こんにちは、My Garden 編集部です。
まるでワックスをかけたかのようにキラキラと輝く光沢のある花弁が、春の陽射しを浴びて宝石のように煌めく「ラナンキュラス・ラックス」。そのあまりの美しさに魅了され、「今年こそは庭に植えたい!」と意気込んでいる方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ欲しいと思って近所の園芸店やホームセンターに行ってみても、「あれ?どこにも売っていない…」と肩を落として帰るという経験をされた方は決して少なくありません。
実はこのラナンキュラスラックス、一般的なパンジーやビオラなどの草花苗とは少し異なる、非常に特殊な販売時期や流通のサイクルを持っているお花なのです。「いつお店に行けば出会えるのか」「どこで予約ができるのか」「2025年の新品種にはどんなものがあるのか」。こうした情報を事前に知っているかどうかが、運命の一株に出会えるかどうかの分かれ道になります。
2025年シーズンは、待望の新品種「ヴィーナス」や「アポロン」の登場もあり、例年以上の激しい争奪戦が予想されています。今回は、私自身も熱狂的なファンの一人として、ラックスを確実に手に入れるための具体的なスケジュール戦略や、購入後に失敗しないための育て方のコツを、どこめよりも詳しく、そして熱くご紹介したいと思います。
この記事のポイント
- 2025年の販売ピークは1月下旬から2月上旬の短い期間に集中している
- 確実に手に入れたいなら、前年秋のネット予約が最も安全なルートである
- 購入直後に「鉢増し」をするかしないかで、春の花数が劇的に変わる
- 「植えっぱなし」で夏越しできる驚異の生命力と、そのための断水管理法
今年のラナンキュラスラックス販売時期と購入場所
毎年、発売と同時に即完売する品種が出るほど大人気のラックスシリーズ。欲しいと思った時には既に売り場がスカスカで、徒長した売れ残りしか残っていない…なんてことにならないように、流通の波をしっかりと把握しておきましょう。ここでは、2025年シーズンの具体的な流通カレンダーと、ネット通販や実店舗をどのように使い分ければお目当ての品種をゲットできるのか、その「勝ちパターン」について詳しく解説していきますね。
予約開始時期とネット通販の動向

まず最初に押さえておきたいのが、インターネット通販での動き出しの早さです。ホームセンターなどの店頭に花苗が並ぶのは年明けの寒い時期になりますが、実はインターネットの世界では、そのずっと前の前年10月下旬から12月頃には、専門店を中心に予約販売がスタートしています。「えっ、まだ秋のガーデニングシーズン真っ只中なのに、もう春の予約?」と驚かれるかもしれません。しかし、この時期はいわゆる「第1波」と呼ばれるタイミングで、特に品種にこだわりがあるマニアの方々による、静かですが激しい争奪戦が水面下で繰り広げられているのです。
なぜ秋に予約する必要があるの?
