こんにちは、My Garden 編集部です。
庭先やベランダを華やかに彩ってくれるマックスマムですが、「急に元気がなくなった」「葉っぱが茶色くなって、マックスマムが枯れたみたい……」と不安になってこの記事に辿り着いた方も多いのではないでしょうか。実は、マックスマムはその圧倒的な成長スピードゆえに、ちょっとした環境の変化やお手入れのタイミングで枯れたように見えてしまう繊細な一面があるんです。でも、安心してくださいね。その症状、実は病気ではなく植物の自然な防御反応だったり、簡単なケアで復活できるサインだったりすることが多いんですよ。この記事では、私自身の経験も踏まえつつ、マックスマムを枯らさないための具体的な診断方法や、万が一の時の復活術、そして来年もまた大きな花を咲かせるための育て方のコツを、どこよりも詳しく丁寧にお伝えしていきますね。水切れや根詰まり、冬越しや夏越しの注意点、そして失敗しやすい切り戻しのタイミングなど、原因をしっかり深掘りして解説します。
この記事のポイント
- マックスマムが枯れたように見える生理現象と病気の正確な見分け方
- 爆速成長を支えるために必要な「10号鉢」と肥料の重要性
- 失敗しない切り戻しの黄金ルール「緑の葉を残す」の徹底解説
- 過酷な日本の夏と冬を乗り切るための具体的な環境管理プロトコル
マックスマムが枯れた?症状から原因を特定する診断術
マックスマムの様子がおかしいと感じたとき、一番大切なのは「何が原因でそうなっているのか」を正しく見極めることです。人間と同じで、原因が違えば対処法も180度変わってしまいますからね。まずは、よくあるトラブルの症状別に、その裏側で何が起きているのかを深く掘り下げてみましょう。
水切れでしおれる原因と吸水不足のメカニズム

マックスマムを育てていて一番驚くのは、その水の欲しがり方かもしれません。「さっきまであんなに元気だったのに、お昼過ぎに見たら全体がぐったりしている」という経験はありませんか?これが典型的な水切れによる萎凋(いちょう)です。マックスマムは「ハイブリッド・ビガー(雑種強勢)」という性質を持っていて、普通のマーガレットよりも葉っぱが大きく、その分だけ水分が外に逃げていく「蒸散」の量も凄まじいんです。特に気温が上がる春から初夏にかけては、根っこが土から水を吸い上げるスピードよりも、葉っぱから水が出ていくスピードの方が速くなってしまい、細胞の中の圧力が保てなくなって「しおれる」という現象が起きます。
これを何度も繰り返していると、植物は「もう水分を維持できない」と判断して、葉っぱの縁から徐々に茶色く枯らして体力を守ろうとします。これが、多くのユーザーさんが「マックスマムが枯れた」と誤解してしまう第一歩ですね。水やりは「乾いたらたっぷり」が基本ですが、マックスマムの場合は「乾くのが早すぎる」ということを念頭に置く必要があります。鉢の重さを毎日チェックして、軽くなっていたら底から溢れるくらいたっぷりとあげてくださいね。ただし、日中のカンカン照りの時間帯にお水をあげると、鉢の中の温度が上がって「お湯」のようになってしまい、根っこを痛めて逆効果になることもあるので、朝の涼しい時間帯か夕方にあげるのが私のおすすめです。
蒸散と吸水のバランスを整えるコツ
特に風の強い日や乾燥した日は、見た目以上に水分が奪われています。朝にたっぷりあげたから大丈夫、と思わずに、夕方に土の表面を触ってみる習慣をつけるといいかもしれません。また、鉢皿に水を溜めっぱなしにするのは、根っこが窒息する「根腐れ」の原因になるので厳禁ですが、真夏のあまりに過酷な時期だけは、一時的に遮光ネットなどで物理的に蒸散量を抑えてあげるのも一つの手ですよ。植物の「喉が渇いた」というサインを逃さないことが、枯死を防ぐ最大の防御になります。
土が湿っているのにしおれている場合は、水切れではなく「根腐れ」や「病気」の可能性が高いです。その状態でさらにお水をあげてしまうと、とどめを刺すことになりかねないので、まずは指を土に突っ込んで湿り具合を確認するクセをつけましょうね。
根詰まりのサインと適切な鉢サイズでの植え替え

