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アマリリスの花が終わったら?翌年も咲かせる手入れと冬越し

アマリリス 花が終わったら 満開に咲く赤いアマリリスの鉢植え アマリリス
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こんにちは、My Garden 編集部です。

大輪の花で私たちを楽しませてくれたアマリリスの花が終わったら、次のお手入れに悩んでしまうことはありませんか。茎を切るべきなのか、それとも葉はどう扱えばよいのか、あるいは水やりや植え替えのタイミングなど、気になるポイントがたくさんあるかと思います。実はこの時期の管理こそが、来年も美しい花を咲かせるためのもっとも重要なステップになります。冬越しに向けて掘り上げが必要なのか、それとも植えっぱなしでよいのかといった疑問についても、一緒に解決していきましょう。

この記事のポイント

  • 花がら摘みと花茎の処理方法がわかる
  • 来年の開花に必要な葉の管理と肥料の与え方がわかる
  • 環境に合わせた冬越しの方法と手順が理解できる
  • 植え替えや分球など春の作業ポイントがつかめる
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アマリリスの花が終わったら直ちに行うべき処置

花が終わり、鮮やかだった色彩がしおれてきたアマリリスを前にして、「とりあえず葉っぱが枯れるまでこのままでいいのかな?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、ここで何もしないで放置してしまうのは、実はとてももったいないことなのです。なぜなら、花が終わった直後のこのタイミングこそが、消耗しきった球根の体力を回復させ、来年の開花を左右する「勝負の分かれ目」になるからです。植物のエネルギーを無駄遣いさせず、効率よく球根に蓄えるために、私たちがすぐにできる具体的なお手入れについて、生理学的な理由も交えながら詳しく解説していきます。

種を作らせないための花がら摘みの方法

アマリリス 花が終わったら アマリリスの花がら摘み 子房の除去

花が咲き終わった後、そのまま放置していると、植物は自然の摂理として子孫を残すための活動、つまり「種子形成(結実)」のプロセスへと移行します。私たちにとっては花が終わった瞬間がシーズンの終了に見えますが、植物にとっては次世代へ命を繋ぐための重要な仕事の始まりなのです。しかし、ここが園芸的な大きな落とし穴になります。

もし、あなたが種を採って実生(種から育てること)に挑戦したいわけではなく、来年も立派な花をその球根から咲かせたいのであれば、この種を作るプロセスは強制的にストップさせなければなりません。種を作るには莫大なエネルギーが必要となり、本来なら球根の肥大に使われるはずの養分が、種の形成に奪われてしまうからです。これが「来年咲かない」あるいは「花が小さくなる」最大の原因の一つです。

そのため、花びらがしおれて色あせてきたら、直ちに花がら摘みを行いましょう。ここで非常に重要なポイントがあります。それは、単に枯れた花びらだけをむしり取るのではなく、その根元にある「子房(しぼう)」と呼ばれる緑色の膨らんだ部分ごと、確実に摘み取るということです。

花がら摘みのコツと注意点

花の下にある緑色の小さな膨らみ(子房)は、将来種になる部分です。花びらだけを取ってこの子房を残してしまうと、植物は「まだ種を作れる」と判断し、栄養を送り続けてしまいます。必ずこの膨らみを含めて、手でポキッと折り取るか、清潔なハサミでカットしてください。

一つの茎に複数の花が咲いている場合が多いと思いますが、全ての花が終わるのを待つ必要はありません。終わった花から順番に、一つひとつこまめに摘み取っていくのが理想的です。これにより、見た目も美しく保てますし、枯れた花弁が葉の上に落ちてカビが生えるといった病気のリスクも減らすことができます。

さらに詳しく言うと、種子形成が始まると植物ホルモンのバランスが変化し、球根への栄養転流よりも、種子への栄養集中が優先されるようになります。この生理的なスイッチを入れさせないためにも、花が終わったら即座に摘み取ることが、翌年のためのエネルギー保存に直結するのです。少し残酷に思えるかもしれませんが、美しい花を毎年楽しむための愛情だと考えて、思い切って行ってくださいね。

花茎は根元から切る?枯れるまで待つ?