なぜこんなに早い時期から予約が始まるのかというと、これには生産者さんの出荷計画が大きく関係しています。秋の段階で「今年はどの品種をどれくらい出荷できるか」という見通しが立つため、おぎはら植物園さんや園芸ネットさんといった信頼できる大手の園芸通販サイトでは、いち早く予約を受け付けることで、「絶対にこの品種が欲しい!」という熱心なファンの要望に応えているわけですね。
私自身も、過去に「春になったら買えばいいや」と高を括っていて、結局欲しかった「ティーバ」がどこにも売っておらず、悔しい思いをした経験があります。それ以来、絶対に逃したくない品種があるときは、スマートフォンのカレンダーに「ラックス予約開始予想日」のアラートを入れて、予約開始日にはパソコンの前で待機するようになりました。
今シーズンの狙い目
特に2025年の新品種である「ヴィーナス」や「アポロン」といった注目株を確実に手に入れたい場合は、この秋の段階で予約を済ませておくのが一番確実、というか唯一の安全策かなと思います。多くのショップでは、実際の発送は年明けの1月下旬頃からを予定していますが、注文枠自体は年内に埋まってしまい、締め切ってしまうことも少なくありません。
確かにネット通販には「送料がかかる」「現物を見て樹形を選べない」というデメリットはあります。しかし、それを補って余りある「品種の指名買いができる」という最大のメリットがあります。ガソリン代を使って近所の園芸店を何軒も回った挙句、結局見つからなかった時の徒労感を考えれば、送料を払ってでも確実に玄関先まで届けてもらう方が、精神衛生上もコストパフォーマンス的にも良い選択だと私は考えています。
ここがポイント
人気の品種ほど、春を待たずに予約完売してしまいます。「まだ秋だし早すぎるかな?」と思わずに、特定の品種が欲しい場合は、11月〜12月のうちに園芸ネットショップをチェックして、カートに入れて決済まで完了させておきましょう。
ホームセンター店舗での入荷情報

「送料は節約したいし、やっぱり植物は自分の目で見て、枝ぶりや葉の状態を確認して選びたい!」という実店舗派の方にとっての本番は、年が明けてからです。ホームセンターや園芸店にラックスが並び始めるのは、一般的に1月中旬から2月上旬にかけてとなります。これを「第2波」と呼びますが、特に2月に入ると一気に入荷量が増えて売り場が華やかになりますね。
大型店が狙い目

ジョイフル本田やカインズ、コメリパワーといった大型のホームセンターでは、この時期に合わせて「ラックス特設コーナー」が設けられることも多く、ずらりと並んだピカピカの花たちが壮観な景色を作り出します。まさにラックス祭りといった状態です。こうした大型店は入荷数が桁違いに多いので、発売直後に行けば、選び放題の状態を楽しめます。
実店舗で購入する最大のメリットは、何といっても自分の目で株の状態を確認できることです。ネット通販では届くまで分からない「株のボリューム」や「葉の色つや」を直接チェックできるのは大きな安心材料ですよね。良い苗を選ぶコツとしては、まず株元(クラウン)が太くてしっかりしていること。そして、葉が青々としていて黄変していないこと、蕾が地際からたくさん上がってきていることを確認しましょう。ヒョロヒョロと徒長している株よりも、ガッチリと締まった、重心の低い株の方が、その後の生育が良い傾向にあります。
店舗による格差に注意
ただし、注意したいのは「店舗によって入荷時期やラインナップが全然違う」という点です。同じ系列のホームセンターでも、園芸担当者さんの熱意や好みによって入荷する品種が異なったり、入荷日が1週間以上ズレたりすることがよくあります。「あそこの店舗には山積みされていたのに、こっちの店舗には影も形もない!」なんてこともしばしばです。
そのため、2月に入ったら週末ごとにこまめに足を運ぶか、勇気を出して店員さんに「今年のラナンキュラスラックスの入荷予定はいつ頃ですか?」「どんな品種が入りますか?」と聞いてみるのがおすすめです。親切な店員さんなら、入荷予定日や入荷する品種リストを教えてくれることもありますし、場合によっては取り置きの相談に乗ってくれるかもしれませんよ。
3月以降の「売れ残り」リスク
2月が流通のピークですが、3月に入ると徐々に「売れ残り」の株が目立つようになります。もちろん、状態が良ければ3月購入でも全く問題ありませんし、蕾も膨らんでいてすぐに咲く楽しさがあります。しかし、人気の品種は2月の早い段階で姿を消してしまうことがほとんどです。「暖かくなってから買いに行こう」とのんびり構えていると、欲しい色が手に入らない可能性が高くなるので、寒くても2月中に防寒対策をしてお店に行くのが勝利への鍵になります。
今年注目の新品種や人気色

