こんにちは、My Garden 編集部です。
純白で可憐な姿が美しい白いカーネーションですが、その花言葉について調べようとすると「怖い」や「愛の拒絶」といった不穏なキーワードが出てきて驚いたことはありませんか。これから結婚式でのブーケに使ったり、母の日のプレゼントとして検討している方にとっては、本当に贈っても大丈夫なのか不安になってしまうこともあるかもしれません。実は、白いカーネーションには「亡き母を偲ぶ」という由来や、本数によって変わる意味など、私たちが知っておくべき深い背景が存在します。今回は、そんな白いカーネーションが持つ本来の意味や、誤解を避けて大切な人に贈るためのマナーについて、私と一緒に見ていきましょう。
この記事のポイント
- 白いカーネーションに愛の拒絶という本来の意味はない
- 怖いとされる理由は亡き母へ贈る花という定説にある
- 結婚式では純潔の愛を象徴する花として人気がある
- プレゼントする際はメッセージカードを添えるのが安心
白いカーネーションの花言葉と怖い意味
白いカーネーションの美しさには目を奪われますが、インターネットで検索すると「怖い」といったネガティブな言葉が並ぶことがあり、少しドキッとしてしまいますよね。ここでは、なぜそんな誤解が生まれてしまったのか、その背景にある歴史や由来について深掘りしていきたいと思います。
愛の拒絶という花言葉の誤解

まず結論から申し上げますと、白いカーネーションそのものに「愛の拒絶」という公式な花言葉は存在しません。これは声を大にしてお伝えしたい事実です。インターネット上のまとめサイトや個人のブログなどで「白=拒絶」という記述を見かけることがありますが、それらは多くの場合、根拠が曖昧な情報や、他の色の意味と混同された結果として広まった誤解に過ぎません。本来、白いカーネーションが持っている正式な花言葉は、「純粋な愛(Pure Love)」「私の愛は生きています(My love is alive)」「尊敬(Respect)」「純潔(Innocence)」といった、非常に清らかで美しく、ポジティブなものばかりなのです。これらの言葉を見ていただければわかる通り、どこにも相手を拒んだり、傷つけたり、関係を終わらせようとするような冷たい意図は含まれていません。
では、一体なぜ「愛の拒絶」という言葉が独り歩きしてしまい、多くの人を不安にさせているのでしょうか。その原因は、言葉の定義の曖昧さと、日本独自の文化的な背景が複雑に絡み合っていることにあります。後ほど詳しく解説しますが、日本では白いカーネーションは「亡き母へ贈る花」として広く定着しています。この「亡き人への愛」という限定的な意味合いが、逆説的に「生きている人への愛ではない」と解釈され、そこから「現世の愛の否定」すなわち「拒絶」というネガティブな意味へと歪曲されてしまった可能性が高いと私は考えています。つまり、「あなたへの(恋愛的な)愛はありません」という意味を、白い花が持つ「無」のイメージに重ね合わせてしまったのでしょう。
また、恋愛において「白紙に戻す」という言葉があるように、白という色は文脈によっては「無」や「キャンセル」、「不在」を連想させることがあります。情熱的な愛を表す赤色が抜けてしまった状態として、白を「愛の終わり」や「気持ちの冷え込み」と捉える見方もあるのかもしれません。しかし、これらはあくまで後付けの解釈や俗説、あるいは深読みのしすぎであり、植物学的なルーツや歴史的な伝統に裏打ちされた正しい花言葉ではないのです。「愛の拒絶」という言葉を見かけても、それは本来の意味ではないと知っておくだけで、この花に対する見方が大きく変わるはずです。白いカーネーションは、決して誰かを拒絶するための花ではなく、むしろ言葉にできないほどの深い愛情や、魂レベルでの結びつきを静かに伝えるための、高潔な花なのです。
ここがポイント
白いカーネーションの本来の花言葉は「純粋な愛」や「尊敬」であり、ネガティブな意味はありません。「拒絶」は日本独自の文脈で生じた誤解である可能性が高いです。
