こんにちは。My Garden 編集部です。
クリスマスの時期にお部屋を華やかに彩ってくれるポインセチアですが、シーズンが終わった後にどう管理すればいいのか悩むことはありませんか。特にポインセチアの剪定時期については、インターネット上で検索すると丸坊主や失敗などの不安になる言葉並んでいて、どこまで切っていいのか迷ってしまう方も多いはずです。実は私も最初はハサミを入れるのが怖くて、結局そのまま枯らしてしまった経験があります。でも安心してください。正しい時期と方法さえ知っていれば、剪定は決して難しい作業ではありません。この記事では、植物のプロではなく私たちと同じ園芸ファンの目線で、失敗しないための具体的な手順やその後の管理について詳しくお話しします。
この記事のポイント
- 剪定を行うべき2つの重要なタイミングとそれぞれの目的
- 「丸坊主」になっても枯れない理由と正しい切り方
- 剪定後の水やりや肥料など回復を早める管理のコツ
- ペットや人の肌を守るための毒性に関する注意点
ポインセチアの剪定時期と切り戻しのコツ

ポインセチアを翌年も美しく咲かせるためには、実は「切り戻し(強剪定)」と「摘心(整枝)」という2つの異なるタイミングでのハサミ入れが必要です。多くの人が「剪定」と聞いてイメージするのは冬の作業だと思いますが、実は初夏に行う2回目の剪定も、クリスマスに立派な赤い苞(ほう)を楽しむためには欠かせません。ここでは、多くの人が悩みやすい具体的な時期や、思い切って切ることの重要性について、私の失敗談も交えながら詳しく解説していきます。カレンダーを用意して、計画を立ててみましょう。
丸坊主にしても失敗ではない理由

「せっかくここまで大きく育った枝を全部切ってしまって、葉っぱが一枚もない状態になっても本当に大丈夫なの?」と、ハサミを持つ手が震えてしまうのは、ポインセチア栽培の初心者が必ず通る道です。私自身、初めて剪定をした時は「これでもう枯れてしまうんじゃないか」と罪悪感すら感じました。まるで愛着のあるペットの毛を刈りすぎてしまったような、取り返しのつかないことをしてしまったような気分になるんですよね。
しかし、結論からはっきりとお伝えします。茎が生きていて根が元気であれば、丸坊主になっても全く問題ありません。むしろ、中途半端に古い葉を残してしまうことの方が、後の成長に悪影響を及ぼすこともあるのです。
植物の生命力「不定芽」の不思議
なぜ葉がなくなっても大丈夫なのでしょうか?それは、ポインセチアをはじめとする樹木や低木が持つ、驚くべき生命維持システムのおかげです。ポインセチアの茎には、肉眼では見えにくいですが「不定芽(ふていが)」や「潜伏芽(せんぷくが)」と呼ばれる、隠れた芽の赤ちゃんが無数に眠っています。
これらは普段、葉が茂っている状態では「今は出番じゃないな」と休眠していますが、剪定によって頂点の成長点が失われると、植物体内でホルモンバランスが劇的に変化します。「緊急事態だ!光合成をするために新しい葉を急いで出さなきゃ!」というスイッチが入り、眠っていた芽が一斉に活動を開始するのです。
つまり、1月から3月頃に行う「切り戻し」で葉が完全になくなったとしても、それは植物にとって「死」ではありません。むしろ、冬の間に弱ってしまった古い葉を維持するために使っていたエネルギーを一度リセットし、春の暖かさと共にフレッシュで若々しい新芽を出すための「充電期間」に入るようなものです。このメカニズムを理解すると、剪定が怖い作業ではなく、植物をリフレッシュさせるためのポジティブなケアだと感じられるようになります。
ここがポイント
葉がなくなることを「失敗」と思わないでください。むしろ、疲れ切った古い葉をリセットして、新しい元気な枝を出すための「必要な準備」であり、植物への愛情表現だと捉えましょう。
茎が生きているかどうかの見極め方