ラックスの魅力は、何といってもその豊富なカラーバリエーションと、毎年登場する魅力的な新品種ですよね。まるでワックスをかけたようにピカピカと光る花弁の構造は、光を鏡のように反射する特殊な細胞層によるもので、一度見たら忘れられないインパクトがあります。2025年のシーズンで特に注目されているのが、以下の品種たちです。
| 品種名 | 特徴・カラー | おすすめポイント |
|---|---|---|
| ヴィーナス
(2025年新品種) |
純白〜クリーム、淡いピンク | 2025年の最注目品種!花弁数が多く、非常に豪華な咲き姿。白く輝く花はどんな庭にも合わせやすく、争奪戦必至です。 |
| アポロン
(2025年新品種) |
鮮やかなイエロー | 太陽のような輝きで、従来とは少し違う「イオ咲き」に近い、剣弁気味の花型が魅力。見るだけで元気がもらえるビタミンカラー。 |
| リーベラ
(希少・新品種) |
オレンジ〜茶系のニュアンス | 咲き進むにつれて色が変化していく様子を楽しめる希少な品種。アンティークな雰囲気が好きな方に強くおすすめします。 |
| ペネロペ
(詳細不明) |
– | アポロンと共にリストに挙がる新品種ですが、まだ情報が少なくミステリアスな存在。詳細な色味は流通してからのお楽しみです。 |
絶対外さない「定番品種」の魅力
もちろん、新品種だけでなく、長年愛されている定番品種も素晴らしいものばかりです。例えば、ラックスの代名詞とも言える「アリアドネ」は、淡いピーチピンクから桜色のような優しい色合いで、花弁が波打つように咲く姿が本当に優雅です。性質も非常に強健で花付きも抜群なので、初心者の方に「最初の一株は何がいい?」と聞かれたら、私は迷わずこのアリアドネをおすすめします。
また、「ティーバ」のようなアメジストパープルの品種は、庭に植えると一気に高貴で大人っぽい雰囲気を醸し出してくれますし、「ピュタロス」の濁りのないクリアな黄色は、春の庭をパッと明るく照らしてくれます。赤と黒のベルベットのような光沢を持つ「ハデス」も、シックな庭作りには欠かせない存在です。
トレンドは「ニュアンスカラー」
最近のトレンドとしては、「ウラノス」や「グレーシス」、あるいは「エリス」のような、少し落ち着いたニュアンスカラー(くすみカラー)の人気が急上昇しています。派手すぎず、他の植物とも自然に馴染む色合いが、ナチュラルガーデンや大人っぽいガーデニングを目指す方に支持されているようですね。ただ、こうした人気色は品薄になりがちなので、見つけたらラッキーだと思って早めに確保することをおすすめします。
補足:似ているけど違う「ランドセルシリーズ」
売り場には「ランドセルシリーズ」という名前のラナンキュラスも並んでいることがありますが、これはラックスとは別の系統(同じ綾園芸さんの作出ですが)になります。花が小ぶりで可愛らしいですが、あの独特のテラテラとした強い光沢感を求めるなら、間違えないようにタグをよく確認してくださいね。
苗のサイズごとの値段と相場

ラックスは一般的なパンジーやビオラなどの草花苗に比べると、正直なところ少しお値段が張る「高級苗」に分類されます。初めて売り場で見ると「えっ、1ポットで2,000円以上もするの?」と驚いて足が止まってしまうかもしれません。しかし、その価格は苗のサイズや充実度によって大きく異なりますし、何より「毎年咲く宿根草」としての寿命を考えれば、決して高くはない投資なんです。お財布と相談しながら、自分に合ったサイズを選ぶための目安をご紹介します。
3.5号〜4号ポット苗(1,500円〜2,640円程度)
最も一般的に流通しているサイズです。地上部はまだ小さく、花も1〜2輪咲き始めたか、あるいはまだ蕾の状態であることが多いです。このサイズのメリットは、比較的安価で手に入ることと、これから自分の手で大きく育てていく楽しみがあることです。ただし、新品種の場合はこのサイズでも2,600円台になることがあります。小さいからといって弱いわけではなく、植え付け後の成長スピードが非常に早いので、春の間に十分に大きくなり、たくさんの花を咲かせてくれますよ。
5号〜6号鉢の開花株(3,500円〜5,500円程度)
既に生産者さんの元で立派に育て上げられ、花がたくさん咲いている状態の大株です。プレゼント用や、買ってすぐに庭の主役として楽しみたい方、あるいは栽培に自信がなく「失敗したくない」という方に向いています。最初から見応え十分ですが、お値段はそれなりにします。自分へのご褒美や、母の日のギフトとしても非常に人気があります。
ネット通販のセット販売(4,400円〜6,000円程度)
