確認してから」、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。常に土が湿っている状態は厳禁です。「乾く」と「潤う」のサイクルを作ることで、根は水を求めてより深く強く成長しようとします。また、受け皿に溜まった水は必ず捨ててください。溜め水は根腐れの最短ルートです。

鉢のサイズ選びのコツ
小さな苗をいきなり大きな鉢に植えるのは避けましょう。土の量が多すぎると、根が水を吸いきれずに過湿状態が続き、根腐れの原因になります。苗のサイズに合わせて、まずは5号〜6号鉢からスタートし、成長に合わせて徐々に鉢増し(サイズアップ)していくのが、失敗しないポイントです。最終的には8号〜10号鉢で見事な大株に育ちます。

通販サイトでの予約と在庫

新品種である「ペネロペ」や「アポロン」を確実に手に入れたいとお考えなら、実店舗を回るよりもネット通販での早期予約が最も確実な方法です。これらの新品種は、生産量が限られているため、地域の園芸店まで流通しないことも多々あるからです。

例年の傾向として、ラックスの予約販売は前年の10月下旬〜12月頃から主要な園芸ネットショップで一斉にスタートします。特に話題の新品種は、予約開始のアナウンスとともにアクセスが殺到し、数日で、時には数時間で「在庫なし(Sold Out)」になってしまうことも珍しくありません。お気に入りのショップのメルマガに登録したり、InstagramやX(旧Twitter)でショップのアカウントをフォローして入荷情報をリアルタイムでチェックするなど、アンテナを高く張っておく必要があります。

予約した苗の発送は、年明けの1月中旬〜3月頃になることが一般的です。寒冷地にお住まいの方は、輸送中の凍結リスクを避けるために、あえて3月以降の発送を選べるショップを利用するのも賢い選択です。また、予約時には「ポット苗」なのか「開花株」なのかをよく確認しましょう。ポット苗は価格が安いですが、開花株は届いてすぐに楽しめるというメリットがあります。また、人気品種は転売などで価格が高騰することもありますが、信頼できる正規の種苗店や園芸店から適正価格で購入することをおすすめします。

ホームセンターの販売時期

「送料がかかるのはちょっと…」「やっぱり実物を見て、株の勢いや葉の色を確認してから選びたい」という方は、園芸店やホームセンターでの購入を狙いましょう。自分の目で見て選ぶ楽しさは、実店舗ならではの体験です。

実店舗にラックスが並び始めるのは、主に以下の2つのフェーズに分かれます。

  1. 1月〜2月頃(ポット苗フェーズ)
    まだ花が咲いていない、あるいは蕾が少し見え始めた状態の3.5号〜4号ポット苗が入荷します。価格は2,000円〜3,000円台と比較的手頃で、これから自分で大きく育てる楽しみがあります。この時期の苗を選ぶ際は、葉が黄色くなっておらず濃い緑色をしているか、クラウン(株元)ががっしりとしていて芽数が多いかを確認しましょう。ヒョロヒョロと徒長している苗は避けたほうが無難です。
  2. 3月以降(開花株フェーズ)
    5号以上の大きな鉢に植えられ、花がたくさん咲いている豪華な「開花株」が入荷します。価格は4,000円〜6,000円以上と高くなりますが、プレゼントや、すぐに庭を華やかにしたい場合に最適です。開花株を選ぶ際は、咲いている花だけでなく、株元に新しい蕾がたくさん待機しているかどうかが、長く楽しむためのポイントです。

ただし、近所の一般的なホームセンターに必ずしも新品種が入荷するとは限りません。新品種は、専門的な園芸店や大型のガーデンセンターに優先的に卸される傾向があります。見つけたら即カゴに入れるくらいの決断力が必要です。「来週また来よう」と思っていると、次に来た時にはもう影も形もない…というのが、ラックスあるあるなのです。

ラナンキュラスラックス新品種の展望

今年のラナンキュラスラックス市場全体を見渡してみると、これまでの「美しさ」の追求に加え、「環境変動への適応(レジリエンス)」という新しいテーマが強く見えてきます。育種の現場では、より美しく、より強く、より育てやすい植物への進化が絶えず行われています。

「ペネロペ」のような視覚的に新しいバイカラー品種で私たちの目を楽しませてくれる一方で、「アルテミスII」や「リーベラ」のように、猛暑や強風といった過酷な環境にも耐えうる強健な体を持った品種が登場してきました。これは、気候変動の中でガーデニングを楽しむ私たちにとって、非常に心強い進化です。「きれいだけど弱い」から「きれいで強い」へ。この両輪ががっちりと噛み合った今年のラインナップは、ベテランガーデナーだけでなく、これから園芸を始める初心者の方にとっても、ラックスの世界へ飛び込む最高のタイミングになるでしょう。

さあ、あなたはどのラックスと春を迎えますか?私と一緒に、今年の春をラックスの輝きで満たしましょう!

この記事の要点まとめ

  • 今年の新品種は「多様性」と「強さ」がテーマ
  • 「ペネロペ」は環境で色が変わるバイカラー品種
  • 「アポロン」は変化する花型「イオ咲き」が特徴
  • 「リーベラ」は背が高く、花壇の後方に最適
  • 「アルテミスII」は従来種より夏越し性能が向上
  • 「アウラ」や「ティーバ」などの定番も根強い人気
  • ラックス栽培の鍵は「水はけ」の確保にある
  • 夏場、葉が黄色くなったら水やりを止めて休眠させる
  • 地植えの場合は「マウンド植え」で排水性を高める
  • 冬の寒風や積雪対策には不織布が有効
  • 鉢植えの土にはベラボンや赤玉土を混ぜると良い
  • 新品種の予約は前年の10〜12月に通販で済ませる
  • 実店舗では1〜2月に苗、3月以降に開花株が並ぶ
  • 新品種は流通量が少ないため早めの確保が重要
  • 育てやすさが向上した最新モデルは初心者にも推奨
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