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バーベナに似た花の名前は?ランタナや雑草との見分け方図鑑

バーベナに似た花 バーベナ
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こんにちは、My Garden 編集部です。

散歩道や公園の花壇で、紫色の小さな花が丸く集まって咲いているのを見かけて、これってバーベナかなと気になったことはありませんか。でもよく見ると背が高いタイプだったり、なんだか独特な匂いがしたりして、正体がわからずモヤモヤすることもあるかもしれません。バーベナに似た花には、園芸で人気のランタナや、道端でよく見かけるヤナギハナガサといった雑草のように強い野草など、実はたくさんの種類があるんです。私自身も以前、庭で見慣れない紫の花を見つけて調べてみたことがありますが、特徴を少し知るだけで簡単に見分けられるようになりますよ。この記事では、そんなバーベナにそっくりな植物たちの見分け方や育て方のポイントを詳しくご紹介します。あなたの身近に咲いているその花が何という名前なのか、一緒に探していきましょう。

この記事のポイント

    • バーベナとランタナを色や匂いで見分ける具体的な方法がわかる
    • 道端に自生している背が高い紫色の花の正体と特徴が判明する
  • サクラソウなど和名や見た目が似ている植物との違いを理解できる
  • バーベナの代わりとして庭やプランターで育てやすい強健な花が選べる
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  1. バーベナに似た花の種類は?代表的な植物の判別図鑑
    1. 紫色の花が美しいランタナとバーベナの違い
      1. 最大の特徴は「色の変化」にあり
      2. 「低木」と「草本」という構造的な違い
    2. 道端の雑草として見かける紫色の植物の正体
      1. 「雑草」と呼ばれる野生のバーベナたち
      2. 野生種ならではの価値と注意点
    3. 背が高いサンジャクバーベナの草姿と特徴
      1. 1メートルを超えるユニークな立ち姿
      2. 葉の形状と花の構造で見極める
    4. 独特な臭いがある植物を特定するためのポイント
      1. ランタナが放つ、好き嫌いの分かれる「刺激臭」
      2. 嗅覚情報の活用で同定ミスを防ぐ
    5. 毒性を持つランタナを扱う際のガーデニング知識
      1. 誤食によるリスクと具体的な症状
      2. 生態系への影響と責任ある園芸
    6. 茎が四角い植物の構造で見分ける同定の手順
      1. 「茎が四角い」という決定的な証拠
      2. さらに一歩踏み込む「茎の中身」チェック
  2. 庭やプランターで楽しむバーベナに似た花の栽培術
    1. サクラソウのような和名を持つ植物との比較
      1. 季節感と生育スタイルの決定的な違い
      2. 管理の難易度と好む環境
    2. 初心者でも育てやすい強健な代替品種の選び方
      1. 夏に最強のパートナー!ニチニチソウの魅力
      2. ブランド品種の「強いバーベナ」を活用する
    3. 狭いプランターでも長期間咲き続ける夏の花
      1. プランター栽培に特化した品種選び
      2. 成功のカギは「土の通気性」と「水やりのタイミング」
    4. 適切な切り戻しで花数を増やすための管理方法
      1. 勇気を出して「バッサリ」が美しさの秘訣
      2. 切り戻し後の「ご褒美」とメンテナンス
    5. 理想の庭を作るバーベナに似た花の選び方まとめ

バーベナに似た花の種類は?代表的な植物の判別図鑑

バーベナだと思って近づいてみたら、実は全く別の植物だったという経験はありませんか?実は「バーベナに似た花」を探している方の背景には、道端で見かけた正体不明の植物を特定したいという「同定欲求」や、バーベナのような可愛い花をもっと楽に育てたいという「代替植物の探索」といった思いが隠れていることが多いんです。ここでは、特に間違いやすい代表的な植物たちを、私自身の観察経験も交えながら、植物学的な視点で徹底的に解剖していきます。それぞれの個性を知ることで、次にその花に出会ったとき、自信を持って名前を呼べるようになりますよ。

紫色の花が美しいランタナとバーベナの違い

バーベナに似た花1 色が黄色から赤へ変化するランタナ(七変化)の花のクローズアップ。バーベナとの違いである鮮やかなグラデーション。

バーベナに似た花として、園芸の世界で最も混同されやすく、かつ「最強の類似花」と言えるのがこのランタナです。どちらもクマツヅラ科という同じグループに属しており、小さな花が半球状に密集して咲く姿は、遠目にはプロでも見間違えるほどそっくりです。しかし、じっくりと観察を続けると、ランタナならではのドラマチックな生態が見えてきます。

