芝桜植える時期

こんにちは、My Garden 編集部です。

ピンクや白の可愛い花が地面いっぱいに広がる芝桜、憧れますよね。でも、いざ自分で植えようと思うと、芝桜の植える時期はいつがベストなのかなとか、失敗して枯れるのが不安で悩んでしまうこともあるかもしれません。実は芝桜の植え方や苗の選び方、その後の育て方にはちょっとしたコツがあるんです。この記事では、地域ごとの植え付けカレンダーや、初心者の方でも迷わない土壌改良、さらに元気に育てるための刈り込みや増やし方に至るまで、私と一緒に詳しくチェックしていきましょう。これさえ読めば、きっとあなたのお庭でも素敵な花の絨毯が楽しめますよ。

この記事のポイント

芝桜の植える時期は春と秋の2回が絶好のチャンス
失敗を防ぐためには水はけの良い土壌作りが欠かせない
花後の刈り込みが数年後の美しさを左右する重要な作業
地域に合わせた植え付けタイミングで活着率をアップさせる

失敗しない芝桜の植える時期と春・秋のメリット
芝桜の植える時期の後に大切な年間のお手入れ方法

失敗しない芝桜の植える時期と春・秋のメリット

芝桜を植える時に一番大切なのは、植物が新しい環境に馴染むための「活着（かっちゃく）」を助けてあげることです。芝桜にとって最適な季節を選ぶことで、その後の成長がぐんと良くなりますよ。ここでは、春と秋それぞれの植え付けの良さについてお話しします。

芝桜の植え方と初心者でも簡単な土壌改良のコツ

芝桜を元気に育てるための最大の秘訣は、ずばり「水はけの良さ」です。芝桜は北米原産の植物で、もともとは乾燥した砂れき地などに自生しています。そのため湿気が大の苦手で、水が溜まりやすい場所だと根が呼吸できなくなり、根腐れを起こしてしまうことがあるんですね。地植えにする場合、まずは土をよく観察してみてください。もし粘土質で雨が降った後に水が引きにくいようなら、そのまま植えるのはちょっと危険かもしれません。

初心者の方でも簡単にできる土壌改良としては、腐葉土や堆肥と一緒に、川砂を1割から2割ほど混ぜてあげるのが非常におすすめです。川砂は粒子が崩れにくいため、土の中に恒久的な隙間を作り、排水スピードを物理的に高めてくれます。また、市販のパーライトや軽石の小粒を混ぜるのも効果的ですね。土の配合に迷ったら、庭土6：腐葉土2：川砂2くらいの割合を目指してみるといいかなと思います。私自身、最初は土なんてどれも同じだと思っていたのですが、水はけを意識するだけで苗の勢いが全く違うことに驚きました。

さらに、場所選びも重要です。地面を少し高く盛り上げた「高畝（たかうね）」に植えるのも、水はけを改善する賢い方法ですよ。芝桜は本来、石垣や斜面（法面）での栽培に向いている植物なので、あえてマウンド（築山）を作ってその斜面に植栽することで、生存率を劇的に高めることができます。平面に植える場合は、水が溜まる「くぼみ」にならないよう、周囲より5cmから10cmほど高く土を盛ってあげましょう。

芝桜は「ちょっと乾燥気味」くらいの環境が大好き。植える場所が低い場所（窪地）にならないよう注意して、周囲より少し高い位置に植えてあげてくださいね。

また、酸性土壌を嫌う傾向があるので、植え付けの1〜2週間前に苦土石灰をパラパラと撒いて耕しておくと、より健康に育ちます。土作りは最初が肝心。ここを丁寧に行うだけで、その後のメンテナンスがぐっと楽になりますよ。もし土壌のPH（酸性度）について詳しく知りたい場合は、簡易的な測定キットを使ってみるのも面白いかもしれません。私のような「ガーデニングに興味がある人」レベルでも、科学的な根拠を知ると納得感が違いますよね。

春の芝桜の苗選びと梅雨の蒸れ対策のポイント

春（3月下旬〜6月下旬）は、園芸店に色とりどりの芝桜の苗が並ぶ一番楽しい時期ですね。春植えの最大のメリットは、実際の花の色を自分の目で見て、お庭のレイアウトに合わせた選別ができることです。開花株を入手しやすいので、植えた直後からお庭が華やかになるのも嬉しいポイントですよね。ただし、春植えで絶対に気をつけてほしいのが「梅雨」と「初夏の猛暑」への対策です。せっかくきれいに咲いている苗を買ってきても、その後の天候管理を間違えると一気に弱ってしまいます。

