こんにちは、My Garden 編集部です。
庭先に小さな鐘のような花が揺れる姿は、本当に癒やされますよね。でも、いざカンパニュラを種から育てようと思うと、カンパニュラの種まき時期はいつがベストなのか、あるいは自分の持っている品種がいつ花を咲かせるのかなど、意外と迷ってしまうポイントが多いものです。実はカンパニュラには一年草や二年草、多年草といったライフサイクルの違いがあり、それぞれの性質に合わせたタイミングで種をまくことが成功への一番の近道なんです。この記事では、初心者の方でも迷わず進められるように、発芽率を高める温度管理や、苗をヒョロヒョロにさせないコツなどを、私の実体験を交えながら詳しくお伝えしていきますね。この記事を読めば、きっと自信を持ってカンパニュラの栽培をスタートできるはずです。
この記事のポイント
- 品種ごとのライフサイクルに合わせた最適な種まき時期がわかる
- 発芽を成功させるための好光性種子の扱いと温度管理のコツが学べる
- 苗が弱々しく伸びてしまう徒長を防ぐための具体的な対策が理解できる
- 夏越しや病害虫対策など長期間健やかに育てるためのポイントが身につく
カンパニュラ 種まき 時期の基本と品種別のタイミング
カンパニュラの栽培で最も大切なのは、自分が育てたい品種がどのグループに属しているかを知ることです。時期を間違えると、せっかくまいた種が発芽しなかったり、いつまでも花が咲かなかったりすることもあります。ここでは、失敗しないための「種まきの黄金スケジュール」を詳しく掘り下げていきますね。
カンパニュラ メジュームなど二年草の育て方

昔から親しまれている「カンパニュラ・メジューム」は、一般的に秋まき二年草として扱われます。このタイプは、種をまいてから開花するまでに一度しっかりとした冬の寒さを経験する必要があるんです。そのため、5月から6月頃に種をまき、夏を越させてから秋に定植し、翌年の春に花を楽しむというロングスパンな栽培になります。なぜこんなに早くまくのかというと、冬が来る前に株を十分に大きくしておく必要があるからです。専門的には「ロゼット状」といって、地面に張り付くような形で葉を広げた状態で冬を越させるのが理想です。この時期に栄養をしっかり蓄えることで、春に力強く茎を伸ばし、あの豪華な鐘形の花をたくさん咲かせることができるんですね。
この二年草タイプを育てる際の最大のハードルは、実は「夏越し」です。5月にまいた苗は、まだひ弱な状態で日本の厳しい猛暑を迎えなければなりません。直射日光を避け、風通しの良い涼しい場所で管理し、水切れに注意しながら「耐える」時期が必要になります。しかし、この苦労を乗り越えて春に咲くメジュームの姿は、一年草タイプとは比較にならないほどのボリュームと重厚感があります。庭の主役を張れるほどのパワーがあるため、じっくり時間をかけて園芸を楽しみたい方には最高の選択肢と言えるでしょう。
二年草栽培のメリットと注意点
二年草タイプの最大の魅力は、その圧倒的な存在感です。1メートル近くまで伸びる花穂に、ぎっしりと大きな花がつく姿は、一年草タイプではなかなか味わえません。ただし、栽培期間が1年に及ぶため、夏場の管理が非常に重要になります。幼い苗の状態で日本の厳しい猛暑を経験させることになるので、遮光ネットを使ったり、涼しい日陰に移動させたりといったケアが欠かせません。また、肥料切れにも注意が必要で、秋に定植するまではポットの中で適切に追肥を行い、がっしりとした苗に仕上げていくことが、春の満開への絶対条件となります。
最近は品種改良が進んでいて、メジュームの中でも低温に当たらなくても咲く「四季咲き性」の品種も増えています。お手元の種袋の裏面を必ずチェックしてみてくださいね。まき時期が「9月〜」となっている場合は、改良種の可能性が高いですよ。
ベルフラワーや多年草タイプの播種カレンダー

