こんにちは、My Garden 編集部です。
お花屋さんやスーパーの束売りコーナーを通りかかると、そのパッと大きく開いた明るい花姿に、つい目を奪われて足を止めてしまうことはありませんか?ガーベラは、見る人の心を無条件に明るくしてくれる、太陽のようなエネルギーを持ったお花ですよね。赤、ピンク、黄色、オレンジと、色とりどりの種類がある中で、混じり気のない純白の「白」のガーベラは、他のカラフルな色にはない、凛とした清楚さと、どこか神聖で特別な雰囲気を持っています。
大切なパートナーへの記念日の贈り物や、お世話になった方への感謝の印、あるいは自分のお部屋の空気をリセットするために飾る一輪として選びたい。けれど、いざ購入しようとしてスマートフォンで検索しようとすると、サジェストキーワードに「怖い」「仏花」「不吉」といった不穏な単語が出てきて、不安になってしまったという声をよく耳にします。「結婚式のブーケに使っても本当に大丈夫?」「お見舞いに持って行ったら失礼になるの?」そんな疑問や迷いを抱くのは、あなたが相手のことを真剣に想い、失敗したくないと願っている何よりの証拠です。
実は、ガーベラは日本国内でも年間1億本以上が出荷されるほど愛されている国民的なお花であり、その背景には多くの人を惹きつけるポジティブな理由があります(出典:静岡県公式ホームページ『ガーベラの作付面積・出荷量・産出額 日本一』)。特に白のガーベラは、その意味を知れば知るほど、誰かに贈りたくなる素敵なメッセージを秘めているのです。
この記事では、白のガーベラが持つ「希望」や「律儀」といった心温まる花言葉の深い由来から、プレゼントする際にこれだけは絶対に気をつけてほしい「本数のタブー」、さらには茎が腐りやすいガーベラを少しでも長く楽しむためのプロ直伝のケア方法まで、私たちが徹底的にリサーチした情報を余すところなくお伝えします。正しい知識を身につければ、白いガーベラはあなたの「言葉にできない想い」を伝える、最強の味方になってくれるはずですよ。
この記事のポイント
- 白のガーベラが持つ「希望」「律儀」といった心温まるポジティブな意味を深掘り解説
- プレゼントに適さない「15本・16本・17本」のネガティブな意味と、その回避方法を紹介
- 結婚式のブーケからお悔やみの枕花まで、シーン別の正しいマナーと配色のコツ
- 茎が腐りやすいガーベラを少しでも長く楽しむための、プロ直伝の水揚げテクニック
ガーベラの白の花言葉が持つ希望と律儀の意味
ガーベラという植物種全体が持つ、太陽のような明るい陽性のエネルギー。そこに「白」という色が持つ純粋無垢、潔白、そして何色にも染まっていないクリアなイメージが融合することで、白のガーベラには、他の花にはない非常にポジティブで透明感のあるメッセージが込められています。まずは、その中心となる3つの美しい意味について、植物学的な特徴や色彩心理学の観点も交えながら、詳しく紐解いていきましょう。
ガーベラの白に律儀という花言葉がある理由

数ある花言葉の中でも、白のガーベラには「律儀(りちぎ)」という、非常にユニークで日本的な花言葉が与えられています。「愛」や「美」といった一般的で抽象的な言葉ではなく、なぜ人間の性格や行動規範を表すような「律儀」という言葉が選ばれたのでしょうか。ここには、日本人の繊細な美意識と、ガーベラ独自のフォルムが深く関わっているように感じます。
その理由を紐解く最大の鍵は、ガーベラの「花姿」の幾何学的な美しさにあります。お手元のガーベラ、あるいは写真のガーベラをじっくりと観察してみてください。中心にある「筒状花(ディスク)」から、外側に向かって伸びる「舌状花(花びら)」が、一枚一枚、定規で測ったかのように整然と放射状に並び、きれいな円形を描いていますよね。重なり合いながらも乱れることなく整列したその姿は、まるで背筋をピンと伸ばして礼儀正しくお辞儀をしているかのような、あるいは規律を守って整列しているかのような印象を与えます。
