こんにちは、My Garden 編集部です。
春の陽気が心地よくなると、SNSなどでよく見かけるあの一面の青い世界、ネモフィラ畑に行きたくなりますよね。でも、「有名な場所は人が多すぎて写真に他人が写り込んでしまう」「現地に着くまでの渋滞で子供がぐずって大変だった」「入園料や駐車場代で意外と出費がかさむ」といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。私自身も以前、有名なスポットへ週末に出かけた際、入園ゲートの前で長蛇の列に並び、やっと中に入っても人混みでゆっくり花を見られず、疲れて帰ってきた経験があります。
実は、関東エリア(東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木)には、まだあまり知られていないけれど、絶景を楽しめる「穴場」がたくさん存在します。都心から電車でサクッと行ける公園や、駐車場も入園料も無料で驚くほどコストパフォーマンスが良い場所、さらには愛犬と一緒にリードをつけて散歩ができるペットフレンドリーな施設まで、選択肢は意外と豊富なんです。この記事では、私が実際にリサーチして「これなら推せる!」と感じたスポットを厳選し、混雑回避のコツや独自の楽しみ方と合わせて詳しくご紹介します。あなたにぴったりの「青の絶景」を見つけて、今年の春はストレスフリーな花見を楽しんでみませんか。
この記事のポイント
- 関東エリアで人混みを避けてゆったり鑑賞できるネモフィラの穴場スポットを厳選
- 入園料や駐車場料金が無料で、家族連れのお財布にも優しい高コスパな名所を紹介
- 愛犬との散歩や子供のアスレチックなど、花を見る以外も充実した公園情報の詳細
- 夜間のライトアップや富士山とのコラボレーションなど、写真映えする独自の撮影ポイント
ネモフィラ鑑賞で関東の穴場と無料の絶景

ここでは、知名度はそこまで高くなくても、実際に行ってみると「なんで今まで知らなかったんだろう!」と感動するような、関東エリアの隠れた名所をご紹介します。特に入園料が無料だったり、独自の景観が楽しめたりと、コストパフォーマンスと満足度が非常に高いスポットを中心にピックアップしました。「有名な場所だけが全てではない」ということを、きっと実感していただけるはずです。
駐車場や入園料が無料の「富田さとにわ耕園」

千葉市若葉区にある「富田さとにわ耕園」は、春のフラワーシーズンにおいて私が最も「コスパ最強」だと感じている穴場スポットです。通常、これだけの規模の花畑を維持するには相応の管理費がかかるため、入園料が必要な施設がほとんどですが、ここはなんと入園料も駐車場も完全無料で開放されています。お財布を一切気にせず、広大な敷地で春の花々を心ゆくまで堪能できるのは、家計を預かる身としては本当にありがたいポイントですよね。
ここのネモフィラの魅力は、単体で咲いているだけでなく、「芝桜(シバザクラ)」との見事なコラボレーションが見られる点にあります。約12万株の芝桜が地面を濃いピンク色に染め上げ、その隣にネモフィラの爽やかなスカイブルーが広がる光景は、まるでパッチワークのような美しさです。多くのスポットではどちらか一方だけが植えられていることが多いので、この「ピンク×ブルー」の鮮烈なコントラストは、富田さとにわ耕園ならではの独自の絶景と言えるでしょう。写真撮影をする際も、ローアングルから狙うことで、手前に芝桜、奥にネモフィラという奥行きのある構図を作ることができます。
アクセスに関しては、千葉東金道路「中野IC」から車で約10分と非常に良好ですが、公共交通機関を利用する場合は千葉モノレール「千城台駅」からバスやタクシーを利用する必要があり、少しハードルが高くなります。しかし、逆に言えば「車がないと少し行きにくい」という立地条件が、観光バスなどの団体客や電車利用の一般観光客の流入を自然と抑制しており、結果として適度な混雑具合でゆったりと過ごせる「穴場感」を生み出しているのです。週末でも、有名な観光地のような「人を見に行く」ような状態にはなりにくいため、静かに花を楽しみたい方にはうってつけです。
ペット同伴についての耳寄り情報
