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カレンデュラハーブティーの作り方!自家製や美味しい飲み方を紹介

カレンデュラ ハーブティー 作り方 黄金色に輝く淹れたてのカレンデュラハーブティーと鮮やかなオレンジ色の生花 カレンデュラ
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こんにちは。My Garden 編集部です。

鮮やかなオレンジ色が美しいカレンデュラですが、実はお店で買うだけでなく、自宅で育てて自分だけの特別なハーブティーが作れるのをご存知でしたか。種から育てた愛着のある花を収穫し、フレッシュな生花で楽しんだり、保存用に丁寧に乾燥させたりと、そのプロセス自体がとても豊かな時間になります。ただ、いざ作るとなると美味しい入れ方のコツや、期待できる効果、そして妊娠中の安全性など、気になる点もいくつかあるかと思います。今回は、私が実際に試して感動したレシピや注意点を交えながら、初心者の方にも分かりやすく解説していきますね。

この記事のポイント

  • 基本の美味しい入れ方と失敗しないコツ
  • 収穫から乾燥まで行う自家製の手順
  • 目的に合わせた効果的なブレンドレシピ
  • 妊娠中の摂取に関する重要な注意点
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基本となるカレンデュラハーブティーの作り方

カレンデュラの持つパワーを余すところなく引き出すためには、単にお湯を注ぐだけでなく、植物の特性に合わせたちょっとしたコツが必要です。ここでは、私が普段実践している、香りも成分もしっかり楽しめる基本的なメソッドを、その科学的な理由とともに詳しくご紹介します。

 収穫から乾燥まで行う自家製の手順

自分で育てたカレンデュラをハーブティーにするなら、最も大切なのは「収穫のタイミング」と「乾燥プロセス」です。この二つを丁寧に行うかどうかで、完成したティーの色、香り、そして薬効成分の量が劇的に変わります。市販品では味わえない、最高品質のティーを作るための秘訣を余すところなくお伝えします。

朝一番の収穫が重要な理由

カレンデュラ ハーブティー 作り方 カレンデュラハーブティー作りのため朝一番に満開の花を収穫する様子

まず収穫ですが、私は必ず晴れた日の午前中、朝露が完全に乾いた直後(午前9時から10時頃)に行うようにしています。これには明確な植物生理学的な理由があります。植物は夜間に呼吸を行い、日中の強い日差しから身を守るために、午前中の間に「精油」や「抗酸化成分」などのフィトケミカルを花の部分に集める性質があるからです。午後になり気温が上昇すると、これらの揮発性成分が空気中に蒸発してしまったり、根の方へ戻り始めたりするため、午前中こそが成分が最も凝縮された「ゴールデンタイム」なのです。

摘み取る際は、まだ開いていない硬い蕾や、咲き終わって勢いのない花は避け、完全に開ききった元気な花だけを厳選します。指で触れた時に少し「ベタつく」ような感触があれば、それは有効成分である樹脂(レジン)や油分が豊富に含まれている証拠です。ハサミを使わずとも、指でガクの下をつまんで軽くひねるだけで簡単にポロリと採れる感覚も、自家栽培ならではの楽しみですね。

失敗しない乾燥の鉄則

次に、品質を決定づける「乾燥」の工程です。カレンデュラの花弁は他のハーブに比べて水分が多く肉厚であるため、適当に干すと中心部が乾ききらずにカビが生えたり、酵素反応で茶色く変色したりしてしまいます。美しい黄金色を残すためには、以下のステップを遵守してください。

失敗しないプロ級の乾燥ステップ

カレンデュラ ハーブティー 作り方 カレンデュラの花弁とガクを分解して乾燥させる自家製ハーブティーの工程

  • ステップ1:予備乾燥(1〜2日目)
    収穫した花は水洗いしません。水洗いをすると乾燥に時間がかかりすぎてカビの原因になるからです。どうしても気になる汚れや虫だけ筆などで払い、ガクが付いたままの状態でザルやドライネットに並べ、風通しの良い日陰で乾かします。いきなり花弁をバラすと、切り口から細胞液が出て変色の原因になるため、まずは「姿干し」で水分を少し抜くのがプロのコツです。
  • ステップ2:分解・選別(3日目〜)
    全体がクタッとして半乾きになり、花弁の水分が抜けてきたら、ガクから花弁(ペタル)だけを丁寧に引き抜きます。このひと手間で、雑味のないクリアな味になります。この時、花粉も一緒に取れますが、気にせず混ぜてしまって大丈夫です。
  • ステップ3:本乾燥(〜完成)
    分解した花弁を重ならないようにキッチンペーパーやネットの上に広げ、さらに5〜7日間、徹底的に陰干しします。指で触れると「パリッ」と音がして崩れるくらい(クリスピー状態)になるまで乾燥させれば完成です。

