こんにちは、My Garden 編集部です。
冬の園芸店でふと足を止めてしまうような神秘的な青い花、それがサントリーフラワーズが開発した「セレナーディア アロマブルー」です。一般的なシクラメンとは一線を画すその色は、ただ珍しいだけでなく、優しいアロマの香りで私たちの心を深く癒やしてくれます。しかし、決して安い買い物ではないため、購入してから枯れるのを防ぎたい、適切な育て方や難しいとされる夏越しの方法を詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか。また、実際の香りや口コミ、適正な価格についても気になるところですよね。この記事では、そんな皆様の疑問を完全に解消し、この特別な花を長く楽しみ、翌年も咲かせるためのヒントを余すところなくお伝えします。
この記事のポイント
- 青紫色の美しい花色と爽やかな香りの特徴がわかる
- 適正な価格相場とギフトとしての入手難易度を理解できる
- 枯らさないための温度管理と水やりのコツを習得できる
- 難易度が高い夏越しを成功させる非休眠法の技術が学べる
セレナーディア アロマブルーの魅力と価格相場
まずは、なぜこれほどまでに「セレナーディア アロマブルー」が多くの園芸ファンを魅了してやまないのか、その理由を深掘りしていきましょう。単なる「青いシクラメン」という言葉だけでは語り尽くせない、五感に訴えかける魅力と、気になるお値段について徹底解説します。
希少な青紫色と一重咲きの特徴

「青いシクラメン」と聞いて、真っ青な空の色を想像される方もいるかもしれませんが、アロマブルーの色合いはもっと奥深く、気品のある「青紫色(ラベンダーパープル)」をしています。実は、シクラメン(Cyclamen persicum)という植物には、もともと遺伝的に「青色」の色素(デルフィニジン)を合成する能力が備わっていません。そのため、長らく園芸界において純粋な青い花の作出は「不可能」あるいは「聖杯」と言われていました。しかし、サントリーフラワーズの長年の研究と最先端のバイオテクノロジー、そしてカーネーションやバラの青色化技術の応用によって、ついにこの神秘的な色合いが実現したのです。
冬の室内装飾といえば、ポインセチアの鮮烈な赤や、一般的なシクラメンのピンクといった「暖色系」が主流です。そんな中で、アロマブルーが放つ静寂を感じさせる「寒色系」の色は、置くだけで空間の雰囲気をガラリと変えてしまうほどの圧倒的な存在感があります。赤やピンクのシクラメンが「暖かさ」や「情熱」を象徴するなら、アロマブルーは「安らぎ」や「知性」、そして「高貴さ」を感じさせる大人の色と言えるかもしれません。特に、白を基調としたモダンなインテリアや、落ち着いた和室の空間において、その美しさは際立ちます。
また、私が個人的にとても気に入っているのが、その花の形です。同シリーズには八重咲きで豪華な「ライラックフリル」という品種もありますが、アロマブルーはあえてシンプルな「一重咲き(シングル咲き)」のスタイルをとっています。一重咲きというと「地味」と思われるかもしれませんが、この品種に関してはむしろ逆です。
一重咲きだからこその「多花性」と「立ち姿」
一重咲きの最大のメリットは、そのエネルギー効率の良さにあります。複雑な八重咲きの花を作るのに比べて株の消耗が少ないため、次から次へと花が立ち上がってくる「多花性」という性質を持っています。花弁の重なりがない分、一輪一輪の美しい輪郭が際立ち、株全体がすっきりとして見えます。すらりと伸びた花茎の先に、紫紺の蝶が舞っているかのような姿は、まさに芸術品。まるで恋人に捧げるセレナーデのように、途切れることなく想いを届けてくれる、そんなロマンチックな花姿なんですよ。満開時には株を覆い尽くすほどの花が咲き誇り、その姿は圧巻の一言です。