それでも「本当に生きているのか不安」という方は、剪定する予定の茎をよく観察してみてください。表面が茶色く木質化(木のようになっている状態)していても、爪で少しだけ表皮を削ってみたり、切った断面を見てみたりしてください。そこに瑞々しい「緑色」の層が見えれば、その枝は水分を含んで元気に生きています。
逆に、枝の中までカラカラに乾いて茶色くなっている場合や、シワシワになってスカスカしている場合は、残念ながらその枝は枯れています。そういった枝は根元から切り落としてしまって構いません。丸坊主にした後に枯れてしまう原因の多くは、剪定そのもの(葉がない状態)ではなく、その後の「水のやりすぎ」や「寒さ」などの管理不足にあることがほとんどです。正しい管理さえ行えば、桜が散り始める頃やゴールデンウィーク頃には、ぷっくりとした可愛い新芽が顔を出してくれますよ。
枯れるのを防ぐ剪定後の管理
剪定直後のポインセチアは、人間で言えば大手術を受けた後のような、非常にデリケートな状態です。葉を失ったことで、光合成をしてエネルギーを作り出す能力が一時的に低下していますし、体内の水分バランスも大きく変化しています。ここで油断して「今まで通り」のお世話をしてしまうと、あっという間に体調を崩して枯れてしまいます。剪定後の生存率を劇的に高めるための管理テクニックを詳しくご紹介します。
温度管理は「過保護」なくらいが丁度いい

まず最も注意したいのが温度管理です。ポインセチアはメキシコなどの中南米が原産の植物なので、本能的に日本の冬の寒さは大の苦手です。特に、葉を落として丸坊主になった状態では、寒さに対する抵抗力がさらに弱まっています。
剪定を行った後は、必ず10℃以上の暖かい室内で管理してあげてください。「玄関で大丈夫かな」と思いがちですが、日本の冬の玄関は夜間に5℃以下になることも珍しくありません。5℃を下回ると、ポインセチアは深刻なダメージを受け、そのまま枯死してしまうリスクが高まります。
できれば人が生活しているリビングなどが理想的です。ただし、暖房の風が直接当たる場所は極度の乾燥を招き、芽吹く力を奪ってしまうのでNGです。私は、日中はレースのカーテン越しに日光が当たる窓辺に置き、夜間は窓際から部屋の中央や高い位置(冷気は床に溜まるため)に移動させています。さらに寒い夜は、鉢ごと発泡スチロールの箱に入れたり、ダンボール箱を被せたりして、冷気から守る工夫をしています。この「夜間の移動」が、冬越し成功の大きな分かれ道になります。
水やりは「我慢」が成功の鍵
次に水やりですが、ここが最大の落とし穴です。葉がついている時は、葉の裏にある気孔から水分を蒸発させる「蒸散(じょうさん)」が活発に行われているため、土の水分も比較的早く消費されます。しかし、剪定によって葉がなくなると、この蒸散活動がほぼゼロになります。つまり、植物全体の水分消費量が劇的に減るのです。
この状態で、今までと同じペース(例えば3日に1回など)で水を与え続けるとどうなるでしょうか?土の中は常に水浸しの状態になり、新鮮な酸素が入ってこなくなります。根も呼吸をしているため、水で隙間が埋まると窒息してしまい、腐ってしまう「根腐れ」を引き起こし、枯れてしまうのです。
剪定後は、「土の表面が乾いてから数日待ってから水やりをする」くらい慎重で構いません。土の表面が白っぽくなり、鉢を持ち上げた時に「軽いな」と感じるまで待ちましょう。そして水を与える時は、暖かい午前中に、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与え、受け皿の水は必ず捨てます。「乾かし気味」に管理することで、根が水分を求めて伸びようとする力を引き出すことができます。
注意点
「葉がないから早く元気になってほしい」といって、肥料や活力剤を与えるのは絶対にNGです。休眠期や弱っている時期に肥料を与えると、根が栄養分を吸収できず、逆に「肥料焼け」を起こして根を傷める原因になります。肥料は新芽が出てくるまで我慢しましょう。
どこを切るか迷わない位置の目安
