こんにちは、My Garden 編集部です。
庭先に咲く可憐なカンパニュラを見ていると、もっとたくさん増やしてベル型の花に囲まれたいなという気持ちになりますよね。私自身もあの鮮やかな青や紫の色彩に魅了されている一人なのですが、いざカンパニュラの挿し木に挑戦しようと思っても、どの時期が一番いいのか、失敗して枯らしてしまわないか、不安になることも多いかなと思います。
特にアルペンブルーの挿し芽やベルフラワーの増やし方を調べていると、水差しでいいのか土に挿すべきなのか迷ってしまいますよね。この記事では、カンパニュラの挿し木に最適な時期や、失敗の原因になりやすいポイント、そして清潔なカンパニュラの挿し木の土選びまで、私が実際に試行錯誤して学んだコツを分かりやすくまとめてみました。これさえ読めば、初心者の方でも自信を持って大切な苗を増やせるようになるはずですよ。
この記事のポイント
- カンパニュラの挿し木に最適な時期と環境設定
- 失敗を防ぐための無菌的な用土選びと水管理のコツ
- アルペンブルーやベルフラワーなど品種別の具体的な増やし方
- 発根率を劇的に高めるペットボトル密閉挿しのテクニック
初心者でも成功するカンパニュラの挿し木の基本
カンパニュラを増やす方法はいくつかありますが、親株の良さをそのまま受け継ぐことができる挿し木は、お気に入りの花を確実に増やしたい時にぴったりの方法です。ここでは、まず押さえておきたい基本中の基本について、私なりの視点でお話ししていきますね。植物の生命力を信じつつ、私たちがちょっとしたお手伝いをしてあげる感覚で取り組むのが、成功の秘訣かなと思います。挿し木は「栄養繁殖」と呼ばれる手法で、種から育てるよりも早く開花株に育てられるのが魅力ですね。
理想的なカンパニュラの挿し木の時期と環境

カンパニュラの挿し木を成功させるために、何よりも大切なのが「時期」の選択です。一般的には、植物の生命力が最も高まる春の4月から6月頃がベストタイミングと言われています。この時期の新芽は「緑枝(りょくし)」と呼ばれ、細胞分裂がとても活発で、切り口からの発根エネルギーがものすごいんです。気温も20度から25度前後で安定しやすく、挿し穂が傷みにくいのも大きな理由ですね。この時期に挿した苗は、夏が来る前にしっかりと根を張り、秋には充実した株へと成長してくれます。
また、秋の9月から10月頃も絶好のチャンスです。夏の厳しい暑さが和らぎ、植物が冬の休眠に向けて再び根を張ろうとする時期なので、ここで挿し木をしておくと翌春には立派な株に育ってくれます。逆に、真夏の30度を超えるような時期は、カンパニュラが本来好む冷涼な気候から外れてしまうため、挿し穂が瞬く間に腐敗してしまうリスクが高いです。冬の休眠期も、加温設備がない限りは発根が極めて遅くなるため、避けたほうが無難かなと思います。無理な時期に強行するよりも、植物のバイオリズムに合わせることが、結局は一番の近道になるんですよね。
挿し木に適した微気象環境の作り方
環境面では、直射日光の当たらない「明るい日陰」が絶対条件です。未発根の挿し穂は水を吸い上げる力が弱いため、強い光に当たると葉からの蒸散が止まらず、すぐにしおれてしまいます。風通しについても、適度な空気の動きはカビ防止に役立ちますが、強風は物理的に挿し穂を揺らして、出始めたばかりの微細な根を傷つけてしまうため注意が必要です。「穏やかな空気感」を意識してあげてくださいね。私がよくやるのは、建物の東側や、大きな木の木漏れ日が差すような場所に置くことです。これだけで成功率がぐんと上がりますよ。また、地面からの熱を避けるために、棚の上などに置くのも効果的ですね。
ベルフラワーの増やし方に適した時期とコツ

カンパニュラの中でも特に人気の高いベルフラワー(オトメギキョウ)。この子はとっても丈夫なのですが、増やし方にはちょっとしたコツがあります。挿し木ももちろん可能ですが、実は「株分け」の方が手軽で確実だったりします。それでも、「もっとたくさん増やしたい!」という時には挿し木が威力を発揮します。ベルフラワーは密集してマット状に広がるため、一つの親株から数十本以上の挿し穂を確保することも難しくありません。