色彩心理学から見る「白」と「律儀」の関係
さらに、色にも注目してみましょう。色彩心理学において、白は「清潔」「潔白」「真実」「嘘をつかない」というクリーンなイメージを象徴する色です。黒が「隠蔽」や「秘密」を表すのに対し、白はすべてをさらけ出す「正直さ」の色でもあります。
「幾何学的に整った花姿」という視覚情報と、「純白の誠実さ」という色彩情報が重なり合うことで、ただ真面目なだけでなく、相手に対して礼を尽くす、義理堅い「律儀さ」そのものを視覚化していると解釈されたのです。これは、日本人が好む「誠実さ」の究極の形とも言えるでしょう。
この「律儀」という花言葉は、恋愛関係だけでなく、ビジネスシーンや恩師への贈り物として、他のお花にはない絶大な効果を発揮します。
こんなシーンに「律儀」を添えて
- 定年退職する上司へ:長年勤め上げた功績を称え、「今までご指導いただいたご恩は忘れません」という誠実な感謝を込めて。
- 取引先の周年祝いに:派手すぎず、しかし存在感のある白ガーベラで、「これからも変わらぬ信頼関係を築いていきましょう」という約束の証として。
- 恩師への謝恩会で:先生からの教えを胸に刻んで社会へ出ていくという、生徒としての真っ直ぐな決意表明として。
- 借りていたものを返す時に:お礼の品に一輪添えて、「約束を守る」「感謝を忘れない」という気持ちをさりげなく伝える。
「誠実」よりも一歩踏み込んだ、社会的な礼節や義理を重んじる「律儀」という言葉。口に出して伝えるのは少し照れくさいけれど、白いガーベラにその想いを託せば、あなたの真摯な姿勢と相手への深い敬意が、言葉以上に伝わるはずです。
希望の意味を持つ白のガーベラは応援に最適

もう一つ、白のガーベラを語る上で欠かせない、そして最も多くの人に愛されている代表的な花言葉が「希望」です。この言葉は、単なる人間の願望を投影したイメージではなく、ガーベラという植物が過酷な自然界で生き抜くために備えている、生物学的な特性に由来しています。
ガーベラには、「向日性(こうじつせい)」という非常に強い性質があるのをご存知でしょうか?
向日性(Phototropism)とは?
植物の茎や葉が、太陽の光が来る方向に向かって成長したり曲がったりする性質のこと。植物ホルモンの一種である「オーキシン」が光の当たらない側に移動して細胞を伸ばすことで、茎が光の方へ曲がるメカニズムです。ガーベラはこの力が特に強く、常に太陽を追いかけるように、首を伸ばして大きく花を開きます。
太陽の光を浴びて、影を作らず、隠し事をせず、空に向かって真っ直ぐに花開く白いガーベラ。その姿は、どんなに辛い状況や暗闇の中にいても、光(未来)を見失わず、前を向いて歩き出そうとする人間の強さと重なります。特に白という色は、光を最も反射する色です。曇りのない白さが、そのメッセージをより一層強調し、「あなたの未来には一点の曇りもない」「光は必ず差す」という強力な肯定のメッセージとなるのです。
ガーベラの発見エピソードと希望
余談ですが、ガーベラ(Gerbera jamesonii)は19世紀後半、南アフリカのトランスヴァール地方で発見されました。当時の発見者たちが、金鉱脈を探す過酷な探索の中で、大地にしっかりと根を張り、鮮やかに咲くこの花を見つけた時、どれほどの「希望」を感じたことでしょう。そんな歴史的背景に想いを馳せると、この花言葉がより一層重みを持って感じられます。
だからこそ、白いガーベラは人生の転機における「応援歌」として最適なのです。