「毎日お水をあげているのに、すぐに土が乾いてしまう」「鉢の底から根っこがうじゃうじゃ出ている」……。そんな症状が見られたら、それは間違いなく根詰まりです。マックスマムの成長力は私たちの想像を遥かに超えています。3.5号くらいの苗を一株植えただけで、数ヶ月後には直径何十センチという巨大な株に育ちますから、その分、土の中にある根っこも凄まじい勢いで増え続けています。鉢の中で根っこが行き場を失い、サークル状に回ってしまう「サークリング現象」が起きると、土の隙間がなくなってしまい、水や酸素を保持できなくなります。これが原因で吸水障害が起き、結果として「枯れた」ような見た目になってしまうんです。
開発元であるサントリーフラワーズさんの公式情報でも、マックスマムの本来の魅力を引き出すには8号(直径24cm)以上、できれば10号(直径30cm)以上の大きな鉢への植え付けが強く推奨されています。もし今、小さめの鉢で育てているのなら、一回り大きな鉢に植え替えるだけで、見違えるように元気を取り戻すはずですよ。植え替えの際は、根鉢を少し崩してあげると新しい根が出やすくなりますが、あまりにパンパンな場合は無理にほぐさず、優しく大きな鉢へ移してあげてくださいね。特に秋や春の適期に植え替えを行うのがスムーズですが、根詰まりで死にそうな場合は時期を問わず緊急避難的に植え替えてあげましょう。土は水はけの良い草花用培養土を使えばOKです。
| 鉢のサイズ | 推奨される環境 | メリット | 枯れるリスク |
|---|---|---|---|
| 6号(18cm) | 栽培初期のみ | 場所を取らない | 極めて高い(すぐに根詰まりする) |
| 8号(24cm) | ベランダ栽培 | 管理のしやすさ | 中程度(夏場の水切れに注意) |
| 10号(30cm) | 庭・広い場所 | 最高のボリューム感 | 低い(保水力・保肥力が高い) |
肥料切れによる下葉の黄化と適切な追肥の方法

マックスマムの葉っぱが下の方から黄色くなって、触るとポロポロと落ちてしまう……。これは病気ではなく、深刻な肥料切れ、特に窒素不足のサインである可能性が高いです。マックスマムは「食べ盛り」の植物だと思ってください。凄まじい勢いで茎を伸ばし、次々と花芽を形成するため、土の中の栄養分をあっという間に使い果たしてしまいます。窒素は植物の体を作るのに欠かせない栄養素ですが、土の中の窒素がなくなると、植物は古い葉っぱにある窒素を分解して、これから新しく伸びていく新芽や花の方へ移動させてしまいます。その結果、役目を終えた古い葉っぱが黄色くなり、枯れ落ちてしまうんです。これを「転流」と呼びますが、見た目的には「下から枯れてきた!」と焦る原因になりますね。
これを防ぐためには、定期的な「追肥」が欠かせません。具体的には、1ヶ月に1回程度の置肥(プロミックなど)に加えて、1週間〜10日に1回くらいのペースで液体肥料(ハイポネックスなど)を水やり代わりに与える「ダブル肥効」が理想的です。「肥料をあげすぎると枯れるのでは?」と心配される方もいますが、マックスマムに関しては、規定量を守っている限り「肥料が足りなくて枯れる」ことの方が多い気がします。もし葉っぱ全体が薄い緑色になってきたら、「お腹が空いたよ!」というサインだと思って、美味しい肥料をたっぷりあげてくださいね。そうすることで、株全体の緑が濃くなり、花数も劇的に増えていきますよ。特に開花期は休まず肥料をあげ続けることが、長期間美しさを保つ秘訣です。
肥料を与える際の注意点
ただし、一つだけ注意してほしいのが、完全に土が乾ききっている時に高濃度の液肥をあげないことです。乾いた根っこに強い肥料が当たると「肥料焼け」を起こして、逆に根を傷めてしまうことがあります。まずは普通のお水で土を湿らせてから肥料をあげるか、規定通りにしっかり薄めたものを使うようにしましょうね。誠実にお世話をすれば、その分だけマックスマムは大きな花で応えてくれます。
茎が黒いのは寒さによるアントシアニンの蓄積

