こんにちは、My Garden 編集部です。
冬のギフトとして人気急上昇中のプリンセチアですが、大切な人に贈る前にその意味をしっかり知っておきたいですよね。特にプリンセチアの花言葉に怖い意味が含まれていないか、あるいは由来や誕生花の日付がいつなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。また、よく似ているポインセチアとの違いや、ピンク色の可愛らしい見た目を長く保つための育て方についても知っておくと安心です。この記事では、そんな皆様の疑問を解消し、自信を持ってプレゼントできるような情報をお届けします。
この記事のポイント
- プリンセチアのメインの花言葉は心温まる思いやりであること
- ギフトとして贈る際に心配される怖い意味は一切ないこと
- ポインセチアとの違いやピンクリボン運動との深い関わり
- 翌年も美しい色を楽しむための剪定や短日処理の方法
プリンセチアの花言葉は思いやり

冬の寒さが厳しくなる季節、ピンク色の華やかな姿で私たちの心を癒やしてくれるプリンセチア。その愛らしい見た目だけでなく、込められたメッセージも非常に魅力的です。ここでは、プリンセチアが持つ花言葉の意味やその背景にあるストーリー、そしてよく比較されるポインセチアとの違いについて詳しく紐解いていきましょう。
プリンセチアの花言葉は怖い?

インターネットで植物の花言葉を検索していると、時として美しい花に似つかわしくない「裏切り」「死」「呪い」といったネガティブなキーワードが表示され、ドキッとした経験がある方も多いのではないでしょうか。特に贈り物として選ぶ場合、相手に誤解を与えてしまわないか、失礼に当たらないかと心配になるのは当然の心理です。「プリンセチア 花言葉」と検索した際にも、サジェスト機能で「怖い」という言葉が出てくることがあり、不安を感じている方もいるかもしれません。
結論から明確にお伝えしますと、プリンセチアに「怖い」花言葉や、不幸を連想させるネガティブな意味は一切存在しません。
では、なぜこのような「怖い」という誤解が生まれてしまうのでしょうか。これには大きく分けて2つの理由が考えられます。
1. 親品種「ポインセチア」の伝説との混同
プリンセチアの親であるポインセチアには、原産地メキシコのアステカ文明に伝わる伝説があります。それは「報われない恋に心を痛めた女神の血が、植物を赤く染めた」という少し悲劇的なストーリーです。また、ポインセチアの赤色はキリストの流した「血」を象徴するとも言われます。これらの血や悲恋のイメージが、見た目の似ているプリンセチアにも投影され、「何か怖い由来があるのではないか」という不安を呼び起こしているようです。
2. 茎から出る樹液の毒性への警戒
トウダイグサ科に属する植物(ポインセチアやプリンセチア含む)は、茎や葉を傷つけると白い乳液状の樹液を出します。この樹液には「ホルボールエステル」などの成分が含まれており、皮膚の弱い方が触れるとかぶれてしまったり、誤って口にすると嘔吐や下痢を引き起こしたりする可能性があります。「毒がある」という事実が、「花言葉も怖いのではないか」「危険な植物なのではないか」という心理的な結びつきを生んでいるのです。
しかし、プリンセチア自体は2009年に日本のサントリーフラワーズによって開発された、現代生まれの新しい品種です。そのため、古代の因習や怨念めいた神話とは無縁です。開発のコンセプトも「飾るだけで空間が華やぐ」「プリンセスのような愛らしさ」といったポジティブなものであり、贈り物としての安全性は極めて高いと言えます。
ここがポイント
プリンセチアは、過去の暗い歴史や怖い伝説とは完全に切り離された「現代の幸せを象徴する植物」です。お見舞いや祝い事、感謝の印として、どんなシーンでも安心して贈ることができます。