「3株セット」や「品種おまかせセット」として販売されることもあります。1株あたりの単価が割安になるため、これからラックス花壇を一気に作りたい!という方には非常にお得です。ただし、人気の品種(ティーバやウラノスなど)が含まれるセットは、販売開始数分で瞬殺で売り切れることもあるので、購入難易度は高めです。
長期的なコスパは最強クラス
ネット通販だと、これに加えて送料が1,000円〜1,500円ほどかかる場合が多いですが、ガソリン代や店舗を何軒も回る時間と労力を考えれば、妥当な金額かなと思います。「高いなぁ」と感じるかもしれませんが、ラックスは一度植えれば毎年咲いてくれる宿根草です。一年草のように毎年買い換える必要がなく、むしろ年々株が大きくなって花数が倍増していくので、5年、10年という長い目で見れば、非常にコストパフォーマンスの良い植物だと言えますよ。私の庭のアリアドネも、もう5年以上咲き続けてくれていますが、もはや元は十分すぎるほど取れています。
売ってない理由と在庫切れ対策
「3月の暖かい日にお店に行ったのに、ラックスが全然売ってなかった…」という残念な報告をSNSなどでよく見かけますが、これには明確な理由があります。ラックスの流通のピークはあくまで1月下旬から2月で、4月に入ると気温の上昇とともに開花期が終わりを迎えるため、店頭から急速に姿を消してしまうんです。つまり、桜が咲くような春本番になってから探し始めても、時すでに遅しというケースが大半だということなんですね。
また、ラックスはバイオテクノロジー(メリクロン培養)を使って増殖されていますが、開発元の綾園芸さんが品質を厳格に管理しながら丹精込めて育てているため、工業製品のように短期間で大量生産ができるわけではありません。近年の爆発的なブームにより、需要に対して供給が追いついていないのが現状で、特に人気の新品種などは入荷したその日の午前中に完売してしまうことも珍しくありません。
では、どうすればこの厳しい「ラックス争奪戦」を勝ち抜き、在庫切れの悲劇を回避できるのでしょうか?私が実践している対策は以下の3つです。
- 秋の予約販売をフル活用する:
これが最も確実です。前年のうちに手を打っておくことで、春のシーズンインを余裕を持って迎えられます。欲しい品種が決まっているなら、迷わず予約しましょう。 - 2月に入ったらすぐにホームセンター巡りを開始する:
「まだ外は寒いから」と出不精にならず、2月の最初の週末には園芸店をパトロールしましょう。入荷情報は店舗のInstagramやブログなどで発信されることも多いので、近隣店舗のアカウントは要チェックです。 - ネットショップの「再入荷通知」に登録しておく:
一度売り切れても、キャンセル分や生産者さんからの追加入荷分が放出されることがあります。通知設定をしておけば、ライバルより早く気づくことができます。メールが来たら即クリックです。
ラックスに関しては「迷ったら買う」「見かけたら即買い」が鉄則かもしれません。悩んで店内を一周している間に、他の方のカートに入ってしまった…なんてこともありますからね。
ラナンキュラスラックスの販売時期に知るべき育て方
無事にラックスを手に入れたら、次はいよいよ栽培です。「高い苗だから絶対に枯らしたくない!」「初心者だけど大丈夫かな?」という不安もあるかと思いますが、安心してください。いくつかの重要なポイントさえ押さえれば、ラックスは従来のラナンキュラスとは比べ物にならないほど丈夫で、育てやすいお花です。ここでは、購入後にまずやるべきことから、来年も咲かせるための夏越しのコツまでを、ステップバイステップで詳しく解説します。
購入後すぐに行う植え替えの手順

1月〜2月に3.5号(10.5cm)や4号(12cm)のポット苗で購入した場合、地上部はまだこんもりとしていなくても、土の中では根がパンパンに回っていることがほとんどです。生産者さんのポットの中では、もう限界ギリギリまで根が張っている、いわゆる「根詰まり」の一歩手前の状態なんですね。そのままにしておくと、春の急激な成長期に根が十分に伸びられず、花数が減ってしまったり、水切れを起こしやすくなったりします。そのため、購入後は速やかに一回りから二回り大きな鉢(5号〜7号)への「鉢増し(植え替え)」を行うことが、春に満開の花を楽しむための必須条件となります。
最適な用土の配合
鉢増しの手順は難しくありませんが、いくつか重要なルールがあります。まず、用土は水はけの良いものを選びましょう。市販の「草花用培養土」そのままでも育ちますが、そこに赤玉土(小粒)や鹿沼土、ベラボンなどを2割〜3割ほど混ぜてあげると、さらに通気性と排水性が良くなって理想的です。ラックスは過湿を嫌うので、水がスッと抜ける土を作ってあげることが大切です。
【最重要】根鉢は絶対に崩さない!
