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初心者も安心!カレンデュラコーヒークリームの育て方

カレンデュラ コーヒークリーム 育て方 春の庭で満開に咲くカレンデュラコーヒークリーム。アンティークなクリーム色とブロンズ色のバイカラーの花が美しい。 カレンデュラ
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こんにちは。My Garden 編集部です。

アンティークな色合いが素敵なカレンデュラコーヒークリームは、シックな庭づくりに欠かせない存在ですよね。いざ育ててみたいと思っても、種まきの時期や寄せ植えの相性、また「初心者でも失敗しないかな?」といった不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。私も最初は、いつ種をまけば良いのか、苗はどう選べば良いのかと悩んだ経験があります。でも、いくつかのポイントさえ押さえれば、驚くほど元気に育ち、春には美しい花をたくさん咲かせてくれますよ。

この記事のポイント

  • アンティークな花色の魅力と基本的な特徴
  • 秋がベストタイミングとなる種まきと苗選び
  • 日当たりや水やりなど日々の重要管理ポイント
  • 長く楽しむための病害虫対策と種採りの方法
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初心者も安心なカレンデュラコーヒークリームの育て方

カレンデュラコーヒークリームは、その繊細な見た目とは裏腹に、ポイントさえ押さえれば非常に育てやすい植物です。ここでは、栽培を成功させるために絶対に知っておきたい基本の「き」を、私の経験を交えてご紹介します。

アンティークな花色の特徴とは

カレンデュラ コーヒークリーム 育て方 カレンデュラコーヒークリームの花弁。表面のクリーム色と裏面のブロンズ色のコントラストが特徴的なアンティークカラー。

この品種の最大の魅力は、なんといってもそのユニークな花色です。一般的なキンセンカ(カレンデュラ)と言えば、鮮やかなオレンジや黄色を思い浮かべる方が多いと思います。私自身も昔は「キンセンカ=仏花」というイメージを持っていましたが、初めてコーヒークリームに出会った時、その概念が完全に覆されました。

花弁の表側はクリーミーな淡黄色、裏側は深く落ち着いたブロンズ色(茶系)をしていて、この絶妙なバイカラーが「アンティーク」や「シック」と表現される大人っぽい雰囲気を醸し出します。特に、風に揺れたり、見る角度が変わったりするたびに、クリーム色の中にチラリと覗くブロンズ色が、庭に奥行きと洗練された印象を与えてくれるのです。単色のお花にはない、まるで絵画のような立体感が生まれるのがこの品種の素晴らしいところですね。

太陽と共に生きる「就眠運動」

カレンデュラ コーヒークリーム 育て方 夕暮れ時に花を閉じ、蕾のような姿になったカレンデュラコーヒークリーム。裏面のシックなブロンズ色が際立つ。

実はこの花、お日様の動きに合わせて開閉する(就眠運動)という面白い性質を持っているんです。これは植物が生きていくための生理現象の一つなのですが、日が当たると大きく開き、夕方や曇りの日には閉じるため、時間帯によって表情がガラリと変わります。朝、太陽が昇るとともにゆっくりと花弁を広げ、午後になり日が傾くと店じまいをするように閉じていく。まるで生き物のような愛らしさを感じずにはいられません。

完全に開いている昼間の表情も素敵ですが、私は個人的に、夕暮れ時や曇りの日に花が少し閉じかけている姿が大好きです。花が閉じると、裏面のブロンズ色が主役になり、まるで蕾のような可愛らしいフォルムと、シックな色合いが強調されるからです。このように、一日の天気や時間によって異なる表情を楽しめるのも、コーヒークリームならではの贅沢な楽しみ方だと言えるでしょう。

また、草丈は30cmから50cm程度と程よい高さにまとまるため、花壇の前景から中景、あるいはコンテナ栽培にも最適です。茎もしっかりしていて倒れにくいので、切り花としても優秀なんですよ。リビングに一輪挿しとして飾るだけで、部屋全体がカフェのようなおしゃれな空間に早変わりします。耐寒性もあり、冬の寂しい庭に温かみのある色を添えてくれる、本当に頼もしいパートナーです。

秋が成功の鍵となる種まき時期

カレンデュラ コーヒークリーム 育て方 秋に行うカレンデュラの種まき作業の様子。セルトレイに一粒ずつ丁寧に種をまいている手元。

カレンデュラコーヒークリームを立派に咲かせるための最大の秘訣は、スタートの時期にあります。ずばり、種まきは9月から10月の「秋」に行うのがベストです。これには植物生理学的な明確な理由があります。