- 受験生の合格祈願に:「サクラサク」前の、プレッシャーに押しつぶされそうな不安な夜を照らす、一筋の希望の光として机に飾る。
- 転職・独立・起業のお祝いに:未知の世界へ飛び込む勇気を称え、輝かしい成功を願って。「あなたの選択は間違っていない」と背中を押す。
- 辛い時期を乗り越えた友人に:失恋や病気など、困難な状況から立ち上がろうとしている人に。「止まない雨はない」という言葉の代わりに、そっと一輪を差し出す。
言葉で直接「頑張れ」と言うと、相手にとってはプレッシャーになってしまうこともあります。しかし、白いガーベラの「希望」なら、何も言わずに相手の心に寄り添いながら、優しく、でも力強く背中を押してあげることができるでしょう。
英語のガーベラの花言葉は純真さを表す

日本国内だけでなく、世界中で愛されているガーベラ。英語圏の「Language of Flowers(花言葉)」においても、白いガーベラは特別な地位を確立しています。主な意味は「Innocence(純真・無垢)」や「Purity(純潔)」、そして「Childlike Purity(子供のような純粋さ)」です。
ここで注目したいのは、同じ「純潔」を意味する花でも、ユリ(Lily)やバラ(Rose)が持つニュアンスとの決定的な違いです。ユリの純潔が「威厳のある、犯しがたい聖母のような高潔な純潔」であり、白バラの純潔が「高貴で洗練された大人の純潔」であるのに対し、ガーベラの純潔はもっと親しみやすく、カジュアルなものです。
「飾らない心」「無邪気な笑顔」「計算のない素直さ」「あどけなさ」といった、子供の頃に誰もが持っていたピュアな心を象徴しています。ヴィクトリア朝時代の花言葉文化でも、ガーベラのようなキク科の花は、そのシンプルで可憐な姿から「真実」や「誠実」のシンボルとされてきました。
海外のギフトシーンでの活用例
この「子供のような純粋さ」という意味から、欧米では以下のようなシーンで白いガーベラが選ばれています。
- ベビーシャワー(出産前のお祝い):これから生まれてくる赤ちゃんの、汚れなき魂を祝福するために。
- ファースト・コミュニオン:キリスト教圏での子供の初聖体の儀式に、純白のドレスとともに。
- 仲直りのしるしに:喧嘩をしてしまった後、「子供のように素直な気持ちに戻って仲直りしよう」というメッセージを込めて。
気取った高価なプレゼントではなく、「あなたのその飾らない笑顔が大好きです」と伝えたい時や、意地を張ってしまった後の仲直りのきっかけに「素直な気持ち」を伝えたい時。そんなカジュアルで温かいシーンに、英語圏のニュアンスを含んだ白いガーベラはぴったりです。海外の方へのプレゼントとしても、誤解なく喜ばれる「世界共通のポジティブフラワー」と言えるでしょう。
ガーベラの色別の花言葉と白の組み合わせ

真っ白なガーベラだけの花束(ワンカラーブーケ)も、洗練されていてモダンで素敵ですが、他の色と組み合わせることで(ミックスブーケ)、ストーリー性のある重層的なメッセージを作り出すことができます。白はすべての光を反射する色であり、絵画で言えば「キャンバス」のような役割を果たします。合わせる色の意味を強調したり、全体を明るくトーンアップさせたり、あるいは色の持つ強さを浄化して純度を高めたりする効果があります。
ここでは、プロのフローリストもよく提案する、白と相性抜群の色合わせと、その組み合わせが生み出す化学反応(メッセージ)をご紹介します。
| 組み合わせる色 | その色の花言葉 | 白との化学反応(ブーケの意味) |
|---|---|---|