いざハサミを持ってポインセチアの前に立つと、「具体的にどこを切ればいいの?」「切りすぎて取り返しがつかなくなったらどうしよう」と迷ってしまいますよね。1月から3月の「切り戻し」では、恐る恐る少しだけ切るのではなく、思い切ったカットが必要です。ここでは、失敗しない剪定位置の決め方をステップバイステップで解説します。
高さを決める「1/3〜1/2」の法則

剪定の高さの目安としては、株全体の高さの3分の1から半分程度を残してバッサリと切ります。例えば、鉢底からの高さが40cmある株なら、下から15cm〜20cmくらいの高さを残して、上部は全て切り落とします。
「そんなに切っていいの?」と思われるかもしれませんが、ポインセチアは頂点に近い芽ほど強く伸びる性質があります。高い位置で浅く剪定すると、上の方からばかり新芽が出てしまい、下のほうがスカスカのバランスの悪い樹形になってしまいます。低く切り戻すことで、重心が低く安定した、こんもりとした美しい株姿を作ることができます。また、古くなった木質の枝から新しい枝を更新することで、株全体の若返りを図る効果もあります。
「節(ふし)」を見つけてその上で切る

高さを決めたら、次は切る位置の微調整です。茎をよく観察すると、葉が生えていた痕跡(葉痕)や、少し膨らんでいる部分が見つかるはずです。これが「節(ふし)」です。新芽はこの節の部分から出てきます。
切る位置は、地際(土の表面)から数えて、2〜3個の節を残した場所です。そして、ここが非常に重要なのですが、必ず節の約1cm〜2cmくらい上で切るようにしてください。節ギリギリで切ってしまうと、切り口が乾燥して枯れ込んだ時に、大切な節(芽)までダメージを受けてしまう可能性があるからです。この「枯れ込み代(しろ)」を残しておくのが、プロの技です。
使う道具と心の準備
剪定に使うハサミは、工作用のものではなく、できれば園芸用の剪定バサミを用意しましょう。そして、使う前には必ず清潔にしてください。錆びたハサミや切れ味の悪いハサミを使うと、切り口の組織が潰れてしまい、そこから雑菌が入って病気の原因になります。私はいつも、作業前にアルコール除菌シートでハサミの刃を拭くか、ライターの火で軽く炙って消毒するようにしています。
緑の葉がついている枝を切るのは、何度やっても勇気がいります。しかし、これは植物を傷つける行為ではなく、来年のための「メンテナンス」です。「今までありがとう、また春に会おうね」と声をかけながら、心を鬼にして「散髪」するつもりでカットしましょう。古い枝を整理することで、春からの成長エネルギーを凝縮させることができます。
切り戻しで冬越しを成功させる
切り戻し(強剪定)を行うのに最適な時期は、地域にもよりますが1月から3月です。まだ寒い時期ですが、なぜこの時期に行う必要があるのでしょうか。それには植物生理学的な理由と、栽培サイクルの合理的な理由があります。
剪定を開始するシグナル
この時期に剪定を行う具体的な合図は、クリスマスの時期に赤く色づいていた苞(ほう)がシワシワと縮れてきたり、色が褪せて緑色がかってきたり、あるいは下葉がパラパラと落ち始めた時です。これは植物が「今のシーズンの鑑賞期は終わりましたよ」と教えてくれているサインです。
もし、3月になってもまだ綺麗に咲いている場合はどうすればいいでしょうか?その場合も、心を決めて剪定することをおすすめします。いつまでも花(苞)をつけていると、植物はそちらにエネルギーを使い続けてしまい、次の成長サイクルへの切り替えが遅れてしまうからです。春からの成長期にスタートダッシュを切るためには、早めに休ませてあげることが大切なのです。
休眠と体力温存のメカニズム
この時期に剪定を行う最大のメリットは、株を物理的にコンパクトにして「休眠モード」に入らせることができる点です。葉や枝が多いと、植物はその維持のために呼吸をし、エネルギーを消費し続けます。冬の間、日照時間が短く光合成が十分にできない環境でエネルギーを浪費するのは、植物にとって大きな負担です。