アマリリス 花が終わったら アマリリスの花茎を根元から切る位置

花がらを全て摘み終わった後に残るのが、太くて長い「花茎(かけい)」です。この花茎の処理については、園芸書やネット上の情報でも「自然に枯れるまで待ってから取る」という意見と、「すぐに根元から切る」という意見に分かれることがあり、どちらが正解なのか迷われる方も非常に多いトピックです。

結論から申し上げますと、私の経験と日本の気候特性を考慮した上での推奨は、全ての花が終わった時点で、花茎を株元からスパッと切り取るという方法です。

「枯れるまで待つ派」の理論的根拠は、緑色の茎には水分や養分が含まれており、それが枯れていく過程で球根に養分が戻る(転流する)ことを期待するものです。確かに乾燥した冷涼な気候の原産地や欧米の環境では、この方法も有効かもしれません。しかし、高温多湿な日本の環境、特に梅雨時に差し掛かる時期においては、大きなリスクを伴います。

太い花茎が自然に枯れるにはかなりの時間がかかります。その間、多湿環境下では茎が乾燥して枯れるよりも先に、組織が腐敗してジュクジュクとした状態になりがちです。この腐敗が茎を伝って球根の内部に侵入し、最悪の場合、軟腐病などを引き起こして球根をダメにしてしまうケースが散見されます。こうしたリスクを回避し、衛生的に管理するためにも、早めの切除が安全です。

切り口の扱いに注意!中空構造のリスク

アマリリスの花茎は、中が空洞のストロー状(中空構造)になっています。切った後にこの穴へ雨水や水やりの水が溜まると、そこがバクテリアの温床となり、球根の中心部から腐る原因になります。花茎を切る作業は必ず晴れた日の午前中に行い、切り口を日光と風で速やかに乾かすようにしましょう。心配な場合は、切り口にアルミホイルなどで軽く蓋をするのも一つの知恵です。

切る位置は、球根の首元から数センチ上のあたりで構いません。あまりギリギリを攻めすぎて、これから出てくる新しい葉や、まだ小さい次の花芽を傷つけないように注意してくださいね。もし、どうしても「養分がもったいない」と感じる場合は、花茎を半分くらいの長さで一度切って、残りが自然に茶色く乾いてから引き抜くという折衷案もありますが、やはり腐敗のリスク管理が最優先かなと思います。

葉は切るの厳禁!光合成で球根を太らせる

アマリリス 花が終わったら 花後のアマリリスの葉 光合成による栄養蓄積

花茎を切る際に、声を大にして絶対にお願いしたいのが「葉っぱだけは絶対に切らないで!」ということです。花が終わった後のアマリリスにとって、残された葉は来年の命運を握る「生産工場」であり、命綱とも言える存在です。

花が終わってから秋に気温が下がるまでの数ヶ月間は、植物学的には「栄養生長期」と呼ばれます。この期間、アマリリスは葉で盛んに光合成を行い、そこで作られた炭水化物などの養分を、地下の球根にせっせと送り込んで貯蔵します。この貯金が、来年の花芽や新しい葉を作るためのエネルギー源となるのです。

アマリリスの生理的特性として、「葉が4枚展開するごとに、球根の内部で次の花芽が1つ分化(形成)される」という法則性が指摘されています。つまり、健康な葉を長く、多く維持できればできるほど、球根内部で作られる花芽の数が増え、翌年の花数や花茎の数に直結するのです。逆に、邪魔だからといって葉を切ってしまうことは、来年の花を自らの手で摘み取っているのと同じことになります。

だらんと長く伸びた葉は、場所をとって邪魔に感じることもあるかもしれません。どうしても広がりすぎて困る場合は、支柱を立てて軽く紐でまとめたり、葉を傷つけない程度に緩く縛ったりして対処しましょう。葉は自然に黄色くなって枯れる秋までは、一枚たりとも無駄にせず、大切に育ててあげてくださいね。

また、葉が汚れていたりホコリを被っていたりすると光合成効率が落ちてしまうので、時々濡れたタオルで優しく拭いてあげるのも効果的です。葉を大切にすることは、球根を大切にすることそのものです。この時期の葉の管理が、来年の花のサイズを決めると言っても過言ではありません。

お礼肥におすすめの肥料と与える時期

アマリリス 花が終わったら アマリリスへの追肥 液体肥料と固形肥料

花を咲かせるという大仕事を終え、たくさんのエネルギーを使い果たした球根には、ご褒美と回復の意味を込めて「お礼肥(おれいごえ)」をあげましょう。この時期の適切な施肥管理が、消耗した球根を急速に回復させ、さらに一回り大きく太らせるための鍵となります。