| ピンク | 感謝、崇高美、思いやり、熱愛 | 【純粋な感謝(Pure Gratitude)】 白の「律儀」とピンクの「感謝」が合わさることで、下心のない真っ直ぐな「ありがとう」を表現できます。母の日のギフトや、お世話になった先輩への送別ブーケとして不動の人気No.1です。淡いピンクなら優しく、濃いピンクならポップな印象になります。 |
| 黄色 | 究極愛、親しみ、優しさ | 【誠実な友情(Sincere Friendship)】 黄色は「明るさ」や「友情」の象徴ですが、時に「子供っぽい」と思われがち。そこに白が入ることで、派手すぎない爽やかなレモンイエローの配色になり、大人っぽさがプラスされます。男女問わず友人に贈りやすい「元気が出るブーケ」になります。 |
| オレンジ | 冒険心、忍耐、神秘 | 【新たな冒険への希望(Hope for Adventure)】 白の「希望」とオレンジの「冒険心」。これはまさに、開業祝いや留学、新プロジェクトの開始など、新しいチャレンジをする人への最強のエールです。ビタミンカラーで視覚的にもエネルギーを与え、前向きな気持ちにさせます。 |
| 赤 | 神秘、情熱、限りなき挑戦 | 【紅白の祝賀と情熱(Passion & Integrity)】 紅白のコントラストは、日本のお祝い事の定番であり、最もおめでたい配色です。「情熱(赤)」と「誠実(白)」を兼ね備えた組み合わせは、プロポーズや優勝祝い、選挙の当選祝いなど、ここ一番の勝負所で贈りたい力強いメッセージとなります。 |
このように、白はどの色とも喧嘩せず、相手の色を引き立てながら「希望」や「誠実さ」というベースのメッセージをプラスしてくれます。贈る相手の好きな色(推し色など)に、白を数本混ぜるだけで、ぐっと意味の深い、バランスの取れたギフトになりますよ。
結婚式で白いガーベラが人気の理由

ウェディングシーンにおいて、白いガーベラは「ブライダルフラワー」として確固たる地位を築いています。実際に結婚式の打ち合わせでも、花嫁様から「高いバラではなく、親しみやすい白いガーベラを使いたい」というリクエストは非常に多いのです。
その最大の理由は、やはり花言葉の素晴らしさにあります。「希望」に満ちた新生活のスタート、「純潔」な愛の誓い、そして「律儀」にパートナーを大切にする心。これらはすべて、これから長い人生を共にする夫婦にとって不可欠な要素ですよね。さらに、日本の伝統的な花嫁衣装である「白無垢」に通じる、「あなた色に染まる準備ができています」という奥ゆかしくも強い決意のメッセージも込められています。
スタイル別・白ガーベラのブーケ活用術
また、ブーケのデザイン面でも非常に優秀で、様々なスタイルの結婚式に適応します。
- ラウンドブーケ:白いガーベラを隙間なく丸く束ねるスタイル。まるで大きな雪玉や、真ん丸な満月のような、キュートで可憐な印象になります。お色直し後のパステルカラーのドレスとも相性抜群で、花嫁の可愛らしさを最大限に引き出します。
- クラッチブーケ:茎を長めに残して、摘んできた花をそのままざっくりと束ねたようなスタイル。ガーデンウェディングやレストランウェディングなど、カジュアルでアットホームな式には、バラのような高貴な花よりも、親しみやすいガーベラが選ばれます。緑の葉(グリーン)と合わせることで、ナチュラルな美しさが際立ちます。
- サムシング・ブルーとして:欧米の言い伝え「サムシング・フォー」の一つ、「何か青いもの(サムシング・ブルー)」を取り入れる際、白いガーベラの中心が黒や茶色の品種(芯黒)ではなく、中心が緑や黄色の品種を選び、そこに青い小花(ブルースターなど)を添えることで、爽やかで幸せを呼ぶブーケが完成します。
