こんにちは、My Garden 編集部です。
春のイングリッシュガーデンの代名詞とも言える花、ルピナス。空に向かって堂々と塔のようにそびえ立つその姿は、まさに庭の主役と呼ぶにふさわしい圧倒的な存在感を放っています。ガーデニング雑誌やSNSで、満開のルピナスが咲き誇る風景を見て、「いつか自分の庭でも、あのドラマチックな景色を作ってみたい」と憧れを抱いている方は後を絶ちません。フジの花を逆さにしたような豪華な花穂と、手のひらを広げたような愛らしい葉のコントラストは、一度見たら忘れられない美しさですよね。
しかし、いざ苗を買ってきて植えてみても、現実はなかなか厳しいものです。梅雨の長雨で蒸れて溶けるように腐ってしまったり、真夏の猛暑に耐えきれず、いつの間にか茶色く枯れてしまったり……。特に日本の暖地での栽培は一筋縄ではいかず、何度も失敗しては「やっぱりウチの庭でルピナスを育てるのは無理なのかな」と、諦めかけている方も多いのではないでしょうか。
また、毎日の散歩や通勤の途中で、ふと道端や河川敷に目をやったとき、群生している「ルピナスのような紫色の花」を見かけて、「あれは野生のルピナスなの? それとも全く違う植物?」と疑問に思ったことはありませんか? 実は、植物の世界にはルピナスに非常によく似た特徴を持つ「そっくりさん」たちが、園芸品種から身近な野草に至るまで数多く存在しているのです。
この記事では、ルピナスのような美しい垂直のラインを持ちながら、ルピナスよりも日本の高温多湿な環境に適して育てやすい代替植物や、道端で見かける不思議な雑草の正体について、その名前や見分け方の特徴を詳しく解説していきます。これを読めば、あなたの庭の環境やライフスタイルにぴったりの「ルピナスに似た花」が必ず見つかり、憧れの立体的なガーデンを実現するヒントが得られるはずです。
この記事のポイント
- ルピナスと間違えられやすい花の正体と具体的な見分け方
- 夏越しが難しいルピナスの代わりに植えられる丈夫な植物
- 道端や空き地で見かけるルピナスのような雑草の名前
- ペットや子供がいる家庭でも安心して育てられる安全な品種
ルピナスに似た花の名前と特徴一覧

ルピナスの最大の特徴といえば、やはり空に向かって真っ直ぐに伸びる「花穂(かすい)」と呼ばれる塔のような花姿と、和名で「ハウチワマメ(葉団扇豆)」と呼ばれる通り、手のひらや団扇(うちわ)のように放射状に広がる独特な「葉」の形ですよね。その幾何学的で建築的なフォルムは、他の植物にはない特別なオーラを放っています。
しかし、植物の多様性は素晴らしく、よく観察してみるとルピナスと見間違えるほど似ている植物がたくさんあることに気づかされます。「花が似ているもの」「葉が似ているもの」「雰囲気が似ているもの」など、似ているポイントも様々です。ここでは、庭植えで人気の園芸品種から、意外と知られていない木本類、そして毎日の散歩道で見かける野草まで、ルピナスに似た雰囲気を持つ植物たちの名前と特徴を、私自身の栽培・観察経験も交えながら、一つひとつ丁寧に紐解いていきましょう。
釣り鐘状の花が咲くジギタリス

「ルピナスに似た花」として、真っ先に名前が挙がるのがこのジギタリスです。別名を「キツネノテブクロ(狐の手袋)」とも言い、英名でも「Foxglove」と呼ばれる、ヨーロッパ原産のオオバコ科(旧ゴマノハグサ科)の植物です。
一年で最も庭が華やぐ季節、バラが美しく咲き誇る5月から6月頃になると、地面に広げた大きな葉(ロゼット)の中から太い花茎をスッと1メートル以上も立ち上げます。その茎に沿って、ベルのような形をした花をびっしりと咲かせる姿は圧巻です。イングリッシュガーデンでは、バラの後景として必ずと言っていいほど植栽されており、その垂直のラインと花穂のボリューム感はルピナスの立ち姿にそっくりです。そのため、ガーデニング初心者の方でなくても、遠目に見ると一瞬見間違えてしまうことがあるほどです。
花の形と葉の違いで見分ける