肥料を与えるタイミングとしては、花が終わって花茎を切り取った直後から開始します。そして、葉が青々としている成長期の間は継続的に与え、秋になって涼しくなり、葉が黄色くなり始めたらストップします。休眠に向かう時期まで肥料を与え続けると、球根がしっかりと休眠できず、耐寒性が落ちたり腐りやすくなったりするため、止め時も肝心です。

肥料の種類 与える頻度 特徴・選び方
液体肥料 1週間に1回〜10日に1回 即効性があり、水やり代わりに手軽に与えられます。規定の倍率(1000倍など)に薄めて使いましょう。根からの吸収が早いため、弱った球根の立ち上がりに最適です。
緩効性肥料(固形) 月に1回 株元の土の上に置くタイプ(置肥)です。水やりのたびに少しずつ成分が溶け出し、じっくりと効き目が続きます。「プロミック」や「IB化成」などが使いやすいでしょう。

肥料の成分選びも重要です。一般的な「花用肥料」で問題ありませんが、特に球根を太らせるためには、根や茎の強化に役立つ「カリウム(K)」が多く含まれる肥料が効果的です。窒素(N)が多すぎると、葉ばかりが茂って球根が充実しない「葉ボケ」や、軟弱に育って病気にかかりやすくなる原因になるので注意しましょう。「球根用」と書かれた専用肥料なら、このバランスが調整されているので安心です。

また、固形肥料と液体肥料を併用するのもおすすめです。例えば、ベースとして緩効性の固形肥料を置きつつ、週に一度の水やりの際に薄い液体肥料を与える「ダブル使い」をすることで、常に安定した栄養補給が可能になります。ただし、真夏の高温期で植物がバテ気味の時は、肥料焼けを起こしやすいので、濃度を薄くするか、一時的にストップして様子を見る柔軟さも必要です。

水やりの頻度と夏場の置き場所の注意点

成長期である春から秋にかけての水やりは、「土の表面が白く乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与える」のが基本ルールです。アマリリスの根は酸素を好むため、常に土が湿ってジメジメしている状態(過湿)を非常に嫌います。土が乾く時間を作ることで、根が呼吸できる環境を整えてあげることが大切です。乾湿のメリハリを意識しましょう。

そして、これから迎える夏場の管理には少し配慮が必要です。アマリリスは熱帯原産の植物なので暑さには比較的強いですが、近年の日本の猛暑、特にコンクリートの照り返しや強烈な直射日光は、植物にとっても過酷すぎることがあります。

夏越しのアドバイスと葉焼け対策

真夏の直射日光に長時間当て続けると、葉が白く色が抜ける「葉焼け」を起こすことがあります。葉焼けした部分は光合成ができなくなるため、球根の肥大に悪影響が出ます。梅雨明けからお盆過ぎくらいの最も暑い時期は、直射日光を避けた「明るい日陰」や、木漏れ日の当たる場所、あるいは寒冷紗(かんれいしゃ)などで30%〜50%程度遮光した風通しの良い場所に移動させてあげると安心です。また、ベランダの床に直接鉢を置くと地熱で根が傷むので、フラワースタンドやレンガを使って鉢を地面から離すのも効果的です。

水やりの時間帯も重要です。真夏の昼間に水を与えると、鉢の中の水がお湯のようになり、根を茹でて傷めてしまう危険があります。必ず早朝の涼しい時間帯か、夕方以降にたっぷりと与えるようにしてください。また、受け皿に溜まった水は根腐れの元凶ですので、その都度必ず捨てるようにしましょう。こうした細かな配慮の積み重ねが、夏を健康に乗り切る秘訣です。

アマリリスの花が終わったら意識する冬越しと再生

春から夏、そして秋にかけて太陽の光を浴びて球根をしっかりと育てたら、いよいよ冬越しの準備です。アマリリスは本来、熱帯〜亜熱帯地域が原産のため、日本の冬の寒さは苦手です。この冬をどう乗り越えさせるかが、翌年も花を咲かせるための最大のハードルになります。ご自宅の環境やライフスタイルに合わせて、最適な方法を選んでいきましょう。

冬越しは掘り上げと鉢植えのどっちがいい?