カレンデュラは寒さに比較的強い植物です。秋に種をまき、年内に発芽させて本葉を数枚展開させ、冬の寒さに当てながらじっくりと根を張らせることで、株自体ががっしりとたくましく育ちます。地上部の成長は冬の間ゆっくりになりますが、土の中では春に向けて着々と根を伸ばしているのです。この「冬の間の根づくり」こそが、春の爆発的な開花エネルギーの源泉となります。この時期にしっかりとした根系(ルートシステム)を構築できた株は、3月から5月にかけて、信じられないほどの花数を長期間にわたって咲かせ続けてくれます。

春まきが推奨されない理由

もちろん、春(3月〜4月)に種をまくことも可能ですし、発芽自体は問題なくします。しかし、日本の気候を考えると、私はあまりおすすめしません。その理由は「開花期間の短さ」にあります。春にまくと、開花が始まるのが初夏(6月頃)になりますが、カレンデュラは日本の高温多湿な夏が非常に苦手です。せっかく咲き始めても、すぐに梅雨入りや猛暑がやってきてしまい、株が蒸れて枯れてしまうことが多いのです。

私自身、一度実験的に春まきを試みたことがありますが、秋まきの株が数ヶ月にわたって咲き誇ったのに対し、春まきの株はわずか数週間で弱ってしまい、非常に切ない思いをしました。春まきの株は根の張りが浅いため、暑さに対する抵抗力も低くなってしまうんですね。だからこそ、皆さんには自信を持って「秋まき」をおすすめします。

具体的な種まきの手順とコツ

種まきの適温は15℃〜20℃くらいです。まだ残暑が厳しい時期にまくと発芽率が落ちたり、苗が徒長したりするので、彼岸花が咲く頃、あるいは金木犀の香りが漂い始める頃を目安にすると良いでしょう。種は比較的大きいので扱いやすいですが、嫌光性(光を嫌う性質)なので、種をまいた後は必ず土を1cmほど被せて、光が届かないようにしてください。これを忘れると、いつまで経っても芽が出ないという失敗に繋がります。

成功のポイント

寒冷地にお住まいの方は、冬の凍結が心配かもしれませんが、関東以西の平暖地であれば、霜よけなしでも冬を越せるほど寒さには強いです。むしろ寒さに当たることで株が締まり、春に花芽をたくさんつけるスイッチが入りますので、過保護にしすぎず、冬の間にしっかりと根を育てましょう。寒風が強すぎる場合は、軒下に移動する程度の対策で十分です。

好む土作りと日当たり環境

植物にとっての「家」である土壌環境と、「食事」である光環境を整えることは、栽培成功の8割を決めると言っても過言ではありません。カレンデュラコーヒークリームに関して言えば、置き場所については迷わず「一番日当たりの良い場所」を選んでください。

この植物は、とにかくお日様が大好きです。半日陰でも枯れはしませんが、日照時間が不足すると、茎がひょろひょろと細長く伸びる「徒長(とちょう)」という状態になり、見た目が悪くなるだけでなく、風で倒れやすくなります。さらに深刻なのは、花数が激減することです。植物は太陽エネルギーを光合成で変換し、それを花の生産(生殖成長)に回しているので、光が足りないとどうしても花が少なくなってしまいます。特に冬から早春にかけては太陽高度が低いので、建物の影になりにくい南向きの場所を確保してあげましょう。

理想的な土壌条件:水はけが命

カレンデュラ コーヒークリーム 育て方 カレンデュラ栽培に適した水はけの良い土。培養土に赤玉土が混ざっており、通気性が良さそうな団粒構造の土壌。

土壌に関しては、「水はけの良さ(排水性)」が最重要項目です。カレンデュラの根は過湿を嫌い、ジメジメした環境が続くと呼吸ができずに「根腐れ」を起こしてしまいます。鉢植えの場合は、市販の「草花用培養土」を使えば基本的には問題ありませんが、私はさらに一工夫として、小粒の「赤玉土」を2割ほど混ぜ込むことをおすすめしています。こうすることで土の粒子の間に隙間(気相)ができ、水はけと通気性が格段に向上します。水を与えた時に、スーッと水が引いていくような土が理想的ですね。