挿し木で増やすなら、花が終わった直後の5月下旬から6月頃、株元から元気に伸びてきた柔らかい茎を選んでみてください。ベルフラワーは密集して育つため、古い茎と新しい茎が混ざり合っていますが、使うのは必ず「今年伸びた青い茎」です。木質化した古い茎は発根能力が低いため、避けるのが賢明ですね。また、ベルフラワーは葉が小さく密集しているため、蒸れやすいという弱点があります。挿し穂を作る際は、下の方の葉を丁寧に取り除き、風通しを確保してあげることが腐敗防止に繋がります。私は、ピンセットを使って付け根から綺麗に葉を外すようにしています。
ベルフラワー特有の吸水管理
この品種は乾燥には少し弱い面があるので、作業中はこまめに霧吹きをしてあげると安心です。カットしてから土に挿すまでの間も、乾燥させないように「水揚げ」をしっかり行いましょう。1時間ほど活力剤を混ぜた水に浸けておくだけで、細胞内の水分ポテンシャルが高まり、その後の活着がスムーズになります。地面を這うように広がる性質があるため、発根した後は横に広がるスペースを考えて植え付けてあげるのが、将来的に美しい花壇を作るポイントかなと思います。ベルフラワーは石組みの隙間などに植えても映えるので、増やした苗でロックガーデン風に仕立てるのも素敵ですよ。
アルペンブルーの挿し芽を成功させるポイント

星のような花をたくさん咲かせるアルペンブルー。この品種はカンパニュラの中でも特に挿し芽の成功率が高い、優等生なイメージがあります。私のおすすめは、勢いよく伸びてきた「新芽」を贅沢に使うことです。アルペンブルーは匍匐(ほふく)性があり、放っておいても地面に接した部分から根を出すことがあるほど生命力が強いので、挿し木初心者の方には一番おすすめの品種かもしれません。私自身、最初は適当に挿してしまったこともありましたが、それでも元気に育ってくれた記憶があります。
5cmくらいの長さにカットした芽を準備しますが、このとき切り口を鋭利なカッターでスパッと切るのがポイント。園芸バサミはどんなに良く切れても、細胞を押し潰しながらカットしてしまいます。潰れた導管からは水が上手く吸い上げられないため、面倒でも清潔なカッターナイフを使用しましょう。アルペンブルーの茎には節がありますが、この節の部分には細胞分裂が盛んな「分裂組織」が集まっているため、節のすぐ下でカットすると発根がより早まります。節を潰さないように丁寧に扱うのが、プロっぽく仕上げる秘訣ですね。
アルペンブルーの活着を早めるテクニック
土に挿す際は、1節か2節がしっかり土に隠れるように深めに挿してあげてください。そこから白い根が元気に伸びてきます。私自身の経験では、アルペンブルーは水差しでも簡単に発根しますが、最初から土に挿した方が、その後の植え替え時のダメージが少なくて済むように感じます。成功率が高いからこそ、欲張ってたくさん挿したくなりますが、苗同士が触れ合わない程度の距離(株間)を保つことで、病気の発生を抑えることができますよ。アルペンブルーは多湿にさえ気をつければ、驚くほど旺盛に広がっていくので、増やした苗をハンギングバスケットに仕立てて、溢れんばかりの花を楽しむのもいいですね。
カンパニュラの挿し木で失敗しないための対策

せっかく挿したのに、数日後に黒ずんで枯れてしまった……。そんな悲しい失敗の多くは、「雑菌」と「乾燥」が原因であることがほとんどです。まず、使う道具や土は必ず清潔なものを用意してください。特に使い古しの土には、立ち枯れ病などを引き起こす「糸状菌(カビ)」が潜んでいることがあり、未発根のデリケートな切り口から侵入してあっという間に腐らせてしまうんです。プロの生産現場でも、土の消毒は徹底されています。
もう一つの失敗要因は「水ストレス」です。根がない状態の挿し穂は、葉から水分が逃げる一方で、切り口からはわずかな水分しか吸えません。このアンバランスが限界を超えると、細胞が壊死してしまいます。これを防ぐには、下の方の葉を落として蒸散面積を減らすこと、そして湿度の高い環境を維持することが不可欠です。作業中に挿し穂をしおれさせてしまうと、その後の回復は極めて難しくなるので、切り取ったらすぐに水に浸けるなど、スピード感を持って作業するのも大切ですね。乾燥が激しい日は、作業場所自体に霧吹きをして湿度を上げておくのも効果的です。