アマリリス 花が終わったら アマリリスの冬越し方法 掘り上げと鉢植えの比較

アマリリスの冬越し方法には、大きく分けて「球根を土から掘り上げて保存する方法(掘り上げ法)」と「鉢植えのまま土の中で管理する方法(鉢植え法)」の2パターンが存在します。どちらが正解というわけではなく、お住まいの地域の気候(耐寒ゾーン)や、管理のしやすさによって選択します。

1. 掘り上げ法が向いているケース

  • 寒冷地にお住まいの方:北海道や東北、高冷地など、室内でも気温が氷点下になる恐れがある、あるいは屋外の地植えで冬越しが不可能な場合。
  • 確実性を重視する方:球根の状態を目で見て確認し、カビや腐敗がないかチェックしたい場合。
  • 春に新しい土でスタートしたい方:連作障害を防ぎ、用土をリフレッシュさせたい場合。

2. 鉢植え(植えっぱなし)法が向いているケース

  • 暖地にお住まいの方:関東以西の平野部など、冬でも比較的温暖な地域。
  • 手軽さを重視する方:掘り上げる手間を省き、移動だけで済ませたい場合。
  • 根を温存したい方:私は個人的に、鉢植えのままの方が根へのダメージが少なく、春の活動再開時の立ち上がりがスムーズだと感じているため、スペースが許す限り鉢ごと室内に入れる方法を採用しています。

それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、ご自身の環境で無理なく続けられる方法を選んでみてください。どちらの方法でも、基本となるのは「凍結させないこと」と「しっかりと休眠させること」の2点です。これさえ守れば、アマリリスはまた春に元気な姿を見せてくれます。

球根を掘り上げて保存する手順と保管場所

アマリリス 花が終わったら 掘り上げたアマリリス球根の保存方法

掘り上げを行う場合の適期は、秋が深まり、最低気温が5℃〜6℃を下回るようになる前、霜が降りる直前の11月頃です。タイミングを逃して霜に当たると、球根が凍結して細胞が壊れてしまうので注意してください。具体的な手順は以下の通りです。

  1. 準備:掘り上げの2週間ほど前から水やりを停止し、土を乾燥させておきます。これにより球根が休眠モードに入りやすくなります。
  2. 切断:葉を球根の上部5cm〜10cmくらいのところで切り落とします。
  3. 掘り上げ:スコップを使い、球根を傷つけないように大きく掘り起こします。根が張っている場合は無理に引き抜かず、周りの土を崩しながら丁寧に取り出します。
  4. 乾燥(Curing):土を落としたら、直射日光の当たらない風通しの良い場所で1週間〜10日ほど陰干しします。この「乾燥」の工程が非常に重要で、球根の表面を乾かすことで貯蔵中の腐敗やカビの発生を防ぎます。

しっかりと乾かした球根は、5℃〜10℃くらいの温度変化の少ない冷暗所で保管します。新聞紙で包んだり、バーミキュライトやおがくず、もみがらなどを満たした段ボール箱に埋めたりすると、乾燥しすぎや結露による湿気を防げるのでおすすめです。保管場所としては、暖房の入らない玄関、廊下、床下収納などが適しています。15℃を超える暖かい部屋だと、冬の間に芽が動き出してしまうリスクがあるので避けてください。

掘り上げ法の最大の利点は、球根のリセットができることです。古い根を整理し、病気の有無をチェックする良い機会にもなります。また、分球した小さな子球を整理して、次のシーズンに備えることも可能です。保存中は月に一度くらい様子を見て、カビが生えていないか、干からびすぎていないかチェックしてあげるとより安心ですね。

鉢植えのまま植えっぱなしで冬を越すコツ

鉢植えのまま冬越しさせる場合、秋になって気温が下がり、葉が自然に黄色くなって枯れてきたら、徐々に水やりの間隔を空けていきます。そして、冬の間は基本的に「断水」して、球根を完全に休眠させます。

枯れた葉は病気の原因になるので取り除き、鉢を雨や霜の当たらない南向きの軒下や、室内の日当たりの良い窓辺などに移動させましょう。もし室内で管理する場合でも、人間が快適な20℃以上のリビングなどでは暖かすぎて休眠できません。少しひんやりするくらいの場所(5℃〜15℃)の方が、球根が「今は冬だ」と認識してしっかりと休眠でき、この低温期間を経ることで翌年の花芽形成が促進されます。