名前や花言葉の由来とは

プリンセチアという一度聞いたら忘れられない美しく響き渡る名前、そして「思いやり」という心温まる花言葉は、決して偶然に生まれたものではありません。これらは、品種を生み出した育種家たちの並々ならぬ情熱と、この花を手にするすべての人への願いが込められた結晶なのです。
まず名前の由来についてですが、これは「プリンセス(Princess)」と「ポインセチア(Poinsettia)」を組み合わせて作られた造語です。従来のポインセチアにはなかった、透明感のあるピンク色や、隙間なく葉が密に茂る豪華な草姿が、まるで華やかなドレスを身に纏ったお姫様(プリンセス)のような気品とかわいらしさを兼ね備えていることから名付けられました。店頭で満開のプリンセチアを見ると、そのフリルのようなピンク色の苞(ほう)が幾重にも重なる様子は、まさに見る人の心をときめかせるティアラやドレスの輝きそのものです。
そして、最も重要な花言葉「思いやり」の由来です。
赤色のポインセチアが放つエネルギーは強烈で、情熱的です。それに対し、プリンセチアのピンク色は、見る人のとがった神経を鎮め、穏やかで優しい気持ちにさせる不思議な力を持っています。その柔らかく包み込むようなオーラから、「相手の幸せを静かに願う気持ち」や「大切な人の心に寄り添い労る心」を表現する言葉として「思いやり」が選定されました。
また、開発背景にも「思いやり」の精神が宿っています。従来のポインセチアは「枝が折れやすい」「寒さに弱くすぐ枯れる」といった課題がありました。日本の家庭でもっと手軽に、長く楽しんでもらいたいという育種家たちの「使い手への思いやり」が、丈夫で美しいプリンセチアを誕生させたのです。
(出典:サントリーフラワーズ『プリンセチア』)
ポインセチアの花言葉との違い

「ポインセチアとプリンセチア、植物学的には仲間だけど、ギフトとしての意味はどう違うの?」と、どちらを贈るべきか迷っている方も多いはずです。見た目は似ていても、この2つが持つ花言葉の温度感や、適しているシチュエーションは明確に異なります。それぞれの特徴を深く理解し、相手との関係性によって使い分けることで、あなたの「贈るセンス」は格段にアップします。
| 植物名 | 主な花言葉 | メッセージの雰囲気 | おすすめの贈り先・シーン |
|---|---|---|---|
| プリンセチア | 思いやり | 優しさ、慈愛、穏やかさ、日常的な感謝、励まし、癒やし | 友人、家族、職場の同僚、お見舞い、母の日、自分へのご褒美 |
| ポインセチア | 聖夜、私の心は燃えている、祝福 | 情熱、宗教的歓喜、ロマンチック、祝祭的な高揚感 | 恋人、パートナー、クリスマスパーティー、プロポーズ、教会の装飾 |
表からも読み取れるように、ポインセチアの赤色は「キリストの血」や「燃えるような情熱」を象徴することが多く、クリスマスという特定のイベントや、恋人へ「愛の告白」をするような、いわば「勝負のギフト」として適しています。「私の心は燃えている」という言葉はロマンチックですが、友人や上司に贈るには少々重たく、誤解を招く可能性もゼロではありません。
一方で、プリンセチアの「思いやり」は、もっと日常的で普遍的な人間関係に寄り添うメッセージです。
例えば、いつも仕事を助けてくれる同僚に「ありがとう」と伝えたい時、病気療養中の友人に「ゆっくり休んでね」と伝えたい時、あるいは遠く離れて暮らす両親に「元気でいてね」と伝えたい時。そんな場面で、プリンセチアのピンク色は決して押し付けがましくなく、相手の心にスッと染み渡ります。
「特別な瞬間の愛」ならポインセチア、「持続する穏やかな優しさ」ならプリンセチア。このように覚えておくと、花選びに迷わなくなるはずです。
誕生花の日付はいつ?
