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宿根バーベナの種類と特徴は?育て方や冬越しのコツを徹底解説

宿根 バーベナ 種類1  太陽の光を浴びて色鮮やかに咲き誇る宿根バーベナが美しいナチュラルガーデンの風景 バーベナ
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こんにちは、My Garden 編集部です。

お庭を彩る花の中でも、宿根バーベナの種類は本当に豊富で、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。私自身も、最初は毎年咲く多年草タイプと一年草タイプの違いが分からず、どの子を地植えにすればいいのか悩んだことがあります。お庭を絨毯のように覆いたいのか、鉢植えで華やかにしたいのかによって、選ぶべき宿根バーベナの種類や育て方のコツは大きく変わってきます。この記事では、冬越しの方法や人気のタピアン、スーパーベナといった品種ごとの魅力について詳しくお伝えします。この記事を読めば、あなたのお庭にぴったりの一株がきっと見つかるはずですよ。

この記事のポイント

  • 成長形態に合わせた宿根バーベナの種類の選び方
  • 人気のタピアンやスーパーベナが持つ独自の強み
  • 地植えや鉢植えで失敗しないための育て方のコツ
  • 冬越しや雑草対策を成功させるための具体的な方法

宿根バーベナは、一度植えると数年にわたって楽しめる丈夫な植物です。ライフスタイルやお庭の環境に合った種類を選んで、ローメンテナンスなガーデニングを楽しみましょう。

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宿根バーベナの種類と特徴を成長形態別に徹底解説

宿根バーベナの世界は、私たちが想像する以上に奥が深く、その多様性は成長の仕方にハッキリと現れます。地面を這うように広がる「這い性(グランドカバータイプ)」、こんもりとまとまる「半立ち性(マウンドタイプ)」、そして背を高く伸ばす「直立性(高性タイプ)」の3つに大きく分けられます。それぞれのタイプが持つ役割を理解することで、お庭のどこにどの子を迎えるべきかが見えてきますよ。まずは、それぞれの代表的な品種と、その驚くべき機能性について詳しく掘り下げていきましょう。

這い性タピアンによる雑草対策と被覆力の秘密

宿根 バーベナ 種類2  雑草を抑制するほど高密度に地面を覆う這い性宿根バーベナ「タピアン」のグランドカバー

「お庭の雑草取りが大変……」という方に、私が真っ先におすすめしたいのがタピアンです。タピアンは、サントリーフラワーズが開発した非常にタフな宿根バーベナの種類で、地面を覆い尽くすスピードが驚くほど早いのが特徴です。南アメリカ原産の種をベースに日本の気候に合わせて育種されているため、高温多湿な日本の夏でも弱りにくいという強みがあります。このタピアン、実は単なる花としてだけでなく、機能的な「防草植物」としての側面が非常に強いんです。

タピアンの凄さは、その「密度」にあります。茎が細かく分岐しながら地面を這い、節から根を出してしっかりと定着します。これにより、地面に光が届かなくなるため、雑草の種が芽を出すのを物理的に防いでくれるんです。これは専門的には「遮光効果による雑草抑制」と呼ばれます。特に、雑草がまだ眠っている秋(9月下旬から10月頃)に植え付けておくと、冬の間に根を広げ、春の雑草爆発期にはすでにタピアンが地面を占有しているため、最強の雑草対策になります。まさに「先制攻撃」ですね。シリーズの中でも特に「バイオレット」は株張りが60〜80cmにも達し、広範囲をカバーするのに最適です。一方で「ローズ」などは比較的コンパクトにまとまるので、小規模な花壇ならこちらの方が扱いやすいかなと思います。このように、目的やスペースに合わせて選べるのも魅力ですね。詳しいラインナップはメーカーの情報を参考にしてみてください。