最大の特徴は「色の変化」にあり

ランタナの最も大きな魅力、そしてバーベナとの決定的な違いは、開花してから時間が経つにつれて花の色が劇的に変わっていく性質にあります。咲き始めは明るい黄色だった小花が、次第にオレンジ色へ、そして最後には鮮やかな赤や濃いピンクへと変化していきます。そのため、一つの花序(花の集まり)の中に、黄色や赤が混ざり合った美しいグラデーションが見られるんです。この不思議な性質から、和名では「七変化(シチヘンゲ)」という素敵な名前で親しまれています。一方で、一般的なバーベナは、一つの株の中で色が劇的に変わることはなく、基本的には単色か、中心部の色だけが違うバイカラーの状態を維持します。色味の「動的な変化」があるかどうか、まずはそこをチェックしてみてくださいね。

「低木」と「草本」という構造的な違い

バーベナに似た花2 木質化したランタナの太い茎と、柔らかいバーベナの緑色の茎の比較写真。低木と草本の構造の違い。

見た目こそ似ていますが、植物としての「生き方」も大きく異なります。バーベナの多くは一年草または多年草として扱われる「草(草本)」の仲間ですが、ランタナは成長するにつれて茎が硬くなり、木のようにしっかりとした幹を形成する「低木(小低木)」なんです。成長したランタナの株元を見ると、ガッシリとした枝が四方に広がり、数メートルに達することもありますが、バーベナはもっと繊細で、柔らかい茎を地面に這わせたり、細く立ち上げたりするスタイル。この「木か草か」という点も、見極めの大きなヒントになりますよ。

My Garden 編集部の観察メモ
ランタナとバーベナで迷ったら、まず一房の中に「色が混ざっているか」をチェック!さらに、葉っぱを触ってみて、表面がヤスリのようにザラザラしていたら、それはランタナである可能性が非常に高いです。バーベナの葉はもう少し細かく切れ込んでいて、柔らかな質感をしています。

道端の雑草として見かける紫色の植物の正体

バーベナに似た花3 道端や荒地に自生する背の高い紫色の花、ヤナギハナガサ(サンジャクバーベナ)の群生。

街中や河川敷、あるいは空き地の隅っこで、バーベナそっくりの紫の花が群生しているのを見たことはありませんか?「こんなところに誰かがバーベナを植えたのかな?」と思うかもしれませんが、その正体の多くは、実は野生化した「帰化植物」としてのバーベナ類なんです。園芸店で売られている可憐なバーベナ(ハイブリッドバーベナ)とは違い、これらは日本の厳しい環境でも自力で生きていく強靭なパワーを持っています。

「雑草」と呼ばれる野生のバーベナたち

道端で見かけるこれらの「バーベナに似た花 雑草」の筆頭候補は、ヤナギハナガサ(サンジャクバーベナ)やアレチハナガサといった種類です。もともとは南アメリカから観賞用として持ち込まれたものですが、こぼれ種で爆発的に増え、今では全国の道端で見られるおなじみの光景になりました。彼らはとにかく暑さや乾燥に強く、都会のアスファルトの隙間や、栄養がほとんどない砂利だらけの場所からでも平気で顔を出し、太陽に向かって真っ直ぐに伸びていきます。園芸用のバーベナが「過保護に育ててほしいお嬢様」なら、これら野生種は「自力で生き抜くサバイバー」のような存在ですね。

野生種ならではの価値と注意点

繁殖力があまりに強いため、時には厄介者扱いをされることもありますが、その美しさは決して園芸種に引けを取りません。管理もされていないのに、初夏から秋まで次々と紫色の穂を立ち上げる姿は、都会の無機質な風景に彩りを与えてくれる貴重な存在でもあります。ただ、ご自分の庭に生えてきた場合は少し注意が必要です。一度種が飛ぶと、翌年には庭中がその花で埋め尽くされるほどの繁殖力を発揮するため、増えすぎを抑えたいなら早めに花を摘み取ることが大切です。