大切な人の誕生日に花を贈る際、その日の誕生花だとさらに「あなたのために選んだ」という特別感が増しますよね。プリンセチアは2009年に市場に登場した比較的新しい品種であるため、バラやユリのような古くからある植物のように、366日すべてに細かく日付が割り当てられているわけではありません。
しかし、一般的には親品種であるポインセチアと同じ日付、あるいはその開花時期に合わせて、以下の日付が誕生花として扱われることが多くなっています。
プリンセチア(ポインセチア)の主な誕生花
- 12月9日
- 12月25日
- (広義には11月〜12月の冬の誕生花全般)
特に12月9日は、街がクリスマス色に染まり始め、プリンセチアの株が最も充実して美しく店頭に並ぶ時期と重なります。この日に生まれた方へのプレゼントとしては、季節感も含めてこれ以上ない選択肢と言えるでしょう。もちろん、12月25日のクリスマス当日の誕生花としても有名です。
ただ、私は「誕生花の日付」という枠組みにとらわれすぎる必要はないと考えています。プリンセチアは11月から冬の間、長く楽しめる花です。もし相手の誕生日が上記の日付でなかったとしても、メッセージカードに一言添えるだけで解決します。
「12月生まれのあなたに、冬を彩るプリンセスのような花を選びました。花言葉は『思いやり』です。」
こう伝えれば、日付の整合性など些細なことになり、その心遣い自体が最高のプレゼントとして相手の心に届くはずです。
ピンクリボン運動と花言葉

私がプリンセチアを「単なる美しい花」以上に素晴らしいなと思う理由の一つに、社会貢献活動との深い関わりがあります。実はプリンセチアは、乳がんの早期発見・早期診断・早期治療を啓発する世界的キャンペーン「ピンクリボン運動」を公式に応援している花なのです。
開発元であるサントリーフラワーズは、プリンセチアの売上の一部を「日本乳がんピンクリボン運動(J.POSHピンクリボン基金)」に寄付し続けています。これはつまり、私たちがプリンセチアをギフトとして購入したり、自宅で育てたりすること自体が、間接的に乳がんと闘う患者さんへの支援や、検診受診率向上のための啓発活動に参加していることになるのです。
花言葉の「思いやり」は、目の前の大切な人への個人的な感情だけにとどまりません。「すべての女性が健康で笑顔でいられますように」という、社会全体への「広義の思いやり」としても機能しているのです。10月のピンクリボン月間には、空港や商業施設などでプリンセチアを使った大規模なディスプレイ展示が行われることもあり、ピンク色の花が「命の大切さ」を静かに、しかし力強く訴えかけています。
もし、女性の友人やパートナー、お母様に贈る場合は、このエピソードをぜひ伝えてあげてください。「あなたの健康をずっと願っているよ」というメッセージが、花の美しさと共に、より深く温かいものとして伝わることでしょう。
色別の花言葉や意味はある?

プリンセチアには、デビュー当初のピンクだけでなく、品種改良によって淡いピンクから濃いピンク、白に近いものまで、驚くほど多彩なカラーバリエーションが生まれています。現時点では、バラのように色ごとに厳密に異なる花言葉が公式辞書に登録されているわけではありませんが、それぞれの色が持つ色彩心理や雰囲気に合わせて、独自のメッセージを込めて贈るのが今のトレンドであり、楽しみ方の一つです。
ピンクホワイト(パール系)
真珠のような光沢を持つ、限りなく白に近い淡く繊細なピンクです。この色は「純粋」「無垢」「誠実」「始まり」といった印象を与えます。結婚祝いや出産祝い、あるいは新しい生活を始める方へ、汚れのない純粋な応援の気持ちを伝えたい時にぴったりです。
ホットピンク
目が覚めるような鮮やかで濃いピンク色(ショッキングピンクに近い色合い)です。視覚的なインパクトが強く、見る人に活力や高揚感を与えます。「思いやり」に加えて、「エール」「情熱」「元気を出して」というポジティブなエネルギーを込めたい時、例えば試験前の学生さんや、元気づけたい友人へ贈るのに最適です。
ルージュ
