こんにちは、My Garden 編集部です。
冬の気配が深まり、街がイルミネーションで彩られる季節になると、園芸店の店頭も一気に華やぎます。その主役といえば、やはりシクラメンですよね。赤やピンク、白といった定番カラーが並ぶ中で、ひときわ異彩を放ち、見る人の足を止める花があります。それが、サントリーフラワーズが長年の歳月をかけて開発した「青いシクラメン」、セレナーディアです。
深い海のようなインディゴブルーや、優しい藤色のようなライラックブルー。自然界には存在しなかったこの「青」を実現したセレナーディアは、まさに技術の結晶であり、冬のギフトとして爆発的な人気を誇っています。しかし、その神秘的な美しさの一方で、「シクラメンの花言葉には怖い意味があるのでは?」「青い花を贈って、相手に失礼にならないだろうか?」といった不安を感じて、検索されている方も少なくありません。
また、決して安価ではない特別な花だからこそ、「アロマブルー」「ビクトリアブルー」「ライラックフリル」といった品種ごとの違いを深く理解し、絶対に枯らさずに春まで咲かせ続けたいという切実な願いもあることでしょう。
この記事では、セレナーディアに込められた本当の花言葉の意味から、品種ごとの詳細な特徴、そして生産者やプロも実践している「長く咲かせ続けるための栽培テクニック」まで、あなたの疑問を徹底的に解消します。私自身も実際に自宅で育ててみて感じた、写真だけでは伝わらない香りのニュアンスや、意外な育て方の落とし穴まで、余すところなくお伝えします。
この記事のポイント
- セレナーディアに込められた「音楽」と「愛」の物語
- 「怖い」「縁起が悪い」と誤解されがちな花言葉の完全な払拭
- 香りや咲き方で選ぶ、全3品種の徹底比較ガイド
- 底面給水鉢でも要注意!枯らさないためのプロ直伝の水やり・温度管理術
怖い噂は本当?セレナーディアの花言葉

インターネットの検索窓に「シクラメン 花言葉」と入力すると、サジェスト機能で「怖い」「死」「嫉妬」といった、贈り物には不穏な単語が出てくることがあります。大切なパートナーや、お世話になった目上の方へ贈るギフトとして検討している場合、こうしたネガティブなキーワードは非常に気になりますよね。「もし、悪い意味にとられたらどうしよう…」と躊躇してしまうその気持ち、痛いほどよく分かります。ここでは、セレナーディアや青いシクラメンが持つ本来の美しい花言葉と、なぜ怖い噂が流れているのか、その背景にある誤解について深く掘り下げて解説します。
青いシクラメンが持つ素敵な意味
まず、声を大にしてお伝えしたいのは、セレナーディアを含む青色系のシクラメンには、非常に知的で奥ゆかしい、素晴らしい花言葉が与えられているということです。その代表的な言葉が「遠慮」と「恥じらい」です。
日本人の美意識に響く「謙虚さ」
「遠慮」という言葉を聞くと、現代のビジネスシーンなどでは「他人に気を使って行動を控える」といった、少し消極的あるいはネガティブなニュアンスで捉えられがちかもしれません。しかし、花言葉の世界、そして古来からの日本的な美意識の文脈において、これは「謙虚さ」や「奥ゆかしさ」という最高級の美徳を指しています。
自己主張が激しく情熱的な赤や、可愛らしさを前面に出すピンクの華やかさとは対照的に、青いシクラメンは静寂の中に凛とした強さを秘めています。その姿は、一歩下がって相手を立てる「大和撫子」のような上品さを象徴しているとも言えるでしょう。例えば、職場の尊敬する上司や、恩師への贈り物として考えてみてください。「私はあなたの邪魔はしませんが、いつも静かに応援しています」「深い尊敬の念を抱いています」という、言葉にするには少し照れくさいような控えめな敬愛の念を伝えるのに、これほど適した花はありません。派手すぎず、かといって地味でもない、その絶妙なバランスが「知性」を感じさせるのです。
ロマンチックな「セレナーデ」の物語
また、ブランド名である「セレナーディア(Serenadia)」の由来も、この花言葉にさらなる深みを与えています。これは音楽用語の「セレナーデ(Serenade=小夜曲)」から名付けられました。