バッサリと切り戻すことで、無駄なエネルギー消費を抑え、根や茎に蓄えられた養分を温存させることができます。いわば「冬眠」させてあげるようなものです。こうして体力を温存した株は、春暖かくなった時の爆発的な成長力が違います。また、株が小さくなることで、暖かい室内の場所を取りにくくなるという、私たち人間側のメリットもありますね。
冬越し成功のための環境づくり
ただし、先ほどもお伝えした通り、丸坊主になったポインセチアは寒さに弱いです。切った後は、日中はカーテン越しの日光が当たる暖かい窓辺に置き、夜間は部屋の中央や高い位置(冷気は下に溜まるため)に移動させるなど、温度変化への配慮が冬越し成功の鍵です。
私は毎年、剪定した鉢をひとまとめにして、夜だけ発泡スチロールの箱に入れたり、不織布で覆ったりしています。少し手間に感じるかもしれませんが、これをやるだけで生存率が段違いになります。春に新芽が出た時の喜びはひとしおですよ。
摘心を行う適切なタイミング

冬の「切り戻し」とは別に、ポインセチア栽培でもう一つ欠かせない重要なイベントがあります。それが、初夏に行う「摘心(てきしん)」、別名「ピンチ」や「整枝」と呼ばれる作業です。この作業の適期は、新芽が勢いよく伸びてくる5月から7月頃です。
頂芽優勢を打破して枝数を増やす
植物には「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」といって、茎の先端にある芽(頂芽)の成長を優先させ、脇にある芽(側芽)の成長を抑えようとする性質があります。これをそのままにしておくと、ポインセチアはひょろひょろと一本調子に上にばかり伸びてしまい、枝分かれの少ない寂しい姿になってしまいます。
そこで、春に伸びてきた新しい枝の先端を、手やハサミで摘み取ります。具体的には、新芽が展開して5〜6枚の葉がついた頃に、先端の芽を摘み取ります。これをすることで、頂芽から出ていた「脇芽を抑えるホルモン(オーキシン)」の流れが止まり、眠っていた脇芽たちが「あ、上がなくなったから僕たちが伸びなきゃ!」と一斉に動き出します。
| 剪定タイプ | 適期 | 主な目的 | 作業のイメージ |
| 切り戻し | 1月〜3月 | 株のリセット・冬越しの体力温存 | 太い枝をバッサリ切る(手術) |
| 摘心(ピンチ) | 5月〜7月 | 枝数を増やして株のボリュームを出す | 新芽の先を摘む(整髪) |
赤い苞の数は枝の数で決まる
ポインセチアの赤い部分は「花」ではなく「苞(ほう)」と呼ばれる葉の変化したものです。この苞は、各枝の先端につきます。つまり、「枝の数」=「赤い苞の数」ということになります。
摘心を繰り返すことで、1本の枝が2本に、2本が4本にと倍増していきます。こんもりと茂り、クリスマスにたくさんの赤い苞がついた豪華なポインセチアに仕立てるためには、この摘心作業が魔法のような効果を発揮します。お店で売られているようなボリュームのある株は、生産者さんが何度もこの摘心を行っているからこそ実現できているのです。
摘心の期限は「夏」まで
摘心は何度か繰り返すことができますが、重要なタイムリミットがあります。それは30℃を超える真夏になる前、遅くとも8月上旬までには終わらせることです。
ポインセチアは暑すぎると成長が鈍化する性質があります。また、秋になると「花芽分化(かがぶんか)」といって、葉を赤くするための準備期間に入ります。この時期にまだ剪定をしていると、花芽がつかなくなってしまい、「クリスマスになっても緑のまま」という悲しい結果になりかねません。梅雨明け前くらいを目安に、最後の摘心を終えるのが理想的なスケジュールです。
ポインセチアの剪定時期ごとの栽培管理