ベルフラワー(オトメギキョウ)やモモバギキョウといった多年草タイプは、一度植えれば数年にわたって花を咲かせてくれる頼もしい存在です。こちらのタイプは、春の2月から4月頃、または秋の9月から10月頃が種まきの適期になります。どちらの時期にまくかは、お住まいの地域の気候や、どれくらい早く花を見たいかによって決めるのがいいかなと思います。私のおすすめは、秋まきです。秋にまいて冬の寒さを経験させることで、翌々年の春には見違えるほど立派な大株に成長してくれます。
多年草を種から育てる場合、最初の1年は「体づくり」の期間だと考えてください。本格的な開花は2年目以降になることが多いので、「芽は出たけど花が咲かないな」と焦らずに、まずは丈夫な根を張らせることを目標にしましょう。春にまいた場合は、ポットのまま夏を越し、涼しくなった秋に定植するのが一般的な流れですね。秋にまいた場合は、小さな苗の状態で冬を越し、翌年の春から夏にかけて株を充実させていきます。多年草タイプは、一度根付いてしまえば非常に丈夫で、毎年決まった時期に鐘型の花を咲かせてくれる、まさに庭の「レギュラーメンバー」になってくれます。
多年草の定植時期の見極め
定植するタイミングは、本葉が5〜6枚以上になり、ポットの底から白い根が少し見えるくらいがベスト。あまり長くポットで育てすぎると、根が回りすぎて(根詰まり)その後の成長が悪くなることもあるので、タイミングを見計らって広い場所に植え替えてあげましょう。ベルフラワーなどの矮性種は、ロックガーデンや鉢の縁取りにもぴったりですよ。定植の際は、将来的に株が広がることを想定して、20cmから30cm程度の株間を開けておくと、数年後も蒸れずに健康に育ちます。
メイやチャンピオンなど人気シリーズの栽培特性

切り花やガーデニングでよく見かける「メイ」や「チャンピオン」、「チャイム」といった人気シリーズは、比較的短い期間で開花する改良品種が多いのが特徴です。これらは「F1品種」と呼ばれることが多く、発芽が揃いやすく、成長も非常にスムーズ。初心者さんには特におすすめのグループです。特にサカタのタネなどの大手種苗会社から出ているシリーズは、日本の気候に合わせて耐暑性が強化されていたり、開花時期が予測しやすかったりと、非常に扱いやすい工夫がなされています。
| シリーズ名 | 主な播種時期 | 特徴・栽培のヒント |
|---|---|---|
| メイ | 8月下旬〜9月上旬 | 高性種で切り花に最適。年内にしっかり株を太らせることが開花の鍵 |
| チャンピオン | 7月〜2月 | 四季咲き性が強く、温度と日長があれば周年栽培も可能。非常に丈夫 |
| チャイム | 8月下旬〜9月下旬 | 中高性でバランスが良い。9月中に数回に分けてまくと失敗が少ない |
| アピール | 11月中旬〜12月上旬 | 矮性でコンパクト。晩秋にまいて冬の寒さを利用してゆっくり育てる |
特に「チャンピオン」シリーズなどは、特定の環境を整えれば一年中種まきが可能ですが、家庭園芸ではやはり秋にまいて春に咲かせるのが一番無理のないスケジュールかなと思います。無理な時期にまくと、暖房設備などが必要になってしまうので、自然の気候を味方につけるのが一番ですね。また、これらのシリーズは「長日(ちょうじつ)植物」としての性質が強いため、春になって日が長くなると自然に茎が伸び始めます。室内で夜遅くまで電気がついている場所で育てると、変な時期に茎が伸びてしまうこともあるので、なるべく外の自然な光のサイクルで育ててあげてください。
カンパニュラ 発芽率を上げるための適切な温度

カンパニュラの発芽に適した温度は、だいたい15℃から20℃前後です。この温度から外れてしまうと、発芽率がガクンと下がってしまいます。植物にはそれぞれ「発芽適温」があり、これを知ることが成功の第一歩。カンパニュラの場合は、人間が「少し涼しくて過ごしやすいな」と感じるくらいの気温がちょうどいいんです。熱帯原産の植物のように25℃以上の高温を好むわけではないので、早まきしすぎて残暑にさらされるのが一番の失敗パターンになります。