さらに風水的な観点からも、白いガーベラは「北西」の方角に飾ると「主人の運気(事業運・出世運)」を上げ、「北」に飾ると「夫婦の信頼関係」を深めると言われています。結婚式が終わった後も、新居のダイニングやリビングに白いガーベラを飾ることで、幸せな家庭の基盤を作り、良い気を呼び込んでくれるかもしれません。
ガーベラの誕生花と白を贈るべき日付
特定の日付にちなんだ「誕生花」としてガーベラを贈りたい場合、いつがベストなのでしょうか。誕生日プレゼントに「あなたの誕生花を選んできたよ」と一言添えるだけで、ギフトの特別感は何倍にも膨らみます。
ガーベラ全体(色を問わず)としては、2月11日、8月1日、10月12日などが有名ですが、色ごとの指定がある日もあります。一般的に、「白いガーベラ」の誕生花は9月27日とされています。もし、9月27日生まれの友人やパートナーがいるなら、白いガーベラをメインにした花束は、最高に気の利いたプレゼントになるでしょう。
秋のガーベラが贈り物に適している理由
また、日付だけでなく季節的な観点から言うと、ガーベラは春と秋が開花の最盛期です。特に秋(10月〜11月)に出回るガーベラは、夏の暑さを乗り越えて気温が下がっていく中で育つため、茎がしっかりと引き締まり、色も鮮やかで、春のものよりも花持ちが良いのが特徴です。「秋のガーベラは品質が良い」というのは、花業界では常識の一つ。
9月〜11月の秋生まれの方へのギフトに、旬を迎えた最高品質の白いガーベラを選ぶことは、花言葉の意味だけでなく、品質の面でも理にかなった素晴らしい選択と言えます。
ガーベラの白の花言葉と怖いという噂の真相
さて、ここからは、これからガーベラを贈ろうとしているあなたが一番気になっているであろう、少しデリケートな話題に入ります。検索窓に「ガーベラ」と打ち込むと、サジェストに「怖い」や「不吉」「呪い」といった単語が出てきて、ドキッとしたことはありませんか?
「せっかくのプレゼントなのに、相手を怖がらせてしまったらどうしよう…」「知らずにタブーを犯していたら…」そんな不安を解消するために、その噂の出所と真相をはっきりさせておきましょう。正しい知識があれば、何も恐れることはありません。
ガーベラの花言葉が怖いと言われる誤解
まず結論から断言します。ガーベラという植物自体には、白を含めてどの色にも「呪い」「死」「不幸」といった怖い意味は一切存在しません。
花の世界には、確かに歴史的背景や伝説に基づいてネガティブな意味を持つものが存在します。例えば、黄色いカーネーションの「軽蔑」、黄色いバラの「嫉妬」、アジサイの「冷酷・無情」、トリカブトの「復讐・騎士道(毒があるため)」、黒百合の「呪い」などです。これらは贈り物にする際に細心の注意が必要です。
しかし、ガーベラに関しては、これまでの章で解説してきた通り「希望」「常に前進」「美」といった、太陽のような明るい意味しか持たない、いわば「スーパーポジティブフラワー」なのです。植物学的にも毒性はなく、棘(トゲ)もないため、誰かを傷つける要素がありません。
なぜ「怖い」と検索されるのか?
では、なぜ検索で「怖い」と出てくるのでしょうか?その主な原因は以下の2つに集約されます。
- 「特定の本数」の意味への警戒:後述するように、本数によって意味が激変するため、それを警告する記事が多く読まれていること。つまり「失敗したくない」という検索ユーザーの心理が反映されています。
- 海外の都市伝説や創作物との混同:一部のホラー小説や映画の演出で、純白の花が血に染まるような描写に使われたり、海外のサイトで「不吉な迷信(実際には根拠が薄いローカルな言い伝え)」が紹介されたりした情報が、ネット上で断片的に拡散されたこと。
つまり、花そのものが怖いのではなく、「贈り方を間違えると怖い意味になってしまうよ」という注意喚起が、検索キーワードとして残っているだけなのです。安心してくださいね。