白いカーネーションが怖いとされる理由

「白いカーネーションは怖い」と検索される主な理由は、やはり「死」を連想させるところにあるのかなと思います。私たち日本人の感覚として、白い花、特に白菊や白いユリ、そして白いカーネーションなどは、葬儀や法事の際に飾る「仏花(供花)」や「枕花」としてのイメージが非常に強いですよね。この文化的背景があるため、お見舞いやお祝いの席、あるいは日常のギフトとして白一色の花束を見ると、どうしても不吉な予感や冷たい印象、あるいは「死」の気配を感じ取ってしまう人がいるのも事実です。これは理屈ではなく、長年の習慣によって刷り込まれた感覚的な反応と言えるかもしれません。
特にカーネーションの場合は、「母の日に亡くなったお母さんへ贈る花」というルールが昭和の時代から広く定着しています。この「亡き母=白」という強烈なコードがあるため、もしご存命のお母様に白いカーネーションを贈ってしまうと、「早く亡くなってほしいという意味なの?」「もう私を死んだ人扱いするの?」と、受け取った側がショックを受けてしまうリスクがあるのです。贈る側に悪意が全くなくても、受け取る側の知識や常識によっては、呪いのような怖いメッセージとして変換されてしまう。これこそが、白いカーネーションが「怖い」と恐れられる最大の要因ではないでしょうか。実際に、知らずに贈ってしまって気まずい雰囲気になったという体験談も、ネット上ではちらほら見かけます。
さらに、色彩心理学的な観点から見ても、白という色は「純粋さ」を表す一方で、「血の気が引いた色」や「幽霊」、「骨」を連想させることもあり、生理的に冷たさや緊張感を感じさせる色でもあります。鮮やかな赤やピンク、オレンジといった暖色系の花が溢れる花屋の店頭で、真っ白なカーネーションだけが置かれていると、どこか寂しげで、この世のものではないような神秘的かつ畏怖すべき雰囲気を醸し出すこともあります。その研ぎ澄まされた美しさが、逆に「生身の人間味」を感じさせず、「怖い」という感情に繋がっているのかもしれません。しかし、これらはあくまで人間の心理的な連想ゲームの結果であり、花そのものに罪はないのです。
亡き母を偲ぶ花言葉の由来

白いカーネーションが「亡き母」のシンボルとなったのには、母の日の創設者であるアンナ・ジャービスの感動的で、少し切ないエピソードが関係しています。20世紀初頭のアメリカ、ウェストバージニア州での出来事です。1905年5月9日、アンナの母であるアン・リーブス・ジャービスが亡くなりました。彼女は南北戦争中、敵味方を問わず負傷兵を看護し、地域の公衆衛生改善に尽くした偉大な社会活動家であり、平和を願う強い意志を持った女性でした。
母の死から3年後の1908年5月10日、アンナは亡き母を追悼するため、母が長年日曜学校の教師をしていた教会で記念礼拝を行いました。その際、彼女は母が生前一番好きだった花である白いカーネーションを500本用意し、参加者全員に配ったのです。これが、世界で初めての「母の日」の行事であり、白いカーネーションが母の日の象徴となった歴史的瞬間でした。この時、アンナは単に母が好きだったからという理由だけでなく、その花に明確なメッセージを込めていました。
アンナは白いカーネーションを選んだ理由について、以下のように語ったと伝えられています。「その白さは真実や純粋さ、そして母の広く大きな慈愛を象徴しています。その香りは母の記憶であり、祈りです。そして、カーネーションは花びらを散らさずに、枯れるときは中心に向かって抱き込むように萎んでいきます。その姿は、子供たちを心に抱きしめ続け、決して愛を絶やすことのない母親の姿そのものなのです」。この言葉には、母への尽きせぬ愛と尊敬が溢れています。