特に注意したいのが、8月の終わりから9月初旬にかけての「残暑」です。地温が20℃を大きく超えていると、種が「まだ暑すぎる!」と判断して眠ったまま(休眠状態)になってしまうことも。そんな時は、素焼きの鉢を使ったり、日陰の涼しい場所で管理したりして、温度を上げすぎない工夫をしてみてください。水の気化熱を利用して鉢を冷やすのも効果的ですよ。また、最近の温暖化で秋が深まっても気温が高い日があります。そんな時は「保冷バッグに種と湿らせたティッシュを入れて数日冷蔵庫に入れる(低温処理)」という裏技を使うと、秋が来たことを種に勘違いさせて、その後の発芽が揃いやすくなることもあります。
冬場の播種と温度管理
逆に、11月以降の寒い時期にまく場合は、室内や簡易温室での保温が必要になります。ただし、あまり暖かくしすぎると今度は苗がもやしのように細くなってしまうので注意。日中は20℃くらい、夜間は10℃以下にならない程度に管理できれば理想的ですね。発芽まではだいたい10日から14日ほどかかりますが、温度が低いともっと日数がかかることもあります。焦らずに見守ってあげましょう。また、発芽後は温度を少し下げ気味(10℃〜15℃)に管理したほうが、がっしりとした丈夫な苗に育ちますよ。
好光性種子の性質と覆土をしない水やりのコツ

カンパニュラの種は、まるで砂か埃かと思うほど微細です。そして最大の特徴は、発芽に光を必要とする「好光性(こうこうせい)」であること。これが最大の落とし穴になります!一般的に「種まき=土を被せる」というイメージがありますが、カンパニュラにそれは禁物です。光というエネルギーを感知して初めて、種の中の酵素が動き出す生命の神秘なんです。これを「暗黒」の中に置いてしまうと、種はいつまでも自分の出番を待ち続け、やがて土の中で朽ちてしまいます。
種をまいた後に土を被せる「覆土」は絶対にしないでください。土を被せて光を遮ってしまうと、いつまで経っても芽が出てきません。地表で光を感じることで、種の中の酵素が働き出し、発芽のスイッチが入る仕組みなんです。指で土を鎮圧する(おさえる)程度で十分、種が土に密着するようにしてあげましょう。
ただ、土を被せないということは、種が常に乾燥の危機にさらされているということでもあります。微細な種は蓄えているエネルギーが少ないので、一度乾いてしまうとすぐにダメになってしまいます。表面が乾かないように、底面吸水(腰水)で下から水を吸わせるのが最も安全な方法。ジョウロで上からドバッとかけると、種が土の隙間に潜り込んで光が当たらなくなったり、流されてしまったりするので、芽が出るまでは我慢です。霧吹きを使う場合も、ごく細かい霧で優しく湿らせるようにしましょう。ペレット加工(種を粘土などでコーティングしたもの)されている種の場合は、そのコーティングが溶けるまでしっかり霧吹きで湿らせるのがコツですよ。
徒長を防ぐための日当たりと風通しの管理術

せっかく発芽しても、苗がヒョロヒョロと細長く伸びてしまう「徒長(とちょう)」に悩む方は多いですよね。これは光が足りなかったり、夜間の温度が高すぎたりすることが原因です。カンパニュラは本来、高原や涼しい地域に自生しているものが多いため、強い日光と新鮮な空気を好みます。室内で日光が斜めからしか当たらない環境だと、すぐに茎が曲がって弱々しい苗になってしまいます。
芽が出たら、すぐにしっかりと日光に当ててあげましょう。ただし、いきなり直射日光に当てると小さな芽が焼けてしまうこともあるので、徐々に慣らしていくのがコツです。また、苗同士の葉が触れ合うようになると、お互いに競い合って上に伸びようとする性質(屈光性など)があります。本葉が2〜3枚出たら、ハサミを使って隣の苗を傷つけないように間引き、十分なスペースを確保してあげましょう。この「間引き」を躊躇してしまうと、最終的にどの苗もヒョロヒョロになってしまうので、心を鬼にして一番元気な子を残してください。