カレンデュラ ハーブティー 作り方 直射日光を避け日陰でカラカラになるまで乾燥させたカレンデュラの花弁

ここで最も重要な注意点は、絶対に直射日光に当てないことです。紫外線はカレンデュラの命である鮮やかなオレンジ色(カロテノイド色素)を分解し、白っぽく退色させてしまいます。退色はすなわち、抗酸化成分が失われたことを意味します。私はいつも、室内の直射日光が入らない風通しの良い場所で、サーキュレーターの風を弱く当てながら乾燥させています。しっかり乾燥させたら、シリカゲル(乾燥剤)と一緒に密閉瓶に入れ、冷暗所で保管しましょう。これで一年中、自家製の味を楽しめますよ。

 生花を使ったフレッシュティーの入れ方

乾燥ハーブも素晴らしいですが、開花時期だけの贅沢である「フレッシュハーブティー」もまた格別です。乾燥させるとどうしても失われてしまう揮発性の繊細な香り成分や、水分を含んだ植物の生き生きとしたエネルギー(プラナとも呼ばれますね)をそのまま頂くことができます。ただし、生花を使う場合はドライハーブとは「水分量」が決定的に異なるため、分量の調節が最大のポイントになります。

ドライとは異なる分量の黄金比

カレンデュラ ハーブティー 作り方 フレッシュカレンデュラハーブティーを作るための生花の大盛り分量目安

目安としては、ティーカップ1杯(約200ml)に対して、生花を大さじ山盛り1〜2杯ほど使います。ドライハーブは水分が抜けて嵩(かさ)が減っているため、フレッシュの場合はその約3倍の量が必要だと思ってください。「ちょっと多いかな?」と思うくらいの量をポットに入れるのが、薄味にならず美味しく淹れるコツです。フレッシュハーブティーで「味が薄い、お湯っぽい」と感じる失敗の多くは、単に茶葉の量が足りていないことが原因です。

細胞壁を壊して成分を引き出す

入れ方にも私なりのこだわりがあります。花を丸ごとポットに入れてお湯を注ぐと、お湯の中で花が再び開く様子(ブルーミング)が見られてとても美しいのですが、成分の抽出効率を考えると、私は「花弁をちぎって入れる」ことを強くおすすめします。植物の細胞壁は非常に丈夫なので、そのままではお湯が浸透しにくいのです。指で花弁をちぎり、細胞壁を物理的に少し壊してあげることで、細胞内の有効成分や香りがお湯に溶け出しやすくなります。

お湯を注ぐと、乾燥させたものとは違う、少し青々とした「草の香り(Green note)」がふわりと立ち上ります。これは植物が生きている証拠であり、ドライのような「乾いた日向の匂い」とは全く別物です。味もドライより瑞々しく、エグみのないまろやかな甘みを感じることが多いですね。耐熱ガラスのティーポットを使えば、鮮やかなオレンジ色がゆらゆらとお湯の中で踊る様子も楽しめて、視覚的なカラーセラピー効果も抜群ですよ。来客時に出せば、その美しさに歓声が上がること間違いなしです。

 効能を引き出す温度と蒸らし時間のコツ

「せっかく飲むなら、美容や健康に良い成分をしっかり摂りたい」と思いますよね。カレンデュラティーを単なる飲み物としてではなく、フィトテラピー(植物療法)の一環として活用するためには、お湯の温度と時間の管理が科学的にも重要になります。成分によって溶け出しやすい温度や時間が異なるからです。

なぜ100℃の熱湯が必要なのか

カレンデュラ ハーブティー 作り方 成分を抽出するためにカレンデュラの花弁に沸騰直後の熱湯を注ぐ様子

まずお湯の温度ですが、必ず沸騰直後の98℃〜100℃を使ってください。繊細なハーブティーの中には、レモンバームなどのように少し冷ましたお湯が良いものもありますが、カレンデュラに関しては高温が必須です。なぜなら、乾燥したカレンデュラの花弁は組織が緻密で、硬い細胞壁を壊し中心部までお湯を浸透させるには、高い熱エネルギー(運動エネルギー)が必要だからです。ぬるいお湯だと、表面の色素が出ただけで満足してしまいがちですが、肝心の抗炎症成分や粘液質が花弁の中に残ったままになってしまいます。