植え付けが遅くなって梅雨入りと重なると、まだ根が十分に張っていない状態で高温多湿にさらされてしまいます。芝桜は「蒸れ」に極めて弱いため、根が定着する前に腐敗してしまうことがよくあるんです。そのため、春に植えるなら、なるべく早めの3月や4月中に済ませて、梅雨が来る前にしっかりと根を張らせる「活着期間（約3週間以上）」を確保してあげるのが私のおすすめです。5月や6月に植える場合は、特に水はけの良い場所を選び、周囲の風通しを確保するようにしましょう。

苗を選ぶ際のポイントは、葉が黄色くなっていないか、株元がグラグラしていないかを確認することです。茎がひょろひょろと間伸びしている「徒長（とちょう）」した苗よりも、節間が詰まっていて、緑色が濃くガッシリとしたものを選んでください。ポットの裏を見て、白い根が少し見えているくらいが元気な証拠ですよ。植え付け時には根鉢（ポットの中の土と根の塊）を軽くほぐしてあげると、新しい土に根が伸びやすくなります。でも、根をズタズタに傷つけすぎないように、優しく扱ってあげてくださいね。

梅雨時期の具体的な蒸れ回避策

もし梅雨時期に差し掛かってしまったら、株同士が密着しすぎないように、少し広めの間隔を意識して植えるのがコツです。また、植え付け後の水やりは「土の表面が乾いてから」を徹底し、常に湿っている状態を避けるようにしましょうね。泥跳ねが病気の原因になることもあるので、可能であれば株元に薄くバークチップなどを敷いてあげると、さらに安心かもしれません。

秋の芝桜の育て方で翌春の満開を目指す秘訣

実は、ガーデニング経験者がよく選ぶのが秋（9月下旬〜11月中旬）の植え付けです。秋は気温が徐々に下がっていく時期なので、芝桜の最大の敵である「高温多湿による蒸れ」の心配がほとんどありません。この時期は植物が地上部の成長よりも、地下の根を充実させることにエネルギーを配分する性質があるため、じっくりと腰を据えて根を張らせることができるんです。これって、人間でいう「基礎固め」の時期みたいで面白いですよね。

秋に植えた芝桜は、冬の寒さを経験することで花芽がしっかりと形成されます。見た目には冬の間はあまり成長していないように見えますが、地中ではしっかりと根が広がり、翌春の暖かさと同時に一気にスタートダッシュを切ることができます。その結果、春植えよりも花数が多く、密度の高い「満開の絨毯」になりやすいんですね。まさに「急がば回れ」の植栽戦略と言えるかもしれません。冬の間も常緑を保つので、冬のお庭が寂しくならないのもメリットの一つです。

注意点としては、植え付けが遅くなりすぎないことです。本格的な冬の寒さや霜が降りる時期までに、少なくとも1ヶ月は根を張る期間が必要です。目安としては10月中に終わらせるのが理想的ですね。11月に入ってから植える場合は、霜柱によって苗が地面から押し上げられてしまうのを防ぐために、腐葉土などで株元を覆うマルチングをしてあげると安心です。また、秋は意外と空気が乾燥しやすいので、根付くまでは適度に土の湿り気を確認して、必要ならお水をあげてください。

秋植えの苗は、春の開花株に比べると花が付いていない「グリーン苗」の状態が多いですが、翌年の爆発的な開花を想像しながら植えるのも、ガーデニングの醍醐味ですよね。プロの景観作りでも、この秋の定植が推奨されることが多いんですよ。私のような「のんびり育てたい派」には、秋の涼しい空気の中での作業はとっても心地よくて最高です。春に「植えてよかった！」と思える瞬間が必ず来るはずですよ。

北海道や寒冷地での芝桜の植え付けカレンダー

寒い地域にお住まいの方は、一般的なスケジュールとは少し異なる調整が必要です。北海道や東北北部などの寒冷地では、雪解けを待ってから春（5月〜6月中旬）に植えるのが最も安全で確実な方法です。これは、本格的な冬が来る前にできるだけ長く成長期間を確保し、株を大きく育てておくためですね。寒冷地は夏が短く冬が長いため、植物の「活動期」を逃さないことが成功の秘訣になります。