私自身、庭の法面にタピアンを植えたことがあるのですが、たった数株であっという間に斜面が紫色の花のカーペットに変わった時は感動しました。お手入れといえば、伸びすぎたところを時々カットするくらい。忙しいけれどお庭を綺麗に保ちたい方には、これ以上ない味方になってくれるはずです。ただし、完全に雑草をゼロにするわけではないので、植え付け直後のタピアンが広がるまでは、丁寧な除草を心がけるのが成功の秘訣ですよ。

品種名 花色 生育特性 おすすめの用途
バイオレット 濃い紫色 シリーズ最強の株張り・旺盛な生育 広いお庭の防草、法面の土留め
ローズ 鮮やかな紅桃色 まとまりが良く早咲き、色鮮やか プランター、花壇の前景、寄せ植え
パープリッシュホワイト 淡い紫がかった白 枝が細かく長く伸びやすい 明るい印象の地被、混植のアクセント
ラベンダー 優しい薄紫色 上品な色合いで耐病性も高い ナチュラルな庭園、広い面積のカバー

踏圧に強いヒメビジョザクラの活用法と地植え

宿根 バーベナ 種類3  石畳の隙間に根付いて自然な景観を作る踏圧に強いヒメビジョザクラ(テネラ)

別名「テネラ」とも呼ばれるヒメビジョザクラ(Glandularia tenera)は、繊細なレースのような葉っぱが可愛らしい種類です。見た目の可憐さとは裏腹に、驚くほどの生命力を持っていて、多少踏まれてもへこたれない強さが魅力。葉っぱが深く切れ込んでいるのは、日光や乾燥から身を守るために蒸散を抑える植物なりの工夫なんですね。この小さな葉のテクスチャーが、お庭に柔らかな印象を与えてくれます。特に、洋風のお庭だけでなく和モダンな空間にも不思議とマッチするのが、この種類の面白いところです。

地植えにする場合は、石組みの隙間やアプローチの縁取りに活用するのが私のおすすめです。環境が合えば、砂利の間やコンクリートのわずかな隙間からも顔を出して花を咲かせてくれます。普通の植物なら音を上げてしまうような土の少ない過酷な場所でも、このヒメビジョザクラならたくましく生き抜いてくれますよ。繁殖力も強く、地面に接した茎からどんどん根を出して広がるため、アプローチの横に植えておくと、いつの間にか道に少しはみ出して咲く「こぼれるような演出」が楽しめます。私のお庭でも、飛び石の周りに植えているのですが、歩くたびにふわっと広がる姿が本当に愛らしいんです。踏圧にもある程度耐えられるので、芝生の代わりに小規模なスペースの緑化に使う方もいらっしゃいますね。ただし、あまりに快適な場所だと広がりすぎて他の植物を圧倒することもあるので、春や秋に伸びすぎた枝をハサミで整理してあげると、ずっと綺麗な状態を保てます。冬場は寒冷地でなければ、地上部が枯れ込んでも根はしっかり残るため、翌春にはまた緑の絨毯を広げてくれる頼もしい存在です。

耐寒性に優れたスーパーベナの開花特性と冬越し

宿根 バーベナ 種類4  手毬のように大きく豪華な花房が特徴の高性能な宿根バーベナ「スーパーベナ」のアップ

豪華な花房を楽しみたいなら、PW(プルーブン・ウィナーズ)のスーパーベナは見逃せません。この種類は、従来のものよりも一回り大きな花が手毬状に集まって咲くため、一株でも圧倒的な存在感を放ちます。私自身、初めてスーパーベナを育てた時は、その花の大きさと次から次へと上がってくる蕾の多さに本当に驚きました。特に2025年にリニューアルされた「ブルー」などは、より密に枝分かれするように改良されていて、さらにボリューム満点の姿を楽しめますよ。色鮮やかなグラデーションが美しい「ピーチメルバ」や、涼しげな「アイストゥインクル」など、カラーバリエーションが豊富なのも選ぶ楽しみの一つですね。