酸性土壌への対策:日本の土事情

また、地植えにする場合はpH(酸性度)にも注意が必要です。日本の土壌は雨の影響で酸性に傾きがちですが、カレンデュラ(および多くのキク科植物)は酸性土壌を嫌い、弱アルカリ性〜中性の土を好みます。酸性が強いと、アルミニウムイオンが溶け出して根を痛めたり、リン酸などの重要な栄養素が吸収できなくなったりします。

そのため、地植えにする予定の場所には、植え付けの2週間前までに「苦土石灰(くどせっかい)」を1平方メートルあたり100g程度まいて、よく耕しておきましょう。このひと手間をかけるだけで、その後の葉の色艶や生育スピードに歴然とした差が出ます。石灰をまいてすぐに植え付けると、化学反応で根を痛めることがあるので、「2週間前」というのがプロのコツです。ふかふかで栄養豊富なベッドを用意してあげる気持ちで、土作りをしてあげてください。

枯らさない水やりと肥料のコツ

毎日の水やりは、植物との対話の時間です。しかし、「毎日とりあえず水をあげる」というのは、実はカレンデュラにとっては親切ではなく、むしろ命取りになることがあります。水やりの基本にして極意は、「メリハリ(乾湿のサイクル)」をつけることです。

具体的には、「土の表面が白っぽくしっかりと乾いているのを確認してから、鉢底から水がジャージャー流れ出るくらいたっぷりと与える」のが正解です。土の中の水分が減ってくると、根は水を求めて伸びようとします。そして、たっぷりと水を与えることで、土の中の古い空気が押し出され、新鮮な酸素が供給されます。この「乾く」と「潤う」の繰り返しが、健全で強い根を育てるのです。土が乾くプロセスで、根が「水を探さなきゃ!」と努力することが、植物をたくましくします。

逆に、土がまだ湿っているのに水をちょこちょこと与え続けると、土の中は常に水浸しで酸素欠乏状態になり、根腐れのリスクが高まります。「可愛がりすぎて水をやりすぎて枯らす」というのは、ガーデニング初心者が最も陥りやすい罠の一つですので、ぐっと我慢して「乾くのを待つ」勇気を持ってください。指で土を触ってみて、湿り気を感じるうちは水やりの必要はありません。

注意点:水やりの位置

水やりの際は、ジョウロの先を株元(地際)に近づけ、土に直接注ぐように意識してください。上からシャワーのように花や葉に水をかけると、花弁が傷んだり、湿気で蒸れて「灰色かび病」などの病気が発生する原因になります。特に冬場の夕方に水を与えると、夜間の冷え込みで土中の水分が凍結し、根を傷めることがあるので、暖かい午前中に済ませるのがベストです。

肥料切れに注意:花を咲かせ続ける燃料

カレンデュラコーヒークリームは、開花期間が長く、次々と花を咲かせるため、非常に多くのエネルギー(肥料分)を消費します。いわゆる「肥料食い」の植物です。肥料が切れると、てきめんに花が小さくなったり、花数が減ったり、葉の色が薄黄色くなったりします。これは植物からの「お腹が空いた」というサインです。

植え付け時には、元肥として「マグァンプK」などの緩効性肥料(ゆっくり長く効くタイプ)を規定量土に混ぜ込みます。そして、花が咲き始める頃からは追肥が必要です。3月以降の生育旺盛な時期には、固形の緩効性肥料を月に1回置き肥するか、1000倍〜2000倍に薄めた液体肥料を週に1回、水やり代わりに与えてください。

ただし、窒素(N)成分が多すぎる肥料を与えすぎると、葉っぱばかりが茂って花が咲かなくなる「つるぼけ」という状態になったり、軟弱に育ってアブラムシがつきやすくなったりします。肥料を選ぶ際は、花つきを良くする「リン酸(P)」成分が多いものを選ぶのがポイントです。植物の様子を観察しながら、「最近ちょっと花が減ったかな?」「葉の色が薄いかな?」と思ったら液肥でサポートしてあげる、くらいのスタンスが良いでしょう。

苗の選び方とホームセンター

種から育てるのはハードルが高いと感じる方には、苗からのスタートがおすすめです。秋(10月〜11月頃)や早春になると、ホームセンターや園芸店の店頭にカレンデュラの苗が並び始めます。しかし、すべての苗が健康であるとは限りません。良い苗を選ぶことは、その後の管理を楽にし、成功率を劇的に高める第一歩です。