さらに特筆すべきは、ペットへの対応が非常に寛容であることです。多くの有料施設では「カートやバッグに入れて顔を出さないように」という制限がある中、ここではリードさえつければ愛犬と一緒に花畑の通路を歩くことができます。地面を歩かせながら、芝桜やネモフィラと同じ目線で愛犬の写真を撮ることができるため、愛犬家の間では密かな人気スポットとなっています。ただし、マナーを守って排泄物の処理などは確実に行いましょう。
周辺にはコンビニなどが少ないため、お弁当や飲み物を持参して、園内のベンチや芝生広場でピクニックを楽しむのがおすすめです。無料施設ゆえに売店などの設備は最低限ですが、その分、自然そのものを純粋に楽しむことができる、とても贅沢な時間が流れています。
富士山と青い花が共演する「コキアの里」

「せっかくネモフィラを見るなら、日本らしい風景と一緒に写真を撮りたい」そんな願いを叶えてくれるのが、神奈川県足柄上郡松田町にある「コキアの里」です。ここは、地元の有志やボランティアの方々が手作りで整備している温かい雰囲気のスポットなのですが、そのロケーションの良さは関東でもトップクラスだと確信しています。なぜなら、ネモフィラ畑の背景に、あの雄大な富士山がそびえ立つという、奇跡のような構図が存在するからです。
園内は松田山の斜面を利用して作られており、約8,000株のネモフィラが植えられています。株数だけを聞くと、何百万本という規模の大規模公園には劣るように感じるかもしれませんが、実際に訪れてみるとその考えは変わります。斜面に植えられているおかげで、下から見上げると花が重なり合って見え、視覚的には「一面の青」という密度を十分に感じることができるのです。さらに振り返れば、足柄平野の街並みから相模湾までを見渡す大パノラマが広がっており、空の青、海の青、そしてネモフィラの青が一体となる開放感は、他では味わえない感動体験です。
ただし、この絶景に出会うためには少しだけ体力が必要です。最寄りの駐車場(西平畑公園など)から会場までは、徒歩で山道を10分から15分ほど登る必要があります。舗装されていない部分や急な坂道もあるため、ベビーカーでのアクセスは難しく、ヒールやサンダルではなく歩きやすいスニーカーで行くことが絶対条件です。しかし、この「軽いハイキング」というハードルがあるからこそ、ふらっと立ち寄るだけの観光客が少なく、本当にこの景色を見たい人だけが集まる静かな環境が保たれています。
運営協力金について
入園料自体は無料ですが、入口には「協力金箱」が設置されており、大人200円程度の寄付が推奨されています。ボランティアの方々が草むしりや水やりをして維持してくれているこの美しい風景を来年も楽しむために、ぜひ協力したいところですね。小銭を用意していくのを忘れないようにしましょう。
見頃は例年4月中旬頃ですが、山の気候は変わりやすいので、事前に松田町の観光情報サイトやSNSで開花状況をチェックすることをおすすめします。特に富士山がきれいに見える確率は午前中の方が高いので、朝早起きして澄んだ空気の中で撮影に挑むのがベストな攻略法です。
夜のライトアップが見事な「舎人公園」

東京都足立区にある「都立舎人公園」は、日暮里・舎人ライナーの「舎人公園駅」直結という、車を持たない学生さんや高齢者の方でも非常にアクセスしやすい都市型公園です。これまでは地域住民の憩いの場というイメージが強かったのですが、近年、東京都の方針で観光拠点としての魅力向上が図られており、2025年にはネモフィラの植栽規模がなんと約45万株へと大幅にスケールアップされました。これは都内の公園としては異例の規模であり、高層ビルや住宅街に近い場所でこれほどの「青い絨毯」が見られるのは驚きです。
そして、私が舎人公園を「穴場」として推す最大の理由は、昼間の景色だけではありません。春のイベント期間中(「花と光のムーブメント」など)に行われる夜間のライトアップ演出がとにかく素晴らしいのです。通常、ネモフィラは太陽の光を浴びてこそ美しく見える花ですが、ここでは照明デザイナーによる巧みなライティングによって、夜の闇の中に青い花が幻想的に浮かび上がります。「舎人公園ネモフィラの海に映るトネリの星たち」といったテーマで、光と音が連動するような演出もあり、昼間の爽やかな雰囲気とは全く異なる、大人っぽくロマンチックな空間へと変貌します。
この「夜観光」ができるという点は、忙しい現代人にとって大きなメリットです。「週末は予定がいっぱいで行けないけれど、平日の仕事帰りにふらっと立ち寄りたい」「人とは違うデートスポットを探している」というニーズに完璧に応えてくれます。駅を降りてすぐ目の前が公園なので、移動のストレスもありません。