スーパーベナの最大の武器は「不稔性(ふねんせい)」といって、種を作らない性質です。普通の植物は子孫を残すために、種を作るプロセスで膨大なエネルギーを消費しますが、スーパーベナはそのエネルギーをすべて「花を咲かせること」と「株を大きくすること」に回せるんです。だから春から晩秋まで、お休みなしで咲き続けてくれるんですね。さらに、耐寒性も抜群で、マイナス10度程度(USDAゾーン8a相当)まで耐えられるため、関東以西の平野部であれば特別な防寒なしで屋外越冬が可能です。冬場は地上の枝がカサカサに乾いて枯れたように見えますが、中心部や株元でじっと春を待っています。3月頃に株元から緑の芽が見えてきた時の喜びは、宿根草ならではの楽しみですね。雪が積もる地域では、マルチングをしてあげるとより安心かなと思います。また、スーパーベナは「うどんこ病」に対しても非常に強い抵抗性を持っているので、初心者さんでも病気に悩まされることが少なく、美しい状態を長くキープできるのが最大のメリットです。

スーパーベナの中でも「アイストゥインクル」のようなストライプ模様の品種は、時々単色の枝が出てくる「枝変わり」が起きることがあります。単色の枝は元の模様入りの枝よりも生育が旺盛なことが多いので、そのままにすると元の模様が消えてしまうことも。見つけたら早めに元から切り取ってあげるのが、綺麗な模様を維持するコツですよ。

三尺バーベナことボナリエンシスの育て方のコツ

宿根 バーベナ 種類5  背が高く風に揺れる姿が美しい、庭の背景に適した三尺バーベナ(ボナリエンシス)

「三尺(約90cm)」という名の通り、草丈が1メートルから時には1.5メートルほどまで高く成長するのがバーベナ・ボナリエンシス(ヤナギハナガサ)です。スッと真っ直ぐ伸びた硬い茎の先に、小さな紫色の花が集まって咲く姿は、イングリッシュガーデンやナチュラルガーデンに欠かせない軽やかさを持っています。この種類の凄いところは、背が高いのに「透け感」があること。茎が断面で四角形をしていて非常に強く、葉っぱも控えめなので、後ろにある植物を完全に隠すことがありません。風に揺れる景色を「レイヤー(層)」のように作ってくれるんです。まるで蝶が舞っているような、幻想的なお庭を演出できますよ。

育て方の最大のコツは、実は「何もしすぎないこと」かもしれません。それくらい丈夫で、一度植えればこぼれ種でどんどん増えます。水はけの良い場所なら、肥料もそれほど必要としません。むしろ、あまり過保護にして肥料をたっぷり与えすぎると、茎が太くなりすぎて野暮ったくなってしまうこともあるので注意ですね。また、ボナリエンシスは非常に多産な種を作るため、お庭の思わぬ場所から芽を出すことがあります。「増えすぎて困る」という場合は、花が終わった後に種ができる前にカットしてあげると良いですよ。一方で、広い場所を自然な草原風にしたいなら、これほど頼もしい植物はいません。垂直のラインを作る「バーティカル・ポイント」として、花壇の後方に配置すると奥行きが出てぐっとおしゃれな空間になりますよ。最近では、背が高くならない矮性種の「メテオールシャワー」という品種もあり、こちらは種ができないように改良されているので、管理がもっと楽になります。自分の好みの高さや、お庭のスタイルに合わせて使い分けるのが楽しい種類です。

地下茎で増えるリギダの繁殖特性と植栽の注意

宿根 バーベナ 種類6  地下茎で広がり乾燥した場所でも力強く開花するバーベナ・リギダの群生

バーベナ・リギダは、これまでご紹介したタイプとは異なり、地面の下で水平に「リゾーム(地下茎)」を伸ばして陣地を広げていくタイプです。地上部は30〜50cm程度とコンパクトにまとまりますが、見た目以上にガッシリとした質感で、葉っぱの表面は少しざらざらとしていて硬いのが特徴。この硬さが、食害虫から身を守るための物理的な防御機能にもなっているんです。非常にワイルドで野趣あふれる雰囲気が、ドライガーデンやロックガーデンにもよく馴染みます。花は鮮やかな紫色で、一つひとつの花房がしっかりと立ち上がるため、非常に視認性が高いのが特徴です。