完全断水と微量灌水のバランス

「断水」が基本ですが、鉢植えの場合は土がカラカラになりすぎて、生きている根まで干からびて枯死してしまうことがあります。これを防ぐために、冬の間も月に1回程度、晴れた日の午前中に、土の表面を軽く湿らせるくらいの少量の水やり(コップ半分程度)を行う方法もあります。ただし、土が湿ったまま夜間の低温にさらされると凍結や腐敗の原因になるため、やりすぎは禁物です。球根の状態を見ながら慎重に行ってください。

また、鉢植え管理の場合、春先の水やり再開のタイミングも重要です。3月下旬〜4月頃、気温が上がって新芽が少し動き出したら、少しずつ水やりを開始します。最初からドボドボとあげるのではなく、霧吹きで土の表面を湿らせる程度から始め、徐々に量を増やしていくと、寝ぼけた根をびっくりさせずに済みますよ。

植え替え時期は春!失敗しない土の選び方

アマリリス 花が終わったら アマリリスの植え替え 根詰まりの様子と新しい土

桜の開花便りが届く4月頃、気温が安定して上昇し始めたら、いよいよアマリリスの目覚めの季節です。鉢植えのアマリリスは根の生育が非常に旺盛で、1年も経てば鉢の中が根でパンパン(根詰まり状態)になります。通気性と排水性を確保するためにも、1〜2年に1回は必ず植え替えをしてあげましょう。

土選びは、とにかく「水はけ」と「通気性」が命です。市販されている「球根の土」を使えば間違いありませんが、ご自身でブレンドされる場合は、赤玉土(小粒)5〜6:腐葉土3〜4に、水はけを良くするパーライトやバーミキュライトを1割ほど混ぜると理想的です。元肥として、マグァンプKなどの緩効性肥料を土に混ぜ込んでおくのも忘れないでください。

そして、植え付けにおける最大のポイントにして鉄則が「浅植え」です。チューリップなどの球根は土の中に埋めますが、アマリリスは違います。球根の高さの3分の1から半分くらいが、土の表面から出ている状態で植え付けてください。深植えにして首まで埋めてしまうと、成長点に水が溜まって腐りやすくなったり、葉ばかり茂って花が咲きにくくなったりする最大の原因になります。「お尻だけ土に埋める」くらいの感覚でちょうど良いのです。

鉢のサイズ選びも意外と重要です。大きすぎる鉢は土の量が多くなりすぎて、乾きにくく根腐れの原因になります。球根の直径よりも一回り(指2本分くらい)大きい程度の、やや窮屈に見えるくらいのサイズ(例えば7号鉢に1球など)が、実はアマリリスにとっては快適な広さなのです。植え替えの際は、古い土を落とし、傷んだ黒っぽい根を取り除いて、白い健康な根だけを残すように整理してあげましょう。

増やし方の基本となる分球と株分けの手順

アマリリス 花が終わったら アマリリスの分球 親球と子球の様子

親球根を順調に育てていると、その脇から小さな「子球(こきゅう)」がポコポコと顔を出してくることがあります。これはアマリリスが元気に育っている証拠です。これらを親から分けて個体数を増やすのが「分球(ぶんきゅう)」です。

分球を行うベストタイミングは、春の植え替え時、または秋の掘り上げ時です。手順は以下の通りです。

  1. 親球根の根を傷めないように土を落とし、子球の付き方を確認します。
  2. 手で軽く力を加えてポロッと外れるようなら、そのまま外します。
  3. 親球根としっかり結合している場合は、無理に引きちぎらず、清潔なナイフやハサミを使って接合部を切断します。
  4. 切り口が湿っているとそこから腐りやすいので、草木灰(そうもくばい)や殺菌剤を塗布するか、半日ほど陰干しして切り口を乾かしてから植え付けます。

子球の育て方のポイント

あまりに小さい子球(小指の先ほどなど)は、無理に分けずに親につけたまま育てた方が、親からの栄養をもらえるため早く大きくなります。分けた子球が親と同じように花を咲かせるサイズ(開花球)になるまでには、通常2〜3年の肥培管理が必要です。気長に成長を見守り、葉を大切に育ててあげてください。