私が園芸店で苗を選ぶ際、必ずチェックしているポイントを詳しくご紹介します。これを知っているだけで、ハズレ苗を引く確率がぐんと下がりますよ。見た目の華やかさだけでなく、株の「基礎体力」を見極めるのがコツです。

良い苗のチェックリスト

カレンデュラ コーヒークリーム 育て方 園芸店で選ぶべき健康なカレンデュラの苗。茎が太く葉の色が濃い、ずんぐりとした良い苗の例。

  • 茎の太さと節間: 茎が太く、がっしりとしているものを選びましょう。ひょろひょろと背が高く、葉と葉の間(節間)が間延びしている苗は、生産段階や店頭で日照不足だった証拠です。こうした苗は植え付け後に倒れやすく、病気にも弱いです。背は低くても、ずんぐりむっくりしている苗の方が優秀です。
  • 葉の色と枚数: 葉が濃い緑色をしていて、枚数が多いものを選びます。下の方の葉が黄色くなっていたり、枯れ落ちていたりする苗は、水切れや肥料切れのストレスを受けている可能性が高いので避けましょう。葉に黒い斑点がないかも要チェックです。
  • 根の状態: ポットの底を覗いてみてください。白い根が少し見えているくらいがベストです。逆に、太い根がびっしりと外にはみ出しているものは「根詰まり」を起こして老化している可能性があります。また、全く根が見えないものは、まだ根が十分に張っていない若い苗かもしれません。適度に根が回っている苗が、植え付け後の活着(根付き)が良いです。
  • 病害虫の有無: 葉の裏側や新芽のあたりをそっと確認し、アブラムシがついていないか、白いカビ(うどんこ病)生えていないかチェックしましょう。最初から害虫を持ち込んでしまうと、他の植物にも被害が広がるので要注意です。

苗を購入したら、できるだけ早く植え付けてあげましょう。黒いビニールポットの土は容量が少なく、すぐに乾いてしまいます。そのまま長く放置すると、根が窮屈になり、苗が弱ってしまいます。すぐに植えられない場合は、日当たりの良い場所に置き、絶対に水切れさせないように注意して管理してくださいね。

難しい夏越しと一年草の扱い

ここで少し残念なお話をしなければなりませんが、誠実にお伝えします。植物図鑑などを見ると、カレンデュラは「多年草(たねんそう)」と分類されていることがあります。これは、原産地の地中海沿岸のような冷涼で乾燥した気候であれば、何年も生き続けることができるからです。

しかし、ここ日本の気候、特に本州以南の高温多湿な夏は、カレンデュラにとってあまりにも過酷すぎます。5月後半から湿度が高くなってくると、株が蒸れて下葉から枯れ込み始めます。そして梅雨の長雨で根腐れを起こし、真夏の夜温の高さ(熱帯夜)に体力を奪われ、多くの場合、夏を越すことができずに枯れてしまいます。私自身、風通しの良い半日陰に移動させたり、切り戻しをして蒸れを防いだりと、何度も夏越しに挑戦してきましたが、健全な状態で秋を迎えることは非常に困難でした。生き残ったとしても、株がボロボロで秋の花が見込めないことがほとんどです。

割り切りが美しい庭を作る

ですので、日本では「秋まき一年草」として割り切って育てるのが一般的であり、精神衛生的にもおすすめです。「枯らしてしまった」と自分を責める必要は全くありません。それはあなたの腕が悪いのではなく、日本の気候が合わないだけなのです。

無理に夏越しさせようとボロボロになった株を管理するよりも、12月から5月までの半年間、最高のパフォーマンスで咲かせてくれたことに感謝し、梅雨入り前には潔く片付けて、夏の花(ペチュニアやジニア、ニチニチソウなど)にバトンタッチするのが、一年を通して美しい庭を維持する賢いコツかなと思います。「春までの期間限定の美しさだからこそ、その一瞬が尊い」と捉えて、存分に楽しんでください。その潔さも、ガーデニングを楽しむ秘訣の一つです。

楽しみが広がるカレンデュラコーヒークリームの育て方

基本の育て方をマスターしたら、次はもっとおしゃれに、そして賢く楽しむための応用編です。単体で植えても十分に美しいコーヒークリームですが、他の植物と組み合わせることでその魅力は何倍にも膨らみます。ここでは、私の経験に基づいた寄せ植えのアイデアや、来年も楽しむための種採りのテクニックをご紹介します。