深みのある赤色で、ポインセチアの伝統的な赤を踏襲しつつ、プリンセチア特有の小ぶりで密な花姿を持っています。落ち着いた大人の女性や、クリスマスの伝統的な雰囲気を大切にしつつ、少しモダンで洗練されたセンスを取り入れたい場合に選ばれます。「シックな愛」や「成熟した優しさ」を表現できます。
ロゼマーブル
比較的新しい品種で、ピンクと白が絵画のように混ざり合ったマーブル模様が特徴です。世界に一つとして同じ模様がないことから、「あなたは特別な存在」「唯一無二の個性」というメッセージを込めることができます。
どの色を選んでも、ベースにあるのは揺るぎない「思いやり」の心です。相手の好きな色や、部屋のインテリアの雰囲気、そしてあなたが伝えたいニュアンスに合わせて、一番しっくりくる「ピンク」を選んでみてください。
プリンセチアの花言葉と基本の育て方
せっかく「思いやり」の気持ちを込めて贈ったり、いただいたりしたプリンセチアですから、できるだけ長く、春先まで元気に咲いていてほしいですよね。「すぐに枯らしてしまった…」という悲しい結果にならないよう、ここでは初心者の方でも失敗しないための育て方のポイントを、私の栽培経験も交えながら徹底的に解説します。少しのコツを知っているだけで、持ちの良さが劇的に変わりますよ。
人気の種類と品種の選び方

11月頃になると、園芸店やホームセンターの店頭には色とりどりのプリンセチアがずらりと並び始めます。どれも可愛くて目移りしてしまいますが、長く楽しむためには、品種の色選び以上に「株の健康状態」と「草姿(そうし)」を厳しくチェックすることが重要です。
まず、良質なプリンセチアの条件は、枝数が多く、全体がこんもりとしたドーム型に美しくまとまっていることです。プリンセチアはポインセチアに比べて枝分かれしやすい性質を持っていますが、生産者の技術や店頭での管理状態によって品質に差が出ます。ヒョロヒョロと茎が長く伸びてしまっているもの(徒長しているもの)や、株の下の方の葉が黄色く変色して落ちているものは、日光不足や水切れのストレスを既に受けている可能性が高いため、避けたほうが無難です。
購入時には、以下のポイントをチェックリストとして活用してください。
元気な株を見極めるプロの視点
- 葉(苞)の密度:上から見た時に、用土が見えないくらい葉が隙間なく密についているか?
- 葉の色と張り:下葉まで濃い緑色をしており、ピンとした張りがあるか?
- 病害虫の有無:葉の裏に白い小さな虫(コナジラミなど)がついていないか?
- 株元の清潔さ:土の表面にカビが生えていたり、枯れた葉が落ちたまま腐っていたりしないか?
また、最近では八重咲きのように豪華な「ローザ」や、透明感のある輝きを持つ「クリスタル」、小ぶりでテーブルサイズに特化したものなど、毎年新しい品種が登場しています。通販で品種指名買いをするのも確実ですが、できればお店で実物を手に取り、葉の質感や色の微妙なニュアンスを直接感じて、「この子だ!」と直感で感じる出会いを大切にするのも、園芸の醍醐味の一つかなと思います。
長く楽しむための育て方のコツ
プリンセチアを枯らさずに、春先まで長く楽しむための最大の秘訣は、「水やりのメリハリ」と「日当たりの確保」の2点に集約されます。これさえ守れば、実はそれほど難しい植物ではありません。多くの人が枯らしてしまう原因は、実は「水のやりすぎ」か「寒すぎ」のどちらかなのです。
水やりの黄金ルール:乾くまで待つ勇気

トウダイグサ科の植物は、根が常に水に浸かっている状態(過湿)を非常に嫌います。可愛がりすぎて毎日ちょこちょこと水をあげてしまうと、土の中の空気がなくなり、根が呼吸できずに腐ってしまう「根腐れ」を起こしてしまいます。根腐れすると、水を吸えなくなるため、土が湿っているのに葉がしおれるという現象が起きます。
水やりのタイミングは、「土の表面が白っぽく乾いているのを、指で触って確認してから」です。まだ土が黒っぽく湿っているなら、水やりは我慢してください。そして乾いているのを確認したら、鉢底から水がジャージャー流れ出るくらいたっぷりとあげます。これにより、土の中の古い空気とガスを押し出し、新鮮な酸素を供給することができます。
受け皿の水は「即・捨てる」が鉄則!