寒冷地で秋植えを行う場合は、9月中の早い時期に完了させることが必須条件となります。10月を過ぎてから植えると、根が土をしっかりと掴む前に地温が低下してしまい、発根活動が停止してしまいます。そうなると、冬の間に土の中の水分が凍って膨張する「霜柱」によって、苗が地面から押し上げられてしまうんです。露出した根が極寒の風にさらされると、乾燥してそのまま枯れてしまう「凍死」のリスクが高まってしまいます。特に北海道のような極寒の地では、この物理的なダメージが致命傷になることが多いんです。

地域区分	春の植え付け適期	秋の植え付け適期	備考
北海道・寒冷地	5月上旬〜6月中旬	9月上旬〜9月下旬	秋植えは早めが鉄則
中間地（関東など）	3月下旬〜5月中旬	9月下旬〜11月上旬	春は梅雨前に完了させる
暖地（九州など）	3月上旬〜4月下旬	10月上旬〜11月下旬	秋植えが最もおすすめ

また、雪が多い地域では雪の重み（雪圧）によるダメージも心配ですが、実は雪の下は温度が一定に保たれるため、乾燥した寒風にさらされるよりも安全な場合もあります。ただし、春の雪解け直後は地面が非常に過湿な状態（ベチャベチャ）になるので、やはり高畝にするなどの水はけ対策は必須ですね。初心者の方は、無理に秋に植えるよりも、春の暖かい時期にスタートして、まずは一夏を越して株を大きくすることを目標にしてみるのが、一番の成功への近道かなと思います。焦らず、その土地の「春の訪れ」を待ってあげてくださいね。

庭や斜面を彩る芝桜の植栽間隔とレイアウト

芝桜を美しく、かつ健康に広げるためには、植え付ける際の間隔（株間）が非常に重要です。芝桜は1ポットから直径30cm〜50cm近くまで成長することもある非常にパワフルな植物。一般的には20cmから30cmほどの間隔を空けて植えるのがセオリーとされています。この間隔をどう設定するかで、完成までのスピードとお手入れの手間が変わってくるんですよ。

早く地面を覆い尽くして「ピンクの絨毯」を完成させたい！という方は、20cm間隔の「密植」を選びましょう。これにより、雑草が生える隙間を早く埋めることができます。一方で、数年後の「蒸れ」による枯死を最小限に抑え、通気性を長く保ちたいという慎重派の方には30cm間隔が向いています。私は、管理のしやすさと見た目のバランスが良い25cm間隔で植えることが一番多いですね。1平方メートルあたりだと、だいたい16〜25ポットくらいが目安になります。お財布事情とも相談しながら決めたいところですね。

レイアウトのコツとしては、ただ格子状に並べるのではなく、「千鳥植え（互い違い）」にすると、隙間が効率よく埋まってより自然な広がりを見せてくれます。また、芝桜は斜面（法面）との相性が抜群に良いんです。斜面なら余分な雨水が重力でスムーズに流れていくため、芝桜が最も嫌う「根元の停滞水」が起こりません。平地に植える場合も、意図的に地面をデコボコさせて起伏を作ることで、水はけと見た目の立体感を両立させることができます。石組みの間に植えて、岩から垂れ下がるように演出するのも素敵ですよ。

さらに、通路沿いに植える場合は、人が歩く「動線」を避けるようにしましょう。芝桜は踏みつけ（踏圧）には意外と弱いので、頻繁に踏まれる場所には飛び石やレンガを置くなど、人が歩く道と芝桜が広がる場所を分けるゾーニングが大切です。「踏んでもいいですよ」という芝生のような扱いはNG。あくまで「鑑賞用のグランドカバー」として扱ってあげると、長持ちしてくれます。お庭全体の色彩計画も考えて、ピンク一色にするのか、白や青を混ぜるのかを考えるのもワクワクしますよね。

鉢植えでの芝桜の植え方と水はけの良い用土選び

「広いお庭がないから……」と諦めないでくださいね。芝桜は鉢植えやプランターでも十分に楽しめます。むしろ鉢植えの方が、土壌をゼロから作れるので、水はけを完璧にコントロールできるというメリットがあります。初心者の方には意外と鉢植えの方が失敗が少ないかもしれません。この場合も、最優先事項はやはり「水はけ」と「通気性」の確保です。これを怠ると、あっという間に根っこが腐ってしまうので気をつけましょう。