贈ってはいけないガーベラの本数と意味

ガーベラを贈る際に最も注意すべき、そして「怖い」という噂の最大の要因となっているのが「本数」です。西洋の言い伝えや花言葉文化において、バラと同様にガーベラにも本数ごとのメッセージが存在します。特に白いガーベラは「純潔」や「誠実」を象徴するだけに、ネガティブな本数を選んでしまうと、そのギャップで相手に深いショックを与えてしまう危険性があります。
以下の3つの数字は「魔の本数」として覚えておき、ギフトでは絶対に避けるようにしましょう。これらは、花屋さんも教えてくれないことがあるため、自分で知っておく必要があります。
【厳禁】避けるべきタブーの本数とその心理的背景
- 15本:「ごめんなさい(Apology)」
これは「謝罪」の花言葉です。喧嘩の仲直りや、ミスを謝るために贈るなら適切ですが、誕生日や記念日、お祝いの席で15本の花束を渡すと、「何か隠し事をして謝っているの?」「浮気でもした?」と、不要な勘繰りを生んでしまいます。ポジティブな場では絶対に避けましょう。 - 16本:「不安な愛(Anxious Love)」
「私たちの関係、このままで大丈夫かな?」「いつか終わってしまうのが怖い」という、不安定でネガティブな心理状態を表します。プロポーズや愛の告白でこれを渡してしまったら、自信のなさが伝わり、ムードは台無しです。相手を不安にさせる数字です。 - 17本:「絶望の愛(Despair / Hopeless Love)」
これが最も危険な、最大級のタブーです。「もう修復不可能」「絶望」「愛は終わった」を意味し、事実上の「別れの宣告」や「拒絶」と受け取られかねません。純白のガーベラで「絶望」を贈る…これほど残酷なことはありません。もし相手が花言葉に詳しかったら、関係修復は不可能になるでしょう。17本だけは絶対に避けてください。
ポジティブなメッセージを伝える「推奨本数」
逆に、ポジティブな意味を持つ本数を選べば、メッセージはより強力になり、感動的なギフトになります。
- 1本:「あなたは私の運命の人」 – 一目惚れの相手や、唯一無二のパートナーへ。一輪挿しと一緒に贈るのも素敵です。
- 3本:「愛しています」 – ストレートな告白の定番。シンプルですが、最も想いが伝わる本数です。
- 8本:「あなたの思いやりに感謝します」 – 白いガーベラの「律儀」と最も相性が良く、お礼の品に最適です。
- 11本:「あなたは私の最愛の人」 – 両親や長年のパートナー、妻や夫へ。深い愛情を伝えます。
- 12本(ダズンフラワー):「私の妻(恋人)になってください」 – 欧米の習慣で、12本それぞれに「感謝・誠実・幸福・信頼・希望・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠」という意味が込められています。結婚式のブーケや公開プロポーズでよく使われる本数です。
仏花としての白いガーベラのマナー

白という色は「清浄」や「浄化」を意味するため、お祝い事だけでなく、お葬式や法事などのお悔やみの場(仏花・供花)でも頻繁に使われます。「お葬式の花=縁起が悪い」と短絡的に捉えるのではなく、「故人を清らかに送るための神聖な花」として理解することが大切です。ここでは、失礼にならないためのマナーを解説します。
四十九日まで(中陰)の「白上がり」
仏教の慣習では、故人が亡くなってから四十九日法要が終わるまでは、「白一色」の花を供えるのが基本マナーです。これを「白上がり」と呼びます。伝統的には菊(マム)が使われますが、近年では家族葬や直葬など葬儀の形式が多様化し、「故人が好きだった洋花を飾りたい」という要望が増えています。