分球は必ずしも行わなければならないわけではありません。大きな鉢に植え替えて、親と子を一緒に育てて「群生」させるのも、ボリュームが出て見応えのある楽しみ方です。ただ、子球が増えすぎると親球の栄養が奪われてしまうので、バランスを見ながら適度に整理してあげることが、長く花を楽しむコツと言えるでしょう。

翌年咲かない原因は?病気や深植えを疑う

「立派な葉っぱはたくさん出るのに、肝心の花が咲かない」というお悩みは、アマリリス栽培で最も多く寄せられる相談の一つです。その原因は一つではなく、いくつかの要因が複合している場合が多いです。以下のチェックリストで、ご自宅の状況を確認してみてください。

  • 球根の栄養不足:花後に肥料を与えなかった、あるいは早い時期に葉を切ってしまったため、球根が十分に太れず、花芽を作る体力がなかった可能性があります。
  • 日光不足:春から秋の生育期に十分な日光に当てていましたか?日陰で育てると、球根は太りません。
  • 深植え:前述の通り、球根が深く埋まりすぎていると、葉の成長ばかりが優先され、花芽の発達が阻害される傾向があります。
  • 休眠不足:冬の間、常に20℃以上の暖かい部屋に置いていませんでしたか?花芽を分化させるには、ある程度の期間、低温(あるいは乾燥)のストレスを感じさせる必要があります。
  • 病害虫の影響:特に注意したいのが「赤斑病(せきはんびょう)」です。葉や花茎、球根に鮮やかな赤褐色〜紫色の斑点が現れる病気で、進行すると花茎が折れたり球根が腐ったりします。見つけたら、患部を取り除き、ベンレート水和剤などの殺菌剤を散布して拡大を防ぎましょう。(出典:農林水産省 植物防疫所『隔離栽培運用基準』 ※球根類の病害防除に関する一般的な栽培基準として参照)

また、「ネダニ」という厄介な害虫が土の中に潜んでいる場合もあります。外見からは分かりにくいですが、生育が極端に悪い場合は、植え替え時に球根の底部などをチェックし、被害があれば殺虫剤で対処する必要があります。咲かない原因を一つずつ潰していけば、必ずまた花を咲かせてくれるはずです。

アマリリスの花が終わったら来年の準備を!

今回は、アマリリスの花が終わった後の管理について、一連の流れを詳細にご紹介しました。花が終わった瞬間から、すでに次の開花に向けたカウントダウンは始まっています。少し手間のかかる作業に感じるかもしれませんが、適切なタイミングで「花がらを摘む」「葉を残して育てる」「冬に休ませる」というステップを踏むだけで、アマリリスは驚くほど素直に応えてくれます。

手をかけた分だけ、球根は着実にエネルギーを蓄え、また来年もその壮麗な花で私たちの目を楽しませてくれるはずです。ぜひ、葉だけの時期も、眠っている時期も、愛情を持って見守ってあげてくださいね。

この記事の要点まとめ

  • 花がしおれたら種を作らせないよう子房ごと花がらを摘み取る
  • 花茎は腐敗防止のため、自然に枯れるのを待たず早めに根元から切る
  • 切った花茎の中空部分に水が入らないよう注意し、切り口を乾燥させる
  • 葉は光合成で球根を太らせるために必須なので、枯れるまで絶対に切らない
  • 花後から秋まではカリ分の多い肥料を定期的に与え、球根を肥大させる
  • 水やりは「土が乾いたらたっぷり」のメリハリを意識し、過湿による根腐れを防ぐ
  • 夏場の直射日光は葉焼けの原因になるため、半日陰や遮光ネットを活用する
  • 冬越しは地域の気候に合わせて「掘り上げ法」か「鉢植え法」を選択する
  • 掘り上げた球根は乾燥させてから、5〜10℃の冷暗所で保管する
  • 鉢植えでの冬越しは断水を基本とし、低温に当てて休眠を促す
  • 春(4月頃)になったら新しい水はけの良い土に植え替える
  • 植え付け時は球根の上半分を土から出す「浅植え」を徹底する
  • 増やす場合は植え替え時に分球を行うが、小さすぎる子球は親につけたままにする
  • 翌年咲かない主な原因は、日光・肥料不足、深植え、休眠不足などが考えられる
  • 赤斑病などの病気やダニなどの害虫にも注意し、早期発見・対処を心がける
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