用土は、市販の「草花用培養土」をそのまま使っても良いのですが、より芝桜に合わせるならカスタマイズが絶対におすすめ。培養土に川砂や小粒の軽石、パーライトなどを2割程度混ぜ込んであげると、水抜けが劇的に良くなります。鉢の底には、鉢の高さの5分の1くらいまで「鉢底石」をしっかりと敷き詰めましょう。これにより、土が常に水浸しになるのを防ぎ、根に酸素が供給されやすくなります。私は鉢底ネットを敷いた上に大きめの石を置いて、その上に土を入れるようにしています。細かい工夫ですが、これが後々の成長に効いてくるんです。

鉢植えは地植えに比べて土の容量が限られているため、乾燥しやすいという特徴もあります。特に春から秋の成長期は、土の表面が乾いたら鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりとあげてください。ただし、受け皿に水を溜めたままにするのは絶対にNGです。根腐れの原因になってしまいます。また、芝桜は2〜3年もすると鉢の中で根がいっぱいになる「根詰まり」を起こしがち。花が終わったあとの植え替え適期に、一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けをしてリフレッシュさせてあげると、毎年元気に咲いてくれます。

ベランダで育てる場合は、コンクリートに直接鉢を置かず、スタンドやレンガの上に乗せて地面から浮かせてあげると、夏の強烈な照り返しによる熱ダメージを防げます。小さな空間でも、芝桜がプランターの縁からこぼれるように咲く姿は本当に可愛らしいですよ。私のように「ちょっとだけ触れていたい」という方にも、まずは1鉢から始めてみるのが気軽でいいかも。自分好みの鉢を選んで、お部屋やベランダを明るく彩ってみませんか？

芝桜の植える時期の後に大切な年間のお手入れ方法

無事に植え付けが終わったら、次は長く楽しむためのメンテナンスですね。芝桜は一度植えればずっとそのまま……と思われがちですが、実はちょっとしたお手入れをプラスするだけで、花の密度が劇的に変わるんです。特に大切なのは「刈り込み」と「肥料」のタイミング。私の経験を交えてご紹介します。

美しい花を咲かせる芝桜の肥料の時期と種類

芝桜は比較的やせ地でも育つたくましい植物ですが、あの鮮やかな花の絨毯を毎年維持するためには、適切なタイミングでの栄養補給が欠かせません。肥料を与える時期は、大きく分けて年に2回あります。まず1回目は、2月下旬から3月にかけての「芽出し肥（めだしごえ）」。これは冬の休眠から目覚めた芝桜が、春に力強く花を咲かせるためのパワーを蓄えるためのものです。この時期に栄養があるのとないのとでは、春の花付きに大きな差が出ます。

そして2回目は、花が咲き終わった後の6月頃に与える「お礼肥（おれいごえ）」です。開花は植物にとって非常にエネルギーを消耗する大仕事。お疲れ様の意味を込めて、消耗した株を回復させ、次のシーズンの成長を促すために与えます。ただし、この時期は梅雨の蒸れやすさと重なるため、窒素分が多すぎる肥料をドバッとあげてしまうと、茎ばかりがヒョロヒョロと弱々しく伸びてしまい、かえって病気にかかりやすくなるので注意が必要です。あくまで「株の健康を助ける」くらいの感覚でいてください。

使う肥料は、市販の緩効性肥料（ゆっくりと長く効くタイプ）の粒状のものが扱いやすくておすすめ。株元にパラパラと撒くだけでOKです。液肥を使う場合は、規定の倍率よりも少し薄めにして、回数を分けてあげる方が芝桜の細い根には優しいかなと思います。肥料のあげすぎは「肥料焼け」を起こして根を傷める原因にもなるので、パッケージに書いてある量よりも「少し控えめ」を意識するのが、私流の失敗しないコツ。人間も栄養を摂りすぎると良くないのと一緒ですね。お庭の状態を見ながら、欲しがっている時にそっとあげる優しさが大切ですよ。