爽やかな香りとアロマの癒やし効果

品種名に「アロマ」と付いている通り、この花の最大のユニークセリングポイントは、なんといってもその「香り」です。実は、一般的な園芸種のシクラメンは、花持ちを良くしたり花を大きくしたりする改良の過程で、香りの遺伝子を失ってしまったものが多いのをご存知でしたか?現在、ホームセンターや園芸店で売られている大輪系シクラメンのほとんどは、鼻を近づけても無臭に近いものが大半です。
そんな中で、アロマブルーは意図的に香りの形質を強化して作られています。その香りは、甘ったるい濃厚なものではなく、「爽やかなアロマ」と表現されるような、非常に清涼感のある香りです。お部屋に置いておくと、ふとした瞬間にふわっと風に乗って香りが届き、まるで高級なアロマディフューザーを置いているかのような感覚になります。強い香水のような人工的な香りではないため、食事をするダイニングルームに置いても邪魔にならず、むしろ食卓を華やかに演出してくれます。
香りの秘密:リナロールとシトロネロール
具体的な成分分析などを見ると、バラや柑橘類、スズランなどにも含まれる「リナロール」や「シトロネロール」といった香り成分が含まれていることが示唆されています。これらはアロマテラピーの分野でも鎮静効果や抗不安作用、リフレッシュ効果が高いとされており、冬の閉め切った室内環境において、心地よいリラックス感を生み出してくれます。
「視覚」で楽しむ花は多いですが、ここまで明確に「嗅覚」でも楽しめるシクラメンは非常に稀少です。冬の間は窓を開けて換気する機会も減りがちですが、アロマブルーが一鉢あるだけで、室内の空気が浄化されたような清々しさを感じることができるでしょう。この二重の楽しみ方が、アロマブルーが選ばれる大きな理由となっています。
実際の価格帯と購入可能な販売店

さて、現実的なお話として気になるのが「価格」ですよね。バイオテクノロジーを駆使して開発された品種であり、生産数も限られているため、ホームセンターで並ぶ一般的なシクラメン(1,500円〜3,000円程度)と比較すると、やはり価格は高めに設定されています。「花一鉢にこの値段?」と驚かれる方もいるかもしれませんが、その背景には長い年月をかけた研究開発費や特許料、そして生産者の高度な栽培技術が含まれています。
2024年〜2025年シーズンの市場動向を見ると、だいたい以下の価格帯で推移しています。
| 販売形態 | 価格目安(税込) | 特徴・メリット |
|---|---|---|
| ネット通販・百貨店予約 | 6,380円〜7,018円 | 5号鉢が主流。おしゃれなバスケットや鉢カバー付きのギフト仕様が多く、品質が保証されており確実に手に入る。 |
| 実店舗(園芸専門店) | 5,000円〜6,500円 | 入荷数は少ないが、在庫があればラッキー。実物の色や香り、株の状態(葉の枚数や蕾の数)を自分の目で確認して選べる利点がある。 |
| シーズン終わりの処分品 | 数百円〜 | 12月末〜1月に稀にホームセンター等で見かけるが、株が傷んでいる可能性が高く、再生させる技術が必要な上級者向け。 |
流通時期は11月中旬から12月上旬に極端に集中しており、基本的には「予約販売」が主流です。これは生産者側が、最も美しい状態でお届けするために出荷時期を厳密にコントロールしているためです。ふらっとお店に行って買える確率はそこまで高くないため、「今年は絶対にアロマブルーを飾りたい!」という場合は、秋のうち(10月〜11月上旬)に予約を済ませておくのが確実です。特に、お歳暮シーズンと重なるため、12月に入ってから探すと既に完売しているケースも少なくありません。