目的別:蒸らし時間の使い分けメソッド

次に蒸らし時間ですが、これも「何を求めるか」によって意図的に使い分けるのが「通」の楽しみ方です。

目的 蒸らし時間 特徴と抽出メカニズム
リラックス・風味重視 5〜7分 この時間帯では、主に香り成分(精油)や軽い水溶性成分(一部のフラボノイド)が抽出されます。苦味が少なく、カレンデュラ特有の優しい日向のような香りを純粋に楽しみたい時に最適です。クセがないので食事中のお茶としても向いています。
薬効・粘膜ケア重視 10〜15分 時間をかけることで、分子量の大きい多糖類である「粘液質(Mucilage)」がゆっくりと溶け出してきます。お茶にとろみがつき、このとろみが喉や胃の粘膜を物理的に覆って保護します。同時に苦味成分も出るため味が濃くなりますが、喉の痛みや胃炎のケアにはこの「濃いめ」が効果的です。

そして忘れてはいけないのが、「必ず蓋をして蒸らす」こと。蓋をしないと、お湯の温度がすぐに下がって抽出効率が落ちるだけでなく、蒸気と一緒に大切な香り成分(揮発性成分)が空気中に逃げてしまいます。私はティーコジー(保温カバー)を使って、温度をキープしながらじっくり待つ時間を、自分へのご褒美タイムにしています。蓋を開けた瞬間に立ち上る蒸気を吸い込む(蒸気吸入)のも、鼻や喉のケアに良いのでおすすめですよ。

 花弁とガクで変わる味の違いと選び方

「自分で育てたカレンデュラでお茶を作ったら、なんだか苦くて薬っぽくて飲みにくい…」という経験をしたことはありませんか?その原因、実はお湯の量や蒸らし時間ではなく、花の根元にある緑色の「ガク(萼)」をそのまま使っていることにある場合が多いんです。

ガクに含まれる成分と味への影響

カレンデュラの花の構造をよく観察してみてください。鮮やかなオレンジ色の花弁の下に、それを支える緑色のカップ状の部分(ガク)があります。植物学的に、この部分は花を外敵や紫外線から守る役割を果たしているため、苦味成分や樹脂、タンニンなどが多く含まれています。市販のハーブティーにも、花ごと乾燥させた「ホールタイプ」と、花弁だけを選別した「ペタルタイプ」がありますが、それぞれに向き不向きがあります。

部位による味のプロファイルと選び方

カレンデュラ ハーブティー 作り方 カレンデュラハーブティーの味を変える花弁のみとガク付きホールの比較

【花弁(ペタル)のみ】

クセがなく、ほのかな甘みを感じる上品でマイルドな味わいです。色が鮮やかに出やすく、苦味がほとんどないため、初心者の方やハーブティーの独特な味が苦手な方、子供には断然こちらがおすすめです。見た目もオレンジ一色で非常に美しいのが特徴です。

【ガク付き(ホール)】

野性味あふれる「アーシー(土っぽい)」な風味と、しっかりとした苦味(ビター感)があります。しかし、この苦味の正体であるサポニンや苦味質には、強い抗菌作用や抗炎症作用が含まれていることも多いため、ヨーロッパの伝統的な植物療法では「良薬口に苦し」として、薬効を重視する場合にあえてガク付き(全頭花)を用いることが一般的です。

私は、普段のリラックスタイムやブレンドのベースとして使う時は「花弁のみ」を使い、風邪気味で喉が痛い時や、胃腸の調子を整えたい時など、明確な目的がある時には、少し我慢してでも効果を期待して「ガク付き」を使う、というように使い分けています。自分で収穫するからこそできる、贅沢な「成分調整」ですよね。もしガク付きで淹れて「苦すぎる」と感じたら、すぐに捨てずに、お湯で少し薄めるか蜂蜜を加えてみてください。

 蜂蜜やレモンを加えた美味しい飲み方

カレンデュラティーは、基本的には「干し草のような日向の香り」と表現される、とても穏やかで主張の少ない味が特徴です。ミントのような清涼感や、ローズヒップやハイビスカスのような酸味はないため、刺激的な味に慣れている人にとっては「少し物足りない」「ぼんやりした味」と感じるかもしれません。そんな時におすすめなのが、成分の相性を考えた「足し算」のアレンジです。