鉢底から出た水を受け皿に溜めたままにしておくと、根が水に浸かりっぱなしになり、あっという間に傷んでしまいます。水やり後は必ず受け皿の水を捨ててください。もし鉢が重くて動かせない場合は、スポイトやタオルで吸い取るなどして、とにかく「底を乾かす」ことを意識しましょう。
日当たり:ピンク色を保つエネルギー源
プリンセチアは日光が大好きです。日照不足になると、光合成ができずに株が弱るだけでなく、せっかくの鮮やかなピンク色が徐々に褪せて緑っぽくなったり、黄色くなってパラパラと落ちてしまったりします。日中は、レースのカーテン越しに柔らかな日が当たる窓辺がベストポジションです。ただし、エアコンやファンヒーターの温風が直接当たる場所は、極度の乾燥を引き起こして葉をチリチリに傷めるので、絶対に避けてください。
枯れるのを防ぐ温度管理

プリンセチアの原産地はメキシコなどの中南米で、本来は暖かい地域で育つ植物です。そのため、日本の冬の寒さは正直かなり苦手です。寒さ対策をしっかり行うことが、冬越し成功の鍵となります。「耐寒性はあまりない」と認識しておきましょう。
具体的には、最低でも10℃以上を保つのが理想的です。5℃を下回るような環境に長時間置くと、葉が黒ずんでしおれたり、最悪の場合は枯死してしまいます。ですので、11月〜3月の間は、屋外ではなく必ず室内で管理しましょう。玄関や廊下は暖房がないと外気と同じくらい冷え込むことがあるので、置き場所としては注意が必要です。
特に気をつけたいのが「夜間の窓辺」です。昼間はポカポカと暖かくても、日が沈むと窓際は「放射冷却現象」によって、部屋の中で最も寒い場所、いわば冷蔵庫の中のような状態になります。せっかく昼間日光浴させていても、夜に冷害を受けてしまっては元も子もありません。
夜寝る前には、窓際から部屋の中央やテーブルの上など、冷気から離れた場所に移動させてあげるのが、プリンセチアへの一番の「思いやり」ですよ。もし毎日の移動が面倒な場合は、厚手のカーテンをしっかり閉めるか、鉢の周りを段ボールや発泡スチロールで囲って断熱するのも有効な手段です。
翌年も咲かせる剪定と短日処理
冬が終わり、暖かな春が来ると、色づいていた苞は役目を終えて徐々に緑色に戻ったり、散ったりします。「枯れちゃったのかな?」と心配になるかもしれませんが、これは自然な生理現象です。株自体が生きていれば、適切に管理することで次の冬もまた美しいピンク色を咲かせることができます。ここでは、上級者向けの「翌年も楽しむテクニック」をご紹介します。
1. 切り戻し(剪定)と植え替え
5月〜6月頃、気温が安定して上がってきたら、思い切って枝をカットする「切り戻し」を行います。せっかく伸びた枝を切るのは勇気がいりますが、各枝に緑の葉を数枚残して、株全体の高さが半分〜1/3くらいになるようにバッサリと切り戻しましょう。これによって、植物は刺激を受け、新しい元気な脇芽をたくさん出します。これが翌年のボリュームにつながります。同時に、一回り大きな鉢に新しい培養土で植え替えてあげると、根詰まりを防いでさらに元気に育ちます。
2. 短日処理(たんじつしょり)

さて、ここからが最難関にして最大のポイントです。プリンセチアやポインセチアは「短日植物(たんじつしょくぶつ)」と呼ばれ、日照時間が短くなり、夜が一定以上の長さになったことを感知して初めて花芽を作り、色づき始めます。自然界では秋になると勝手に色づきますが、現代の室内は夜遅くまで照明がついているため、植物が「まだ昼だ」と勘違いしてしまい、いつまでたっても緑色のままになってしまうのです。