つまり、アンナにとって白は「死」の色ではなく、「永遠に変わらない、純粋で完全な母の愛」を表す色だったのです。しかし、母の日が普及し商業化が進むにつれ、花屋業界の都合もあり「母が健在なら赤、亡くなっていれば白」という明確な色分けルールが作られてしまいました。アンナ自身は「母の日はセンチメンタルな日であって、利益を追求する日ではない」と、この商業化に激しく抵抗し、晩年は母の日の廃止運動さえ行いました。しかし皮肉にも、彼女が愛した白いカーネーションは、「亡き人」というラベルを貼られて世界中に広まることになったのです。
知っておきたい豆知識
アンナ・ジャービスの活動により、白いカーネーションは母性愛の象徴として世界中に広まりました。彼女の本来の意図は「母への感謝」そのものでした。
西洋での花言葉は純粋な愛

日本では「亡き人の花」として少し慎重に扱われる白いカーネーションですが、視野を世界に広げてみると全く違った側面が見えてきます。西洋、特に発祥の地である欧米や、花言葉文化が花開いたヴィクトリア朝の「花言葉(フロリオグラフィ)」の文脈では、白いカーネーションは非常にポジティブで称賛されるべき意味を持っています。英語圏での主な意味は「Pure Love(純粋な愛)」「Innocence(無垢)」「Good Luck(幸運)」「Sweet and Lovely(愛らしくて素敵)」など、花嫁や恋人、大切な友人に贈るのにふさわしい言葉ばかりです。
また、キリスト教の伝説もこの花の神聖さを裏付けています。言い伝えによると、イエス・キリストが十字架を背負ってゴルゴダの丘を登っていく際、それを見守っていた聖母マリアが息子の苦しみを想い、悲しみのあまり涙を流しました。その涙が地面に落ちた場所から、白いカーネーション(あるいはピンクという説もありますが)が咲き出したと言われています。この伝説により、カーネーションは「母の不滅の愛(Undying Love)」や「受難」の象徴となると同時に、聖母マリアの処女性を表す「純潔」のシンボルとしても確立されました。つまり、西洋においては「神聖な愛」のアイコンなのです。
さらに歴史的なエピソードとして、オランダでは、第二次世界大戦中のレジスタンス(抵抗運動)の象徴として、ベルンハルト王子が白いカーネーションを身につけたという事実があります。ナチス・ドイツの占領下において、白いカーネーションを身につけることは「決して屈しない誇り」と「祖国への愛」を示す行為でした。このように、世界的に見れば白は「死」だけでなく、「正義」や「誇り」、「幸運」をもたらす高貴な色として愛されているのです。日本の常識だけで判断せず、こうしたグローバルな視点を持つことも、花の持つ多面的な魅力を楽しむ上では大切ですね。
黄色のカーネーションとの混同

もう一つ、「愛の拒絶」という誤解を生んだ原因として強く考えられるのが、黄色のカーネーションとの混同です。実は、西洋の伝統的な花言葉の体系において、明確に「拒絶(Rejection)」や「軽蔑(Disdain)」、「失望(Disappointment)」という意味を担っているのは、白ではなく黄色なのです。
ヴィクトリア朝時代、黄色い花はしばしば不吉や嫉妬の象徴とされましたが、カーネーションも例外ではありませんでした。もし当時、男性が意中の女性に告白をして、返事として黄色いカーネーションが送られてきたら、それは「NO」という残酷な答えを意味したのです。また、単色ではなく絞り(ストライプ)模様のカーネーションにも「愛の断り(Refusal)」や「ごめんなさい、ご一緒できません」という意味があります。このように、カーネーションには色や模様によって明確な「NGサイン」が存在していたのです。
情報が翻訳されて日本に入ってくる過程、あるいはインターネット上で断片的な情報が拡散される過程で、この黄色の持つ強烈にネガティブな意味と、白の持つ「よそよそしさ」や「亡き人への花」という冷たいイメージが混ざり合ってしまった可能性があります。「なんかカーネーションには拒絶って意味があるらしいよ」「え、白じゃないの?」といった具合に、情報の伝言ゲームによる誤解が生じ、いつの間にか「白=拒絶」という根拠のない都市伝説が完成してしまったのかもしれません。本来の「拒絶」の色は黄色であり、白は「純粋な愛」である。この正しい知識を持つことで、誤解の連鎖を止めることができます。