そして、この時の最大の注意点は、根鉢(土と根の塊)を絶対に崩さないことです。一般的なパンジーやビオラなどの草花なら、少し根をほぐしてから植えることもありますが、ラナンキュラスの根は水分を多く含んでいて、非常にもろく、まるで茹でたモヤシのようにポキポキと折れやすい性質を持っています。根を傷つけてしまうと、そこから雑菌が入って腐ったり、吸水できずに急にシナシナになったりする原因になります。ポットから優しく抜いて、そのまま新しい土を入れた鉢にスポッと入れるだけでOKです。
深植えは「死」を招く
もう一つのポイントは「深植え厳禁」です。株元(クラウンと呼ばれる芽の出る部分)が土に深く埋まってしまうと、そこから灰色かび病などの病気が発生しやすくなり、最悪の場合は腐って枯れてしまいます。元の土の高さと同じか、気持ち高くなる(ウォータースペースを確保しつつ、株元が少し盛り上がる)くらいに浅めに植え付けるのがコツですよ。
注意点
株元(クラウン)周辺は、常に風通しを良くしておきましょう。ここがジメジメしていると病気の温床になります。
植えっぱなしで夏越しするコツ
従来のラナンキュラス(アジアティクス種)は、日本の高温多湿な夏が大の苦手で、梅雨時期や真夏になると球根が腐って溶けるように消えてしまうことが多く、事実上の「一年草扱い」をされることもありました。しかし、ラックスの最大の革命的ポイントは、植えっぱなしで夏越しができるという驚異的な耐候性にあります。この特性のおかげで、私たちガーデナーの手間が劇的に減り、「宿根草」として長く付き合えるようになったのです。
地植えの場合
まず、地植えの場合ですが、水はけの良い場所で、極端に低地で水が溜まるような場所でなければ、基本的にそのままで大丈夫です。私の庭でも、雨ざらしの場所に植えっぱなしにしていますが、毎年秋になると勝手に元気に芽吹いています。ただし、長雨が続くような年は腐るリスクもゼロではないので、心配な場合は植え付け時に盛り土をして少し高く植えておく(レイズドベッドにする)と安心です。
鉢植えの場合:プロの技「断水」

鉢植えの場合は、プロも実践する「断水(だんすい)」というテクニックを使うと、より確実に、ほぼ100%の確率で夏越しができます。5月下旬〜6月ごろになり気温が上がってくると、花が終わり、葉が黄色くなって枯れ始めます。これは枯れて死んだのではなく、暑い夏をやり過ごすために「休眠」に入った合図です。このサインが出たら、徐々に水やりを減らし、地上部が完全に茶色く枯れたら完全に水を断つ(一滴も水を与えない)ようにします。
その後、雨の当たらない風通しの良い日陰(軒下やベランダの奥、カーポートの下など)に鉢を移動して、土がカラカラに乾いた状態で夏を過ごさせます。「そんなに放置して、干からびて死なないの?」と不安になるかもしれませんが、球根の中にたっぷりと水分と養分を蓄えているので大丈夫です。むしろ、休眠中の呼吸が止まっている時に水を与えると、夏の高温も相まって球根が蒸れて腐ってしまいます。
そして秋になり、10月〜11月ごろ、最低気温が20℃を下回るようになったら、少しずつ水やりを再開します。最初は土の表面を湿らせる程度から始め、徐々に量を増やしていくと、また新しいツヤツヤの芽が動き出しますよ。この「芽吹きの瞬間」が、ラックスを育てていて最も感動する瞬間かもしれません。
寿命を延ばし枯れるのを防ぐ管理
せっかくのラックスを長く楽しむためには、成長期(秋〜春)の日々の管理も大切です。ラックスは成長スピードが非常に早く、春には一株で数十輪から百輪近い花を咲かせてくれるため、かなりの「大食漢」でもあります。エネルギー切れを起こすと、蕾が茶色くなって咲かずに落ちてしまったり、翌年のための球根が太らなかったりします。