寄せ植えで相性の良い植物

カレンデュラ コーヒークリーム 育て方 カレンデュラコーヒークリームを主役にしたシックな寄せ植え。同系色のビオラとシルバーリーフを組み合わせたおしゃれな作例。

シックな花色を持つコーヒークリームは、寄せ植えの主役にもなれますし、他の鮮やかな花を引き立てる名脇役にもなれる、非常に使い勝手の良い植物です。しかし、個性が強い色でもあるので、合わせる植物によっては全体がぼやけたり、暗くなりすぎたりすることもあります。カラーコーディネートを少し意識するだけで、プロのような仕上がりになりますよ。

個人的に最もおすすめなのは、同系色の「ビオラ」や「パンジー」との組み合わせです。特に、濃い紫(ダークパープル)や、アンティーク調の茶系、あるいは微妙なニュアンスカラーのビオラと合わせると、全体がグラデーションのように馴染み、非常に洗練された大人っぽい一鉢が完成します。紫と黄色は「補色(互いを引き立て合う色)」の関係にあるので、コーヒークリームの淡い黄色がより一層鮮やかに見えます。

カラーリーフでプロの仕上がりに

また、カラーリーフ(葉を楽しむ植物)との相性も抜群です。特におすすめなのが「シルバーリーフ」です。シロタエギクやシルバーレースのような白い葉を添えると、コーヒークリームのブロンズ色がくっきりと浮き上がり、暗くなりがちな印象をパッと明るく上品にしてくれます。白い葉は「レフ板」のような役割を果たしてくれるんですね。逆に、黒竜(コクリュウ)のような黒っぽい葉を合わせると、全体が引き締まり、モダンでクールな印象になります。

相性の良い植物 特徴と効果 おすすめの配置
ビオラ(紫・茶・アンティーク系) 同系色でまとめることで、統一感のあるシックで落ち着いた雰囲気に。補色効果で黄色が映える。 カレンデュラの足元を囲むように配置
シルバーリーフ(シロタエギクなど) 葉の白さがレフ板の効果を果たし、コーヒークリームのブロンズ色を際立たせ、全体を明るくする。 カレンデュラの後方や横に添える
アリッサム(白・クリーム) 小花がふんわりと広がり、足元を埋めて優しさとボリュームをプラスする。香りの演出にもなる。 鉢の縁から垂らすように配置
ヘデラ(アイビー) 動きのある蔓が全体にリズムを生み出し、ナチュラルな雰囲気を演出。冬の寒さにも強い。 鉢の前面に垂らす

寄せ植えを作る際は、カレンデュラは成長すると背が高くなり(30〜50cm)、横にも広がるので、鉢の中心か後方に配置するのがセオリーです。そして周りに背の低いビオラやアリッサムを配置すると、立体感のあるバランスの良い寄せ植えになります。「詰め込みすぎ」は蒸れの原因になるので、植物同士の葉が軽く触れ合う程度の余裕を持って植え付けましょう。

花数を増やす花殻摘みの方法

「せっかく育てたのだから、できるだけ長く、たくさんの花を楽しみたい!」というのは、全ガーデナーの願いですよね。そのために最も効果的で、かつ欠かせない作業が「花殻摘み(はながらつみ)」です。これをやるかやらないかで、開花数に2倍以上の差が出ると言っても過言ではありません。

植物というのは、基本的に「子孫(種)を残すこと」を最終目標として生きています。花が咲き終わり、受粉してそのまま放置しておくと、植物は「よし、受粉が成功したから、これからはこの種を熟させることにエネルギーを全振りしよう」と判断します。すると、新しい花芽を作ることをやめ、栄養成長(茎葉の成長)もストップし、株全体の老化が進んでしまうのです。

これを防ぐために、咲き終わった花(萎れた花)を人為的に取り除きます。こうすることで、植物に「あれ?まだ種ができていない!もっと花を咲かせて受粉のチャンスを作らなきゃ!」と勘違いさせ(少し可哀想な気もしますが)、次々と新しい蕾を上げさせることができるのです。これが花殻摘みのメカニズムです。