注意点
黄色のカーネーションは見た目が明るく綺麗で、近年では父の日のギフトとしても人気ですが、伝統的には「軽蔑」や「拒絶」といった意味を持ちます。贈り物にする際は誤解を避ける工夫が必要です。
シーン別の白いカーネーションの花言葉
ここまで見てきたように、白いカーネーション自体には素晴らしい意味が込められていますが、日本では贈るシチュエーションによって意味合いが180度変わってしまう特殊な花でもあります。知らずに贈って相手を悲しませたり、マナー違反だと思われたりするのは避けたいですよね。ここでは、具体的なシーンごとに、贈っても大丈夫なのか、どのようなマナーや注意点があるのかを詳しく整理していきましょう。
母の日に贈る際のマナーと注意点

母の日に、ご存命のお母様へ白いカーネーションを贈ることは、残念ながら基本的にNG(マナー違反)とされています。これは植物学的な理由ではなく、あくまで社会的・文化的な理由によるものです。先ほど触れた通り、「白=亡き母へ贈るもの」という認識が、日本の花贈りのルールとして深く根付いているためです。一部の若い世代では気にしない方も増えていますが、親世代や祖父母世代においては、依然としてタブー視される傾向が強いのが現実です。
たとえお母様が「私は白が好き」とおっしゃっていたとしても、白一色のカーネーションの花束を贈ると、周囲の人(家族や親戚)が見たときに「縁起でもない」と不快に思う可能性があります。また、お母様ご自身も、口では喜んでくれても、心の中では「死」を連想して寂しい気持ちになるかもしれません。農林水産省の統計によれば、日本国内でのカーネーションの出荷量は非常に多く、その用途は多岐にわたりますが、やはり母の日用途としては赤やピンクが圧倒的です。(出典:農林水産省『令和4年産花きの作付(収穫)面積及び出荷量』)
もし「お母さんは白が好きだから」という理由でどうしても贈りたい場合は、白一色にするのではなく、赤やピンクのカーネーションと組み合わせて「紅白」のアレンジメントにすることをおすすめします。これなら「お祝い」のムードが出ますし、「長生きしてね」というポジティブなメッセージとして受け取ってもらえます。または、白をベースにしつつ、明るい色のリボンやラッピングで華やかさをプラスしたり、他の種類のカラフルな花を混ぜたりして、「供花っぽさ」を消す工夫をすることが大切です。
亡くなった母への供花には最適
一方で、亡くなったお母様を偲ぶための花としては、白いカーネーションはこれ以上ないほど最適な選択です。「私の愛情は生きている(My love is alive)」という花言葉も込められており、母の日参りや仏壇に供える花として、最もふさわしい供養となります。亡くなった後も、変わらぬ愛と感謝を伝えることができる、唯一無二の花と言えるでしょう。
近年では「母の日参り」という習慣も広まってきています。母の日が近づくと、街中にカーネーションが溢れ、お母様を亡くされた方は寂しさを感じることも多いと思いますが、そんな時こそ白いカーネーションを飾ってみてください。アンナ・ジャービスが願った通り、天国のお母様に感謝を伝えるための純白の花を見ることで、あなた自身の心も癒やされるはずです。お盆やお彼岸ではなくても、母の日には白いカーネーションを飾って、お母様との思い出を語り合うのも素敵な過ごし方だと思います。遺影の前に一輪飾るだけでも、あるいは庭先に植えるだけでも、きっとその想いは天国のお母様に届くでしょう。
結婚式では純潔の愛を象徴

「死」のイメージがある白ですが、結婚式(ウェディング)のシーンでは全く逆の「純潔」や「新たな始まり」、「無垢」を象徴する素晴らしい花になります。実際に、ブライダルブーケや会場の装花として、白いカーネーションはとても人気があるんです。フリルのような花びらが幾重にも重なる姿は、ウェディングドレスのドレープとも相性が良く、非常に上品で華やかな空間を演出してくれます。白バラよりも柔らかく、親しみやすい雰囲気が出せるのも魅力の一つです。