寒い季節や、春先の朝晩が冷え込む時期に、マックスマムの茎や葉っぱに黒い斑点や線、あるいは全体的に紫がかった色が出てくることがあります。「えっ、立ち枯れ病?」「カビが生えたの?」とパニックになってしまう方も多いのですが、実はこれ、病気ではありません。植物が寒さから自分の細胞を守るために作り出すアントシアニンという天然の色素なんです。人間でいうところの「厚着」をしているような状態ですね。特に「夕焼けレッド」や「朝焼けオレンジ」といった暖色系の品種は、遺伝的にこのアントシアニンが出やすい傾向にあります。葉脈に沿って黒ずんだり、茎の表面がすすけたようになったりするので、一見すると不気味に見えるかもしれませんが、これは植物が生きようとしている証拠なんです。
この黒っぽい変色は、気温が上がって暖かくなってくれば、嘘のように消えて元の綺麗な緑色に戻ります。ですので、農薬を撒いたり、黒い部分を切り落としたりする必要は全くありません。むしろ、「頑張って冬を乗り越えようとしているんだな」と応援してあげてほしいポイントです。もし「どうしても見た目が気になる……」という場合は、夜間だけ不織布を被せてあげたり、暖かい場所に移動させてあげたりすると、アントシアニンの発生を抑えることができますよ。こうした植物の生理現象を知っておくだけで、ガーデニングの不安はグッと減りますよね。病気との最大の見分け方は、その部分が「硬いかどうか」です。アントシアニンなら茎はしっかりしていますが、病気ならブヨブヨと柔らかくなっているはずですよ。
根元が茶色くなるのは病気ではなく木質化の証拠

マックスマムを長く育てていると、株元の茎がだんだんと茶色く、カサカサした感じになってきて、まるで木の枝のように硬くなっていくことがあります。初めて見た方は「根元から枯れてきた!」と驚かれるのですが、これは木質化(もくしつか)という、植物が大きく重くなった自分を支えるために物理的な強度を高める立派な成長プロセスなんです。草花が「木」のように変化していくことで、雨や風にも負けない丈夫な株になっていきます。ですので、この茶色い部分は枯れているわけではなく、現役バリバリで株を支え、栄養を運ぶパイプとして機能しています。リグニンという成分が蓄積されることで、茎が強化されている状態なんですね。
ただし、木質化した部分からは新しい芽が出にくいという特徴があります。そのため、お手入れをせずに放っておくと、上の方だけ葉っぱがあって下の方はスカスカ……という「ヤシの木」のような姿になってしまうことも。これを防ぐためには、後ほど詳しく解説する「切り戻し」が重要になってきます。木質化自体は健全に育っている証拠ですので、安心してくださいね。もし、その茶色い部分を爪で少し引っ掻いてみて、中が緑色ならバッチリ生きています。逆に中まで茶色くてカサカサで、ポキッと簡単に折れてしまうようであれば、それは本当に枯れているサインなので、早めに対処しましょう。木質化が進んだ株は、それだけ歴史がある「主」のような存在。大切にメンテナンスしていきましょう。
立ち枯れ病などの病害と不可逆的な枯死の判別

さて、ここまで「枯れたように見えるけれど大丈夫なケース」を解説してきましたが、中には本当に注意しなければならない「死に至る病」も存在します。その代表格が立ち枯れ病です。これは糸状菌(カビ)や細菌が土の中から根や茎に侵入し、植物の導管を詰まらせてしまう病気です。症状の特徴は、昨日まで元気だった株が、突然全体的にしおれてしまうこと。水切れと似ていますが、決定的な違いは「水をあげても全く回復しない」ことです。導管が詰まっているので、いくら土が湿っていても、上の方までお水を届けることができないんですね。これは植物にとっての「血管詰まり」のようなもので、非常に深刻です。
また、地際(土に近い部分)の茎をよく見てみると、茶色く腐ったようになっていたり、白いカビのようなものが付着していたりすることもあります。ひどい場合には、新芽を軽く引っ張るだけでスルッと抜けてしまうことも……。こうなってしまうと、残念ながら現代の園芸技術でも復活させることはほぼ不可能です。そのままにしておくと他の鉢や土にも病原菌が広がってしまうため、残念ですが株ごと抜き取って、土と一緒に処分するのが一番の解決策になります。立ち枯れ病を防ぐには、清潔な新しい土を使い、水はけを良くすることが何よりの予防になります。もし「これって病気かな?」と迷ったときは、お近くの園芸店や専門家に実物を見せて相談することをおすすめします。早期発見が、他の植物を守る鍵になります。