正しい花殻摘みの位置とタイミング

カレンデュラ コーヒークリーム 育て方 カレンデュラの花殻摘みの正しい位置を示す写真。花茎の付け根、新しい芽の上でハサミを入れて切り取る様子。

ここで重要なのが、「摘む位置」です。初心者の多くが、萎れた花の部分(花首)だけをポキッと手で折ってしまいがちですが、これはNGです。花首だけ摘んでも、残った茎(花茎)は光合成もせず、ただ邪魔な棒として残るだけで、見た目も悪いですし、そこから菌が入って病気の原因にもなります。

正しい方法は、「花茎の付け根(次の葉が出ている節のすぐ上)から切り取る」ことです。ハサミを使って、茎の根元まで辿り、他の茎との分岐点ギリギリでカットしてください。こうすることで、カットした部分の脇から新しい芽(脇芽)が伸びやすくなり、結果として枝数が増え、株のボリュームもアップします。春の最盛期には、毎朝たくさんの花殻が出ますが、これを朝の日課にすることで、5月いっぱいまで満開の状態を維持できますよ。綺麗な花を見るための、ちょっとした愛情表現だと思って取り組んでみてください。

うどんこ病や害虫の対策法

春になって気温が上がり、植物が生き生きとしてくると、残念ながら招かざる客たちも活動を開始します。カレンデュラ栽培において特に注意したいのが、害虫の「アブラムシ」と、病気の「うどんこ病」です。

アブラムシは、新芽や蕾といった柔らかい部分に群生し、植物の汁を吸って弱らせます。放っておくとあっという間に増え、ウイルス病を媒介することもあります。対策としては、毎日の観察が第一です。見つけ次第、数が少なければ粘着テープ(セロハンテープなど)でペタペタと取り除くか、勢いよく水をかけて洗い流してしまいましょう。数が多すぎる場合は、園芸用の殺虫剤を使用するか、食品成分(でんぷんや油など)由来の優しい殺虫スプレーを使うのもおすすめです。窒素肥料が多いとアブラムシがつきやすくなるので、肥料のあげすぎにも注意してください。

うどんこ病は、その名の通り、葉や茎がうどんの粉(小麦粉)をまぶしたように白くなるカビの一種です。葉の表面がカビで覆われると光合成ができなくなり、ひどいと枯れてしまいます。この病気は、湿度が低い時にも発生しますが、一番の原因は「風通しの悪さ」と「窒素肥料のやりすぎ」です。

予防策としては、まず株間を十分に空けて植え、風通しを確保すること。そして、葉が茂りすぎて混み合ってきたら、古い下葉や込み入った内側の葉を適度に間引いて、株元に光と風が届くようにしてあげましょう。もし発症してしまったら、初期段階であれば、重曹を水に溶かしたスプレー(水500mlに重曹1g程度)や、お酢を薄めたスプレーを散布することで菌の繁殖を抑えることができます。蔓延してしまった葉は元には戻らないので、早めに切り取って処分し、他の葉への感染を防いでください。早期発見、早期治療が鉄則です。

来年も咲かせる種採りの手順

先ほど「一年草と割り切る」とお伝えしましたが、それは株自体の話です。カレンデュラコーヒークリームは種ができやすい性質を持っているため、種を採っておけば(自家採種)、来シーズンもまたゼロから楽しむことができます。これはガーデニングの醍醐味であり、とても経済的ですよね。

種を採るための手順は簡単です。開花シーズンの終わり頃(5月頃)、そろそろ株を片付けようかなという時期になったら、これまでこまめに行っていた「花殻摘み」をストップします。そして、状態の良い花をいくつか選んで、そのまま放置してください。全ての花をそのままにすると株が弱るので、種を採りたい花だけ残すのがコツです。

不思議な形の種と保存方法

カレンデュラ コーヒークリーム 育て方 収穫したカレンデュラの種。ワームや勾玉のような独特な形をした、茶色く乾燥した種の実物写真。

花びらが散ると、中心部分(ガク)が残り、そこで緑色の種が育ち始めます。カレンデュラの種は非常に特徴的で、まるでワーム(虫)や勾玉(まがたま)、あるいはアルファベットの「C」のような形をしています。初めて見る方は「虫がついている!?」と驚くかもしれませんが、それが種なので安心してください。

最初は緑色ですが、熟すと茶色く変色し、カラカラに乾いてきます。手で触れてポロっと取れるくらいになったら収穫の合図です。無理に引っ張らないと取れないうちはまだ未熟です。