そこで行うのが、人工的に夜を作る「短日処理」です。9月上旬頃から約2ヶ月間、毎日欠かさず以下の作業を行います。
- 夕方17時〜翌朝8時頃まで(約13時間以上):ダンボール箱や遮光ネットを株にすっぽりと被せて、完全に光を遮断し「真っ暗な夜」を作ります。
- 朝8時〜夕方17時まで:箱を外して、しっかりと日光に当てて光合成させます。
この作業を毎日、色が完全につくまで繰り返します。わずかでも隙間から街灯や室内の光が入ると、植物が感知して失敗してしまうほどデリケートなので、相当な根気が要ります。しかし、その手間を乗り越えて、自分の手で美しく色づかせた時の感動は言葉にできません。まさに「思いやり」を持って育てた証と言えるでしょう。
プリンセチアの花言葉を贈ろう
ここまで、プリンセチアの持つ深い魅力や、長く楽しむための育て方について詳しくお話ししてきました。最後に、この記事の要点をまとめます。
「思いやり」という花言葉を持つプリンセチアは、クリスマスや誕生日といった特別な日のプレゼントにはもちろん、何気ない日常の中で「ありがとう」や「お疲れ様」を伝えるツールとしても最適です。ネガティブな意味や怖い由来は一切なく、むしろピンクリボン運動を通じて社会貢献にもつながるこの花は、贈る人も贈られる人も温かい気持ちにさせてくれます。
また、誰かへのギフトとしてだけでなく、毎日頑張っている「自分自身へのご褒美」として部屋に飾るのも素敵です。ふと目に入った時に、その優しいピンク色が「自分を労ること(自分への思いやり)」を思い出させてくれるでしょう。植物と暮らす時間は、きっとあなたの心を豊かにしてくれます。
ぜひ今年の冬は、大切な人の笑顔を思い浮かべながら、プリンセチアを選んでみてはいかがでしょうか。
※植物の育成結果は環境により異なります。当記事の情報は一般的な目安であり、全ての環境での成功を保証するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
この記事の要点まとめ
- プリンセチアの花言葉は「思いやり」であり、相手の幸せを願う優しいメッセージを持つ
- 「怖い」意味やネガティブな由来は一切なく、ポインセチアの迷信とは無関係である
- 名前は「プリンセス」と「ポインセチア」を組み合わせた造語である
- ポインセチアの「聖夜」や「情熱」とは異なり、日常的な感謝や励ましに適している
- サントリーフラワーズが開発した日本生まれの品種で、数々の賞を受賞している
- 売上の一部は日本乳がんピンクリボン運動に寄付され、社会貢献につながる
- 誕生花はポインセチアと同じく12月9日や12月25日とされることが多い
- ピンクホワイト、ホットピンク、ルージュなど多彩な色があり、シーンに合わせて選べる
- 寒さに弱いため、冬場は最低でも10℃以上の室内で管理する必要がある
- 水やりは土の表面が白く乾いてからたっぷりと行い、根腐れを防ぐメリハリが重要
- 過湿は厳禁であり、受け皿に溜まった水は必ず捨てる習慣をつける
- 夜間の窓際は冷え込むため、部屋の中央へ移動させるか断熱対策を行う
- 翌年も楽しむためには、5〜6月に切り戻し(剪定)と植え替えを行う
- 再び色づかせるには、9月から約2ヶ月間、ダンボール等で短日処理を行う必要がある
- ギフトとして幅広い相手に贈りやすく、自分への癒やしとしてもおすすめの冬の定番花
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