立ち枯れ病と水切れの見分け方チェックリスト
- 水切れ:夕方や朝に水をあげれば数時間でシャキッと元に戻る。
- 立ち枯れ病:土が濡れているのにしおれたままで、数日経っても回復しない。
- 水切れ:葉っぱ全体が柔らかくなっているが、茎の芯はしっかりしている。
- 立ち枯れ病:茎の根元が茶色くドロドロに腐っている、または不快な臭いがする。
- 立ち枯れ病:特定の枝だけが急激にしおれ始め、それが株全体に広がる。
マックスマムが枯れた状態から復活させる再生の手順
もしマックスマムが「ヤシの木状態」になったり、形が崩れて半分枯れかかったような姿になってしまっても、まだ諦めないでください!マックスマムの生命力は本当に凄まじいので、正しい「手術(ケア)」を施してあげれば、驚くほどの若返りを見せてくれます。ここでは、そのための具体的なステップを詳しく解説しますね。続きを出力してください。
夏越しに失敗しないための切り戻しと遮光のコツ

マックスマムにとって、日本の夏はまさに「命がけ」の季節です。本来、カナリア諸島などの涼しく乾燥した地域をルーツに持つマーガレットの血を引いているため、日本の独特な「高温多湿」には滅法弱いんです。特に大株に育ったマックスマムは、葉が密集しすぎて株の中の風通しが最悪の状態になりがち。この状態で梅雨の長雨や真夏の猛暑を迎えると、株の内部で熱がこもり、蒸れて一気に枯死してしまう「夏枯れ」を引き起こします。これを防ぐために絶対に行ってほしいのが、梅雨入り前の切り戻しです。
目安としては、5月下旬から6月の初旬、まだ本格的な暑さが来る前に株全体の3分の1から半分くらいの高さまでバッサリと切り戻します。これには二つの大きなメリットがあります。一つは、葉の数を減らすことで物理的に風の通り道を確保し、蒸れを解消すること。もう一つは、蒸散(葉から水が逃げること)の量を抑え、暑さで弱った根っこの負担を軽くしてあげることです。切るのをためらっていると、8月頃に突然全体が茶色くなって手遅れになることが多いので、ここは勇気を持ってハサミを入れましょうね。
真夏の環境作りと遮光の重要性
切り戻しをした後も、環境管理は重要です。特に西日の当たる場所は、夕方の気温を異常に上昇させ、鉢の中の土を「お湯」のように熱くしてしまいます。できれば午前中だけ日が当たり、午後は日陰になるような涼しい場所へ鉢を移動させてあげてください。地植えなどで動かせない場合は、市販の遮光ネットを活用するのが賢い選択です。遮光率50%程度のネットを株の上に張るだけで、葉の表面温度が数度下がり、マックスマムの生存率は劇的に向上しますよ。水やりも、朝の6時か7時くらいの涼しい時間帯、あるいは日が沈んでから行い、日中の「お湯やり」にならないよう細心の注意を払ってあげましょう。
夏場に株が弱っているときは、肥料は一旦ストップしましょう。弱った胃腸に脂っこい食事は厳禁なのと同じで、植物も体力が落ちている時に肥料を吸わされると、さらに根を傷めてしまうからです。秋に涼しくなって新芽が動き出すのをじっと待ちましょうね。
冬越しの注意点と霜による凍結から守る管理法
マックスマムは比較的寒さに強い方ではありますが、それでも「霜」と「凍結」は最大の敵です。冬の朝、庭の植物がキラキラと凍っている光景は綺麗ですが、マックスマムにとっては細胞が破壊される死の宣告になりかねません。特に最低気温が0℃を下回る予報が出た時は要注意です。植物の細胞内にある水分が凍ると、体積が膨張して細胞壁を突き破ってしまいます。翌朝、日が当たって解けた時には、茎や葉がドロドロに黒くなって枯れてしまう……。これが凍結による枯死のメカニズムです。
成功の秘訣は、早めの防寒対策です。最低気温が5℃を下回るようになったら、夜間だけは軒下や玄関などの霜が直接当たらない場所に避難させてあげてください。大きな鉢で動かせない場合は、不織布を二重に巻いてあげたり、株元にバークチップなどでマルチングをして地温を保ってあげるだけでも、生存率はぐっと高まります。冬越しをしている間のマックスマムは「休眠」に近い状態ですので、夏の頃のような華やかな成長は期待せず、じっと春を待つ忍耐の時期だと思って接してあげてくださいね。