失敗を未然に防ぐ殺菌処理
もし過去に何度も失敗しているなら、挿し穂を挿す前にベンレートやオーソサイドといった殺菌剤を規定倍率に希釈した水に数分間浸けて、消毒を行ってから作業するのも一つの手です。また、手やハサミもアルコール消毒するなど、外科手術を行うような気持ちで清潔さを保つことが、成功への一番の近道かもしれません。小さな菌が大きな失敗を招くので、このひと手間を惜しまないことが大切かなと思います。
(出典:KINCHO園芸『園芸の基本』)
水差しで手軽に楽しむカンパニュラの増やし方

もっと気軽に、キッチンなどで挑戦したいなら、コップや空き瓶に水を入れて挿しておく「水差し」も面白いですよ。これの最大のメリットは、「根が出る様子を肉眼で毎日観察できること」に尽きます。透明な容器の底に白い根がチョロチョロと現れる瞬間は、植物の生命力の神秘を感じて、何度見ても飽きないものです。自由研究のような感覚で、お子さんと一緒に楽しむのにもぴったりの方法ですね。
水差しのコツは、何といっても水の鮮度を保つこと。水中に溶け込んでいる酸素がなくなると、切り口から腐敗が始まります。少なくとも毎日、あるいは2日に1回は必ず新しい水に交換してあげましょう。この際、容器の底に溜まるヌメリも菌の温床になるので、綺麗に洗い流すと完璧です。また、光が根の形成を阻害することもあるため、根が出る部分をアルミホイルで巻いて暗くしてあげると、暗期を好む根の性質(負の光屈性)に合致して発根が促進される裏技もあります。光を感じないことで、植物が「ここは土の中だ」と勘違いしてくれるんですね。
カンパニュラの挿し木に適した土の選び方と配合

土選びは、挿し木の成否を分ける超重要ポイントです。通常の栽培用土には元肥(あらかじめ混ぜられた肥料)が入っていることが多いのですが、挿し木にはこれが「毒」になることがあります。根がない状態で栄養分が濃すぎると、浸透圧の関係で細胞から水分が奪われてしまうんです。そのため、必ず「無肥料・無菌」の土を選んでください。栄養がないからこそ、植物は必死に根を伸ばして栄養を探そうとするんですよね。
カンパニュラは野生では岩場などに自生していることも多く、水はけが良くて弱アルカリ性の環境を好む性質があります。もし自分で配合するなら、赤玉土(小粒)5:バーミキュライト5の割合で混ぜるのが、私の経験上最も安定しています。バーミキュライトは高温で加熱処理されているため無菌で、かつ保水性が非常に高いので、乾燥を嫌うカンパニュラには最適です。もう少し水はけを重視したい場合は、ここに1割ほど川砂を混ぜるのもいいですね。鹿沼土も無菌ですが、酸性が強いので、カンパニュラに使う場合は少量に留めるのがコツです。
市販品の活用とpHへの配慮
「自分で混ぜるのは大変そう」という方は、市販の「挿し木・種まきの土」を活用しましょう。これらはpHが適切に調整されており、通気性も抜群なので失敗が少ないです。なお、カンパニュラを酸性の強いピートモス主体の土にそのまま挿すと、成長が停滞することがあります。もしピートモスが多めの土を使う場合は、少量の草木灰や苦土石灰を混ぜて中和してあげると、後の生育がスムーズになります。土の粒が大きすぎると挿し穂と土の間に隙間ができてしまい、切り口が空気に触れて乾燥の原因になるので、できるだけ細かい粒子のものを選んであげてくださいね。挿し木専用土は、一度使うと手放せなくなるほど安定感がありますよ。
実践的なステップで学ぶカンパニュラの挿し木と管理
基本がわかったところで、次はより具体的な実践テクニックを見ていきましょう。ただ挿すだけでなく、植物ホルモンの働きを助けたり、特別な環境を作ったりすることで、成功率は100%に近づけることができます。プロの農家さんも密かに行っているような、ちょっとした工夫をご紹介しますね。これを知っているだけで、大切な一枝を確実に守ることができますよ。
挿し穂の調製と発根促進剤の正しい使い方