中世ヨーロッパにおいて、セレナーデは夕暮れ時や夜に、男性が恋人の部屋の窓下で、リュートやギターを片手に愛を告白するために奏でる音楽でした。言葉ではうまく伝えられない溢れる想いを、美しい旋律に乗せて届ける……。つまり、セレナーディアを贈るという行為そのものが、「言葉にできないほどの愛や感謝を贈る」という極めてロマンチックな意味を持っているのです。「青い花なんて冷たい感じがする?」なんて心配は無用です。その青さの中には、誰よりも深い愛情の物語が隠されているのですから。
色彩心理と青い花
色彩心理学的にも、青は「鎮静」「知性」「信頼」を表す色です。情熱的な赤が交感神経を刺激して興奮を促すのに対し、青は副交感神経に働きかけて心を落ち着かせる効果があります。忙しい日々を送る現代人にとって、ふと目に入った瞬間に心がスーッと凪いでいくような「安らぎの時間」という目に見えないプレゼントを添えることができるのも、青いシクラメンならではの魅力です。
シクラメンの花言葉が怖いという誤解
では、なぜこれほど素敵な意味を持つにもかかわらず、「シクラメンの花言葉は怖い」という根強い噂が存在するのでしょうか。これには大きく分けて2つの理由があります。一つは「色による意味の違い」、もう一つは「古い語呂合わせによる迷信」です。これらを正しく理解すれば、恐れることは何もありません。
「嫉妬」は赤いシクラメンだけの言葉
シクラメン全体の花言葉として紹介されることがある「嫉妬」ですが、厳密にはこれは「赤いシクラメン」限定の花言葉です。
シクラメンの花をよく観察してみてください。花びらが上に向かって強く反り返る独特の形をしていますよね。真っ赤な花びらが反り返って咲く様子が、まるで嫉妬の炎がメラメラと燃え上がっているように見えることから、この花言葉が付けられたと言われています。確かに、燃えるような赤は情熱の裏返しとしての嫉妬を連想させるかもしれません。
しかし、青や紫の色調を持つセレナーディアには、燃えるような情熱や嫉妬のイメージはありません。むしろ、冷静さや鎮静を感じさせる色です。したがって、セレナーディアを贈る際に「嫉妬」という意味を心配する必要は全くないのです。ここは自信を持って否定していただいて大丈夫です。
「死・苦」の語呂合わせは過去のもの
もう一つの要因は、日本語特有の語呂合わせです。「シクラメン」という名前の響きが「死(シ)」や「苦(ク)」に通じるとして、かつては病院へのお見舞いや新築祝いにはタブーとされていた時代がありました。昭和の時代には、この語呂合わせを気にするマナーも確かに存在しました。
しかし、これは現代のフラワーギフト市場ではほとんど気にされなくなっている、いわば「過去の迷信」です。むしろ、シクラメンは冬の室内を彩る貴重な花として、お歳暮やクリスマスギフトの定番中の定番です。特にセレナーディアのような最新品種は、「不可能を可能にした技術の結晶」や「奇跡の青」というポジティブな文脈で語られることが多く、古い語呂合わせを覆すだけの圧倒的なブランド力を持っています。現代において、この美しい青い花を見て「死」を連想する人はまずいないでしょう。
贈る際のワンポイント
もし贈る相手がかなりご年配の方で、縁起や語呂合わせを非常に気にされる可能性がある場合は、メッセージカードを添えるのがおすすめです。「青いシクラメンには『絆』や『想いが響きあう』という素敵な意味があるそうですよ。珍しい色なので選びました」と一言書き添えるだけで、誤解を完璧に防ぎつつ、あなたの温かい心遣いを伝えることができます。
アロマブルーの特徴は癒しの香り

セレナーディアシリーズの中で、私が個人的に最も感動し、皆さんにもぜひ一度体験していただきたいのが「アロマブルー」です。この品種は、従来のシクラメンの常識を覆す「香り」を持っています。
視覚と嗅覚のダブルで癒される
通常のシクラメン(特に園芸品種の大輪系)は、見た目の豪華さを追求する品種改良の過程で、香りが失われているものがほとんどです。どんなに立派な花でも、顔を近づけても無臭であることが一般的ですよね。しかし、アロマブルーは違います。開発において、あえて「香り」に重点が置かれており、開花が進むと、バラやユリのような甘ったるい香りではなく、爽やかで透明感のあるブルーシクラメン特有の香りが漂います。