しかし、近づいてじっくりと観察してみると、ルピナスとの違いは明確になります。まず、最大の違いは「花の形」です。ルピナスがマメ科特有の蝶のような形をした「蝶形花(ちょうけいか)」であるのに対し、ジギタリスの花は筒状で、先端が唇のように開いた形をしています。また、多くの品種で花の内側に独特の斑点模様(ブロッチ)があるのも大きな特徴です。この斑点は毒々しくも美しい不思議な魅力を放っていますが、最近の品種改良では、この斑点がなくパステルカラーが優しい印象を与える品種(『ダルメシアン』シリーズのピーチ色など)や、花が上向きに咲く画期的な品種(『キャメロット』シリーズなど)も登場しており、従来の少し怖いイメージを覆すような多様性が生まれています。
また、葉の形も全く異なります。ルピナスの葉が手のひら状に切れ込んでいるのに対し、ジギタリスの葉は切れ込みのない大きな楕円形で、表面には細かなシワがあり、少しざらついた質感をしています。
栽培の面で言えば、ジギタリスはルピナスよりも日本の環境に適応しやすいと言えます。ルピナスが直射日光を好み、暑さを極端に嫌うのに対し、ジギタリスは「半日陰」でも元気に育つからです。むしろ、強い西日が当たる場所よりも、木漏れ日が差すようなシェードガーデン(日陰の庭)の方が、葉焼けもせず美しく育ちます。日当たりの悪い庭で「ルピナスのような立体的な花を咲かせたい」と悩んでいる方にとって、ジギタリスはまさに救世主のような存在と言えるでしょう。
ただし、ジギタリスを育てる上で絶対に知っておかなければならないことがあります。それは、ジギタリスが全草に強い毒性を持っているという事実です。葉や花、根に至るまで「ジギトキシン」などの強心配糖体を含んでおり、かつては心臓の薬として使われていましたが、素人が扱うのは極めて危険です。
実際に、家庭菜園でコンフリーなどの食用ハーブと間違えて葉を食べてしまい、重篤な中毒症状を引き起こした事例も報告されています。小さなお子様が花を口に入れたり、ペットが葉をかじったりしないよう、植える場所には十分な配慮が必要です。美しい花には棘があると言いますが、ジギタリスの場合は毒があることを忘れないでください。
紫色が美しいルピナスに似た植物
ルピナスといえば、やはりあの高貴で鮮やかな「紫色」を思い浮かべる方も多いと思います。紫色は庭に深みと奥行きを与えてくれる色ですが、同じような紫色の花穂を持ち、ルピナスの代わりとして活躍してくれる植物は他にもいくつか存在します。
風に揺れるミニチュア・ルピナス「リナリア」

まずご紹介したいのが、リナリア(和名:ヒメキンギョソウ)です。パステルカラーの可愛らしい一年草タイプも花壇の縁取りなどで人気ですが、ルピナスに似ているという点では、宿根草の「リナリア・プルプレア」が一番でしょう。全体的に線が細く、スリムな花穂に小さな紫色の花をパラパラと咲かせます。風が吹くとゆらゆらと揺れるその姿はとても繊細で、「ミニチュアのルピナス」あるいは「野生的なルピナス」といった風情があります。こぼれ種でもよく増え、砂利の間からひょっこりと顔を出すような逞しさも兼ね備えており、作り込みすぎないナチュラルガーデンを目指す方には特におすすめです。
香りの女王「ラベンダー」
次に、ハーブの女王として名高いラベンダーも、見方によってはルピナスに似た構造を持っています。特に「イングリッシュラベンダー」や、大型になる「ラバンディン系(グロッソなど)」が満開になった時の紫色の波は、ルピナス畑に勝るとも劣らない美しさです。ラベンダーは木本(低木)なので、草花であるルピナスとは性質が異なりますが、乾燥を好み、直立する花穂を楽しむという点では共通しています。何より、ルピナスにはない「癒やしの香り」という大きな武器があります。
※ラベンダーの育て方や剪定については、こちらのラベンダー剪定の記事でも詳しく解説していますので、興味のある方は合わせてご覧ください。
最強の強健さを誇る「サルビア・ガラニチカ」