リギダの繁殖特性を理解せずに植えると、翌年「えっ、こんな離れた場所からも生えてきた!」と驚くことになるかもしれません。地下茎でじわじわと移動しながら増えていくので、隣に繊細な一年草などを植えている場合は、リギダの勢いに押されてしまうことがあります。私のおすすめは、あらかじめ「ここまではリギダのエリア」と決めて、根止め板などで仕切っておくこと。あるいは、アスファルトの端や石垣のそばなど、広がりを物理的に抑えられる場所に植えるのが賢明な判断です。乾燥にはめっぽう強く、真夏のコンクリートの照り返しにも負けずに咲き続けるので、都会の花壇や公共の緑地にも非常に向いている種類ですね。冬の間は地上部がなくなりますが、地中の茎は生きているので、翌春にはまた同じ場所、あるいは少し離れた場所から力強く芽吹いてくれます。ローメンテナンスで毎年紫色の絨毯を楽しみたい方には、最高の選択肢の一つですよ。ただし、水はけが極端に悪い場所だと地下茎が腐ってしまうことがあるので、土作りだけはしっかり行ってあげましょう。

寒冷地でも育つハスタータの耐寒性と栽培環境

宿根 バーベナ 種類7  垂直に伸びる独特の花穂が美しい耐寒性の高いバーベナ・ハスタータ

バーベナの種類は乾燥した草原のイメージが強いですが、このハスタータ(ブルーバーベイン)は少し異質な、そして非常に魅力的な存在です。北アメリカの湿地や水辺に自生している種類で、他のバーベナが苦手とする「湿り気のある土壌」でも元気に育ちます。さらに特筆すべきはその圧倒的な耐寒性。北国のアリウムや宿根アスターが育つような寒冷地でも、余裕で冬を越すことができるんです。寒さでお花を諦めていた地域の方にとって、まさに救世主のような存在ですね。冬の寒さが厳しい地域でも、春になるとまた芽吹いてくれる強さには、私もいつも励まされます。

花姿も個性的で、一般的なバーベナがドーム状に咲くのに対し、ハスタータは細長い「穂状花序(すいじょうかじ序)」を形成し、まるで燭台のように何本もの穂を立てて咲きます。槍(ハスタータ)のようなシャープなフォルムは、お庭にリズム感を与えてくれますね。栽培環境としては、日当たりが良いことはもちろんですが、土が完全に乾ききらない場所の方が機嫌よく育ちます。例えば、お庭の雨水が集まりやすい場所や、池の周辺などの「レインガーデン」的な場所には最適です。花色は落ち着いたブルーやピンクがあり、背が高くなるので花壇の中段から後方に配置すると、他の植物とのコントラストが際立ちます。これまで「バーベナは冬に枯れてしまうから……」と諦めていた寒冷地のガーデナーさんにこそ、ぜひ一度挑戦してみてほしい、とってもタフで知的な印象の種類ですね。他の宿根バーベナが夏に少し休みがちなのに対し、ハスタータは真夏も涼しげな穂を上げてくれるのが嬉しいポイントです。

宿根バーベナの種類の選び方と失敗しない育て方のコツ

自分のお庭に合うバーベナの種類は見つかりましたか?ここからは、宿根バーベナを元気に長く育てるための具体的なポイントについてお話しします。基本さえ押さえれば、初心者の方でも失敗は少ないですよ。宿根バーベナは「太陽・水はけ・肥料」の3つのバランスが整うと、驚くほどのパフォーマンスを見せてくれます。私の失敗談も交えながら、成功への道筋を詳しく解説していきますね。適切な環境を整えてあげることで、あなたのバーベナは期待以上の美しさで応えてくれるはずです。