その香りは決して強烈ではありません。部屋に入った瞬間に「あ、何かいい匂いがする」と気づく程度の、ふんわりとした優しさです。例えるなら、高級な石鹸や、雨上がりの庭のような清潔感のある香りでしょうか。デスクサイドや寝室など、身近な場所に置いても香りに酔ってしまうことがなく、日常に溶け込む「天然のアロマ」のような存在感を発揮してくれます。仕事で疲れて帰宅した時、この香りが迎えてくれると、張り詰めた神経がほどけていくのを感じますよ。
一重咲きの凛とした佇まい
花の特徴としては、すっきりとした一重咲きであることが挙げられます。花びらのフリルや八重咲きといった装飾が少ない分、深く濃い青紫色(インディゴブルーに近い色合い)の美しさがダイレクトに際立ちます。花茎がスッと立ち上がり、その頂点に咲く青い花は、まるで冬の澄んだ夜空に輝く星のよう。シンプルながらも力強い生命力を感じさせるデザインは、甘すぎる花が苦手な男性へのギフトとしても非常に好評です。
「香りを楽しみたい」「ゴテゴテしたデザインは苦手」「シンプルで上質なものを好む」。そんな方にとって、アロマブルーはこれ以上ないベストな選択肢と言えるでしょう。
ビクトリアブルーの特徴と気品ある姿

「せっかく贈るなら、一目で『普通とは違う』と分かる豪華なものがいい」「圧倒的なインパクトが欲しい」。そんな方には「ビクトリアブルー」が最適です。この品種は、その圧倒的な造形美で見る人を魅了します。
女王の名を冠する高貴なデザイン
「ビクトリア」という名称は、19世紀の英国女王ビクトリアに由来するとされる咲き方で、花びらの縁にフリンジ(細かい切れ込み)や色が入るタイプを指します。セレナーディアのビクトリアブルーは、濃い青紫色の花びらの縁に、くっきりとした鮮やかな白の覆輪(ふくりん)が入るのが最大の特徴です。
この濃い青紫と純白のコントラストは非常にインパクトがあり、遠目から見ても存在感抜群です。さらに、花びらの縁が波打つようにフリル状になっているため、一輪一輪が非常にボリューミーに見えます。まるで豪華なドレスをまとった貴婦人が舞踏会で踊っているかのようなその姿は、玄関やリビングのメインフラワーとして飾るのに相応しい風格を持っています。
プロも認める完成度
ビクトリアブルーは、その優れた品種特性から、新品種コンテストである「ジャパンフラワーセレクション(JFS)」においても高く評価されています。花の美しさだけでなく、株のまとまりの良さや花持ちの良さなど、育てる楽しみまできちんと計算されて作られている品種です。
失敗できないフォーマルな贈り物、例えば還暦祝いや開店祝い、あるいは大切なパートナーとの10周年記念日など、「特別感」を演出したいハレの日のシーンでは、このビクトリアブルーが間違いなく主役級の働きをしてくれます。箱を開けた瞬間の「わぁっ!」という歓声が聞こえてきそうな、そんな華やかさを持った一鉢です。
ライラックフリルの特徴と優美な花

力強く濃い青色が特徴のアロマブルーやビクトリアブルーとは対照的に、ふんわりとした柔らかさを前面に押し出しているのが「ライラックフリル」です。この品種は、特に女性からの人気が高く、インテリアとしての親和性も抜群です。
パステルカラーの優しい青紫
ライラックフリルの色は、その名の通り「ライラック(リラ)」の花を思わせる、淡く優しい青紫色です。青いシクラメンといっても、寒々しさは全くなく、どこか温かみを感じさせるような透明感のあるパステル調の色合いが特徴です。
この淡い色は、白を基調としたナチュラルなインテリアや、北欧風の部屋、あるいはシャビーシックな雰囲気のお部屋に驚くほどよく馴染みます。濃い色の花は部屋の中で主張しすぎて浮いてしまうことがありますが、ライラックフリルは空間に溶け込み、部屋全体を明るく優しい雰囲気にしてくれます。窓辺に置くと、光を透かして花びらが輝く様子は、言葉を失うほどの美しさです。
ドレスのようなフリル咲き
花びらの形状は、全体が大きく波打つ「フリル咲き」です。ビクトリアブルーのフリンジよりもさらに波打ちが大きく、花全体が丸みを帯びて見えます。満開になると、たくさんの蝶が舞っているかのような、あるいは幾重にも重なったフリルのついたドレスが揺れているかのような、非常に優美で可憐な姿を見せてくれます。