花後の芝桜の刈り込み剪定で枯れるリスクを防ぐ

「芝桜を枯らさないために最も大切な作業は何？」と聞かれたら、私は迷わず「花後の刈り込み」と答えます。芝桜は花が終わると、茎が込み合って風通しが非常に悪くなります。そのまま放置すると、梅雨の長雨や真夏の熱気で株の中が蒸れ、中心部から茶色く腐ったようになって枯れてしまうんです。これを防ぐために、花が終わった5月〜6月の梅雨入り前までに、株全体を地面から3〜5cmくらいの高さ（元の半分程度）までバッサリと刈り込んでください。

「せっかくきれいに広がったのに、切っちゃっても大丈夫？」と不安になるかもしれませんが、安心してください！芝桜は刈り込まれることで「新しい芽を出さなきゃ！」というスイッチが入り、節からたくさんの脇芽が出てきます。これにより、翌年にはより密度の高い、若々しい株に生まれ変わるんですね。逆にこの刈り込みを2〜3年怠ると、茎が木のように硬くなる「木質化」が進み、花付きが悪くなって最後には突然枯れてしまうことが多いんです。芝生を刈るのと同じで、定期的なカットが若さを保つ秘訣なんです。まさに「愛の剪定」と言えますね。

刈り込みの際、緑の葉が全くない場所まで深く切りすぎると、そこから新芽が出ずにそのまま枯れてしまうことがあります。必ず「緑の葉がついている部分」を少し残してカットするようにしましょう。
（出典：大田区役所『シバザクラの育て方マニュアル』）

この刈り込み作業、やってみると意外と気持ちいいんですよ。ハサミでチョキチョキするのもいいですし、面積が広い場合は草刈機を使う方もいます。私はお庭がそこまで広くないので、手入れ用の大きなハサミで一気に切るのがストレス解消になっていたりします。刈ったあとの株元がすっきりして、風が通り抜けるのを感じると、「これで夏も越せるね」と芝桜に声をかけたくなりますよ。

芝桜の増やし方は挿し芽や株分けがおすすめ

芝桜の魅力の一つは、自分のお家でどんどん増やせるところです。特にお気に入りの色の株があったら、それを増やしてお庭を同じ色で埋め尽くすことも夢じゃありません。一番手軽で成功率が高いのは、花後の刈り込みで出た茎を利用する「挿し芽（さしめ）」ですね。本来なら捨ててしまう部分を使って新しい命が生まれるなんて、とってもエコだと思いませんか？

方法はとっても簡単。刈り取った茎の中から、元気なものを5cm〜10cmほど切り取ります。下半分の葉を丁寧に取り除き、それを赤玉土や挿し芽用の清潔な土を詰めたポットに挿しておくだけ。直射日光の当たらない明るい日陰で、土を乾かさないように1ヶ月ほど管理すれば、節から新しい根っこが出てきますよ。9月〜10月の秋の涼しい時期も、挿し芽の絶好のチャンスです。春に挿して育てた苗を秋に定植する、というサイクルも楽しいですね。私も最初は半信半疑でしたが、小さな芽から根が出てきたのを見た時は感動しました。

また、数年経って大きくなりすぎた株があるなら「株分け（かぶわけ）」も有効です。植え替え適期である春か秋に、株をスコップで掘り上げ、ハサミや手でいくつかの塊に分けて植え直します。古い根や枯れた部分を整理してあげることで、株そのものが若返る効果もあるんですよ。お友達にお裾分けしたり、お庭の新しいエリアを広げたりと、芝桜を増やす楽しみは尽きません。地植えを検討しているなら、まずは数ポットから始めて、自分で増やしていくのが一番安上がりで愛情も深まる方法かも。ぜひ挑戦してみてください。

雑草対策になる芝桜のグランドカバー管理術

芝桜を植える最大のメリットの一つに「雑草の抑制」があります。芝桜が地面をびっしりと覆うと、日光が遮断されて雑草の種が発芽しにくくなるからですね。でも、ここで一つ誤解されやすいのが、「植えた瞬間から雑草が生えなくなる」わけではない、という点です。ここを勘違いして「芝桜を植えたのに草だらけになった！」とガッカリしてしまう方が多いんです。