| 項目 | 詳細情報 |
|---|---|
| アクセス | 日暮里・舎人ライナー「舎人公園駅」下車すぐ |
| 規模 | 約45万株(2025年実績) |
| ライトアップ | イベント期間中の夜間(日没〜21:00頃まで) |
| 周辺施設 | バーベキュー広場、ドッグラン、スポーツ施設 |
また、公園内には予約制のバーベキュー広場もあるため、昼間は友人たちとバーベキューを楽しんで、夕暮れからネモフィラのライトアップを鑑賞するというプランも最高です。都心にいながらにして、アウトドアと花見を同時に満喫できる、非常に使い勝手の良いスポットだと言えるでしょう。
ポピーとネモフィラが咲く「くりはま花の国」

神奈川県横須賀市にある「くりはま花の国」は、その名の通り、四季折々の花が咲き乱れる広大な都市公園です。ここは、関東エリアにおいて「国営ひたち海浜公園」の代替地として最も有力な候補の一つです。その理由は、なんといっても約100万本という圧倒的なネモフィラの植栽数にあります。これだけの規模の花畑を、入園無料で開放している公園は関東でも数えるほどしかありません。駐車場料金(普通車1回630円程度)だけで家族全員が一日中楽しめるため、レジャー費を節約したいファミリー層にとっては救世主のような存在です。
くりはま花の国の最大の特徴は、ネモフィラと同時期(4月中旬~5月下旬)に見頃を迎える「シャーレーポピー(ヒナゲシ)」もまた、約100万本植栽されている点です。園内の「天空の花畑」や「ポピー園」では、ポピーの鮮烈な赤やピンクと、ネモフィラの涼しげなブルーが隣り合わせに咲き、風に揺れる様子は圧巻の色彩美です。青一色の世界も素敵ですが、赤と青が織りなすコントラストは写真映えも抜群で、見る人に強いインパクトを与えます。
ただし、注意点が一つあります。園名に「花の国」とあるように、ここは自然の地形を生かした起伏に富んだ公園であり、園内の移動には坂道がつきものです。入口から花畑エリアまでは結構な距離と勾配があるため、体力に自信がない方や、小さなお子様連れの方、ベビーカーをご利用の方は、園内を周遊する「フラワートレイン」(有料・大人300円、子供150円程度)を利用することを強くおすすめします。蒸気機関車型のバスに乗って、風を感じながら花畑まで移動するのもアトラクションのようで楽しいですよ。
子供が喜ぶ「冒険ランド」
花を見るだけでは子供が飽きてしまう…という心配もここでは無用です。園内には「冒険ランド」というエリアがあり、巨大なゴジラの滑り台やアスレチック遊具が設置されています。花を見た後はここで思いっきり体を動かして遊べるので、子供たちの満足度も非常に高いです。
アクセスは、JR久里浜駅または京急久里浜駅から徒歩約15分です。駅から歩いて行ける距離にあるのも、車を持たない層にとっては嬉しいポイントですね。春の海風を感じながら、横須賀ならではの開放的な休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
電車でアクセスしやすい「日比谷公園」

「仕事の休憩時間や買い物のついでに、ちょっとだけ春を感じたい」。そんな「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する方におすすめなのが、東京都千代田区にある「日比谷公園」です。地下鉄の日比谷駅や霞ヶ関駅から徒歩数分、銀座や有楽町からも徒歩圏内という、これ以上ないほどの都心一等地に位置しています。
もちろん、広大な敷地を持つ郊外の公園と比べれば、ネモフィラの植栽面積は小規模です。しかし、日比谷公園には他にはない「アーバン・ネイチャー(都市と自然の融合)」の魅力があります。第二花壇などで丁寧に管理されたネモフィラの花壇の向こうには、丸の内や霞が関の高層ビル群がそびえ立っており、この「近代的な建築物」と「可憐な青い花」の対比は、東京でしか撮れない独特のフォトジェニックな景観を作り出しています。
例年3月下旬から4月中旬にかけては、「HIBIYA BLOSSOM」などの春のイベントが開催され、園内全体が華やかな雰囲気に包まれます。ネモフィラだけでなく、チューリップやパンジーなども美しく配置されており、ガーデニングのお手本のような洗練された花壇を楽しむことができます。入園はもちろん無料で、24時間開放されているため、早朝の出勤前に立ち寄ってリフレッシュしたり、ランチタイムにお弁当を持ってベンチで過ごしたりと、ライフスタイルに合わせた自由な使い方が可能です。