また、上級者の楽しみ方として、複数のシクラメンを並べて飾る場合、濃い色の「アロマブルー」と淡い色の「ライラックフリル」を組み合わせることで、美しい青のグラデーションを作り出すことができます。浜名湖ガーデンパークの「青いシクラメンの小路」のような幻想的な風景を、自宅の一角で再現してみるのも素敵ですね。
セレナーディアの種類と選び方のコツ
ここまで3つの魅力的な品種を紹介してきましたが、それぞれに強烈な個性があるため、「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまう方もいるかもしれません。そこで、目的や相手の好みに合わせた選び方のコツを、分かりやすい表とともに整理しました。
品種別比較・選び方ガイド

| 品種名 | キーワード | 香りの有無 | おすすめのシチュエーション・相手 |
| アロマブルー | 癒し・シンプル・香り | あり(爽やか) | 「香りで癒されてほしい」
仕事で忙しい方、シンプルな美しさを好む男性、寝室や書斎に飾りたい方 |
| ビクトリアブルー | 豪華・気品・インパクト | なし | 「特別な日の記念に」
目上の方へのお歳暮、還暦や古希のお祝い、玄関を華やかにしたい方 |
| ライラックフリル | 優美・可愛い・パステル | なし | 「優しい気持ちを伝えたい」
可愛いものが好きな女性、ナチュラルなインテリアを好む方、友人へのギフト |
さらに詳しい開発秘話や、その年の気候による生育状況、最新の販売ルートなどについては、開発元であるサントリーフラワーズの公式ページを確認することをおすすめします。開発者の熱い想いを知ると、花への愛着がさらに湧いてきますよ。
自分用であれば、直感で「ピン」ときた色を選ぶのが一番ですが、ギフトの場合は相手の家のインテリアや、普段のファッションの雰囲気を思い出して選んでみると、より喜ばれるはずです。迷ったら、香りを楽しめる「アロマブルー」が、話題性も含めて個人的にはイチオシです!
セレナーディアの花言葉と失敗しない育て方
「花言葉が素敵だから贈りたいけれど、すぐに枯らしてしまったらどうしよう…」。シクラメンは管理が難しいというイメージをお持ちの方も多いはずです。確かに、何も知らずに世話をすると、お正月の前にはぐったり…なんてこともあり得ます。しかし、実はいくつかの重要なポイントさえ押さえれば、春(ゴールデンウィーク頃)まで次々と花を咲かせ続けることは決して難しくありません。
ここでは、セレナーディアを長く楽しむための具体的な栽培テクニックを、初心者の方にも分かりやすく解説します。「これさえ守れば大丈夫」という鉄則をお伝えしますね。
セレナーディアの基本的な育て方
シクラメン栽培の成功を左右する二大要素は「温度」と「日当たり」です。水やりも大切ですが、まずはこの環境設定を間違えないことがスタートラインです。
理想的な温度は「人間には少し肌寒い」くらい

セレナーディアを含むシクラメンの生育適温は、10℃〜15℃です。5℃くらいまでの寒さには耐えられますが、逆に暑さには非常に弱いです。
ここで問題になるのが、現代の日本の住宅事情です。私たちが冬の室内で「暖かいなぁ」と快適に感じる20℃〜25℃という温度は、シクラメンにとっては「真夏」と同じような過酷な環境です。高温環境に置かれ続けると、植物の呼吸量が増えて光合成で作ったエネルギーを使い果たしてしまい、株が消耗します。その結果、葉が黄色くなったり、茎が徒長(ひょろひょろと間延び)して倒れたりしてしまいます。
日中は暖房の効いていない廊下や玄関、あるいは窓辺(夜間は冷え込みに注意)など、人間が「少しひんやりするな」と感じる場所がベストポジションです。「寒そうだから」といって暖かい部屋に入れてあげるのは、実は逆効果なんですね。
日光は開花のエネルギー源
シクラメンは日光が大好きです。11月から4月の開花期間中は、できるだけ長時間、ガラス越しの日光に当ててください。光合成が不足すると、新しい蕾が作られなくなったり、せっかくついた蕾が開かずにそのまま枯れ落ちてしまう(ブラスティング)原因になります。
また、葉っぱがたくさん茂ると、株の内側に光が当たらなくなります。時々、葉を手で優しく外側に広げて(葉組みといいます)、中心部の小さな蕾に光を当ててあげると、次々と花が上がってきますよ。週に一度は鉢の向きを180度回転させて、株全体にまんべんなく光が当たるようにすると、形が崩れずきれいに育ちます。