そしてもう一つ、夏花壇の定番であるサルビア・ガラニチカ(メドウセージ)も忘れてはいけません。濃い青紫色の大きな口を開けたような花が、黒いガクとのコントラストで非常に美しく映えます。この植物のすごいところは、その驚異的な強健さです。地下茎でどんどん増え、真夏の炎天下でも休むことなく花穂を立ち上げ続けます。「ルピナスはすぐに枯らしてしまうけれど、紫色の縦ラインの花がどうしても欲しい」という方には、このサルビア・ガラニチカが最も手堅い選択肢となるはずです。
ピンクや赤色の花が咲く類似品種
ルピナスの魅力は紫や青だけではありません。ピンク、赤、白、黄色といった暖色系のカラーバリエーションも豊富です。そんなルピナスのようなボリューム感で、明るい色の花を楽しみたい場合に候補となる植物を見ていきましょう。
春の香りを運ぶ「ストック」
春の花壇でおなじみのストック(和名:アラセイトウ)は、香りの良さと豪華な花姿で人気があります。特に枝分かれせずに一本の太い茎に花が密集して咲く「スタンダードタイプ(一本立ち)」の品種は、そのどっしりとした花穂の形状がルピナスとよく似ています。アブラナ科特有の甘くスパイシーな香りが春の訪れを告げてくれ、切り花としても長く楽しめるのが魅力です。八重咲きの品種を選べば、ルピナス以上にゴージャスな雰囲気を演出できるかもしれません。
真夏の巨大ルピナス「タチアオイ」

また、季節は少し進んで夏になりますが、空に向かってぐんぐんと伸びるタチアオイ(ホリホック)も、ルピナスを連想させる植物の一つです。その草丈は2メートル近くにも達し、人間の背丈を遥かに超えるスケール感は圧巻の一言。真っ赤な花やピンク、黒赤色の花が、長い茎にへばりつくように下から上へと順に咲き上がっていく様子は、まさに「夏の巨大ルピナス」と呼ぶにふさわしい存在感です。梅雨入りの頃に咲き始め、梅雨明けとともに天辺まで咲き終わると言われるこの花は、日本の夏の風景に欠かせないドラマチックな植物です。
赤いキャンドルのような「ストロベリーキャンドル」
もう少し可愛らしいサイズ感がお好みなら、クローバーの仲間であるストロベリーキャンドル(ベニバナツメクサ)はいかがでしょうか。その名の通り、赤いロウソクの炎のような、あるいは熟したイチゴのような形をした花を咲かせます。一つ一つは小さいですが、群生させると赤いルピナス畑のような、リズミカルで楽しい景色を作り出してくれます。緑肥としても使われるほど丈夫で、放任でもよく育つため、空いたスペースに種をばら撒いておくだけで翌春には素敵な花畑が出現しますよ。
庭木として楽しめるルピナス似の木

ここまでは草花を中心にご紹介してきましたが、長く付き合える「樹木(木)」の中にもルピナスを連想させるものが存在します。その代表格であり、日本人にとって最も馴染み深いのが藤(フジ)です。
「昇り藤」の由来となった藤の花
「えっ、藤とルピナス?」と意外に思われるかもしれませんが、実は植物学的に見ても、この二つは非常に近い関係にあります。ルピナスの和名が「昇り藤(ノボリフジ)」であることをご存知でしょうか。これは、藤の花房を逆さにして、天に向かって立ち上がらせたように見えることに由来しています。つまり、藤は「下がるルピナス」、ルピナスは「上がる藤」というわけです。近くで花を観察してみると、どちらもマメ科特有の蝶形花をしており、その構造は瓜二つです。藤棚から優雅に垂れ下がる姿も素敵ですが、鉢植えや立ち木仕立てにしてコンパクトに楽しむ藤も、ルピナスに通じる風情があります。
葉も花もそっくりな「セイヨウニンジンボク」

もう一つ、最近注目を集めている庭木にセイヨウニンジンボクがあります。シソ科(旧クマツヅラ科)の落葉低木で、夏から秋にかけて、薄紫色の涼しげな小花を穂状に咲かせます。遠目に見ると、まるで空中に浮かぶルピナスのようにも見えます。「チェストツリー」という英名でも知られ、成長が早く、剪定にも強いため、好みの大きさにコントロールしやすいのが特徴です。暑さに強く、花が少ない夏の時期に清涼感を与えてくれる貴重な花木として、シンボルツリーに採用するご家庭も増えています。
花ではなく葉が似ている植物