背が高いサンジャクバーベナの草姿と特徴

「道端で見かける、ひょろひょろと背が高い紫の花」というクエリで検索している方の正体は、ほぼ間違いなくサンジャクバーベナ(ヤナギハナガサ)でしょう。地面を這うように広がる一般的なバーベナをイメージしていると、その立ち姿のギャップに驚かされるはずです。

1メートルを超えるユニークな立ち姿

バーベナに似た花4 1メートル以上の高さまで直立して咲くサンジャクバーベナの立ち姿。周囲の植物との背丈の比較。

三尺(約90cm)という名前が示す通り、この植物は人の腰から胸のあたりまで、時にはそれ以上に高く成長します。茎は非常に細いのですが、断面が四角形になっていて強度が高く、支柱がなくても自立して風にゆらゆらと揺れる姿が印象的です。面白いのはその「シースルー」のような草姿。葉っぱが節々に申し訳程度にしかつかず、茎も細いため、背が高くても後ろの植物を隠すことがありません。この特性から、ガーデンデザインの世界では「背景を透かして見せるミドルプランツ」として、わざわざ庭に植えられることもある人気者なんですよ。

葉の形状と花の構造で見極める

名前の一部である「ヤナギ(柳)」の通り、葉は細長く、縁にははっきりとした鋸歯(ギザギザ)があるのが特徴です。花そのものは、バーベナ特有の5弁花が密集した形をしていますが、園芸種ほど花房が重たくなく、軽やかな印象を与えます。野趣あふれるナチュラルガーデンを目指すなら最適な花ですが、先述した通りこぼれ種での増え方は半端ではありません。「バーベナ 似た花 紫 背が高い」という特徴にこれほど合致する植物は他にないため、この姿を見かけたらサンジャクバーベナだと断定して良いでしょう。野生的な強さと可憐さを併せ持つ、不思議な魅力があるお花ですね。

サンジャクバーベナの識別ポイントまとめ

  • 草丈が1メートル前後と非常に高く、直立する
  • 茎が細くて四角く、中が空洞になっている(ストロー状)
  • 葉が柳のように細長く、茎を抱くようにつく
  • 花は鮮やかな紫色で、茎の先端に密集して咲く

独特な臭いがある植物を特定するためのポイント

植物を特定する際に、視覚以上に確実なヒントをくれるのが「嗅覚」の情報です。バーベナに似た花の中で、特にランタナを識別するための決定打となるのが、その独特な匂い。これは、見た目だけでは迷ってしまうユーザーにとって、最も分かりやすい判別基準になります。

ランタナが放つ、好き嫌いの分かれる「刺激臭」

ランタナの葉や茎を指先で軽く擦ってみてください。すぐに、独特のツンとした匂いが立ち上がってくるはずです。この匂いに関しては本当に個人差が大きく、ある人は「レモンやシトラスを思わせるフルーティーな香り」と感じ、またある人は「猫の尿のような、あるいは不快な青臭い臭い」と感じるようです。実は、海外ではその複雑な匂いから「ハム・アンド・エッグ(ハムと卵)」という愛称で呼ばれることもあるんですよ。いずれにしても、バーベナにはこのような強い刺激臭はありません。バーベナはほとんど無臭か、草特有の淡い香りがする程度です。もし「見た目はバーベナっぽいけれど、なんだか鼻につく強い匂いがするな」と思ったら、それは十中八九ランタナでしょう。

嗅覚情報の活用で同定ミスを防ぐ

この匂いの成分は、植物が虫や動物から食べられるのを防ぐための防衛手段だと言われています。ランタナがこれほどまでに強健で、どこでも生き残れるのは、こうした「化学兵器」を自ら作り出しているからなんですね。逆に、園芸用のバーベナは、香りが改良された一部の品種(レモンバーベナなどは別種です)を除き、鑑賞を邪魔しない程度の香りに留められています。「バーベナ 似た花 臭い」という検索キーワードで辿り着いた方は、ぜひその場で葉を一枚触ってみてください。その「匂いの有無」こそが、植物たちがあなたに語りかける最も正直な自己紹介になるはずですよ。五感を使って植物を観察する楽しさを、ぜひ味わってみてください。