価格が高いと感じるかもしれませんが、その開発コストや希少性、そして何より「冬の間ずっと特別な香りと色を楽しめる」という体験価値を考えると、十分に納得できるプライスだと私は思います。自分へのご褒美としてはもちろん、大切な方への特別なギフトとしても最適です。
ユーザーのリアルな口コミと評判
実際にアロマブルーを購入した方や、プレゼントされた方の口コミをリサーチしてみると、やはり「香り」と「色」に関する感動の声が多く寄せられています。インターネット上のレビューやSNSでの声を分析すると、以下のような傾向が見えてきます。
ポジティブな声:感動体験
- 「配送の箱を開けた瞬間に、ふわっと良い香りがして驚いた。シクラメンってこんなに香るんですね。」
- 「写真で見るよりも実物はもっと深みのある上品な紫色で、和室にも洋室にも合う。」
- 「うーーん、いい香り!毎朝水をあげるのが楽しみになった。リビングが癒やしの空間になった。」
- 「珍しい色だと、お花好きの母に大変喜ばれた。」
このように、期待以上の「体験」が得られたという評価が目立ちます。特に、贈答用として受け取った方は、その珍しさも相まって非常に高い満足度を示しているようです。視覚だけでなく嗅覚にも訴えかけるため、記憶に残るギフトとなっていることがわかります。
一方で、ネガティブな評判として見られるのが「夏越しが難しい」「翌年は花が減った」という栽培に関する悩みです。
栽培に関する悩み:難易度
- 「春までは綺麗に咲いていたけど、夏越しに失敗して枯らしてしまった。」
- 「2年目は葉っぱばかり茂って、花があまり咲かなかった。」
- 「暖房の効いた部屋に置いていたら、すぐにしおれてしまった。」
これは商品の欠陥というよりも、青色シクラメン特有の繊細な性質によるものです。一般的な赤やピンクの強健種に比べると、環境の変化に敏感な側面があります。しかし、これらの失敗談の多くは、「温度管理」や「水やり」のちょっとしたコツを知らなかったことに起因しています。後述する正しいケアを行えば、リスクを大幅に減らし、翌年も咲かせることが十分に可能です。
特別な冬のギフトとしての価値
これらの特徴を総合すると、セレナーディア アロマブルーは「失敗の許されないギフト」として非常に優秀な選択肢だと言えます。冬のギフト市場はお歳暮やクリスマスで賑わいますが、ポインセチアや普通のシクラメンでは「定番すぎて少しマンネリ気味…」「他の人と被りたくない」という方にこそおすすめです。
ここがギフトにおすすめな理由
- 話題性抜群:「青いシクラメン」というだけで希少価値があり、受け取った方との会話が弾みます。「サントリーが開発した特別な花なんですよ」というストーリーも添えられます。
- 記憶に残る香り:香りは人間の五感の中で最も記憶と強く結びつく(プルースト効果)と言われています。その香りをかぐたびに、贈り主のことを思い出してもらえます。
- インテリア性:多くの通販サイトで、おしゃれなバスケットや鉢カバーとセットで販売されており、届いてすぐにインテリアとして飾れます。受け取った方が鉢を用意する手間がかかりません。
大切な方への贈り物として、ありきたりな花ではなく「驚き」と「癒やし」を贈りたい場合には、これ以上の選択肢はないかもしれません。ご自身へのご褒美としても、長い冬の室内を特別な空間にしてくれる最高の一鉢になりますよ。
セレナーディア アロマブルーの育て方と夏越し
ここからは、手に入れたアロマブルーを長く、そして翌年も楽しむための実践的なテクニックをお伝えします。「高い花だから枯らしたくない!」というプレッシャーを感じている方も、安心してください。特に「枯れる」「しおれる」といったトラブルは、環境さえ整えれば防げることがほとんどです。少し専門的な話も混ざりますが、わかりやすく解説します。
枯れるのを防ぐ温度管理と置き場所