風による物理的刺激の効果
また、適度な風に当てることで、植物の茎は太く丈夫に育ちます。これは物理的な刺激を受けることで、エチレンという植物ホルモンが分泌され、茎の伸長を抑えて太くする「接触刺激反応」によるもの。室内で過保護に育てるよりも、外の風に当てた方が、がっしりとした良い苗になりますよ。夜間の温度を下げることも徒長防止には非常に有効。昼間はしっかり光を当て、夜は涼しく保つという「メリハリ」が、健康な株を作る秘訣ですね。もし室内で育てる場合は、サーキュレーターなどで常に微風を当ててあげると、苗の質が劇的に向上します。
カンパニュラ 種まき 時期に合わせた苗の管理と夏越し
無事に苗が育ってきたら、次は植え付けと、日本特有の厳しい環境をどう乗り切るかが課題になります。カンパニュラは本来、冷涼な気候を好む植物なので、日本の蒸し暑い夏や長雨は少し苦手。でも、ちょっとしたコツを押さえるだけで、生存率はぐっと高まりますよ。特に定植後の根の張り方と、その後の環境適応が、翌春の満開を左右する重要なフェーズになります。
鉢植えや地植えに適した土壌のpHと酸度調整

カンパニュラを育てる上で、意外と知られていないのが「土の酸性度(pH)」です。パンジーやビオラなど、多くの一般的な草花は「弱酸性」の土を好みますが、カンパニュラは中性から弱アルカリ性の土を好むという、ガーデニング初心者が見落としがちな特異な性質を持っています。この好みの違いを無視して酸性の強い土で育ててしまうと、根が栄養をうまく吸収できず、どんなに高価な肥料をあげても生育が停滞し、やがて下葉から黄色くなって枯れてしまうことがあるんです。
日本の土壌は、雨が多い影響で放っておくとカルシウム分が流出し、酸性に傾きがちです。そのため、地植えにする場合は植え付けの2週間くらい前までに苦土石灰(1㎡あたり100g程度)をしっかりと混ぜ込んで、土壌を中和させてあげましょう。鉢植えの場合も、市販の安価な培養土は酸性に調整されていることが多いため、ひとつまみの石灰を混ぜるか、最初から配合にこだわった高品質な土を選ぶのが成功の鍵です。また、水はけが悪いと根腐れの原因になるので、赤玉土をベースに腐葉土、さらに排水性を高める軽石やパーライトを多めに混ぜて、サラッとした指通りの良い土を作るのがコツですよ。
土壌改良の目安と配合比率の詳細
| 栽培環境 | おすすめの配合(目安) | 土壌調整・改良のポイント |
|---|---|---|
| 鉢植え(標準) | 赤玉土 6:腐葉土 4 | 少量の苦土石灰を混入しpHを6.5〜7.5の範囲で維持する |
| 鉢植え(夏越し重視) | 赤玉土 4:腐葉土 3:軽石 3 | 根圏の温度上昇を防ぎ、過湿による根腐れを物理的に防止する |
| 地植え | 既存の庭土に完熟堆肥 10L/㎡ | 石灰散布後、しっかりと耕して団粒構造を形成させ、通気性を確保する |
根を傷めない定植のやり方と直根性への配慮

カンパニュラは「直根性(ちょっこんせい)」といって、太いメインの根(主根)がまっすぐ垂直に深く伸びる性質を持っています。このタイプの植物は、一度根が傷つくと再生しにくいため、植え替えの際に根をいじられるのを極端に嫌います。もし、植え替えの時に「根が回っているから」と根鉢を崩したり、ぶちぶちと切ってしまったりすると、その後、地上部へ水分を送れなくなり、しおれてそのまま枯れてしまう「移植失敗」を招きかねません。これは初心者の方が最もやってしまいがちなミスの一つですね。
植え付けの時は、ポットから抜いた根鉢を絶対に崩さないようにしましょう。根を広げようとして土を落とすのは、カンパニュラにとっては致命傷になりかねません。ポットから「スポッ」と抜いた形のまま、優しく植え穴に入れてあげてください。もし根がポットの底でぐるぐる巻きになっていても、そのまま植えるのが正解です。植物自身の力で新しい根を伸ばさせることが大切ですよ。