最強のパートナー「蜂蜜」の相乗効果

カレンデュラ ハーブティー 作り方 カレンデュラハーブティーに蜂蜜を加えて喉ケア効果を高めるアレンジ

私の一押しであり、世界中で愛されている王道のアレンジは「蜂蜜(ハチミツ)」との組み合わせです。これには単に甘くするという味の理由だけでなく、機能的な理由もあります。蜂蜜、特にマヌカハニーなどの酵素活性が高い蜂蜜には、強力な殺菌・保湿作用があります。これがカレンデュラの持つ抗炎症作用や粘膜修復作用と合わさることで、乾燥してイガイガする喉や、咳、口内炎のケアには最強の「相乗効果(シナジー)」を発揮するのです。黄金色の温かいティーにとろりとした蜂蜜を溶かすと、コクと甘みが加わり、喉を優しくコーティングしてくれる感覚が得られます。

レモンで変わる味の化学変化

また、「ガク付きを使って苦味がどうしても気になる」という方には、レモン果汁を数滴垂らすのが魔法の解決策です。酸味が加わることで味がキュッと引き締まり、苦味がマスクされて驚くほど飲みやすくなります。化学的な反応で水色が少し明るくなるのも見ていて楽しいポイントです。

ホットはもちろんですが、夏場には濃いめに抽出したカレンデュラティーを氷たっぷりのグラスに注ぎ、レモンスライスを浮かべてアイスティーにするのも最高にお洒落で美味しいですよ。カレンデュラはタンニンが少ないため、冷やしても「クリームダウン(白く濁る現象)」が起きにくく、クリアで美しいオレンジ色を長時間保てます。ガーデンパーティーのウェルカムドリンクとしても喜ばれること間違いなしです。

 苗の育て方からこだわる原材料の質

「美味しい料理は良い素材から」と言われるように、最高の一杯のカレンデュラティーを作るための出発点は、やはり「栽培環境」にあります。カレンデュラは生命力が強く、プランターでも道端でも育つほど適応力の高い植物ですが、薬用植物としての「質(有効成分の含有量)」を高めるには、原産地の環境に近づける配慮が必要です。

成分を濃くする「冷涼な気候」の秘密

実はカレンデュラは、日本の蒸し暑い夏があまり得意ではありません。原産地である地中海沿岸のような、日当たりが良く、かつ風通しの良い乾燥気味の気候を好みます。特に重要なのが「温度」です。北海道のような冷涼な地域で育ったカレンデュラは、ゆっくりと時間をかけて成長するため、花の色が濃く、有効成分であるカロテノイドやフラボノイドがたっぷりと蓄積される傾向があります。私が以前、北海道のハーブ農園を訪れた際に飲んだカレンデュラティーは、その濃厚な色と香りに衝撃を受けたのを覚えています。「植物は過酷な環境でこそ薬効を高める」というハーブの原則ですね。

自宅栽培の3つのポイント

自宅で育てる場合、以下の3点を意識するだけで、ティーにした時の味が格段に変わります。

  • 1. 日照確保(Full Sun): カロテノイドの合成には太陽光が不可欠です。半日以上は直射日光が当たる場所に置きましょう。日照不足だと花の色が薄くなり、薬効も低下します。
  • 2. 水やり控えめ(Dry Side): カレンデュラは「濡れた足(Wet feet)」を嫌います。常に土が湿っていると根が弱り、ひょろひょろと徒長してしまいます。土の表面が白く乾いてからたっぷりとあげる「メリハリ」が大切です。
  • 3. 有機栽培(Organic): これが最も重要です。花弁を直接お湯に入れて成分を抽出して飲むわけですから、浸透移行性のある殺虫剤(オルトランなど)や化学肥料の使用は絶対に避けるべきです。自分で育てれば、どのような土や肥料を使ったか全て把握できる「完全なトレーサビリティ」が確保できるのが、自家製ハーブティー最大のメリットです。

応用して楽しむカレンデュラハーブティーの作り方

基本の入れ方をマスターして、カレンデュラの素朴な味わいを楽しめるようになったら、次はもう一歩進んでみましょう。カレンデュラは「万能ハーブ」と呼ばれる通り、他のハーブとの協調性が高く、ブレンドすることでより明確な目的を持った「機能性ティー」へと進化します。また、飲む以外にも「皮膚のガードマン」としての実力を発揮する使い道がたくさんあります。