シクラメン栽培、特にアロマブルーのような繊細な品種において最も大切なのは「温度」です。ここを間違えると、どんなに水やりを頑張っても、どんなに良い肥料を使っても弱ってしまいます。まず大前提として覚えておいていただきたいのが、セレナーディア アロマブルーの生育適温は、ずばり「10℃〜15℃」だということです。
これは、私たちが冬に「快適だ」と感じるリビングの温度(20℃〜25℃)よりも、かなり涼しい環境です。植物は温度が高いと呼吸量が増えます。光合成で得たエネルギー以上に呼吸でエネルギーを使ってしまうと「消耗」状態になり、株が徒長(茎がひょろひょろ伸びる)したり、花の色が薄くなったり、最悪の場合はぐったりとして枯れてしまいます。また、高温環境では蕾が咲かずに枯れてしまう「ブラスチング」という現象も起きやすくなります。
ベストな置き場所の条件:涼しい特等席を探せ

では、具体的に家のどこに置けば良いのでしょうか?理想は「日当たりが良く、かつ涼しい場所」です。
- 日中のレースのカーテン越しの窓辺:日光は大好きですが、直射日光は温度を上げすぎるため、レースのカーテンで光を和らげます。ガラス越しの日光浴をさせてあげましょう。日照不足になると、花色が薄くなったり、花数が減ったりします。
- 暖房の風が絶対に当たらない場所:エアコンやファンヒーターの温風は、乾燥と高温のダブルパンチで植物に致命的なダメージを与えます。一撃で花がしおれてしまうこともあるので、風の通り道は絶対に避けてください。
- 玄関や廊下(明るい場合):最近の住宅は気密性が高いので、昔ほど寒くありません。玄関などが意外と適温(10℃〜15℃)だったりします。ただし、暗すぎる場合は徒長の原因になるので、日中だけ明るい窓辺に移動させるなどの工夫が必要です。
夜間の注意点:コールドドラフトを防ぐ
窓辺は昼間は特等席ですが、夜になると急激に冷え込みます。ガラス1枚隔てた外気は氷点下になることもあり、窓際は「冷蔵庫の中」状態になります。これを「コールドドラフト」と呼びます。夜は必ず厚手のカーテンを閉めるか、部屋の中ほど(テーブルの上など)に移動させて、冷気から守ってあげてください。5℃を下回ると生育が止まり、0℃近くになると凍結枯死のリスクがあります。
しおれる原因と正しい水やり方法
「水やり」も枯れる原因のナンバーワンです。ここでのポイントは、メリハリをつけること。
基本は「土の表面が白っぽく乾いたら、たっぷりと与える」です。まだ土が湿っているのに「なんとなく心配だから」と水をあげ続けると、土の中の酸素がなくなり、根が呼吸できずに腐ってしまいます(過湿・根腐れ)。特に低温期は水分の蒸発が遅いため、過湿になりやすい傾向があります。逆に、シクラメンは葉からの蒸散量が多いため、水切れを起こすと一気にしおれて倒れてしまいます。
給水方法のコツ:葉と球根を守る

アロマブルーは葉が茂っていることが多いため、上からジョウロでジャバジャバかけるのはNGです。球根の上部(クラウン)や葉の付け根に水が溜まると、そこから腐敗が始まります。
- 手で葉を優しく持ち上げる:株元の土が見えるように、葉をよけます。
- 土に直接注ぐ:細い口のジョウロなどを使い、球根にかからないように土の際(きわ)に水を注ぎます。
- 鉢底から出るまでたっぷりと:鉢の中の古い空気と水を押し出し、新しい酸素を取り込むイメージで、底から水がジャージャー流れ出るまで与えます。
- 受け皿の水は捨てる:これが非常に重要です。受け皿に水を溜めたままにすると、根が水に浸かった状態になり、酸欠で根腐れの原因になります。
底面給水鉢の場合:
最近のギフト用シクラメンは、鉢底のタンクに水を溜めて吸い上げる「底面給水鉢」が使われていることが多いです。この場合は、タンクの水がなくなりかけたら継ぎ足すだけでOKです。ただし、月に1〜2回は、洗面所や屋外などで上からたっぷりと水を通し、土の中に蓄積した老廃物や肥料成分を洗い流してあげると、根がより健康に保てます。