また、植え付けの深さも非常に重要です。「深植え」といって、茎の付け根(クラウン部分)が土に埋まってしまうような植え方をすると、水やりのたびにその部分が湿り、雑菌が入って腐りやすくなります。逆に「浅植え」すぎても根が露出して乾いてしまいます。ポットの土の表面と、植える場所の地面の高さをぴったり揃えるのが一番の理想です。植え付けた後は、根と土の間に隙間ができないよう、たっぷりと優しくお水をあげて落ち着かせてくださいね。この丁寧な一歩が、春の爆咲きへと繋がります。
春化処理と冬の寒さに当てる開花調整の仕組み
「葉っぱは元気でわさわさしているのに、春になっても花が咲かない……」という経験はありませんか?その原因のほとんどは、冬の寒さが足りないことにあります。多くのカンパニュラ品種には、一定期間の低温にさらされることで「あ、厳しい冬が終わったんだな。次は子孫を残すために花を咲かせよう!」と生理的なスイッチが入る、「春化(バーナリゼーション)」という性質があります。この低温要求が満たされないと、植物はずっと葉を出し続ける「栄養成長」の状態から抜け出せなくなってしまうんです。
具体的な条件としては、5℃以下の低温に合計で60日間ほど遭遇させることが、安定した開花を導くための指標とされています。そのため、冬の間は「寒くてかわいそうだから」と過保護にして室内に入れるのではなく、あえて屋外の冷たい風に当てることが必要なんです。雪が積もらない限りは外で管理して大丈夫。むしろ、この「厳しい寒さ」こそが、春にあの透明感のある美しい鐘型の花を咲かせるための最高の合図になるんですね。室内管理は開花を妨げる最大要因ですので、厳禁ですよ!
冬場の水やりと低温期の管理
冬の間は地上部の成長が止まっているように見えますが、地中の根っこは春の飛躍に向けて生きています。冬の乾燥した風で土がカラカラになりやすいので、土の表面が乾いたら暖かい日の午前中にお水をあげましょう。夕方にあげると夜間に土の中が凍結して根を膨張・損傷させることがあるので、「日が高いうちに」が鉄則です。寒冷地でどうしても土が凍ってしまう場合は、不織布を被せるなどの最低限の防寒はアリですが、基本は「寒さに当てる」スタンスを貫きましょう。
夏の暑さ対策と梅雨時期の蒸れを防ぐ切り戻し
カンパニュラ栽培において最大の山場は、間違いなく「日本の夏」です。原産地の多くがヨーロッパや高原などの冷涼な地域なので、高温多湿の環境は非常に過酷です。特に、梅雨時の長雨で株の中が蒸れると、灰色かび病が発生したり、一晩で溶けるように根元から腐ってしまうこともあります。これを防ぐための最大の武器が「切り戻し」と「徹底的な風通しの確保」です。この一手間が、夏を越せるかどうかの分かれ道になります。
一番花が終わった直後、あるいは梅雨入り前に、株の半分から3分の1くらいの高さまで思い切ってカットしてみてください。「せっかく伸びたのに」とためらうかもしれませんが、これをすることで、株元の通気性が劇的に向上し、湿気がこもるのを防げます。また、切り戻すことで株全体の蒸散量を減らし、根への負担を軽くする効果もあります。運が良ければ、涼しくなった秋に再び花を咲かせてくれる「返り咲き」も楽しめますよ。下葉が黄色くなっていたら、それも病気の温床になるので、このタイミングで綺麗に掃除してあげましょう。
物理的な環境制御で猛暑を凌ぐ
鉢植えなら夏の間は、直射日光が遮られる明るい木陰や、北側の涼しい場所に避難させてあげましょう。特にアスファルトの照り返しは植物にとって致命的な熱ダメージになります。フラワースタンドに乗せて地面から離し、「底面の風通し」を確保するだけでも生存率は変わります。地植えの場合は、30〜40%程度の遮光ネットを張って強すぎる日差しを遮ってあげてください。また、冬の防寒に役立ったマルチングは夏場は熱がこもる「地熱のトラップ」になるので、梅雨明けには取り除いて土を露出させておくのが正解ですね。