白いガーベラは、菊よりもモダンで優しく、ユリほど香りが強くないため、マンションなどの集合住宅や、リビングに置かれた現代的な祭壇にも飾りやすいのが特徴です。また、枕花(まくらばな:故人の枕元に最初に飾る花)として、「天国で安らかに過ごせますように」「光の世界へ行けますように」という希望の祈りを込めて贈ることは、遺族の悲しみを癒やすことにも繋がります。
四十九日以降(忌明け)の「色を入れる」
四十九日の法要が過ぎたら、白だけでなく淡い色(ペールトーンのピンクや紫、クリーム色、水色など)を少しずつ入れていきます。これを「色を入れる」と言います。いつまでも真っ白な花のままだと、遺族の気持ちも悲しみから抜け出せないため、少しずつ色を足して日常に戻していくのです。
白いガーベラをベースに、淡い紫のスターチスや、薄いピンクのカーネーション、カスミソウなどを合わせると、上品で心の安らぐ供花になります。
お見舞いに白のガーベラを贈る際の注意点

ここで一つ、非常に陥りやすい、そしてやってしまいがちな「落とし穴」について解説します。それは「病気のお見舞い(快気祝い)」のシーンです。「希望」という花言葉を持つ白いガーベラは、闘病中の方への励ましや、退院祝いに良さそうに見えますが、配色のマナーを知らないと、相手を不快にさせたり、落ち込ませたりしてしまい、大変失礼なことになってしまいます。
絶対に避けるべきなのは、「白・青・紫」の寒色系のみでまとめた花束です。
なぜなら、この「白+紫・青」という組み合わせは、日本において伝統的に「仏花(お悔やみの花)」の典型的なカラーコードだからです。想像してみてください。病室のベッドサイドに、真っ白なガーベラと紫の花だけのアレンジメントを置かれたら…。患者さんは無意識に「死」や「葬儀」を連想してしまい、「自分はもう助からないのだろうか」と気が滅入ってしまいます。これは「縁起が悪い」として、お見舞いのマナーではタブー視されています。
お見舞いで喜ばれる「ビタミンカラー」の魔法
お見舞いに白いガーベラを持っていく場合は、必ず「ビタミンカラー(赤・ピンク・オレンジ・黄色)」を主役にしてください。白はあくまで全体の明るさを引き立てるアクセントとして、数本入れる程度に留めましょう。
「元気」「生命力」「血色の良さ」「太陽」を感じさせる暖色系の配色にすることが、一日も早い回復を願うあなたの優しさです。視覚的にも暖色は体温を上げ、免疫力を高める効果があるとも言われています。
また、以下の点にも注意が必要です。
- 鉢植えはNG:「根付く=寝付く(病気が長引く)」という語呂合わせから、お見舞いに鉢植えはタブーです。必ず切り花か、アレンジメントを選びましょう。
- 香りの強い花は避ける:ユリやストックなどは香りが強すぎて、体調の悪い方には負担になります。その点、ガーベラは香りがほとんどないため、お見舞いの花としては非常に優秀です。
ガーベラを長持ちさせる切り花の水揚げ方法

最後に、いただいたガーベラや、お花屋さんで選んだガーベラを、1日でも長く楽しむための具体的なケア方法をシェアします。ガーベラは「水揚げ(みずあげ)」と呼ばれる管理方法に少しコツがいるお花ですが、ポイントさえ押さえれば、驚くほど長く咲いてくれます。
ガーベラの最大のアキレス腱は「茎」です。ガーベラの茎は、中がストロー状の空洞になっており、表面に細かい産毛がびっしりと生えています。この構造のため、水に深く浸かっていると、産毛や切り口から雑菌(バクテリア)が繁殖しやすく、すぐに茎が茶色く腐ってドロドロになったり、導管が詰まって水が吸えなくなり、花の重さを支えきれずに首がカクンと折れる「ベントネック」という現象を起こしたりします。
プロ直伝!ガーベラ長持ちの3カ条
- 水は極端に少なく(浅水)!