おすすめの撮影時間帯
ビル群に囲まれているため、時間帯によっては花壇がビルの影に入ってしまうことがあります。太陽の光がしっかりと花に当たるお昼前後(11:00〜14:00頃)が、最もネモフィラの青色が鮮やかに見えるおすすめの時間帯です。
わざわざ遠出をする準備や計画をしなくても、思い立ったその日にふらっと立ち寄れる手軽さこそが、日比谷公園の最大の魅力です。都会の喧騒の中でふと足元に広がる青い花に癒やされる、そんな大人の春の楽しみ方をぜひ体験してみてください。
子連れや犬連れに推すネモフィラの関東の穴場
次にご紹介するのは、単に「花を見る」だけでなく、家族全員で、あるいは大切なパートナーである愛犬と一緒に「一日中楽しく過ごす」ことに焦点を当てたスポットです。子供が遊べる遊具があるか、ペットが入れるエリアはどこまでか、といった気になる情報を詳しく解説します。
犬連れで散歩を楽しめる「昭和記念公園」

東京都立川市と昭島市にまたがる「国営昭和記念公園」は、愛犬家(ドッグオーナー)の間ではもはや聖地とも呼ばれるほど人気のあるスポットですが、ネモフィラ鑑賞においてもそのポテンシャルは非常に高いです。多くの有料公園や植物園では、ペット同伴の場合「全身が入るカートやキャリーバッグに入れなければならない」という厳しいルールが設けられていることが多いのですが、昭和記念公園はリードさえ着用していれば、園内の大部分を愛犬自身の足で歩かせてOKという、非常に寛容なルールを採用しています(※日本庭園やレストラン屋内など一部不可エリアあり)。
広大な園内には、登録制の広々としたドッグランも完備されていますが、ネモフィラ鑑賞のメインとなる「ハーブの丘」や「渓流広場」周辺も、もちろん愛犬と一緒に散策可能です。園路は幅が広く整備されており、アスファルトだけでなく土や芝生のエリアも多いため、夏場のアスファルト焼けを気にするワンちゃんの足腰にも優しい環境です。春風を感じながら、愛犬と一緒に青い花畑の横をゆっくりお散歩できるなんて、飼い主にとっては至福の時間ですよね。
また、昭和記念公園のネモフィラは、広大な敷地の中に点在する「フラワーフェスティバル」の一部として楽しむスタイルが特徴です。同時期にはチューリップや菜の花、ポピーなども見頃を迎えており、色とりどりの春の花々をリレー形式で楽しむことができます。「ネモフィラだけの青一色もいいけど、やっぱりいろんな色の花が見たい」という欲張りな方にもぴったりです。
混雑回避のポイント
ゴールデンウィーク期間中や無料入園日は駐車場が大変混雑し、午前中の早い段階で満車になることもあります。「立川口」駐車場よりも、比較的空いていることの多い「砂川口」駐車場を利用するか、開園直後の到着を目指すのがスムーズに入園するコツです。
お花畑の中には、人が入って写真を撮れるように通路やベンチが設けられている場所もあります。愛犬をベンチにお座りさせて、背景をネモフィラの青で埋め尽くした「奇跡の一枚」を撮影するチャンスも豊富にありますよ。
子連れで一日遊べる「武蔵丘陵森林公園」

埼玉県滑川町にある「国営武蔵丘陵森林公園」は、その名の通り広大な森林の中に作られた公園で、敷地面積はなんと東京ドーム約65個分という桁外れのスケールを誇ります。ここのネモフィラは「西口ひろば」にある約5,000平方メートルの花畑に、約10万本が植栽されています。周囲を深い森の緑に囲まれているため、都市公園のネモフィラとは一味違う、野趣あふれるコントラストを楽しむことができます。
私がこの公園を特に「子連れファミリー」に激推ししたい理由は、花を見た後のアクティビティが圧倒的に充実しているからです。子供にとって、ただ花を見るだけの時間はすぐに飽きてしまいがちですが、ここには日本一の大きさを誇るエアートランポリン「ぽんぽこマウンテン」や、森の中を駆け巡る「冒険コース(フィールドアスレチック)」など、一日では遊びきれないほどの遊具が揃っています。ネモフィラを見て綺麗な写真を撮った後は、子供たちを思いっきり遊ばせてエネルギーを発散させることができるので、親としても非常に助かります。
| おすすめアクティビティ | 対象年齢・特徴 |