収穫した種は、さらに日陰で数日間乾燥させ、完全に水分を飛ばします。湿気が残っているとカビの原因になります。乾燥したら紙封筒などに入れて、冷蔵庫の野菜室や涼しい冷暗所で保管してください。乾燥剤(シリカゲル)を一緒に入れておくと安心ですね。そしてまた秋が来たら、その種をまいてみましょう。親株と全く同じ花が咲くとは限りませんが(先祖返りで黄色い花が出ることもあります)、自分が採った種から芽が出る瞬間の感動はひとしおです。親子二代、三代と繋いでいく命のリレーを、ぜひ体験してみてください。

ペットへの毒性と食用利用

ガーデニングを楽しむ際、特に犬や猫などのペットを飼っている方にとって、「この植物はペットに安全か?」というのは非常に重要な問題です。お庭で遊んでいる最中に、うっかり葉っぱを食べてしまうこともありますからね。

嬉しいことに、カレンデュラ(キンセンカ)は、犬や猫に対して毒性がない植物として知られています。これは、世界的な動物愛護団体であるASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)のリストでも「Non-Toxic(無毒)」として分類されています。キク科の植物には毒性があるものもありますが、カレンデュラは安全な部類に入ります。

参考情報:安全性について

詳細な安全性については、以下の一次情報源もご参照ください。

(出典:ASPCA『Toxic and Non-Toxic Plants List』)

このため、ペットが自由に歩き回る庭やベランダでも、安心して植栽することができます。もちろん、大量に食べれば繊維質で消化不良を起こす可能性はありますので、積極的に食べさせるものではありませんが、中毒症状を起こすような危険な成分は含まれていません。愛犬家、愛猫家のガーデナーさんにも自信を持っておすすめできる植物です。

エディブルフラワーとしての顔

カレンデュラ コーヒークリーム 育て方 エディブルフラワーとして利用されたカレンデュラコーヒークリーム。サラダに彩りを添える花びらの写真。

さらに、カレンデュラは人間にとっても有用な植物です。「ポットマリーゴールド」というハーブ名でも親しまれており、その花びらは「エディブルフラワー(食用花)」として利用可能です。ヨーロッパでは古くから「貧乏人のサフラン」と呼ばれ、サフランの代わりにスープや料理の色付けに使われてきました。

鮮やかな花びらをサラダに散らせば彩りが一気に華やかになりますし、乾燥させてハーブティーとして楽しむこともできます。また、花弁を植物油に漬け込んで作る「カレンデュラオイル(浸出油)」は、肌荒れを防ぐスキンケアアイテムとしても人気があります。

ただし、ここで一つ重要な注意点があります。園芸店で売られている「観賞用」の苗は、栽培過程で食用に適さない農薬(オルトランなど)が使用されている可能性があります。もし食用として利用したい場合は、必ず「種から無農薬で育てる」か、「食用(ハーブ)として販売されている苗」を購入するようにしてください。また、食べる際は、苦味のあるガクや芯の部分は取り除き、花弁のみを使用するのが美味しくいただくコツです。

カレンデュラコーヒークリームの育て方まとめ

ここまで、カレンデュラコーヒークリームの育て方を詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後に、これだけは覚えておいてほしいという最重要ポイントを3つに絞って振り返ります。

  • 日当たりと排水性: この植物は太陽が大好きです。日当たりの良い場所で、水はけの良い土に植えることが成功の8割を決めます。ジメジメした土は根腐れの元なので厳禁です。
  • 秋まきが基本: 9月~10月に種をまき、冬の間にじっくりと根を育てることが、春の満開への一番の近道です。春まきよりも圧倒的に長く楽しめます。
  • 一年草と割り切る: 日本の高温多湿な夏は越せません。「春までの一年草」と割り切り、種を採って翌年に命を繋ぐのが、最も賢く健全な楽しみ方です。

カレンデュラコーヒークリームは、そのシックな花色で庭の雰囲気を一変させる力を持っています。派手すぎず、地味すぎず、見る人の心をふっと和ませてくれるような、不思議な魅力のある花です。今回ご紹介したポイントさえ押さえれば、ガーデニング初心者の方でも決して難しくはありません。

ぜひ、今年の秋からはカレンデュラコーヒークリームのある暮らしを始めてみてください。寒い冬を乗り越え、春の光の中でアンティークカラーの花が咲き誇った時の感動は、きっとあなたのガーデニングライフにおいて忘れられない思い出になるはずです。素敵なガーデンライフになりますように!

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