 風邪や胃痛に効く効果的なブレンド

体調が優れない時、すぐに薬に頼る前に、ハーブの力を借りて自己治癒力をサポートしてみるのも一つの賢い選択肢です。カレンデュラをベース(主剤)として、具体的な症状に合わせたハーブ(佐剤)を組み合わせることで、より頼もしい味方になります。ここでは私が実践している鉄板のブレンドレシピをご紹介します。

【The Immunity Shield】風邪のひき始め・感染予防に
カレンデュラ ハーブティー 作り方 風邪予防ブレンドに使われるカレンデュラとエルダーフラワーとミント

レシピ: カレンデュラ(1) + エルダーフラワー(1) + ペパーミント(0.5)

解説: ヨーロッパで「インフルエンザの特効薬」とも称されるエルダーフラワーの発汗・利尿作用と、カレンデュラのリンパ系への働きかけ(リンパドレナージュ)が、体内の毒素排出(デトックス)を強力に促します。さらにペパーミントのメントール成分が、鼻詰まりや頭の重さをスッキリさせてくれます。寒気がする時や、「あ、風邪かな?」と思った瞬間に熱いお湯で淹れて飲み、温かくして寝るのが一番の対処法です。

【The Soothing Digest】胃痛・胃もたれ・消化不良に

レシピ: カレンデュラ(1) + レモングラス(1) + ジンジャー(少量)

解説: ストレスや食べ過ぎで胃が弱っている時に最適な、胃腸いたわりブレンドです。カレンデュラに含まれる粘液質が荒れた胃粘膜を物理的に保護し、レモングラスのシトラール成分が胃の蠕動運動を適度に刺激して消化を助けます。ここにジンジャー(生姜)を加えることでお腹の中からポカポカと温まり、内臓の血流も良くなります。食後に飲むと、胃がすっと軽くなるのを感じられるはずです。レモングラスの爽やかさで、カレンデュラの土っぽい味が中和され飲みやすくなるのもポイントです。

 妊娠中は禁忌?知っておくべき副作用

ハーブは「自然のものだから誰にでも安全」「副作用がない」と思われがちですが、それは大きな誤解です。植物には独自の化学成分が含まれており、それが薬効にもなれば、状況によっては毒にもなり得ます。特にカレンデュラに関しては、妊娠中の方の使用について、明確な禁忌情報が存在します。ここは非常に重要なポイントですので、ご自身だけでなく、ご家族や友人のためにも必ず正しい知識を持っておいてください。

妊娠中の内服が危険な理由

多くの植物療法や毒性学の文献において、妊娠中のカレンデュラの「内服(ハーブティーとしての飲用)」は避けるべきと強く警告されています。その理由は、カレンデュラには「通経作用(Emmenagogue)」と呼ばれる作用があるからです。これは簡単に言うと、骨盤内の血流を増やし、生理を促したり、子宮の平滑筋を刺激して収縮させる働きのことです。

通常時であれば、この作用は生理不順の改善やPMS(月経前症候群)の緩和に役立ちますが、妊娠中においては全く別の意味を持ちます。子宮が収縮することは、最悪の場合、流産や早産のリスクを高める可能性があるのです。「少しくらいなら大丈夫」と自己判断せず、妊娠中は飲用を控えるのが賢明な判断です。

キク科アレルギーにも注意

カレンデュラはキク科の植物です。ブタクサ、ヨモギ、カモミール、アキノキリンソウなどにアレルギー(花粉症など)をお持ちの方は、交差反応(Cross-reactivity)によってアレルギー症状が出る可能性が高いです。摂取後に皮膚の発疹、喉の痒み、呼吸器の違和感などを感じた場合は直ちに使用を中止してください。

また、授乳中の飲用については、安全性を示す十分なデータも、逆に危険性を示す確実なデータも不足しているのが現状です。乳頭の亀裂ケア(外用)としてカレンデュラオイルなどを使用することは一般的ですが、内服に関しては自己判断せず、必ず専門医のアドバイスを仰いでください。以下の公的なデータベースも参考になります。

(出典:National Library of Medicine『Drugs and Lactation Database (LactMed)』)

 入浴剤や料理にも使える出がらし活用法

ハーブティーを淹れた後の「出がらし」、そのままゴミ箱に捨てていませんか?実は、抽出後の茶葉にも、お湯に溶け出しきれなかった脂溶性の成分(カロテノイドの一部など)や繊維質がまだまだ残っています。これを最後まで使い切るのが、ハーブを愛する私の流儀であり、植物への敬意でもあります。