剪定はあくまでスタート地点です。切った後のポインセチアが元気に回復し、立派に育つかどうかは、その後の土の環境づくりや日々の細やかなケアにかかっています。剪定という「外科手術」の後に必要な、リハビリテーションとも言える日々の管理について、土の選び方から水やりのコツまで深掘りしていきます。
植え替えも同時に行うメリット
ポインセチアを同じ鉢で1年以上育てていると、鉢の中は根でパンパンの状態、いわゆる「根詰まり」を起こしやすくなります。購入した時のプラスチック鉢のまま育てている方も多いかもしれませんが、それでは根が十分に呼吸できず、成長が頭打ちになってしまいます。根詰まりを起こすと、水はけが悪くなるだけでなく、酸素不足で根が弱り、下葉が黄色くなって落ちる原因になります。そこで、成長期である5月〜6月頃に、一回り大きな鉢への植え替えをおすすめします。
剪定と植え替えのゴールデンコンビ
実はこの5月〜6月という時期、先ほど紹介した「摘心」や「整枝」のタイミングと重なります。プロの生産者や熟練のガーデナーの間では、剪定と植え替えをセットで行うことが強く推奨されています。
なぜなら、地上部(枝葉)を剪定してコンパクトにすることで、植物が必要とする水分や栄養の量が減り、根への負担が一時的に軽くなるからです。このタイミングで地下部(根)も古い土を落とし、傷んだ根を取り除いて新しい土に入れ替えてあげることで、植物全体のリフレッシュが可能になります。この「地上部と地下部のダブルリフレッシュ」を行うことで、夏から秋にかけての成長スピードと株の勢いが格段に上がります。人間で言えば、散髪をしてさっぱりした後に、新しい服に着替えるような清々しさがあるのかもしれませんね。
失敗しない植え替えの手順

植え替えの手順は以下の通りです。難しく考えずに、工作感覚でやってみましょう。
- 水やりを控える: 植え替えの数日前から水を控え、土を少し乾かしておくと、鉢から抜きやすくなります。
- 鉢から抜く: 茎の根元を優しく持ち、鉢の縁を叩きながらゆっくりと引き抜きます。根がびっしりと回っている場合は、底の根を少しほぐしてあげましょう。
- 根の整理: 黒ずんで腐っている根や、長すぎる根があれば清潔なハサミで切り取ります。白い元気な根は大切に残してください。
- 新しい鉢へ: 一回り大きな鉢(直径が3cmほど大きいもの)を用意し、底に鉢底石を敷いて水はけを確保します。
- 土を入れる: 新しい用土を入れて植え付けます。隙間ができないように、割り箸などで土をつつきながら入れるのがコツです。
鉢のサイズ選びの注意点
「すぐに大きくなるから」といって、いきなり巨大な鉢に植え替えるのはNGです。土の量が多すぎると、根が吸い上げきれずに土が常に湿った状態になり、根腐れの原因になります。必ず「一回り大きいサイズ」を選びましょう。
理想的な用土の配合
ポインセチアは過湿を嫌いますが、成長期にはたくさんの水を欲しがるという、少しわがままな性質を持っています。そのため、用土には「水はけの良さ(排水性)」と「ある程度の水持ち(保水性)」の両方が求められます。
市販の「観葉植物の土」を使えば手軽で間違いありませんが、もし自分でブレンドするなら、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合をベースにするのが基本です。私はこれに、水はけをさらに良くするためにパーライトや鹿沼土を1割ほど混ぜたり、根腐れ防止剤(ゼオライトなど)を鉢底に入れたりしています。また、土壌改良材として腐植資材を少し混ぜると、土の中に良い微生物が増えて根張りが抜群によくなりますよ。ふかふかで空気を含んだ土を用意してあげましょう。
水やりと葉水で乾燥を防ぐ方法
剪定後の水やりは、これまで以上に「メリハリ」が重要です。繰り返しになりますが、葉が少ない状態では土が乾きにくいのです。「毎日あげるのが愛情」と思っていると、それは逆効果になってしまいます。ここでは、枯らさないためのプロ級の水やりテクニックを伝授します。
「指チェッカー」で土の状態を確認