肥料は「切らさない」が鉄則
芽が動いている10月から4月の間は、肥料を切らさないようにしましょう。植え付け時に「マグァンプK」などの元肥を用土に混ぜ込むのはもちろんですが、それに加えて、緩効性の置き肥(IB化成など)を月に1回株元に置きます。さらに、花が咲き始める春の最盛期には、1週間から10日に1回程度、薄めた液体肥料(ハイポネックスなど)を水やり代わりに与えてあげてください。「ちょっとやりすぎかな?」と思うくらいでも、ラックスならグングン吸収して花に変えてくれます。
花後の「光合成」が来年を作る
また、咲き終わった花(花柄)の処理も重要です。花びらが散る前に、花茎の根元からカットしましょう。そのままにしておくと種を作ろうとして株の体力を消耗してしまいます。こまめに花柄を摘むことで、次々と新しい蕾が上がってきます。
そして、全ての開花が終わった後も、葉が緑色の間は水と肥料を与え続けてください。この時期に葉っぱで光合成を行い、そのエネルギーを地中の球根に送り込むことで、来年咲くための力を蓄えているからです。葉が黄色くなるまでは、大切に育ててあげましょう。
害虫対策
病害虫については、春先にアブラムシやハモグリバエ(エカキムシ)が発生することがあります。これらはウイルス病を媒介することもあるので、見つけ次第駆除するのが基本ですが、予防が一番です。植え付け時に「オルトランDX」などの浸透移行性の殺虫剤を土に混ぜておくと、植物体が殺虫成分を持つようになり、虫が寄り付かなくなるので非常におすすめです。
メルカリ購入の危険性と種苗法

最近、フリマアプリやオークションサイトなどで「ラックスの増えた苗をお譲りします」「株分けした余剰苗です」といった出品を見かけることがありますが、これには非常に大きなリスクと法的な問題が潜んでいます。実は、ラナンキュラスラックスのほぼ全ての品種は種苗法に基づく「登録品種(PVP)」であり、育成者権者の許諾なく増殖させて、それを他人に譲渡・販売することは法律で厳しく禁止されています。
非常に重要な注意点
「儲けようと思ったわけじゃない」「増えすぎたから分けただけ」「送料分しかもらっていない」という個人の善意や趣味の範囲であっても、登録品種を無断で増殖して他人に有償・無償問わず譲渡する行為は、育成者の権利を侵害する違法行為(刑事罰・損害賠償の対象)となる可能性があります。
私たち消費者がこうした違法な苗を購入してしまうと、巡り巡って新品種の開発にお金をかけている育種家さんの利益を損ない、将来的に新しい素晴らしい花が生まれなくなる原因にもなりかねません。綾園芸さんが何年もかけて開発した努力の結晶を守るためにも、正規のルートで購入することが大切です。
また、法的な問題だけでなく、個人売買の苗はリスクが高いです。素人が株分けした際にハサミからウイルス病(モザイク病など)に感染している可能性や、品種名が管理されておらず「咲いてみたら違う色だった」というトラブルも頻発しています。「少しでも安く買いたい」という気持ちは分かりますが、公式のラベルが付いた正規のメリクロン苗を、園芸店や信頼できるショップで購入することを強くおすすめします。
種苗法や登録品種の保護については、農林水産省のWebサイトでも詳しく解説されていますので、興味のある方は一度確認してみると良いでしょう。
(出典:農林水産省『品種登録(種苗法)ホームページ』)
寒冷地での冬越しと開花時期