毒性を持つランタナを扱う際のガーデニング知識

バーベナに似た花5 ランタナの有毒な実の拡大。熟した黒い実と未熟な緑色の実。誤食注意のポイント。

美しく、しかも放任で育つほど強健なランタナ。しかし、庭に迎える際には、必ず知っておかなければならない「負の側面」があります。それは、植物全体に「ランタニン(Lantadene)」という有毒成分が含まれていることです。これは、小さなお子さんやペットがいるご家庭にとっては、非常に重要な情報となります。

誤食によるリスクと具体的な症状

ランタナは花が終わった後、ブルーベリーをひと回り小さくしたような緑色の実をつけ、それが次第に黒く熟していきます。この実が、子供にとってはまるでお菓子のようで美味しそうに見えてしまうのが最大の落とし穴です。特に未熟な実には毒性が強く、誤って摂取すると下痢、嘔吐、腹痛などの急性症状のほか、重症化すると光過敏症や肝機能障害を引き起こす恐れがあります。わんちゃんや猫ちゃんが散歩中に葉を齧ってしまうのも危険です。そのため、庭に植える際は、実ができる前に花を摘み取る「花がら摘み」を徹底するか、そもそも手が届かない場所に植えるといった配慮が必要になります。

生態系への影響と責任ある園芸

さらに、ランタナはその強すぎる繁殖力が原因で、世界の侵略的外来種ワースト100にも選定されています。
(出典:環境省「我が国の生態系等に悪影響を及ぼすおそれのある外来種リスト」)
一部の地域では野生化が問題となっており、お庭で楽しむ分には素敵なお花ですが、剪定した枝をポイ捨てしたり、種が周囲に飛散しすぎたりしないよう管理する責任が、私たちガーデナーには求められています。毒性やリスクを正しく恐れ、適切にコントロールすること。それが、植物とも周囲の環境とも長く良好な関係を築くための、My Garden流の誠実なスタンスです。

安全に楽しむための取り扱いルール
ランタナを扱う際は、念のためガーデニンググローブ(手袋)を着用しましょう。剪定時に出る樹液に触れると、人によっては皮膚がかぶれることがあります。また、実を見つけたら早めに除去し、誤食のリスクを未然に防いでください。万が一、お子様やペットが口にしてしまった場合は、速やかに専門の医療機関や獣医師に相談してくださいね。

茎が四角い植物の構造で見分ける同定の手順

「見た目も匂いも、なんだか確信が持てない…」という時に使える、プロも実践する究極の判別テクニックがあります。それが「茎の構造をチェックする」ことです。バーベナが属するクマツヅラ科の植物には、他の植物にはあまり見られないユニークな幾何学的特徴があるんです。

「茎が四角い」という決定的な証拠

バーベナに似た花6 バーベナ(クマツヅラ科)に共通する四角い茎の断面。植物同定のための指先での確認。

多くの植物の茎は円柱形をしていますが、バーベナやランタナ、ヤナギハナガサなどのクマツヅラ科の植物は、そのほとんどが「茎の断面が四角形」になっています。名前が気になる植物を見つけたら、茎を親指と人差し指でそっとつまんで、くるくると回してみてください。角が4つある「カクカク」とした感触が指に伝われば、それはバーベナの仲間の証明です。ちなみに、同じように茎が四角い植物にシソ科(ミントやアキノタムラソウなど)がありますが、シソ科は花が唇のような形(唇形花)をしているのに対し、バーベナ類はサクラのような5弁花が集まって咲くので、そこでさらに絞り込みが可能です。

さらに一歩踏み込む「茎の中身」チェック

バーベナに似た花7 ヤナギハナガサの空洞の茎とアレチハナガサの詰まった茎の比較断面。

特に見分けが難しいのが、野生化しているヤナギハナガサとアレチハナガサのコンビ。どちらも背が高く、茎が四角いのですが、一本だけ茎を折ってみると(もちろん折っても大丈夫な場所で!)その違いは一目瞭然です。ヤナギハナガサの茎は、中がストローのように空っぽの「中空」になっています。対してアレチハナガサは、中が白いスポンジ状の髄で詰まっている「中実」なんです。この「中が空いてるかどうか」を確認する作業は、まるで探偵のようでワクワクしませんか?こうした微細な違いに気づけるようになると、植物の世界はもっと深く、面白いものに変わっていきますよ。