芝桜を植えてから地面を完全に覆い尽くすまでの最初の1〜2年間は、まだ隙間がたくさんあります。この隙間を狙って雑草がどんどん生えてくるんですね。特にスギナやチガヤといった強力な地下茎を持つ雑草が芝桜の隙間に入り込んでしまうと、後で抜くのが本当に大変です。芝桜の細い茎と雑草が絡まってしまい、抜こうとすると一緒に芝桜の根まで引き抜いてしまうことも。そのため、「芝桜が主役の座を勝ち取るまで、こまめに隙間の草を抜いてあげる」ことが、きれいな絨毯を完成させるための絶対条件です。私はピンセットや小さな除草フォークを使って、根っこから丁寧に取り除くようにしています。

一度隙間なく密集してしまえば、その後はほとんど草取りの手間はいらなくなります。まさに「最初の努力が一生の楽」を生む世界なんです。除草剤を使いたい場合は、芝桜まで枯らしてしまわないよう、手作業での除草か、選択性の除草剤を慎重に選ぶ必要がありますが、基本的には手で抜くのが一番確実で安全かなと思います。また、植え付け前にしっかりと元々の雑草を駆除しておくことも忘れずに。土を耕す時に、雑草の根っこを丁寧に取り除くだけで、その後の苦労が半分以下になります。芝桜が勝利するその日まで、二人三脚で頑張ってあげましょうね。

冬の霜柱から芝桜を守る目土とマルチングの効果

芝桜は寒さには強い植物ですが、日本の冬特有の「乾燥」と「霜柱」には少し注意が必要です。特に数年育てていると、株の中央部分がはげたり、茎が地面から浮き上がってきたりすることがあります。これを専門用語で「上がり株」なんて呼んだりもしますが、放置すると、浮き上がった茎や根が冷たい寒風にさらされて、枯れ込んでしまう原因になるんです。

そこで役立つのが「目土（めつち）」という作業です。秋から冬の入り口にかけて、細かい土（赤玉土の小粒やふるいにかけた庭土、または専用の目土など）を、株の上からパラパラと振りかけてあげましょう。目土によって浮いた茎が地面に密着し、そこからまた新しい根が出るのを促すことができます。これは、芝桜の「節から発根する」という性質を利用した賢いリフレッシュ法なんですね。株全体に薄く、茎が半分埋まる程度にかけるのがポイントです。お化粧をしてあげるような感覚で、優しく土を被せてあげてください。

また、寒冷地や霜が激しい地域では、腐葉土やもみ殻、バークチップなどを使った「マルチング」も効果的です。地温の急激な低下を防ぐことで、霜柱の発生を抑え、苗が持ち上げられる物理的なダメージを防いでくれます。冬の間、芝桜の葉は少し茶色っぽく変色して「枯れちゃった？」と心配になるかもしれませんが、これは寒さに耐えるための自然な姿。春になればまた鮮やかな緑が戻ってきますので、暖かく見守ってあげてくださいね。私も最初は枯れたと思って泣きそうになりましたが、春に復活した時は本当に感動しました。冬の間もそっと寄り添ってあげることで、春の喜びが何倍にも膨らみますよ。

理想的な芝桜の植える時期を知って満開の絨毯を

ここまで、芝桜を美しく育てるための様々なポイントをお伝えしてきました。いろいろとコツはありますが、結局のところ一番大切なのは、**「芝桜の植える時期」**に合わせた適切な準備と、その後のちょっとしたお手入れの積み重ねです。一度に全部やろうと思わなくても大丈夫。まずは自分のペースで、一歩ずつ進めてみませんか？

春に華やかな花を見てモチベーションを高めながら植えるのも良し、秋にじっくりと根を育てて翌年の大爆発を待つのも良し。あなたのお庭の環境やライフスタイルに合わせて選んでみてくださいね。万が一、一部が枯れてしまっても大丈夫。芝桜は挿し芽で簡単にリペア（修理）できますから、気楽にチャレンジしてほしいなと思います。失敗もまた、素敵なガーデニングの思い出になりますよ。私も何度も失敗して、今ではそれも「経験」だと思えるようになりました。

この記事が、あなたのお庭がピンクや白の美しい絨毯に包まれるための一助になれば、これほど嬉しいことはありません。もし「これってどうなの？」という具体的な疑問があれば、お近くの園芸店や農業指導センターなど、その土地の気候を一番よく知るプロの方にもぜひ聞いてみてください。きっと頼もしいアドバイスがもらえるはずですよ。さあ、あなたも素敵なお庭づくりをスタートさせて、来春には満開の芝桜に囲まれたティータイムを楽しんでみませんか？

この記事の要点まとめ