日当たりの重要性と徒長を防ぐ栽培環境の整え方

宿根 バーベナ 種類8  日照不足で徒長(とちょう)し弱々しく伸びたバーベナと健康な株の比較

宿根バーベナの健康状態を左右する最大の要因、それは間違いなく「日光」です。バーベナは光をたっぷり必要とする「陽生植物」で、直射日光が当たる時間が長ければ長いほど、株が引き締まり、花色が鮮やかになります。理想を言えば、午前中から夕方までしっかり日が当たる場所がベストです。日照時間が足りないと、植物は光を求めて茎を長く伸ばそうとします。これが「徒長(とちょう)」です。徒長すると見た目が不恰好になるだけでなく、エネルギーを茎の伸長に使い果たしてしまい、肝心な花芽を作る力が残らなくなってしまうんです。

もし徒長が起きてしまうとどうなるか。見た目がひょろひょろとして美しくないだけでなく、茎の内部組織が軟弱になってしまいます。すると、ちょっとした雨や風で倒伏してしまったり、クチクラ層が発達しないためにうどんこ病などの病原菌に対する抵抗力が落ちてしまったりするんです。私のお庭でも、木陰に植えた株は花付きも半分以下で、すぐに病気にかかってしまいました。もし、お庭の日当たりが確保しにくい場所なら、無理に地植えせず、鉢植えにして太陽の向きに合わせて場所を移動させてあげる工夫をしてみてください。日光をしっかり浴びたバーベナは、葉っぱの表面にある防御膜(クチクラ層)が厚くなり、トラブルにもぐっと強くなります。最低でも1日6時間は直射日光が当たる場所を確保してあげるのが、成功への第一歩ですね。また、光が均一に当たるように、時々鉢を回してあげるのも、バランスの良い株に育てるコツですよ。

水はけの良い土作りと枯れる原因を防ぐ水やり

宿根 バーベナ 種類9  宿根バーベナの根腐れを防ぐためにパーライトや腐葉土を配合した水はけの良い土

バーベナを枯らしてしまう最大の原因、それは「水のやりすぎ」と「排水の悪さ」です。原産地の多くは乾燥した草原。そのため、根っこが常に湿った土に浸かっている状態をとても嫌います。特に日本の梅雨や秋の長雨の時期は、土の中の酸素が足りなくなり、根腐れを起こしやすいので要注意です。水やりは「植物に水をあげる」というより「土の中の空気を入れ替える」という意識を持つとうまくいきますよ。私も最初は良かれと思って毎日あげていたのですが、結果として根をダメにしてしまった苦い経験があります。

地植えにする際は、元の土にパーライト軽石砂腐葉土をたっぷりと混ぜ込み、水がスッと引くような「排水性の良い土」を作ってあげましょう。水やりは「土の表面が白っぽく乾いてから、鉢底から流れるまでたっぷり」が基本のサイクルです。毎日少しずつあげるのではなく、乾く時間をしっかり作ってあげることで、根が水を求めて深く伸び、より丈夫な株になります。真夏は朝夕の涼しい時間帯に、冬場は土が乾いてから数日おいて晴れた日の午前中に、といった具合に季節に合わせてメリハリをつけることが大切です。また、鉢植えの場合は、雨の当たらない軒下に移動できるメリットを活かして、長雨から守ってあげると病気のリスクを激減させることができます。土作りについては、お庭のベースを整える意味でも重要ですので、しっかり取り組んでみてください。土の物理性が改善されると、バーベナ以外の植物もイキイキと育つようになりますよ。

連続開花を支える肥料の与え方と追肥のポイント

春から晩秋まで、半年近くも花を咲かせ続ける宿根バーベナは、人間で言えばずっと全力疾走をしているような状態です。そのため、エネルギー切れを起こさないための「肥料」が欠かせません。私はバーベナのことを、お腹を空かせやすい「多肥性植物(ヘビーフィーダー)」だと思っています。適切なタイミングで栄養を補給してあげると、花の大きさが驚くほど変わり、色が濃くなるのを実感できます。特に、スーパーベナなどのブランド苗は成長が早い分、肥料の消費も激しいですね。