枯れる原因になる置き場所の注意点
多くの人がやりがちな失敗、それが「置き場所のミス」です。特に現代の高気密高断熱住宅では、良かれと思ってやったことが仇になるケースが多発しています。
エアコンの風は「死の風」
絶対に避けていただきたいのが、エアコンやファンヒーターの温風が直接当たる場所です。これはシクラメンにとって致命的です。温風に当たると、葉や花から急激に水分が奪われ、あっという間にドライフラワーのようにカラカラに乾燥して枯れてしまいます。一度このダメージを受けると、復活させるのは極めて困難です。床暖房の上に直置きするのも、鉢の中が蒸れて根腐れする原因になるので避けましょう(スタンドなどを使って浮かせるならOKです)。
夜間の窓辺にも落とし穴が
「日中は窓辺が良い」とお伝えしましたが、夜間の窓辺には注意が必要です。カーテンを閉めても、窓ガラスの近くは外気の影響で急激に冷え込み、場所によっては0℃近くになることもあります。シクラメンは凍結すると細胞が壊れてしまい、解凍されたようにドロドロになって枯れてしまいます。
夕方になり日が落ちたら、窓辺から部屋の中央寄り、あるいは少し高い位置(冷気は床に溜まるため)へ移動させてあげるのが、愛着を持って育てるコツです。ちょっと面倒ですが、この「移動」の手間こそが、植物との対話であり、ガーデニングの醍醐味でもあります。
正しい水やりと肥料の与え方
水やりは「多すぎてもダメ、少なすぎてもダメ」と言われますが、セレナーディアの多くは「底面給水鉢」という便利な鉢に植えられています。この鉢の扱い方には少しプロならではのコツがあります。
底面給水鉢の正しい使い方

底面給水鉢は、鉢の底にある貯水タンクに水を入れておけば、植物が必要な分だけスポンジ紐などを通じて勝手に吸い上げてくれる優れたシステムです。基本的には、タンクの水がなくなりかけたら補充するだけでOKです。これなら水やりの失敗は少ないですよね。
しかし、これだけでは不十分な場合があります。月に1〜2回は、あえて鉢の上(土の表面)からたっぷりと水を与えることを強くおすすめします。なぜなら、ずっと下から吸い上げていると、土の表面付近に水道水に含まれるカルシウムや、肥料成分の燃えカス(老廃物)が白く溜まってしまう「塩類集積」が起こるからです。これが溜まると根がダメージを受けます。
キッチンやベランダで、上からたっぷりと水を与え、鉢底からジャーッと流す(この時、タンクの水はいったん捨てます)ことで、土の中の老廃物を洗い流し、空気の入れ替えを行うことができます。これを「リーチング」と呼びますが、これを行うだけで根の健康状態が劇的に良くなります。
肥料切れ=花切れ
セレナーディアは次々と花を咲かせるため、たくさんのエネルギーを消費します。購入時の土に入っている肥料だけでは、春まで体力が持ちません。「花が小さくなってきた」「色が薄くなってきた」というのは肥料切れのサインです。
1週間〜10日に1回程度、市販の液体肥料(草花用)を規定倍率(1000倍〜2000倍など)に薄めて与えてください。底面給水の場合はタンクの水に混ぜても良いですし、上から水やりをするタイミングで液肥を与えても効果的です。固形肥料を置くのも良いですが、即効性のある液体肥料との併用がおすすめです。
病気やしおれるトラブルへの対処法
大切に育てていても、生き物ですからトラブルが起きることはあります。しかし、早期発見・早期対応ができれば、回復できるケースがほとんどです。
全体がくたっとしおれた場合
ある日突然、花も葉も全てが鉢の縁にだらんと垂れ下がってしまった…。これは本当に驚きますが、ほとんどの場合「水切れ」が原因です。タンクの水が空になっていませんか? あるいは、吸水紐が詰まって水が吸えていない可能性もあります。
この場合、たっぷりと鉢の上から水を与えて、涼しい日陰で休ませれば、数時間から半日程度で嘘のようにシャキッと復活します。この時、慌てて肥料などを与えるのは逆効果(弱っている胃にステーキを食べさせるようなもの)なので、まずは真水だけを与えてください。
灰色かび病(ボトリチス病)の恐怖