ルピナスの魅力に取り憑かれた人の中には、花だけでなく、あの幾何学的で美しい「葉」の形に惹かれている方も多いはずです。葉柄の中心から放射状に小葉が広がる「掌状複葉(しょうじょうふくよう)」は、雨上がりに水滴を乗せた姿などが本当に絵になります。
セイヨウニンジンボクの葉
先ほど花木としてご紹介したセイヨウニンジンボクですが、実は葉の形もルピナスにそっくりなことで知られています。5枚から7枚程度の細長い小葉が手のひらのように広がり、花が咲いていない時期に見ると、巨大なルピナスの葉のようにも、あるいは薬用植物の朝鮮人参の葉のようにも見えます(これが名前の由来でもあります)。葉には特有の芳香があり、ハーブとしても利用されるなど、観賞価値以外の楽しみもある植物です。
マニア心をくすぐる「カサバルピナス」
また、ルピナスの仲間ではありますが、少し変わった品種としてカサバルピナス(Lupinus pilosusなど)をご紹介しましょう。この品種は、特に葉の形状がユニークで、葉全体が細かい毛で覆われており、ビロードのような質感を持っています。その毛のおかげで水を弾きやすく、葉の形がお椀や傘をひっくり返したように整っていることから「傘葉(カサバ)」と呼ばれています。花は通常のルピナス同様に美しい青紫色ですが、この愛らしい葉を愛でるために種から育てるマニアックなファンも少なくありません。
春の道端で見かける雑草の名前
「散歩中に道端や河川敷で、ルピナスのような紫色の花を見かけたけれど、あれは何という名前の植物?」という疑問もよく耳にします。わざわざ植えたわけでもないのに、一面に紫色の花を咲かせているその正体は、おそらくナヨクサフジかクサフジである可能性が高いでしょう。
ナヨクサフジとクサフジの見分け方
これらはマメ科のつる性植物で、春から初夏にかけて堤防や空き地で群生し、鮮やかな紫色の花穂をつけます。遠目にはルピナスの群生のように見えますが、近づいてみると茎が自立しておらず、つるを伸ばして他の草やフェンスに絡みつきながら成長しているのが分かります。
| 植物名 | 特徴・見分け方 |
|---|---|
| ナヨクサフジ | ヨーロッパ原産の帰化植物。近年、日本の各地で猛烈な勢いで増えている。最大の特徴は、花の後ろの筒状の部分(筒部)が長く、花びらの反り返り部分(旗弁の爪部)よりも長いこと。 |
| クサフジ | 日本の在来種。ナヨクサフジによく似ているが、花の筒部が短く、旗弁の爪部と同じくらいの長さであることで区別できる。最近はナヨクサフジに押され気味。 |
紫の煙のような「マツバウンラン」
また、日当たりの良い空き地やアスファルトの隙間などで、ひょろひょろとした細い茎の先に、ごく小さな紫色の花をパラパラと咲かせている植物を見かけることはありませんか? それはマツバウンラン(松葉海蘭)かもしれません。北米原産の帰化植物ですが、群生している様子を少し離れて見ると、薄紫色の煙がたなびいているように見えたり、ミニチュアのルピナス畑のような幻想的な風景を作ったりすることがあります。雑草として扱われることが多いですが、その繊細で風に揺れる姿には独特の風情があり、あえて抜かずに楽しんでいる方もいらっしゃいます。
育てやすいルピナスに似た花の選び方
ルピナスは北米西部や地中海沿岸など、比較的冷涼な気候を原産とするものが多く、日本の高温多湿な蒸し暑い夏にはめっぽう弱い植物です。北海道や長野県の高原などでは宿根草として毎年花を咲かせますが、東京以西の暖地では夏越しできずに枯れてしまうことがほとんどです。「毎年植え替えるのは大変だし、コストもかかる」「もっと手軽にあの垂直のラインを楽しみたい」という方のために、ご自宅の環境に合わせて選べる、丈夫で育てやすい代替植物を提案します。
青い花穂が豪華なデルフィニウム
「ルピナスに匹敵する、あるいはそれ以上の豪華さが欲しい」という方には、デルフィニウムが第一候補に挙がります。キンポウゲ科のこの花が持つ、透き通るような鮮やかな「デルフィニウム・ブルー」は、他の植物では決して出せない圧倒的な美しさです。