まず植え付けの時には、ゆっくり長く効く「緩効性肥料」を元肥として土に混ぜ込んでおきましょう。そして、本格的に成長が始まる4月頃からは、定期的な追肥をスタートさせます。2週間に1回程度の液体肥料は、即効性があるので花をたくさん咲かせたい時期に非常に有効です。地植えで手間を省きたいなら、1ヶ月に1回ほど粒状の肥料を株元に撒いてあげるのも良いですね。ただし、夏場の35度を超えるような猛暑日は、植物も夏バテしていて根の吸収力が落ちています。この時期に濃い肥料をあげると逆に根を傷めてしまう(肥料焼け)ことがあるので、真夏は肥料を少し控えるか、ごく薄い液肥にするなど、株の様子を見ながら調整してあげてください。葉っぱの色が全体的に薄い緑色になってきたら栄養不足のシグナルなので、見逃さないようにしてあげましょうね。適度な肥料管理が、秋の「返り咲き」を豪華にするための隠れた重要ポイントなんです。

窒素(N)分の多い肥料を与えすぎると、葉っぱばかりが青々と茂って花が咲かなくなる「つるボケ」という状態になりやすいです。特に春先など、成長を促したい時でも、リン酸(P)やカリ(K)が多めに含まれた、開花促進用の肥料を選んであげると失敗が少ないですよ。

初心者でも簡単な切り戻し煎定と病害虫の対策

宿根 バーベナ 種類10  宿根バーベナを再び満開にするための正しい切り戻し剪定(ピンチ)の作業風景

「せっかく咲いているのに切るのはもったいない……」と感じるかもしれませんが、宿根バーベナにとって「切り戻し」は美しさを保つための魔法のステップです。花が一通り終わった時期や、茎が伸びて真ん中がハゲてしまった時は、思い切って株の半分から3分の1くらいの高さでバッサリ切ってみましょう。大丈夫、バーベナはとても強いので、すぐに新芽を吹いてくれます。この作業を行うだけで、株の寿命がぐっと伸びるんですよ。

この「切り戻し」を行うことで、頂点ばかりに栄養がいく性質(頂芽優勢)が解除され、脇芽が次々と出てきます。これが枝数を増やし、結果として数週間後には前よりもこんもりとした、たくさんの花を咲かせてくれるんです。特に梅雨入り前に一度切っておくと、株の中の風通しが良くなり、湿気による蒸れや枯れを防げます。また、バーベナで注意したい病気は「うどんこ病」です。これは乾燥気味で風通しが悪い時に発生しやすいため、水やりの時に葉っぱにも軽く水をかけてあげたり(シリンジ効果)、茂りすぎた枝を間引いたりすることで、農薬に頼りすぎない管理が可能です。また、高温乾燥期にはハダニもつきやすいので、葉裏への散水が予防に効果的ですよ。もし発生してしまったら、早めに専用の薬剤で対処するのが広げないコツです。切り戻しと清潔な環境作りをセットで行うことで、バーベナのポテンシャルを最大限に引き出せます。

鉢植えで楽しむ寄せ植えの相性と植え替えのコツ

宿根バーベナは一株で大鉢に仕立てるのも豪華ですが、寄せ植えのパーツとしても本当に優秀です。相性が良いのは、性質が似ている「日向を好み、乾燥気味を好む植物」たち。例えば、ペチュニアやカリブラコアは育て方のリズムがほぼ同じなので、管理がとても楽になります。また、バーベナの鮮やかな紫やピンクを引き立てるために、シルバーリーフのラベンダーやヘリクリサム、ライムグリーンのイポメア、細い葉が涼しげなニゲラなどを合わせると、ぐっと大人っぽい雰囲気になりますね。自分だけのオリジナルの一鉢を作るのは、ガーデニングの醍醐味です。私はいつも、バーベナを「溢れ出す主役」として配置するようにしています。