冬の室内、特に加湿器を使っている部屋などで発生しやすいのが「灰色かび病」です。花びらや葉に小さな水濡れのようなシミができ、やがて灰色のカビが生えて溶けるように腐っていきます。この病気は伝染するため、見つけたら即座に対処が必要です。
カビが生えた部分は、ためらわずに根元から取り除いてください。そして、部屋の換気を行い、湿度を下げて風通しを良くします。ひどい場合は園芸用の殺菌剤を散布しますが、一番の予防は「花がら摘み」と「枯れ葉取り」をこまめに行うことです。
プロ直伝!花がら摘みのテクニック
咲き終わった花をハサミで切ると、残った茎が腐って病気の原因になります。シクラメンの花がらは、茎の根元を指でつまみ、クルクルとねじりながら勢いよく引き抜くと、根元からスポッと綺麗に取れます。プチっという感触とともに綺麗に抜けると、とても気持ちいい作業ですよ。
贈り物に喜ばれるシーンとポイント

最後に、セレナーディアをギフトとして贈る際のポイントを再確認しましょう。どんなシーンで、どんな言葉を添えて贈れば、より相手の心に響くでしょうか。
セレナーディアの紫系の花言葉「想いが響きあう」や「絆」は、家族やパートナーとの繋がりを再確認するのに最適です。結婚記念日や、遠く離れて暮らす両親へのお歳暮として贈れば、電話やメールでは伝えきれない温かい心を届けることができます。「いつもありがとう。離れていても、心は繋がっているよ」というメッセージとともに贈れば、感動もひとしおでしょう。
また、青色の花言葉「遠慮」「謙虚」は、ビジネスシーンでも非常に有効です。お世話になった上司の退職祝いや、取引先への冬の挨拶などに、「これからも変わらぬ敬意を表します」という意味を込めて贈ることができます。胡蝶蘭ほど大げさにならず、かつ「青いシクラメン」という話題性とセンスの良さをアピールできるアイテムとして、セレナーディアは非常に優秀です。受け取った方も、「おっ、これは珍しいね」と会話が弾むこと間違いなしです。
魅力的なセレナーディアの花言葉まとめ
ここまで、セレナーディアの奥深い花言葉の世界と、長く楽しむための実践的な育て方をご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。
青いシクラメンは、単なる「珍しい色の花」ではありません。サントリーフラワーズの長年の技術と情熱、そして贈る人の「言葉にできない想い」を乗せて届ける、魔法のようなコミュニケーションツールです。花言葉に込められた「謙虚さ」や「絆」は、忙しい現代社会で私たちが忘れかけている大切なものを思い出させてくれます。
最後に、この記事の重要ポイントをリストにまとめました。これさえ覚えておけば、セレナーディアとの生活はもっと豊かになるはずです。今年の冬は、ぜひこの美しい青い花とともに、素敵な時間を過ごしてくださいね。
この記事の要点まとめ
- セレナーディアはサントリーフラワーズが開発した世界初の「青いシクラメン」シリーズ
- 青色の花言葉は「遠慮」「恥じらい」で、日本的な謙虚さと知性を象徴する
- 紫色の花言葉には「想いが響きあう」「絆」があり、家族や恋人へのギフトに最適
- 「嫉妬」や「死」といった怖い花言葉は赤色のシクラメンや古い語呂合わせであり、青には適用されない
- 「アロマブルー」はシクラメンには珍しい爽やかな香りを持ち、癒し効果が高い
- 「ビクトリアブルー」は白の覆輪とフリル咲きが特徴で、圧倒的な豪華さと気品がある
- 「ライラックフリル」は淡いパステルカラーで、優しい雰囲気や北欧風インテリアに合う
- 購入後の置き場所は、暖房の風が当たらない「10℃〜15℃の涼しい日向」がベスト
- 夜間の窓辺は冷えすぎるため、部屋の中央へ移動させると凍結を防げる
- 底面給水鉢でも、月に数回は上から水を流して土の中の老廃物を洗い流す(リーチング)
- 肥料は開花期間中、1週間〜10日に1回液体肥料を与えてスタミナ切れを防ぐ
- しおれた場合の多くは水切れが原因。まずは水をたっぷり与えて様子を見る
- 花がらや枯れ葉はハサミを使わず、根元からねじり取って病気を予防する
- 贈る際は、花言葉を書いたメッセージカードを添えると誤解がなく、より想いが伝わる
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