特に「パシフィックジャイアント」などの大型のエラータム系品種は、人の背丈ほどにも成長し、太い花穂にびっしりと花がついた姿は圧巻です。花の構造も独特で、後ろに「距(きょ)」と呼ばれるツノのような突起が突き出しており、これが燕(つばめ)が飛んでいる姿に見えることから、和名では「オオヒエンソウ(大飛燕草)」と呼ばれています。
デルフィニウム栽培の注意点
ただし、ここで正直にお伝えしなければならないのは、デルフィニウムもルピナス同様に暑さに非常に弱いという点です。どちらかと言えばルピナスよりもデリケートかもしれません。暖地では夏越しはほぼ不可能と考えて、秋に苗を植えて春に花を楽しむ「一年草」として割り切って付き合うのが、精神衛生上も良いでしょう。それでも、その一瞬の輝きには、手間をかけるだけの価値が十分にあります。
宿根草のバプティシアが最強な理由
「ルピナスのように美しく、かつ植えっぱなしで毎年咲いてほしい」という、多くのガーデナーの願いを完璧に叶えてくれる最強の植物、それがバプティシア(和名:ムラサキセンダイハギ)です。
北米原産のマメ科の宿根草で、花の形も花穂の様子もルピナスによく似ていますが、その強健さは比較になりません。強力な根を張り、夏の酷暑も乾燥もものともせず、一度根付いてしまえば水やりなどのメンテナンスもほぼ不要。しかも、数年から数十年も生き続けると言われるほどの長寿命を誇ります。害虫もつきにくく、まさに「メンテナンスフリー」を地で行く植物です。
バプティシアは、まさに「最強のルピナス代替植物」と言えるでしょう。青、紫だけでなく、鮮やかな黄色(『レモンメレンゲ』など)、渋い茶色(『チョコレートチップ』)、バイカラーなど、近年は品種改良が進み花色も豊富です。花が終わった後も、青緑色の美しい葉が茂り、秋には黒い豆の鞘(シードヘッド)が庭のアクセントになります。唯一の欠点は「移植を嫌う」こと。直根性で根を傷つけられるのを嫌うため、最初に植える場所だけは慎重に選んであげてください。
暑さに強い夏咲きの代用植物
日本の真夏、多くの植物が暑さでぐったりしてしまう時期でも元気に咲き続け、ルピナスのような縦のラインを作ってくれる植物を探しているなら、アンゲロニアが断然おすすめです。「サマースナップドラゴン(夏のキンギョソウ)」とも呼ばれる通り、その耐暑性は折り紙付き。高温多湿に極めて強く、次々と脇芽を出して花を咲かせてくれます。水切れにさえ気をつければ、秋までノンストップで咲き続けてくれるでしょう。
また、先ほども触れたサルビアの仲間も頼もしい存在です。特に「サルビア・ファリナセア(ブルーサルビア)」や、近年人気のハイブリッド種である「サルビア『ロックンロール』」などは、花穂が太く、遠目にも目立つ存在感があります。これらは秋遅くまで咲き続けるため、コストパフォーマンスの面でも非常に優秀です。夏の庭が寂しくなりがちな方は、ぜひこれらの「夏のルピナス」たちを取り入れてみてください。
寄せ植え向きの小型の類似植物
広い庭はないけれど、プランターや鉢植えでコンパクトにルピナスのような雰囲気を楽しみたい。そんな場合は、ベロニカの仲間が良いでしょう。特に「ベロニカ・スピカータ」の改良品種(『ファーストレディ』など)は、草丈が30〜40cm程度に収まりながらも、すっと伸びた花穂が美しく、寄せ植えのアクセントとして活躍します。白、ピンク、青と花色も揃っているので、他の花との組み合わせも自由自在です。
また、キンギョソウ(金魚草)の矮性(背が低い)品種もおすすめです。『フローラルシャワー』シリーズなどは、こんもりとドーム状に茂りながら、ルピナスのような穂状の花を咲かせます。ベランダガーデニングでも扱いやすく、花色もパステルカラーからビビッドな色まで豊富なので、自分好みの色合わせを楽しむことができます。鉢植えの場合は、土が乾きすぎないように水管理さえ気をつければ、春から初夏まで長く咲いてくれます。
毒性がなくペットにも安全な品種