水やりのタイミングを見極める一番確実な方法は、高価な水分計ではなく、自分の「指」を使うことです。土の表面を見るだけでなく、指の第一関節(約2〜3cm)くらいまでズボッと土に差し込んでみてください。
表面は乾いているように見えても、中はまだ湿っていることがよくあります。指先に少しでも湿り気や冷たさを感じたら、水やりはまだ早いです。「まだお腹空いてないよ」というサインですね。完全に乾いて指に土がつかず、サラサラになっているのを確認してから、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。この「乾いた・濡れた」のサイクルを明確に作ることで、根が水を求めて伸びようとする力が強まります。
受け皿の水は「即・廃棄」が鉄則
水やりをした後、鉢の受け皿に溜まった水はどうしていますか?「あとで植物が吸うかも」と思ってそのままにしているなら、今すぐ捨ててください。受け皿に水が溜まっていると、鉢の中の空気が遮断され、根が呼吸できなくなります。また、湿気がこもってカビの原因にもなります。
特に剪定後の弱っている時期にこれをやると、致命的な根腐れに直結します。面倒でも毎回必ず捨てる癖をつけましょう。これだけで生存率が大きく変わります。
葉水(はみず)の効果とやり方
そして、根への水やりと同じくらいおすすめしたいのが「葉水(はみず)」です。霧吹きで茎や残った葉、これから出る新芽にシュッシュッと水をかける作業のことです。ポインセチアは本来、湿度の高い環境を好む植物です。
葉水には、葉や茎からの水分の蒸発(乾燥)を防ぐだけでなく、乾燥を好む「ハダニ」などの害虫の発生を抑制する効果もあります。ハダニがつくと葉の色が抜け、最悪の場合枯れてしまいます。
特に冬場の室内は暖房で砂漠のように乾燥しているので、1日1回、朝や昼間の暖かい時間帯に葉水をしてあげると、株が生き生きとします。丸坊主の状態でも、茎の表面から水分を吸収したり、乾燥から芽を守ったりする効果があるので、ぜひ毎日のルーティンに取り入れてみてください。植物に「おはよう」と声をかけながら霧吹きをする時間は、案外癒やされるものですよ。
育て方で重要な肥料の与え方
剪定後の新芽を元気に育て、青々とした葉を展開させるためには、適切な栄養補給が不可欠です。しかし、肥料はあげる時期と種類を間違えると、薬ではなく毒になってしまいます。肥料を与えるべき期間は、植物が活発に生育する5月から10月の間です。
休眠期と成長期の使い分け
まず鉄則として、冬の間(休眠期)や、剪定直後のまだ新芽が動いていない時期は、肥料を一切与えません。これは、人間で言えば風邪を引いて寝込んでいる時に、無理やり脂っこいステーキを食べさせるようなものです。根が養分を吸収できず、土の中の肥料濃度が高まって根の水分を奪う「肥料焼け」を起こしてしまいます。
暖かくなって新芽が動き出し、葉が数枚開いてきたら肥料のスタート合図です。最初は薄めの液体肥料から始め、徐々に規定量の肥料へと移行します。
肥料のタイプと選び方
ポインセチアの肥料には、大きく分けて2つのタイプがあります。
| 種類 | 特徴 | おすすめの使い方 |
| 緩効性肥料(固形) | 土の上に置くタイプ。成分がゆっくり溶け出し、効果が1〜2ヶ月続く。 | ベースの栄養として、2ヶ月に1回(5月・7月・9月)与える。管理が楽。 |
| 液体肥料(速効性) | 水で薄めて使うタイプ。即効性があるが、効果は長続きしない。 | 成長をブーストさせたい時や、葉色を良くしたい時に、1〜2週間に1回水やり代わりに与える。 |
私は、基本的には固形の「緩効性肥料」を置き肥し、成長が著しい時期だけ液体肥料を併用しています。これで十分元気に育ちます。
葉の色を良くする「マグネシウム」の秘密
もし育てている途中で、下の葉が黄色くなったり、葉脈の間だけ色が薄くなったりしたら、栄養不足のサインかもしれません。特にポインセチアは「マグネシウム」不足になりやすい傾向があります。マグネシウムは葉緑素(クロロフィル)を作るための中心的な成分です。