肌を潤すハーバルバス

一番のおすすめ活用法は「ハーバルバス(入浴剤)」です。出がらしを木綿の袋や不織布のお茶パックにまとめて入れ(1回分だと少ないので、数回分を冷凍保存しておくと便利です)、湯船にポンと浮かべるだけ。お湯の中で袋を優しく揉むと、残っていたカレンデュラのエキスが溶け出し、お湯が柔らかくなります。古くから肌荒れや湿疹の民間療法として使われてきたカレンデュラ風呂は、乾燥して痒みが出やすい季節の肌ケアにぴったりです。ほのかな香りにも癒やされますし、何より「捨てずに使い切った」という満足感が心地よいバスタイムを演出してくれます。

食卓を彩るカレンデュラライス

カレンデュラ ハーブティー 作り方 ハーブティーの出がらし活用で作った鮮やかな黄色のカレンデュラライス

また、意外かもしれませんが「料理」への活用も面白いんです。特に「カレンデュラライス」は見た目も華やかでおすすめ。抽出したハーブティー液(浸出液)を水の代わりに使ってご飯を炊くだけです。カレンデュラの色素が米に移り、まるでサフランライスのような美しい黄色のライスが炊き上がります。味はほとんど変わりませんが、ほんのりとしたハーブの香りが、カレーやチキン料理などの洋食メニューと相性抜群です。出がらしの花弁そのものを刻んで、クッキーやスコーンの生地に混ぜ込んで焼くのも、無駄がなくて素敵なアイデアですね。花弁は加熱しても色が残りやすいので、焼き菓子に彩りを添えてくれます。

 美肌効果を高めるおすすめのレシピ

「飲む美容液」としてカレンデュラを活用したいなら、単体で飲むよりも、相性の良い「美肌ハーブ」と組み合わせることで、その効果をブーストさせましょう。私が特に紫外線が強くなる5月頃から夏にかけて、あるいは肌の疲れやくすみを感じた時に意識して飲んでいるのが、ビタミンの爆弾と呼ばれる「ローズヒップ」とのブレンドです。

【The Skin Glow】内側から輝くビューティーブレンド

レシピ: カレンデュラ(1) + ローズヒップ(1) + ヒース(1)

美白の三銃士による補完関係

このブレンドの素晴らしい点は、成分の「補完関係」にあります。まず、カレンデュラが持つカロテノイド(ルテインなど)やフラボノイドが、紫外線ダメージによる皮膚の炎症を抑えようと働きます。そこに、ローズヒップに豊富に含まれる天然のビタミンCが加わることで、コラーゲンの生成を助け、メラニンの生成を抑制するサポートをします。さらに「ヒース(エリカ)」というハーブにはアルブチンという美白成分が含まれており、まさに「美白の三銃士」とも言える組み合わせなのです。

味の面でも、ローズヒップの強い酸味が加わることで、カレンデュラの少しぼんやりした味がフルーティーで爽やかな風味に変わり、とても飲みやすくなります。酸味が苦手な方は、ここに少し蜂蜜を加えるだけで、極上の美容ドリンクになりますよ。毎日のスキンケアと同じように、内側からのケアとして続けてみてください。

 毎日飲めるカレンデュラハーブティーの作り方

ここまで、カレンデュラハーブティーの作り方から、その背景にある科学的なメカニズム、そして応用テクニックまで、かなり深く掘り下げてご紹介してきました。長文にお付き合いいただきありがとうございます。

カレンデュラは、ローズやジャスミンのような華やかな香りもなければ、ミントのような強烈な清涼感もありません。しかし、そのカップに注がれた黄金色の液体を飲むと、体の芯からじんわりと温まり、なんとなく守られているような、深い安心感を与えてくれる不思議な力を持った植物です。それはきっと、何世紀にもわたって人々がこの花に「太陽の力」を見出し、大切に利用してきた歴史の積み重ねがあるからかもしれません。

作り方は難しく考える必要はありません。大切なポイントは以下の3つだけです。

  1. 沸騰したての熱いお湯を使って、成分をしっかり叩き起こすこと。
  2. 蓋をして、成分が出るまでじっくり蒸らし、香りを逃さないこと。
  3. そして何より、植物の恵みに感謝して、ゆったりとした気持ちで飲むこと。

朝一番の目覚めの一杯として、あるいは夜寝る前のリセットタイムのお供として。体調に合わせてシングルで飲んだり、気分転換にブレンドを楽しんだりと、ぜひ毎日の生活の中にこの「太陽のハーブ」を取り入れてみてください。その黄金色の一杯が、きっとあなたの心と体の優しいサポーターになってくれるはずです。

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