挿し穂を作る作業を「調製(ちょうせい)」と呼びます。まず、親株から5〜8cm程度の元気な茎を、鋭利なカッターで切り取ります。次に、下半分の葉を丁寧に取り除きますが、このとき指で無理やりちぎると茎の表皮が剥けてしまい、そこから菌が入る原因になります。必ず清潔なカッターで葉の付け根から切り落としましょう。上部の葉が大きく、蒸散が心配な場合は、葉の面積を半分にカットする「半葉法」を行ってください。これで、未発根の株が「干からびる」のを防ぐことができます。光合成は続けつつ、水分は守る……このバランスが調製のキモですね。
ここで大きな味方になってくれるのが、「ルートン」や「オキシベロン」といった発根促進剤です。これらにはオーキシンという植物成長調整剤が含まれており、切り口の細胞に対して「根っこを作れ!」という強力な命令を出してくれます。粉末タイプを使う場合は、切り口を水で軽く湿らせてから、粉の中にちょんとつけます。余分な粉は指先でトントンと叩いて落とし、「うっすら白くついている程度」にするのがコツ。厚塗りをすると組織が窒息して腐ってしまうことがあるので、欲張らないのが大切ですよ。
発根促進剤を効果的に使う手順
促進剤を塗った後は、すぐに土に挿さず、あらかじめ土に割り箸や細い棒などで「案内穴」を開けておきましょう。そのままグイッと挿してしまうと、せっかく塗った薬が土の表面で剥がれ落ちてしまうからです。穴にそっと挿し穂を落とし、周りの土を指で軽く押さえて密着させる。土と茎の間に隙間がないように馴染ませることで、発根したてのデリケートな根がすぐに土の水分に触れることができます。この一連の流れが、発根を劇的に早めるプロのテクニックなんですね。
湿度を保つペットボトル密閉挿しの具体的な手順

私がこれまでに試した中で、最も成功率が高かったのが「ペットボトル密閉挿し」です。カンパニュラのように葉が薄く乾燥に弱い植物には、これ以上の方法は無いのではないかと思うほど。仕組みは簡易的な温室と同じで、内部の湿度を常に高水準に保つことで、根がない状態でも葉の細胞をピンと張った状態(膨圧維持)に維持できるんです。この方法だと、水やりの回数も減らせるので管理も本当に楽になります。
具体的な手順は以下の通りです。
1. 1.5リットルまたは2リットルの透明なペットボトルを、下から1/3程度の位置で水平にカットします。
2. 下の容器の底に数箇所、排水用の穴を開けます(キリや熱したドライバーを使うと簡単です)。
3. 清潔な挿し木用土を入れ、しっかり湿らせてから挿し穂を数本挿します。
4. 上の容器(蓋がついた側)を、下の容器に被せます。このとき、切り口が少し重なるように差し込むのがポイントです。
5. キャップを閉めれば完成!これで内部の湿度が閉じ込められ、数週間は水やりなしでも土が乾きません。結露がボトルの内側に付いているのが、湿度が保たれている証拠ですよ。
密閉挿しの管理と注意点
この方法の唯一の弱点は「蒸れ」です。太陽の直射日光が当たると、内部がビニールハウスのように高温になり、中の苗が「茹で上がって」しまいます。必ず、明るいけれど涼しい日陰に置いてください。また、1週間に一度はキャップを開けて新鮮な空気を入れてあげましょう。外側から白い根が見えるようになったら、それはもう自立できる準備ができたということ。少しずつキャップを緩めて外の乾いた空気に慣らしていき、最終的には上のボトルを完全に外します。この「徐々に慣らす(順化)」プロセスを丁寧に行うことで、急な乾燥による立ち枯れを防ぐことができますよ。
根腐れや乾燥による挿し木の失敗を防ぐ管理術
挿し木が上手くいかない時の二大原因、それが根腐れと乾燥です。これを防ぐには、日々の観察と適切な「置き場所」の調整がすべてと言っても過言ではありません。特に温度管理が重要で、カンパニュラは冷涼な気候を好むため、土の温度(地温)が高くなりすぎるとすぐに腐敗菌が繁殖してしまいます。理想的な地温は20度前後。これを超えないよう、夏場は涼しい場所へ、秋口は冷えすぎない場所へと移動させてあげましょう。朝晩の温度チェックが習慣になると、成功率がぐんと上がりますね。
| チェック項目 | 理想の状態 | NGな状態と対策 |
|---|---|---|
| 土の湿り具合 | 触るとしっとりしている | 水が浮いている(排水改善)/カラカラ(即水やり) |
| 葉の色とツヤ | 緑色でピンと立っている | 黄色・黒色(病原菌の疑い)/ダラリと垂れる(水不足) |