灰色かび病とカビ対策の重要性
冬場の室内で気をつけたいのが、カビが原因で起こる「灰色かび病(ボトリチス病)」です。花弁に小さな茶色のシミができたり、茎の根元が灰色のカビに覆われてドロドロに溶けたりします。この病気は、低温多湿(ジメジメした環境)を好み、枯れた植物組織を栄養源にして爆発的に増殖します。
予防の鉄則:花がら摘み

これを防ぐための最大の防御策は、「花がら摘み」をこまめに行うことです。咲き終わった花や、黄色くなった下葉は、病気の格好の餌食になります。これらを放置することは、カビに餌を与えているようなものです。
花がらを摘む際は、ハサミを使ってはいけません。ハサミの金属イオンを嫌うという説や、切り口から雑菌が入るリスクがあるためです。以下の手順で行います。
- 枯れた花や葉の茎の根元を、指でつまみます。
- 少しねじるようにして、プチッと素早く引き抜きます。
- 茎を途中で残さず、根元から完全に取り除くことが重要です。残った茎が腐ると病気の原因になります。
また、水をやる時間を「午前中」にすることも大切です。夕方や夜に水やりをすると、夜間の温度低下とともに湿度が上がりすぎたり、土が冷えすぎて根が傷んだりします。午前中の暖かい時間に済ませ、余分な水分が乾く時間を作ってあげましょう。
病害虫の防除方法については、農薬の使用も含め、専門機関の正しい情報を参考にしてください。(出典:農林水産省『病害虫防除に関する情報』)
肥料のやり方と葉組みのテクニック
アロマブルーは開花期間が12月から4月頃までと非常に長いため、途中でスタミナ切れを起こさないよう追肥が必要です。購入時の土には元肥が入っていますが、1ヶ月〜2ヶ月もすると効果が薄れてきます。購入後1ヶ月ほど経ったら、1週間〜10日に1回程度、規定倍率(1000倍など)に薄めた液体肥料を与えましょう。
ただし、ここで注意が必要なのが肥料の成分バランスです。窒素(N)分が多い観葉植物用の肥料などを与えすぎると、「葉ばかりが茂って巨大化し、肝心の花が咲かない」「香りが弱くなる」「病気にかかりやすくなる」という現象が起きます。リン酸(P)やカリウム(K)をバランスよく含んだ「シクラメン用」や「開花促進用」と書かれた肥料を選ぶのが賢明です。固形肥料(置き肥)を併用する場合は、根に直接触れないよう、鉢の縁の方に置きます。
プロの技「葉組み(はぐみ)」

さらに、「葉組み(はぐみ)」という作業を行うと、見栄えも生育もプロ並みの仕上がりになります。シクラメンは「葉の枚数だけ花が咲く」と言われていますが、葉が重なり合うと株の中心(クラウン)に日が当たりません。中心にある小さな蕾(花芽)に日光を届けるために、葉を優しく動かして整理します。
- 中心にある新しい葉を外側へ、外側にある古い葉をより下の方へ移動させます。
- 葉の茎(葉柄)を交差させないように放射状に広げ、中心にスペースを作ります。
- 中心にリング状の空間ができ、そこに光が差し込むようにします。
こうすることで、株元の風通しも良くなり、湿気がこもらず病気の予防にもなりますし、何より光を浴びた小さな蕾が次々と成長し、花が途切れることなく咲き続けるようになります。この手間をかけるだけで、春まで咲く花の数が劇的に変わります。
難関の夏越しは非休眠法で攻略
さて、多くの園芸ファンが挫折する最大の難関、「夏越し」です。シクラメンの夏越しには、大きく分けて2つの方法があります。
- ドライ法(休眠法):水を完全に切って葉を枯らし、球根だけの状態で夏を過ごさせる方法。
- ウェット法(非休眠法):水やりを続けて葉を残したまま、生きた状態で夏を越す方法。