見分けポイント バーベナ(園芸種) ランタナ ヤナギハナガサ
全体の姿 地面を這う・こんもり ガッシリした低木 1m以上の高身長
花の色の変化 変化しない(固定) 劇的に変化する 変化しない(固定)
葉の質感 柔らかい・切れ込み有 ザラザラ・厚手 柳状・細長い
茎の内部 詰まっている 木質化(木の枝) 空洞(ストロー状)
独特の匂い ほとんど無し 強い刺激臭あり ほとんど無し

庭やプランターで楽しむバーベナに似た花の栽培術

「バーベナのような可愛い花をお庭に取り入れたいけれど、うちの環境に合うのはどれかな?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。バーベナそのものも魅力的ですが、似た姿を持つ植物たちの中には、より特定の環境(日陰や極端な暑さなど)に適応したものがたくさんあります。ここでは、見た目の美しさだけでなく、実際に育てる際の手間や環境の相性を踏まえて、園芸初心者の方でも失敗しないための選び方とコツを詳しく解説していきますね。あなたの理想のガーデンシーンを想像しながら読み進めてみてください。

サクラソウのような和名を持つ植物との比較

バーベナに似た花8 バーベナ(美女桜)とサクラソウの見た目の比較。ハート型の花びらと咲き方の違い。

バーベナという名前にピンとこなくても、和名の「美女桜(ビジョザクラ)」という言葉を聞いて「あ、あの桜に似たお花ね!」と納得される方もいらっしゃるはず。花びらの先端がハート型にへこんでいて、小さなサクラが集まって咲いているような姿は、日本人の感性にぴったりくる可憐さを持っています。しかし、この美しい和名ゆえに、春を代表するサクラソウと混同してしまうケースが非常に多いのも事実です。見た目は確かに似ていますが、園芸家としての視点では「真逆の性質を持つ植物」として区別する必要があります。

季節感と生育スタイルの決定的な違い

まず、最も大きな違いは「花が咲く時期」です。サクラソウは、まだ肌寒さが残る4月から5月にかけて、春の訪れを告げるように咲く儚いお花。一方、バーベナ(ビジョザクラ)は初夏から秋の終わりまで、猛暑にも負けず半年近く咲き続けるエネルギーに満ちたお花です。もしあなたが「夏の間もずっと桜のような花を楽しみたい」と思っているなら、迷わずバーベナを選ぶのが正解ですよ。また、株の形にも決定的な違いがあります。サクラソウは地面から直接葉を広げる「ロゼット状」の低い姿でまとまりますが、バーベナは茎が立ち上がったり、地面を這うように伸びたりと、立体的に成長していくのが特徴です。

管理の難易度と好む環境

サクラソウ、特に日本古来の日本サクラソウなどは、少し湿り気のある半日陰や風通しの良い場所を好む、どちらかといえば「静か」な環境を好む繊細な性質を持っています。対してバーベナは、とにかく太陽の光が大好きで、カンカン照りの下でも元気に育つ「動的」な性格。同じ「サクラに似た花」でも、日当たりの悪い場所にバーベナを植えると花付きが悪くなりますし、逆に日差しの強すぎる場所にサクラソウを植えると葉焼けを起こしてしまいます。自分の庭の「日当たり」がどちらに向いているかを冷静に判断することが、失敗しない第一歩かなと思います。ちなみに、冬から春に人気の「プリムラ・ジュリアン」もサクラソウの仲間ですが、こちらもバーベナとは管理方法が全く異なるので注意してくださいね。

初心者でも育てやすい強健な代替品種の選び方

バーベナは非常に魅力的な花ですが、実は「うどんこ病」という、葉っぱが粉を吹いたように白くなる病気にかかりやすいという繊細な一面もあります。私も初心者の頃、梅雨の長雨でバーベナを真っ白にしてしまい、泣く泣く処分した苦い経験があります。そんな思いを皆さんにはしてほしくないので、より強健で「ほったらかし」でも育ちやすい代替品種についても詳しくお話しします。