特に、西洋の結婚式の言い伝えである「サムシングフォー」の一つ、「サムシングブルー(何か青いもの)」と組み合わせるスタイルが人気です。ブルースターやデルフィニウムなどの淡い青色の花と、純白のカーネーションを組み合わせたブーケは、「清らかな愛」と「誠実な誓い」を表し、花嫁の美しさを一層引き立ててくれます。また、真っ白なカーネーションだけで作った「ラウンドブーケ」は、コロンとしていて可愛らしく、クラシカルな挙式にもカジュアルなパーティーにも似合います。結婚式という「ハレの日」においては、白は不吉な色ではなく、未来への希望に満ちた色として輝くのです。
本数で変わる花言葉の意味

カーネーションは色だけでなく、贈る本数によっても違ったメッセージを持つことをご存知でしょうか。これは「ダーズンフラワー(12本の花)」の文化に由来するものや、語呂合わせによるものなど様々です。これを知っておくと、ただ花を贈るだけでなく、そこに秘密のメッセージを込めるというロマンチックな演出が可能になります。
| 1本 | 「あなたは私の運命の人」
一輪挿しとしての美しさも際立ちます。シンプルな愛の告白や、ちょっとした感謝の気持ちを伝えるのに最適です。 |
| 3本 | 「あなたを愛しています」
I Love Youの3語に対応しています。ストレートな愛情表現として、恋人へのプレゼントの定番本数です。 |
| 8本 | 「あなたの思いやりに感謝しています」
母の日のギフトなどに最適とされる本数です。言葉では伝えきれない「ありがとう」を形にするのにぴったりです。 |
| 12本 | 「私の妻(恋人)になってください」
いわゆるダズンフラワー。12本それぞれに「感謝・誠実・幸福・信頼・希望・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠」の意味があり、これらをすべて捧げるというプロポーズの証です。 |
特に8本は「感謝」の意味が強いため、母の日のギフトなどで「言葉では言えないありがとう」を伝えるのにぴったりですね。逆に、日本では「4(死)」や「9(苦)」の本数は縁起が悪い忌み数とされるため、プレゼントにする際は避けたほうが無難です。また、海外では偶数が不吉とされる場合もありますが、日本では割り切れない奇数が好まれる傾向があります。本数にまで気を配れると、上級者のフラワーギフトになりますよ。
誤解を避けるプレゼントのコツ

白いカーネーションを恋人や友人に贈りたいけれど、「怖い意味だと思われないか心配…」という場合は、メッセージカードを添えるのが一番の解決策です。花言葉は受け取る側の解釈に委ねられる部分が大きいため、贈る側の意図を明確に伝えることが重要です。言葉を添えることで、「死」や「拒絶」といったネガティブな誤解の入る余地をなくしてしまうのです。
例えば、「『純粋な愛』という素敵な花言葉に惹かれて、この花を選びました」や「白いカーネーションには『尊敬』という意味があるそうです。いつも尊敬しています」と一言書き添えるだけで、相手の不安は一気に解消され、感動的なギフトに変わります。また、「あなたのイメージにぴったりな、真っ白で美しい花を見つけたので」といった個人的な理由を添えるのも良いでしょう。要は、「あなたのために選んだ」というポジティブな理由を伝えることが大切です。
また、組み合わせる花(フィラーフラワー)を工夫するのもおすすめです。特にカスミソウとの相性は抜群です。カスミソウには「幸福」「清らかな心」「感謝」という花言葉があり、白いカーネーションと合わせることで、全体として「清らかな幸せ」や「純粋な感謝」というポジティブなメッセージを視覚的にも強調できます。白×白の組み合わせになりますが、カスミソウのふんわりとした質感が、カーネーションのフォーマルさを和らげ、優しく愛らしい印象にしてくれます。他にも、グリーンの葉物を多めに入れてナチュラルな雰囲気にすると、供花っぽさが薄れてギフトらしくなります。