そんな時は、マグネシウムが強化された肥料や、植物用のミネラル材(活力剤)を使ってみてください。嘘のように濃い緑色の葉が復活します。鮮やかな緑の葉があってこそ、冬の赤い苞が映えるのです。
猫などのペットに対する毒性対策

ここで一つ、園芸を楽しむ上で絶対に知っておかなければならない、とても重要な注意点があります。ポインセチアの剪定をした際、切り口から白い乳液のようなネバネバした樹液が出ますよね。実はこれには「フォルボール」などのジテルペンエステル類という有毒成分が含まれています。
皮膚への影響と対処法
この樹液は刺激性が強く、人間の皮膚につくと、体質によっては赤く腫れたり、激しいかゆみを伴う「かぶれ(接触性皮膚炎)」を引き起こすことがあります。私も以前、うっかり素手で作業をしてしまい、指先がピリピリとかゆくなった経験があります。慌てて洗いましたが、不快感はしばらく続きました。
剪定作業をする際は、必ず園芸用のゴム手袋などを着用することをおすすめします。もし誤って樹液が手や顔に付いてしまった場合は、こすらずにすぐに流水と石鹸で十分に洗い流してください。衣服につくと黒ずんでシミになり、洗濯しても落ちにくいので、汚れても良い服装やエプロンを着用すると安心です。
ペットがいるご家庭での厳重な管理
さらに注意が必要なのが、犬や猫などのペットがいるご家庭です。好奇心旺盛なペットが、ヒラヒラと落ちてくる葉にじゃれついたり、床に落ちた剪定枝を誤って食べてしまったりする事故が報告されています。
ペットへの危険性
ワンちゃんや猫ちゃんがポインセチアの葉や茎を摂取すると、口腔内の激しい痛み、嘔吐、下痢、よだれが止まらなくなる、皮膚のただれなどの中毒症状を引き起こす危険があります。大量に摂取した場合は命に関わる可能性もゼロではありません。最悪の事態を避けるためにも、以下の対策を徹底してください。
- 剪定作業はペットが入ってこられない部屋、または屋外で行う。
- 切った枝や葉は床に放置せず、すぐにビニール袋に入れて密閉し、廃棄する。
- 剪定後の鉢の置き場所も、ペットが絶対に届かない高い場所や、入れない部屋を選ぶ。
万が一、ペットがポインセチアを食べてしまった疑いがある場合は、様子を見ずに直ちに動物病院へ連絡してください。「いつ」「どのくらいの量を」食べたかを伝えると、獣医師の判断がスムーズになります。美しい植物ですが、家族であるペットを守るための配慮も忘れないでくださいね。
ポインセチアの剪定時期を逃さないで
ポインセチアの剪定について、時期や方法、その後の管理まで長期的にお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。「難しそう」から「私にもできそう」に変わっていればとても嬉しいです。
ポインセチアの剪定は、一見すると大切に育てた植物を傷つけているようで、ハサミを入れる瞬間は心が痛むかもしれません。枝を切り落とし、葉をなくしてしまう行為に、最初は誰もが躊躇します。でも、それは植物をいじめているのではなく、来年の冬にまた最高のパフォーマンスを発揮してもらうための「未来への投資」であり、植物の健康を願う「親心」そのものです。
1月〜3月の「切り戻し」でリセットしてゆっくり休ませてあげて、5月〜7月の「摘心」で枝数を増やして形を整えてあげる。このサイクルさえ守れば、ポインセチアは驚くほど丈夫に育ち、毎年私たちの目を楽しませてくれます。
「丸坊主」になることを恐れずに、ぜひチャレンジしてみてくださいね。あなたが手をかけた分だけ、次のクリスマスにはきっと、お店で売っているものよりもずっと愛おしい、鮮やかな真っ赤な苞で応えてくれるはずですよ。さあ、ハサミを消毒して、ポインセチアとの新しい一年を始めましょう!
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