|---|---|
| ぽんぽこマウンテン | 日本一のエアートランポリン。大人も利用可。 |
| 冒険コース | 24種類のアスレチック。小学生以上推奨。 |
| サイクリングコース | 全長17km。レンタサイクルあり(子供用・電動も)。 |
| わんぱく広場 | 幼児向けの複合遊具や水遊び場(季節による)。 |
園内は非常に広いため、移動には園内バスやレンタサイクルを利用するのが一般的です。特に、家族みんなで自転車を借りて、新緑の森の中をサイクリングしながら花畑を目指す体験は、とても良い思い出になります。ネモフィラ畑のある「西口」に近いゲートから入園するとスムーズですが、遊具のあるエリアとは少し離れている場合もあるので、園内マップを見て計画的に回るのがポイントです。
なお、ペット同伴については注意が必要です。公園自体はペットOKでドッグランもありますが、ネモフィラが咲く「西口ひろばの花畑内」に関しては、植物保護の観点からペットの立ち入りが制限されているエリアがあります(周辺に通路やリードフックなどはあります)。愛犬と一緒に花畑の中に入って撮影したいと考えている方は、事前に最新の規制情報を確認することをおすすめします。
混雑を避けて静かに過ごせる「野川公園」
「観光地化された場所の喧騒や、人混みがどうしても苦手」「静かに自然と向き合いたい」という方にとって、調布市、小金井市、三鷹市にまたがる都立「野川公園」は、まさに心のオアシスとなる穴場スポットです。ここは元々ゴルフ場だった場所を公園として整備しており、広々とした芝生広場と豊かな樹木が特徴です。
野川公園のネモフィラは、「自然観察園」の中や園路沿いにひっそりと、しかし力強く咲いています。何十万本という派手な規模ではありませんが、武蔵野の雑木林の新緑や、足元に咲く他の野草たちと調和して咲く姿には、作り込まれていない自然本来の美しさがあります。派手な看板や売店、大音量のイベントなどはなく、聞こえてくるのは野鳥のさえずりと風の音だけ。そんな穏やかな環境で花を愛でることができます。
利用者の多くは近隣の住民の方々で、ランニングをしたり、木陰で読書をしたりと、思い思いの時間を過ごしています。商業的な施設がない分、お弁当や水筒を持ってピクニックに行くのが正解です。レジャーシートを広げて寝転がり、青い空と青い花を眺めながら過ごす時間は、何にも代えがたい贅沢なリラクゼーションになります。また、道が平坦で舗装されている部分も多いため、車椅子の方や、足腰に不安のある高齢者の方との散策にも非常に適しています。
藤の見頃と重なる「あしかがフラワーパーク」

栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」と聞けば、多くの人がCNNで「世界の夢の旅行先」にも選ばれた「大藤」を思い浮かべるでしょう。しかし、実はこの藤が見頃を迎える4月中旬から5月中旬にかけて、園内ではネモフィラも見頃を迎えていることをご存知でしょうか?
あしかがフラワーパークの魅力は、何と言ってもその「花の密度」です。頭上には幻想的な紫色の藤棚が広がり、視線を落とせば足元には爽やかなネモフィラや、色鮮やかなツツジ、シャクナゲが咲き誇っています。この紫色と青色の立体的な競演は、他のどこのスポットでも見られない、圧倒的な色彩の洪水です。「ネモフィラだけ」を目的に行くというよりは、「世界一の藤を見に行くついでに、ネモフィラも含めた春の花すべてを楽しむ」というスタンスで訪れるのが、最も満足度の高い楽しみ方です。
また、ここでは夜の部も開催されており、ライトアップされた藤とネモフィラを楽しむことができます。昼間の鮮やかさとは一転、妖艶で神秘的な雰囲気に包まれた園内は必見です。入園料は花の開花状況によって変動するシステムを採用しているため、料金が高い日ほど花が見頃であることを意味します。事前に公式サイトで「今日の入園料」をチェックしてから出かけるのが賢い方法です。
混雑情報と対策
藤の見頃時期は国内外から多くの観光客が訪れ、周辺道路も含めて非常に混雑します。可能であれば平日に行くか、夕方からの「夜の部」を狙う、あるいはJR両毛線「あしかがフラワーパーク駅」を利用するなど、混雑回避の工夫をすることをおすすめします。
動物や花とふれあえる「マザー牧場」