夏に最強のパートナー!ニチニチソウの魅力

バーベナに似た花9 バーベナに似た花としておすすめの、暑さに強いニチニチソウ(日々草)の花壇。

バーベナの「5弁の花弁」と「鮮やかな発色」が好きなら、ニチニチソウ(日々草)は最高の代役になります。ニチニチソウは真夏の直射日光が大好物で、湿気や病気にも非常に強いのが特徴。バーベナが苦手とする日本の高温多湿な夏でも、休むことなく次々と花を咲かせてくれます。葉っぱに光沢のある「照り葉」があり、縁にギザギザがないのがバーベナとの見分け方ですが、遠目から見た時の彩りの豊かさはバーベナに勝るとも劣りません。最近ではカフェラテ色やニュアンスカラーのおしゃれな品種も登場しており、寄せ植えの主役としても非常に人気が高まっています。

ブランド品種の「強いバーベナ」を活用する

「それでもやっぱり、あのバーベナの繊細な姿が好き!」という方には、サントリーフラワーズが開発した「タピアン」や「花手毬」といったブランド品種がおすすめです。これらは、従来のバーベナが持っていた「病気への弱さ」を最新の技術で克服した、いわば「強化版バーベナ」。特にタピアンは、雑草が入り込む隙間もないほど地面をびっしりと覆い尽くしてくれるので、グランドカバーとしても非常に優秀です。まずはこうした病気に強い品種から始めて、徐々にバーベナの扱いになれていくのが、園芸を楽しむための一番の近道ですよ。

私からのちょっとしたコツ
初心者の方なら、「宿根バーベナ」とラベルに書かれた苗をぜひ選んでみてください。一年草タイプよりも体力が強く、一度しっかり根付いてしまえば、冬を越して翌年もまた可愛いお花を見せてくれることが多いんです。手間をかけずに長く楽しめるのは、忙しい私たちにとって嬉しいポイントですよね。

狭いプランターでも長期間咲き続ける夏の花

日本の住宅事情を考えると、ベランダのプランターで園芸を楽しんでいる方が圧倒的に多いですよね。「バーベナのようなお花を植えたいけれど、場所がないから…」と諦める必要はありません。狭いスペースだからこそ、一鉢で抜群の存在感を放つ「密度の高い花」を選ぶ楽しみがあるんです。

プランター栽培に特化した品種選び

プランターで育てるなら、背が高くなりすぎて倒れやすいヤナギハナガサよりも、こんもりと横に広がるコンパクトなタイプが最適です。例えば「花手毬(はなてまり)」という品種は、名前の通り手毬のような大きな花房が密集し、プランターの縁から溢れ出すように豪華に咲き誇ります。この「こぼれ咲く」姿は、ハンギングバスケットにして目線の高さに飾ると、まるでお花のカーテンのようで本当に癒やされますよ。また、バーベナに近い仲間としてフロックスのコンパクト品種もおすすめ。特に「ききょうなでしこ」とも呼ばれるタイプは、バーベナに似た星型の小花がブーケのように集まって咲き、鉢植えでも非常に見応えがあります。

成功のカギは「土の通気性」と「水やりのタイミング」

プランター栽培で絶対に失敗したくないなら、実は苗以上に「土」にこだわってみてください。バーベナやその仲間たちは、根っこが常にジメジメしているのを一番嫌がります。市販の培養土に、少しだけ「軽石」や「赤玉土」を混ぜて、排水性をさらに高めてあげると、根腐れのリスクが劇的に減ります。また、夏のプランターは想像以上に熱を持ちやすく、水切れも早いです。朝の涼しい時間に鉢底から流れるまでたっぷりとお水をあげ、逆に夜は「土が乾いていなければあげない」というメリハリが大切。「一鉢で長く、美しく」を叶えるためには、こうした小さな気遣いが花数を増やす魔法になります。

プランター選びの要素 最適な条件・おすすめ品種
おすすめ品種 花手毬、宿根バーベナ・リギダ、フロックス
土の種類 排水性の良い培養土(軽石を2割ほど混ぜるのがベスト)
置き場所 午前中にしっかり日光が当たる、風通しの良いベランダ
水やり 土の表面が乾いたらたっぷりと(真夏は朝夕2回必要なことも)

適切な切り戻しで花数を増やすための管理方法

バーベナやその仲間を育てていると、ある時「なんだか茎だけがひょろひょろと伸びて、花が少なくなってきたな…」と感じることがあります。これは植物が「お疲れモード」に入ったサインです。ここで絶対に覚えておいてほしい技術が、「切り戻し」です。これをやるかやらないかで、秋までお花を楽しめるかどうかが決まると言っても過言ではありません!