結論から言うと、セレナーディア アロマブルーに関しては「非休眠法(ウェット法)」を強くおすすめします。
私の経験や多くの栽培レポートによると、アロマブルーのような品種改良が進んだシクラメンは、原種に比べて乾燥休眠からの復帰力が弱い傾向にあります。「ドライ法」で完全に乾かしてしまうと、秋になっても目覚めず、そのまま干からびて枯死してしまう(ミイラ化する)ケースが非常に多いのです。
非休眠法(ウェット法)の具体的な手順

では、どのようにしてウェット法で夏を越すのか、時系列で見ていきましょう。
- 5月〜6月頃(準備期):花が終わりかけたら、肥料をストップします。黄色くなった葉は取り除きますが、緑の葉は大切に残します。無理にむしり取ってはいけません。
- 置き場所の移動:梅雨入り前あたりから、環境を変えます。戸外の「北側の涼しい日陰」や「風通しの良い軒下」など、雨が当たらない最も涼しい場所に移動させます。直射日光は厳禁です。ブロックの上などに置き、地面からの熱も避けます。
- 水やり:土の表面が乾いたら水を与えますが、冬場よりは控えめにし、「乾かし気味」をキープします。常にジメジメしていると高温多湿で球根が腐りますが、完全にカラカラにもしません。早朝や夕方の涼しい時間に水やりをします。
- 状態の維持:夏の間、葉が数枚〜十数枚残っている状態で、細々と生きている状態を目指します。決して成長させようとしないでください。現状維持が目標です。葉が汚くなっても、球根が硬ければ大丈夫です。
この方法は、植物の代謝を完全に停止させず、低レベルで維持し続けることで、秋以降(9月下旬〜10月頃)の再成長をスムーズにする効果があります。
来年もセレナーディア アロマブルーと暮らす

見事に夏越しに成功し、涼しくなってきたら(9月下旬〜10月頃)、一回り大きな鉢に新しい土で植え替えを行い、肥料と通常の水やりを再開します。すると、新しい葉が展開し始め、再びあの美しい青紫色の花に出会えるはずです。
実は、夏越しに成功した2年目のアロマブルーは、1年目とは少し違った表情を見せてくれることがあります。生産者のような厳密な環境コントロールができないため、花の色が微妙に変化したり、原種のように少し横を向いて咲いたり、あるいは雄しべが花弁化したりと、ユニークな変化を見せることがあります。
それは失敗ではなく、あなたの家で環境に適応し、生き抜いた証であり、「世界に一つだけの花」になった証拠です。決して簡単な花ではありませんが、その分、自分の手で夏を越し、再び青い花が咲いたときの感動はひとしおです。ぜひ、この冬はセレナーディア アロマブルーをお迎えして、その香りと色に包まれる特別な時間を過ごしてみてくださいね。
この記事の要点まとめ
- セレナーディアアロマブルーは青紫色と一重咲きが特徴
- 一般的なシクラメンにはない爽やかなアロマの香りが魅力
- 価格相場は6000円から7000円前後と高級な部類に入る
- 購入は11月中旬から12月上旬の予約販売が主流である
- 口コミでは香りの良さが高く評価されている
- 生育適温は10度から15度で涼しい場所を好む
- 暖房の風が直接当たる場所は避ける必要がある
- 水やりは土の表面が白く乾いてからたっぷりと与える
- 葉や球根に水をかけないように注意して注ぐ
- 咲き終わった花がらはこまめに根元からねじり取る
- 灰色かび病を防ぐため夜間の過湿は避ける
- 窒素過多に注意し開花用の液体肥料を適量与える
- 夏越しは水を切らない非休眠法ウェット法が推奨される
- 夏場は北側の涼しい日陰で管理し葉を維持する
- 2年目は花色や形が変化することもあるがそれも楽しみの一つ
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