千葉県富津市の鹿野山(かのうざん)にある「マザー牧場」は、空に一番近い場所で花を楽しめるスポットと言えるでしょう。標高の高い場所に位置しているため視界を遮るものがなく、約100万株のネモフィラが咲く「花の谷」からは、房総半島の山並みを見下ろすことができます。晴れた日には、空の青とネモフィラの青が地平線で溶け合うような、圧倒的な開放感を味わえます。
マザー牧場は、単なる花畑ではなく「観光牧場」であるため、楽しみ方のバリエーションが非常に豊富です。ネモフィラ鑑賞の合間には、「こぶたのレース」や「ひつじの大行進」といった動物たちのショーを見たり、いちご狩りなどの味覚狩りを楽しんだり、遊園地(わくわくランド)のアトラクションで遊んだりと、一日では足りないほどのコンテンツが詰まっています。お腹が空いたら名物のジンギスカンやソフトクリームを食べるのも楽しみの一つですね。
そして、ここも非常にペットフレンドリーな施設として有名です。ドッグランがあるだけでなく、ワンちゃんも入場料(1頭700円程度・要確認)を払えば一緒に入園可能で、園内の大部分をリードで散策できます(※動物がいるエリアや飲食店など一部不可)。広大な花畑を背景に愛犬の写真を撮りたい方にとっては、最高のロケーションです。家族全員で、朝から夕方まで遊び尽くしたいなら、マザー牧場を選んで間違いありません。
体験重視で選ぶネモフィラの関東の穴場
ここまで、関東エリアにある個性豊かなネモフィラスポットをご紹介してきました。最後に、それぞれの特徴を整理して、あなたの目的や同行者に合わせて最適な場所を選ぶためのヒントをまとめます。どの場所も「ひたち海浜公園」とはまた違った、独自の魅力とメリットを持っています。
まず、「コストを抑えたい」「静かに見たい」という方は、無料かつ混雑が比較的穏やかな富田さとにわ耕園やくりはま花の国、野川公園がベストチョイスです。浮いた入園料で美味しいランチを食べたり、お土産を買ったりすることができます。
次に、「写真映え」を最優先するなら、コキアの里の富士山コラボや、舎人公園の夜間ライトアップ、富田さとにわ耕園の芝桜コラボがおすすめです。他では撮れないユニークな一枚は、SNSでも注目されること間違いありません。
そして、「家族やペットとの時間」を大切にするなら、施設が充実している昭和記念公園、武蔵丘陵森林公園、マザー牧場を選べば、花に興味がない子供たちも満足させることができます。トイレや授乳室、食事処などの設備が整っている安心感も、家族連れには重要なポイントですよね。
お出かけ前の最終チェック
ネモフィラの開花時期は、その年の気温や天候によって数週間単位でズレることがあります。また、ご紹介したイベントの内容や料金も変更になる可能性があります。出発前には必ず、各スポットの公式サイトや公式SNSで「現在の開花状況」と「最新の営業情報」を確認するようにしてください。「行ってみたらまだ咲いていなかった」という悲劇を防ぐためにも、事前のリサーチは必須ですよ。
今年の春は、あなたにぴったりの穴場スポットを見つけて、心に残る青い絶景を楽しんでくださいね。
この記事の要点まとめ
- 富田さとにわ耕園は駐車場も入園も完全無料で芝桜とのコラボが見事
- コキアの里は富士山を背景にネモフィラが撮れる絶景スポットだが少し歩く必要あり
- 舎人公園は2025年に植栽数が増加し夜のライトアップで幻想的なデートが可能
- くりはま花の国はポピーとネモフィラの100万本競演が無料で見られる高コスパ公園
- 日比谷公園は駅直結で都心のビル群と花のコントラストが魅力のタイパ重視スポット
- 昭和記念公園はリード着用で愛犬と花畑散策ができるドッグフレンドリーな環境
- 武蔵丘陵森林公園は日本一のトランポリンなど子供のアクティビティが充実
- 野川公園は観光地化されていないため静かに自然を楽しみたい人に最適
- あしかがフラワーパークは世界的な藤棚とネモフィラの同時鑑賞が可能
- マザー牧場は動物とのふれあいや遊園地もあり一日中滞在できる複合レジャー施設
- コスト重視なら無料の富田さとにわ耕園やくりはま花の国が圧倒的におすすめ
- 写真映え重視ならコキアの里の富士山や舎人公園の夜景が狙い目
- 見頃はスポットによるが概ね4月上旬から5月上旬がピークとなることが多い
- 混雑回避には平日や早朝の利用、アクセスの工夫(マイナーな入口など)が有効
- 最新の開花状況は必ず公式サイト等で確認してから出発すること
|
|