勇気を出して「バッサリ」が美しさの秘訣

バーベナに似た花10 バーベナの切り戻し作業の様子。花数を増やすための剪定。

切り戻しのベストタイミングは、最初のお花がひと通り咲き終わった後の梅雨入り前、あるいは真夏の盛りを過ぎた8月下旬頃。やり方はとてもシンプルで、株全体を地面から10〜15cm程度の高さで「バッサリ」とカットします。「せっかく伸びたのにかわいそう…」と思うかもしれませんが、実はこれが植物を若返らせる最高の方法なんです。カットしたすぐ下にある「節(ふし)」から、新しい元気な脇芽が2本、3本と分岐して出てきます。これにより、1本の茎から3倍の花が咲くことになり、数週間後には以前よりもずっと密度の高い豪華な花姿に出会えますよ。

切り戻し後の「ご褒美」とメンテナンス

思い切ってカットした後は、植物にとっても大きなエネルギーが必要です。必ず「ご褒美」として、緩効性肥料をパラパラと株元に置いてあげるか、即効性のある液体肥料を水やりの時に与えてください。また、切り戻しをすることで株元の風通しが劇的に改善され、バーベナの大敵である「蒸れ」を防ぎ、病気の発生を抑える効果も期待できます。カットしてからわずか10日ほどで、驚くほど鮮やかなグリーンの新芽が吹いてくるはず。その強い生命力に触れるたび、私はいつも「植物ってすごいな」と感動してしまいます。

切り戻し作業の3ステップ

  • 一通りの花が咲き終わったら、株を半分の高さまでカットする
  • 黄色くなった下葉や枯れた枝は、この時にきれいに取り除く
  • 新芽が出るのを助けるため、必ず追肥(肥料)を与える

理想の庭を作るバーベナに似た花の選び方まとめ

「バーベナに似た花」を探す旅、いかがでしたか?道端で見かける野性味あふれるヤナギハナガサから、色の魔法をかけるランタナ、そして夏を彩るニチニチソウまで、本当に個性豊かな顔ぶれでしたね。似ているからこそ、それぞれの「違い」を知ることで、私たちは植物とのより深い付き合い方を見つけることができます。匂いを嗅いで正体を確かめたり、茎の断面を指でなぞったりする時間は、日常の忙しさを忘れさせてくれる最高のリラックスタイムになるはずです。どのお花が「正解」ということはありません。あなたの感覚が「可愛いな」「育ててみたいな」と感じたその直感を大切に、ぜひ一株から始めてみてください。お花のある暮らしが、あなたの毎日をもっとキラキラした、素敵なものにしてくれるよう応援しています!

この記事の要点まとめ

  • バーベナとランタナは花の色が変化する「七変化」の性質で見分ける
  • ランタナの葉には独特の強い匂いがありバーベナにはほとんど匂いがない
  • 道端で1メートル近くまで背が高くなる紫の花はヤナギハナガサの可能性が高い
  • ヤナギハナガサは茎の断面が四角形で中がストローのように空洞になっている
  • バーベナの和名は美女桜でサクラソウと見た目や名前が似ている
  • サクラソウは春咲きで日陰を好みバーベナは初夏から秋まで日向で咲く
  • 野外で見かける野生のバーベナ類は非常に繁殖力の強い外来植物が多い
  • ランタナは美しいが実や葉に有毒成分が含まれるため誤食には注意が必要
  • クマツヅラ科の植物は茎の断面が四角形をしている共通の特徴がある
  • 病気に強いタピアンや花手毬などの改良品種は初心者でも失敗が少ない
  • 夏に強いニチニチソウはバーベナに似た5弁の花を咲かせる優秀な代替品種
  • プランター栽培では排水性の良い土を使い日当たりの良い場所に置くのがコツ
  • 花数が減ってきたら思い切って半分程度まで切り戻すと株が若返りまた咲く
  • 似ている種類でも葉の光沢や茎の中身を確認すれば正確に種類を特定できる
  • お庭の環境や自分がかけられる手間に合わせて最適な種類を選ぶのが一番

※植物の同定や栽培管理については、お住まいの地域の気候や環境により異なる場合があります。また、有毒植物の取り扱いには十分ご注意いただき、最終的な判断は専門家に相談されることをお勧めします。

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