赤やピンクなど色別の意味
最後に、白以外の色が持つ意味もおさらいしておきましょう。他の色の意味を知ることで、なぜ白が特殊なのか、そしてシーンに合わせてどの色を選ぶべきかがより明確になります。カーネーションは色数が豊富なので、相手の好みや伝えたいメッセージに合わせて選ぶ楽しさがあります。
- 赤:「母への愛」「熱烈な愛」。母の日の大定番です。ただし、黒っぽい濃い赤(ダークレッド)は「私の心は哀しんでいる」や「欲望」という意味を含むことがあるため、明るい鮮やかな赤を選ぶのがポイントです。
- ピンク:「感謝」「温かい心」「気品」「美しい仕草」。最も汎用性が高く、誰に贈っても喜ばれる万能な色です。母の日だけでなく、退職祝いや先生へのプレゼントにも最適です。
- 紫:「気品」「誇り」。エレガントで落ち着いた色合いは、大人の女性や、長寿のお祝い(古希・喜寿など)に向いています。相手への敬意を表すのに適しています。
- 青(ムーンダスト):「永遠の幸福」。自然界には存在しなかった青いカーネーションは、バイオテクノロジーによって生まれました。「不可能を可能にした」という背景から、夢に向かって頑張る人への応援ギフトとしても人気です。
- オレンジ:「純粋な愛」「あなたを熱愛します」。情熱的でありながら、赤よりも親しみやすい色です。恋人へのプレゼントや、元気をあげたい相手におすすめです。
白いカーネーションの花言葉のまとめ
ここまで、白いカーネーションにまつわる様々な意味や背景を見てきました。結論として、白いカーネーションは、決して「怖い」花でも、誰かを「拒絶」するための花でもありません。その本質は、母の日の創始者アンナ・ジャービスが亡き母を想って選んだ「純粋で深く、永遠に変わることのない愛」にあります。その白さは、混じりけのない真実の愛を証明しているのです。
ただ、日本独自の文化の中で、長年にわたり「亡き人への花」という役割を担ってきたことも紛れもない事実です。そのため、贈り物として選ぶ際には、贈る相手が「ご存命か、亡くなっているか」という点に配慮する必要があります。これは決して面倒なルールではなく、相手を思いやる「心遣い」の一つだと言えるでしょう。大切なのは、あなたの「贈りたい」という気持ちが、誤解なく相手に届くことです。
少しだけマナーや組み合わせに気を使えば、白いカーネーションは、他にはない清廉な美しさで、相手の心を洗うような素晴らしいギフトになります。ぜひ、この記事で紹介した本来の意味やエピソードを添えて、あなたの想いを伝えてみてください。花言葉を知ることで、花贈りはもっと深く、心温まるコミュニケーションになるはずです。あなたと、あなたの大切な人にとって、白いカーネーションが素敵な思い出の花となりますように。
この記事の要点まとめ
- 白いカーネーションに「愛の拒絶」という本来の意味はない
- 「怖い」とされるのは葬儀や亡き母への花というイメージが強いため
- 本来の花言葉は「純粋な愛」「尊敬」「私の愛は生きています」
- 母の日の創設者アンナ・ジャービスが亡き母に贈った花が由来
- ご存命の母親に白一色で贈るのは「死」を連想させるためNG
- 亡くなった母親への母の日参りや供花としては最適である
- 結婚式では「純潔」を象徴するブライダル・フラワーとして人気
- 黄色のカーネーション(軽蔑・拒絶)の意味と混同されている可能性がある
- プレゼントする際はメッセージカードで意味を伝えると誤解がない
- 8本のカーネーションには「感謝」という意味が込められている
- 12本は「ダズンフラワー」としてプロポーズや結婚式に使われる
- 赤やピンクと組み合わせて「紅白」にすれば祝い花としても使える
- カスミソウと合わせると「幸福」の意味がプラスされる
- 西洋では「Good Luck(幸運)」の意味もありポジティブに扱われる
- 贈る相手の状況(存命か故人か)を確認することが最も重要
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