| 周囲の温度 | 18度〜24度 | 30度以上(至急、涼しい日陰へ)/5度以下(室内へ避難) |
| 空気の動き | 微風が通り抜ける程度 | 無風で淀んでいる(カビ発生のリスク)/暴風(激しい乾燥) |
カビ発生を防ぐベンチレーションの重要性
密閉挿しをしていない場合でも、高い湿度を保つためにビニール袋を被せることがありますが、空気が全く動かないと「灰色かび病」などが発生しやすくなります。私は朝の数時間だけ袋を外して、空気をリフレッシュさせるようにしています。もし茎の一部が白く綿状にカビてきたら、迷わずその個体を取り除き、周囲の苗に感染が広がらないようにしましょう。また、挿す前に土に熱湯をかけて殺菌しておくのも、古典的ですが非常に効果のある方法です。清潔な環境こそが、未発根の苗にとって最大の栄養源になるんですね。
鉢上げのタイミングと定植後の育て方

挿してから3週間〜4週間ほど経つと、見た目には変化がなくても土の中では新しい命のドラマが起きています。新芽の先端がツンと明るい緑色に動き出し、新しい小さな葉が展開し始めたら、それが「発根しました!」という力強いサイン。ポットの底穴をそっと覗いて、白い根の先端が見えたら合格です。すぐにでも大きな鉢に植えたくなりますが、ここで焦るのは厳禁。まずは「鉢上げ」という中間ステップを踏んで、苗をたくましく育てましょう。この一手間が、将来の花付きを左右します。
鉢上げには、9cm(3号)サイズのポリポットが最適です。いきなり15cm以上の大きな鉢に植えてしまうと、根がまだ少ないのに土の量が多すぎて、いつまでも土が乾かず、せっかく出たばかりの繊細な根が窒息してしまう「根腐れ」や、土が冷えすぎる「鉢冷え」を起こすからです。まずは小さなポットで根をびっしりと回らせ、株の土台を作ってあげることが、その後の爆発的な成長に繋がります。ポットを外した時に根が白く回っているのを見るのは、園芸家として至福の瞬間ですよね。
定植時の土作りと栄養補給
鉢上げに使う土は、市販の草花用培養土で問題ありません。ただし、カンパニュラの健全な成長には「カルシウム」が重要です。私は植え付けの際に、苦土石灰をほんの少し(ティースプーン1杯程度)土に混ぜ込み、数日置いて馴染ませてから植えるようにしています。また、元肥として緩効性肥料を規定量混ぜるのも忘れずに。植え付けの際は、挿し木時の深さと同じくらいになるよう調整し、深く植えすぎないように注意しましょう。クラウン(茎の付け根)が埋まってしまうと、そこから腐敗しやすくなるからです。植え付け後は、鉢底から流れるくらいたっぷりと水をやり、根と土を馴染ませてあげてくださいね。
品種別の特性に合わせた増殖戦略のポイント
カンパニュラの世界は奥深く、世界中に300種以上が分布していると言われています。それゆえ、すべてのカンパニュラが挿し木に向いているわけではありません。例えば、カンパニュラ・メディウム(フウリンソウ)のような豪華なタイプは、多くが2年草(秋に芽吹いて翌春咲く)であり、太い「直根」を持つため、挿し木よりも「種まき」から育てたほうが、その品種らしい立派な草丈に育ちます。挿し木も不可能ではありませんが、株の勢いが弱くなることが多いですね。
一方、アルペンブルーやベルフラワー、カンパニュラ・グロメラータなどの多年草(宿根草)タイプは、挿し木との相性が抜群に良いです。これらの品種は、お気に入りの親株からクローンをどんどん作ることで、お庭のグラウンドカバーとして広げたり、万が一の枯れに備えた予備の苗(バックアップ苗)としてストックしたりできます。特に、特定の地域でしか手に入らないような珍しい品種は、挿し木で維持するのが一番確実です。自分の育てている品種がどのような生活サイクルを持っているのか、学名を確認して調べてみるのも、ガーデニングの知的好奇心を刺激する楽しみの一つになりますよ。
生活型による増やし方の使い分けガイド
| 品種グループ | 代表的な種 | 最適な増やし方 | 増殖の難易度と注意点 |
|---|---|---|---|
| 匍匐・多年草型 | アルペンブルー、ベルフラワー | 挿し木、株分け | 低:節から根が出やすく非常に容易 |