鉢植えで育てる場合に忘れてはいけないのが、1年に1回の「植え替え」です。宿根バーベナ、特にスーパーベナやタピアンのような旺盛な品種は根の張りが非常に早く、1年も経つと鉢の中が根っこでパンパンになってしまいます。これが「根詰まり」です。鉢の底から根が出てきたり、水がなかなか土に染み込みにくくなったりしたら、それは植え替えのサイン。春か秋に一回り大きな鉢へ、新しい培養土を使って植え替えてあげましょう。その際、古くなった茶色の根を少し整理してあげると、また新しい白い根が出て株が若返ります。鉢植えは土の量が限られているため、この植え替えが長く咲かせるための最大のコツと言っても過言ではありません。正確な栽培管理については、各メーカーの公式HPや苗ラベルの最新情報を必ず確認してください。迷った時は、お近くの園芸店のスタッフさんに相談してみるのも、成功への確実な一歩になりますよ。

目的や環境で選ぶ宿根バーベナの種類の最終まとめ

さて、ここまで宿根バーベナの多様な種類と、それぞれの魅力を最大限に引き出すための育て方についてお話ししてきました。地面を覆うタピアンから、天高く伸びるボナリエンシス、そして寒さに強いハスタータまで、バーベナはお庭のあらゆるシーンに応えてくれる、まさに名脇役であり主役でもある存在です。種類を知ることで、今まで「難しいな」と思っていた場所も、素敵なお花スポットに変えられるかもしれませんね。何より、一度植えれば毎年芽吹いてくれる宿根タイプは、お庭の歴史を一緒に刻んでくれる大切な友人になってくれますよ。

これから宿根バーベナをお迎えしようと考えている方は、まず「自分がお庭で何を解決したいか」を考えてみてください。雑草対策ならタピアン、圧倒的な華やかさならスーパーベナ、そしてナチュラルな奥行きならボナリエンシスといった具合に、種類を使い分けるのがコツです。そして、お住まいの地域の冬の寒さを考慮して選べば、きっと長く付き合えるパートナーになってくれるはず。あなたの愛情に応えて、バーベナが満開の笑顔を見せてくれる日を楽しみにしています。なお、植物の生育は環境に大きく左右されますので、この記事の内容を目安としつつ、最終的な判断や詳しい防除方法は専門家へ相談されることをおすすめします。素敵なバーベナ生活が始まることを願っています!

この記事の要点まとめ

  • 宿根バーベナは成長形態によって這い性、半立ち性、直立性の3タイプに分かれる
  • サントリーのタピアンは圧倒的な広がりと密度で雑草を物理的に抑制する
  • PWのスーパーベナは花が大きく不稔性のため春から秋まで長期間咲き続ける
  • ヒメビジョザクラ(テネラ)は踏圧に強くアプローチや石組みに最適
  • ボナリエンシス(三尺バーベナ)は垂直のラインと透け感を演出する
  • リギダは地下茎で繁殖し真夏の暑さや乾燥に極めて強い性質を持つ
  • ハスタータは耐寒性が非常に高く寒冷地や湿地での栽培に向いている
  • 開花を促進し株を健康に保つには1日6時間以上の日当たりが必須
  • 根腐れを防ぐために水はけの良い土を選び水やりにはメリハリをつける
  • 多肥性のため成長期には定期的な追肥で開花のエネルギーを補給する
  • 思い切った切り戻し剪定が枝数を増やし満開の花を作る近道となる
  • 梅雨前の剪定は蒸れを解消し病害虫のリスクを大幅に下げてくれる
  • スーパーベナなどはマイナス10度まで耐え、関東以西なら屋外越冬が可能
  • 鉢植えは根詰まりを防ぐため1年に1回は植え替えを行って株を更新する
  • 目的と環境に合わせた種類選びがローメンテナンスな庭作りの鍵
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