冬の「乾かし気味」管理が根を救う
冬場の水やりは、夏場とは正反対の考え方が必要です。冬は気温が低いため土の中の水がなかなか乾きません。それなのに夏と同じ頻度でお水をあげ続けてしまうと、土の中が常にキンキンに冷えた水浸しの状態になり、根っこが冷えて腐ってしまう「根腐れ」を招きます。冬の水やりは、土の表面が白っぽく乾き、さらに1〜2日待ってからあげるくらいで丁度いいんです。午前中の暖かい時間帯にあげることで、夜になるまでに余分な水分が落ち着き、夜間の凍結リスクを減らすことができますよ。
もし冬の間に葉っぱが黒っぽくなっても、茎がしっかりしていれば大丈夫。それは前述した「アントシアニン」による防御反応です。暖かくなれば綺麗な緑に戻るので、慌てて切り捨てたりしないでくださいね。
切り戻しで失敗しないための葉を残す黄金ルール

マックスマムを復活させようとして切り戻したのに、そのまま芽が出ずに枯れてしまった……。この失敗の原因は、ほぼ間違いなく「丸坊主」にしてしまったことにあります。植物が新芽を出すためには、光合成で作られた莫大なエネルギーが必要です。切り戻しという「大手術」をした直後、そのエネルギーを供給するための「工場」である葉っぱをすべて切り落としてしまうと、植物は自力で新しい芽を押し出すことができず、そのまま餓死するように枯れてしまいます。これが、切り戻しにおける最大の失敗パターンです。
そこで守ってほしいのが、「必ず緑の葉を数枚残してカットする」という黄金ルールです。どんなに形が悪くなっていても、茎の下の方に数枚、緑色の元気な葉っぱがついている場所があるはずです。その葉っぱを太陽光を受け取る「ソーラーパネル」として機能させることで、切り口のすぐ下にある眠っている芽(腋芽)にエネルギーが送られ、再び力強く吹き出してくるんです。特に木質化した茶色い茎の部分には、芽を出す力がほとんど残っていないので、そこまで深く切り詰めすぎないように注意しましょう。
頂芽優勢と植物ホルモンの働き
切り戻しをすると新芽が出てくるのには、植物ホルモンの「オーキシン」が深く関わっています。植物は一番先端の芽(頂芽)が成長を優先し、脇の芽の成長を抑える「頂芽優勢」という性質を持っています。切り戻しによってこの頂芽を取り除いてあげると、ホルモンの流れが変わり、今まで眠っていた脇の芽が一斉に動き出すんです。この仕組みを理解して適切にハサミを入れれば、ひょろひょろだった株も驚くほどこんもりとした美しい姿に再生させることができますよ。ハサミは必ずライターの火やアルコールで消毒してから使い、切り口からの病原菌侵入を防ぐ気遣いも忘れないでくださいね。
復活のための水やり制限とアフターケアの基本

切り戻しを終えたマックスマムは、いわば「リハビリ期間」に入っています。ここで一番大切なのは、過保護になりすぎないこと、特に水やりをグッと控えることです。切り戻しによって葉っぱの数が劇的に減った株は、水分を外に出す「蒸散」の能力も大幅に落ちています。それなのに「早く元気になってほしいから」とお水をたっぷりあげてしまうと、鉢の中がいつまでも乾かず、根っこが酸欠を起こして腐ってしまうんです。復活させようとして逆にトドメを刺してしまう、一番悲しいパターンですね。
この時期の水やりは、土の表面だけでなく、実際に指を土に少し入れてみて、中まで乾いているかを確認してからにしましょう。「ちょっと乾きすぎかな?」と心配になるくらいで丁度いいんです。また、置き場所も重要です。切り戻し直後のデリケートな時期は、強すぎる直射日光は避け、明るい日陰で風通しの良い場所に置いてあげてください。新芽が出てくるまでは、肥料も我慢です。体力が回復していない状態で肥料を与えても吸い上げることができず、かえって土の中の環境を悪化させてしまうからです。
新芽を確認してからのステップアップ