| 立性・多年草型 | 桃葉キキョウ、グロメラータ | 株分け、挿し木 | 中:春先の新芽を使うのが最も確実 |
| 1・2年草型 | メディウム(フウリンソウ) | 種まき | 高:挿し木はつくがその後の成長が鈍い |
四季を通じたメンテナンスと病害虫への備え

挿し木苗が無事に根付いて鉢上げが終わった後も、油断は禁物です。特に注意したいのが日本の夏の「高温多湿」です。多くのカンパニュラは本来、風通しの良い涼しい山岳地帯などに自生しているため、日本の蒸し暑い夏は最大の試練となります。夏場は半日陰の涼しい場所へ移動させ、鉢の下にレンガやスノコを置いて地熱を避けたり、株同士の間隔をあけて風の通り道を作ってあげてください。水やりも、日中の熱い時間は避け、早朝や夕方の涼しい時間帯に、葉を濡らさないよう株元へ静かに与えるのが鉄則です。葉が濡れたまま夜を迎えると、病気の原因になります。
害虫については、春先や秋口に発生する「アブラムシ」に注意してください。彼らは新芽の美味しい汁を吸うだけでなく、ウイルス病を媒介することもあります。見つけたらすぐに捕殺するか、オルトラン粒剤などを株元に撒いて予防しましょう。また、葉が白く粉を吹いたようになる「うどんこ病」が発生した場合は、重曹を1000倍程度に薄めた水をスプレーしたり、専用の殺菌剤で早めに対処することが大切です。冬の間、多くの多年生カンパニュラは地上部を枯らして小さなロゼット状(平らな葉の集まり)で冬を越しますが、これは「休眠」しているだけ。根は生きていますので、水やりを完全に止めてしまわないよう、土の表面が乾いたら控えめに水を与える管理を続けてくださいね。春の訪れとともに、あなたが挿し木で増やした新しい命が、力強く芽吹く姿を見せてくれるはずです。それは何物にも代えがたい喜びですよ!
理想の庭を作るカンパニュラの挿し木のまとめ
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!カンパニュラの挿し木は、最初は「本当に根が出るのかな?」と不安に思うかもしれませんが、一連のステップを丁寧に進めていけば、植物は必ずその生命力で応えてくれます。自分で増やした小さな苗が、やがて庭のあちこちで可憐なベル型の花を咲かせる光景は、ガーデナーにとって最高の報酬ですよね。お気に入りの一鉢から、お庭全体へと幸せを広げていけるのが、挿し木の醍醐味かなと思います。
もし一度で上手くいかなくても、それは決して失敗ではなく、あなたの環境における貴重な「データ」です。時期を1週間ずらしてみたり、土の配合を少し変えてみたりする中で、自分だけの「成功パターン」が必ず見つかります。自然の声を聞きながら、焦らずゆっくりと植物との対話を楽しんでみてください。正確な育て方や病害虫の情報については、種苗メーカーの公式サイトや専門書も併せて確認して、皆さんの大切なカンパニュラを元気に育ててくださいね。あなたの庭が、たくさんのカンパニュラの色彩で彩られることを心から願っています!またの更新でお会いしましょうね。
この記事の要点まとめ
- 挿し木の成功率は春の4月から6月が最も高い
- 秋の9月から10月も挿し木に適したチャンスの時期
- 切り口は細胞を潰さないよう鋭利なカッター等でカットする
- 土は肥料分のない清潔な赤玉土やバーミキュライトを使う
- 酸性を嫌うためpH調整された用土や苦土石灰の活用が有効
- 発根までは直射日光を避けた明るい日陰で管理する
- 乾燥を防ぐにはペットボトル等を用いた密閉挿しが効果的
- 発根促進剤を使用すると根の出が早まり数も増える
- 水差しで増やす場合は水の鮮度を保つためこまめに交換する
- 30度を超える真夏の作業は腐敗のリスクが高いため避ける
- 肥料は根が十分に張るまで与えないのが鉄則
- 鉢上げは根が十分に回ってから一回り大きな鉢に行う
- ベルフラワーやアルペンブルーは挿し木の相性が非常に良い
- アブラムシやハダニなどの害虫チェックを定期的に行う
- 最終的な判断や詳細な品種特性は専門機関の情報を参照する
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