ガーデニングを楽しむ上で見落とせないのが「安全性」です。冒頭でご紹介したジギタリスをはじめ、ルピナス、デルフィニウム、スイートピーといったマメ科やキンポウゲ科の植物には、多かれ少なかれ毒性があるものが少なくありません。何でも口に入れてしまう小さなお子様がいたり、庭で遊ぶのが大好きな犬や猫などのペットを飼っていたりするご家庭では、植えるのを躊躇してしまうこともあるでしょう。
そんな方には、安全性が高いとされるキンギョソウやストックがおすすめです。これらはASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)などのリストでも、犬や猫に対して重篤な毒性はないとされており、比較的安心して育てることができます(もちろん、大量に食べれば消化不良を起こす可能性はありますが、致命的な毒ではありません)。
また、シソ科のハーブであるキャットミント(ネペタ)も素晴らしい選択肢です。名前に「キャット」とある通り、猫が好む成分(ネペタラクトン)を含んでいますが、これは猫がまたたびのように反応するだけで害はありません。美しい青紫色の花穂を立ち上げ、シルバーリーフも美しく、ナチュラルで優しい雰囲気の「安全なルピナス代用品」として存分に楽しめます。
※植物の安全性については一般的な毒性データに基づくものです。ペットの体質や既往症、摂取量によっては体調を崩す可能性もゼロではありません。もしペットが植物を食べて様子がおかしい場合は、速やかに獣医師に相談してください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
ルピナスに似た花で理想の庭作り
ルピナスはその独特の構造美で私たちを魅了し、「いつかは庭いっぱいに咲かせたい」と思わせる憧れの花です。しかし、植物にはそれぞれ生まれ育った故郷があり、日本の気候にどうしても合わない場合もあります。無理をして枯らしてしまうよりも、環境に合った「似ている花」を選ぶことで、ストレスなくガーデニングを楽しむことができるはずです。
日陰の庭ならジギタリス、手間をかけずに毎年咲かせたいならバプティシア、真夏の暑さに負けない庭ならアンゲロニアやサルビア、そして安全性ならキンギョソウやキャットミント。今回ご紹介したように、世界中にはルピナスの面影を持ちながら、よりタフで、より手軽な植物がたくさん存在します。
「ルピナスに似た花」という視点で植物を探すことは、諦めではなく、新しい発見への入り口です。ぜひ、あなたのご自宅の環境やライフスタイルにぴったりの「ルピナスそっくりさん」を見つけて、あなただけの理想の庭を描いてみてくださいね。
この記事の要点まとめ
- ルピナスに一番似ている花はジギタリスだが全草に毒性があるため注意が必要
- ジギタリスは日陰でも育つためシェードガーデンの垂直アクセントに最適
- デルフィニウムは圧倒的な青色が魅力だがルピナス同様に暑さには弱い
- バプティシア(ムラサキセンダイハギ)は暑さに強く植えっぱなしで育つ最強の代替植物
- リナリア(ヒメキンギョソウ)は線が細く風に揺れるミニチュア版ルピナスの風情がある
- ストックやタチアオイはピンクや赤系の花色が豊富で豪華な花穂を楽しめる
- 藤(フジ)はルピナスの和名「昇り藤」の由来となった近縁の樹木である
- セイヨウニンジンボクは花だけでなく掌状の葉の形もルピナスに酷似している
- 道端でルピナスに似た紫の花を見かけたらナヨクサフジかクサフジの可能性が高い
- マツバウンランは空き地などで群生し遠目には紫の煙や小さなルピナスに見える
- アンゲロニアやサルビアは耐暑性が高く日本の真夏でも花穂を楽しめる
- ベロニカや矮性キンギョソウはコンパクトで寄せ植えや鉢植えに向いている
- キンギョソウやストックは毒性が低くペットや子供がいる家庭でも比較的安心
- ルピナスの栽培が難しい場合は環境に合った類似植物を選ぶことで解決できる
- 安全性や栽培環境(日向・日陰)を考慮して最適な「そっくりさん」を選ぶことが重要
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