切り戻しから1週間、10日と経つと、切り口のすぐ下から小さな緑色のポッチが見えてくるはずです。これが待ちに待った新芽です!この新芽が2〜3cm伸びてきたら、いよいよリハビリ完了の合図。少しずつ日当たりの良い場所へ戻し、お水も通常の頻度に戻していきます。このタイミングで、規定より少し薄めにした液体肥料を与え始めると、新芽の伸びがグッと加速しますよ。一度失敗したからといって諦めないでください。マックスマムの再生能力を信じて、誠実に、でも少しだけ「放置気味」に見守ってあげることが、復活への最短ルートなんです。
リハビリ中に、株元に枯れ葉が落ちていたらこまめに取り除きましょう。弱った株はカビ病(灰色かび病など)にかかりやすいため、清潔に保つことが最大の防御になります。
育て方の基本を見直して来年も大株を咲かせる
マックスマムとの生活を長く、そして華やかに楽しむための秘訣は、結局のところ「基本に忠実であること」に尽きます。爆速で成長するマックスマムにとって、窮屈な鉢、足りない栄養、放置された伸びすぎた枝はすべてストレスの原因になり、最終的には「枯れた」という結果に繋がってしまいます。もし今年うまく育てられなかったとしても、それはマックスマムの性質をまだ理解しきれていなかっただけのこと。来年こそは満開の花束のような姿を楽しむために、3つの黄金サイクルを再確認しておきましょう。
まずは、何と言っても「大きな鉢(10号)」です。土の量は植物の胃袋のようなもの。胃袋が大きければ、水も肥料もしっかり蓄えることができ、ちょっとした管理ミスにも耐えられる強靭な株になります。次に「圧倒的な肥料」。マックスマムは花を咲かせるアスリートです。置肥と液肥の併用で、常にエネルギーを供給してあげてください。そして最後に「適切な切り戻し」。季節の変わり目にリセットをかけることで、株が若返り、翌年はさらにボリュームアップした姿を見せてくれます。
観察することの楽しさと達成感
ガーデニングで一番大切なのは、毎日ちょっとだけ葉っぱや土の様子を見てあげることです。「今日は葉っぱが少し上を向いているな」「土が乾くのが早くなったな」といった小さな変化に気づけるようになると、マックスマム栽培はもっともっと楽しくなります。もし病気や害虫を見つけても、早めに気づけばいくらでも対処できます。この記事が、マックスマムが枯れたというお悩みを持つあなたの助けになり、来年の春には庭中が素晴らしい花で溢れるきっかけになれば、My Garden 編集部としてこれ以上の喜びはありません。個別のトラブルや薬剤の判断に迷ったときは、無理せず公式サイトを確認したり、園芸店さんなどの専門家に相談してみてくださいね。あなたのガーデニングライフを、心から応援しています!
マックスマムが枯れたときの対処法まとめ
最後に、この記事の内容をもう一度おさらいして、マックスマムを救うためのチェックポイントを確認しましょう。一つひとつは難しいことではありません。植物の声に耳を傾けて、適切なタイミングで手を差し伸べてあげてくださいね。
この記事の要点まとめ
- 日中の急なしおれは蒸散過多による一時的な水切れであることが多い
- 鉢底から根が出ている場合は深刻な根詰まりのサインなので10号鉢へ植え替える
- 下葉の黄化は窒素不足のサインなので液肥と置肥をセットで与える
- 冬の茎の黒ずみは病気ではなく寒さから身を守るアントシアニンによる生理反応
- 根元の茶色い硬質化は株を物理的に支えるための正常な木質化現象
- 水を与えても数日しおれたまま回復しない場合は立ち枯れ病を疑う
- 立ち枯れ病の疑いがある株は二次感染を防ぐため早急に土ごと処分する
- 梅雨前の大胆な切り戻しが夏場の蒸れによる枯死を防ぐ最大のポイント
- 夏場は西日を避けた半日陰へ移動させ鉢内の地温上昇を徹底的に避ける
- 冬場は最低気温5度を目安に霜に当てない軒下や室内で管理する
- 切り戻しを行う際はエネルギー源となる緑の葉を必ず数枚残すのが鉄則
- 強剪定をした後の水やりは控えめにし根腐れという二次災害を防ぐ
- アントシアニンによる変色には農薬は不要で気温の上昇を待てば解決する
- ハサミは常に清潔なものを使用して切り口からの病原菌感染をブロックする
- 困ったときは公式サイトの最新情報や専門家の診断を仰ぐのが確実
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