ラックスは一般的なラナンキュラス・アジアティクスに比べれば耐寒性も強く、マイナス5℃程度までは耐えられると言われていますが、それでも東北や北海道、長野などの高冷地では特別な配慮が必要です。関東以西の平地であれば地植えで問題なく冬を越せますが、地面が凍結するような地域で地植えにすると、水分を多く含む球根が凍って組織が破壊され、腐ってしまうことがあります。
寒冷地ユーザーの戦略
寒冷地にお住まいの方は、無理に地植えにせず、冬の間は鉢植えで管理するのが無難です。夜間は玄関内や凍らないサンルーム、風除室などに取り込み、日中の暖かい時間だけ外に出して日光に当てるという管理をしてあげると安全です。もし地植えに挑戦する場合は、腐葉土や藁などで厚くマルチングをして、霜や凍結から球根を守る工夫が必要になります。現在、北限での越冬実験なども愛好家の間で行われているようですが、確実性を取るなら春までは鉢で管理し、暖かくなってから庭に植える(または鉢ごと埋める)というスタイルが良いでしょう。
また、寒冷地では開花時期も当然遅くなります。暖地では3月から咲き始めますが、寒冷地では4月〜5月が満開の時期になることもあります。ネット通販で購入する場合、多くのショップでは寒冷地への発送を凍結防止のために「3月以降」としていることが多いです。1月に注文してもすぐに届かない場合がありますので、注文時には発送予定日をよく確認してくださいね。
ラナンキュラスラックスの販売時期を逃さず入手しよう

ここまで、ラナンキュラスラックスの販売時期や入手方法、そして育て方のポイントについて長々とお話ししてきました。キラキラと輝くラックスが庭にあるだけで、春のガーデニングが何倍も楽しくなりますし、風に揺れるその姿を見るたびに幸せな気持ちになれるはずです。切り花にしても花持ちが抜群に良いので、お部屋の中でもその輝きを楽しむことができます。
今年も、ヴィーナスやアポロンといった素敵な新品種がたくさん登場しているので、ぜひタイミングを逃さずにゲットしてくださいね。ラックスは、一度手に入れれば毎年春の訪れを告げてくれる、私たちガーデナーにとってかけがえのないパートナーになってくれます。この記事が、皆さんとラックスとの素敵な出会いの助けになれば嬉しいです。それでは、良いガーデニングライフを!
この記事の要点まとめ
- 販売のピークは1月下旬から2月上旬にかけてであり、この時期を逃すと入手困難になる
- 新品種を確実に手に入れるなら、前年10月〜12月のネット予約が最も確実である
- 実店舗では2月が最も品揃えが豊富になり、現物を見て選べるメリットがある
- 3月下旬以降は店頭在庫が減り、売れ残り状態になることが多いので注意が必要
- ネット通販は送料がかかるが、品種指定買いができ、時間と労力の節約にもなる
- 実店舗で選ぶ際は、クラウンが太く、葉の色つやが良い、重心の低い株を選ぶ
- 2025年の新品種「ヴィーナス」や「アポロン」は人気必至のため早めの確保を推奨
- 購入後は根鉢を絶対に崩さず、速やかに一回り大きな鉢へ「鉢増し」を行う
- 深植えは厳禁で、クラウンが土に埋まらないように浅めに植え付ける
- 夏は地上部が枯れたら断水し、雨の当たらない日陰で休眠させるのが安全で確実
- 成長期は大食漢なので、肥料切れに注意し定期的に固形と液肥のダブルで追肥を行う
- フリマアプリでの購入は種苗法違反のリスクや病気の懸念があるため避けるべき
- 寒冷地では冬は室内管理や凍結対策を行い、春になってから屋外に出すのが無難
- ラックスは宿根草であり、適切に管理すれば毎年楽しめるコスパの良い植物である
- 正規店でラベル付きの苗を購入することが、育種家への応援にもつながる
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