これが最も重要で、かつ多くの人が間違えているポイントです。バラやユリのようにたっぷりの水に入れてはいけません。花瓶に入れる水の量は、底から3cm〜5cm程度で十分です。茎が水に浸かる部分を最小限にすることで、腐敗のリスクを劇的に下げることができます。「ガーベラは足首だけ水に浸かる」と覚えてください。 - 漂白剤を一滴(魔法のひと手間)
少量の水だと水温が上がりやすく、バクテリアが増えやすいのが難点。そこで、家庭用の台所用漂白剤(塩素系)を、花瓶の水の中にほんの1滴(数滴ではなく1滴で十分です)だけ垂らしてください。これが強力な殺菌作用を発揮し、水を清潔に保ってくれます。専用の切り花延命剤がある場合は、糖分と防腐剤がバランスよく入っているため、さらに効果的です。 - こまめな切り戻し
毎日、もしくは水が濁ったら、茎の先端を1cmほど水平にカット(切り戻し)してください。常に新しい切り口を出してあげることで、吸水力が維持されます。もし茎の下の方が茶色く変色していたら、その部分はバクテリアに侵されているため、思い切ってすべて切り落とし、健康な緑色の部分を出してあげましょう。
首が垂れてしまった時の「湯揚げ」テクニック
もし、うっかり水切れさせて首がくたっと垂れてしまっても、まだ諦めないでください。起死回生の裏技「湯揚げ(ゆあげ)」があります。
- 花全体を新聞紙できつく巻きます(首が真っ直ぐになるように固定します)。
- 茎の先端を数センチ切ります。
- 沸騰したお湯に、切り口を10秒〜20秒ほど浸けます(茎の中の空気を追い出します)。
- すぐに冷水に浸け、そのまま数時間(できれば深水で)休ませます。
これで水圧によって一気に水が上がり、シャキッと復活することがあります。ガーベラの生命力を信じて、ぜひ試してみてください。
ガーベラの白の花言葉を理解して贈ろう
白いガーベラは、そのシンプルな美しさの中に、「未来への希望」と、人として大切な「誠実さ(律儀)」を内包しています。一見すると繊細で壊れやすそうに見えますが、常に光に向かって顔を上げるその姿は、私たちに「前を向く勇気」を与えてくれます。
インターネット上には「怖い」という検索キーワードが並んでいますが、この記事を最後まで読んでくださったあなたなら、もう恐れることはありません。恐怖の正体は「本数の選び方」や「配色のマナー」といった、知っていれば回避できるルールに過ぎないからです。むしろ、「17本は贈らない」「お見舞いには赤やピンクを混ぜる」といった知識を持っているからこそ、あなたは自信を持って白いガーベラを贈ることができるのです。
言葉にするのが照れくさい「感謝」の気持ちや、相手の幸せを願う「希望」のメッセージ。それらを、混じり気のない純白の花びらに託してみてください。受け取った相手は、その美しさに癒やされるだけでなく、あなたの「律儀」な心遣いに触れ、温かい気持ちになるはずです。大切な人の新しい門出に、仲直りのきっかけに、あるいは自分自身へのエールとして。白いガーベラは、あなたの人生の様々なシーンに寄り添い、光を届けてくれる最高のパートナーになってくれるでしょう。
この記事の要点まとめ
- 白のガーベラの花言葉は「希望」「純潔」「律儀」の3本柱
- 「律儀」は日本独自の解釈で整った花姿から連想される誠実さや真面目さを表す
- 「希望」の意味は常に太陽の方を向いて咲く植物の向日性に由来する
- 英語圏では「Innocence(純真・無垢)」や「Childlike Purity」の意味を持つ
- 白はどの色とも相性が良くピンクとなら「純粋な感謝」黄色となら「誠実な友情」を表す
- 結婚式では「新しい生活への希望」「あなた色に染まる」という意味でブーケに大人気
- ガーベラ自体に怖い意味はないが「15本・16本・17本」の本数には注意が必要
- 15本は「ごめんなさい」16本は「不安な愛」17本は「絶望の愛」を意味する
- 17本は「完全なる拒絶」を暗示するためプレゼントとしては最大のタブー
- 1本(運命の人)や8本(感謝)や12本(プロポーズ)などポジティブな本数を選ぶ
- お見舞いでは「白・青・紫」の組み合わせはお供え(仏花)に見えるため避けるのがマナー
- お見舞いには赤やオレンジなどのビタミンカラーを混ぜて「元気」を演出する
- ガーベラは茎が腐りやすいので花瓶の水は3cm〜5cmの「浅水」にするのが長持ちのコツ
- 水に台所用漂白剤をほんの一滴入れるとバクテリアの繁殖を抑えられ茎が溶けるのを防げる
- 正しい知識とマナーを持てば白いガーベラは誰からも喜ばれる最高の贈り物になる
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