灰色かび病やアブラムシなど病害虫の防除方法
長期間にわたるカンパニュラの栽培には、避けては通れない天敵たちがいます。まず病気で最も注意したいのが「灰色かび病(ボトリチス病)」です。湿気が多い時期、枯れた花弁や葉っぱに灰色のカビが生え、それが健康な茎にまで広がって株を腐らせてしまいます。予防の基本は、とにかく「花がら摘み」です。終わった花を指で摘むだけで、病気の発生源を物理的に除去できます。少し面倒ですが、毎日のチェックが愛着を深め、株を救うことになります。
害虫については、春先の新芽の時期に出るアブラムシに要注意です。新芽や蕾にびっしりつくと、花が変形したりウイルス病を媒介したりします。見つけ次第、薬剤で対処するのも手ですが、植え付け時にオルトラン粒剤などの浸透移行性殺虫剤を土に撒いておけば、数週間にわたって予防できるので一番楽ちんです。また、夜間に葉を丸ごと食い荒らすヨトウムシ(夜盗虫)も厄介。昼間は土の中に隠れていて見つけにくいので、もし葉に穴が開いていたら、株元の土を指で少し掘ってみてください。小さな茶色の芋虫が出てきたら、それが犯人です。早めの捕殺が大きな被害を防ぎますよ。
自家採種した種子の保存期間と冷蔵庫での保管

愛情込めて育てたカンパニュラから種を採り、それをまた翌年まく……これぞ園芸の醍醐味、命のバトンタッチですよね!花が終わった後、果実(カプセル)が茶色く乾燥し、振るとサラサラと乾いた音がするようになったら採種のサインです。カンパニュラの種は本当に小さく、風で飛ばされやすいので、慎重に紙袋の中で揉みほぐして種を取り出しましょう。この小さな一粒一粒に、来年の満開の可能性が詰まっています。
しかし、採取したばかりの種は呼吸をしており、環境が悪いとすぐにエネルギーを使い果たして発芽力を失ってしまいます。種子の寿命を左右するのは、ズバリ「低温」と「低湿」の状態をキープすることです。理想的には湿度が30%以下の環境が望ましいとされていますが、一般家庭では少し工夫が必要です。
採取した種は、お菓子についてくるようなシリカゲル(乾燥剤)と一緒に、ジップロックや茶缶などの密閉容器に入れてください。そして、保管場所は「冷蔵庫の冷蔵室(5℃前後)」がベスト!温度が5℃下がるごとに、種の寿命は2倍に延びると言われています。野菜室は意外と湿度が高く種が腐る原因になるので、通常の冷蔵棚の奥の方にしまっておくのが、一番発芽率を維持できる保管方法ですよ。この状態で保存すれば、2〜3年は十分に発芽力を保てます。
カンパニュラ 種まき 時期を守って美しく咲かせるまとめ
ここまで、カンパニュラの種まき時期から、育苗の極意、そして日本の厳しい夏を越させる高度なテクニックまで、私の実体験を交えて詳しく解説してきました。カンパニュラは、その微細な種から芽を出し、厳しい冬を耐え抜いてこそ、春にあの透明感のある凛とした鐘型の花を咲かせてくれます。確かに、好光性種子の扱いや直根性への配慮など、少しだけコツが必要な植物ではありますが、その分、自分で種から育てて満開を迎えた時の達成感は、苗を買ってきた時とは比べものにならないほど深いものです。
もし、これから初めて挑戦されるなら、まずは発芽率が高く扱いやすい「チャンピオン」シリーズなどのF1品種から始めてみてはいかがでしょうか?慣れてきたら、メジュームのような圧倒的な存在感を放つ大型種や、数年越しで庭を彩る多年草タイプへとステップアップしていくのも園芸の楽しみが広がります。この記事で紹介した「温度・光・寒さ」のポイントを意識すれば、きっとあなたの庭でも素敵なベルフラワーが咲き誇るはずです。なお、最新の栽培技術や薬剤の登録状況は地域や年によって変化しますので、詳細な情報は種苗メーカーの公式サイト等も併せて確認し、最終的な判断はご自身の責任で行ってくださいね。あなたのガーデニングライフが、青や白、ピンクのカンパニュラで鮮やかに彩られることを、心から願っています!
この記事の要点まとめ
- カンパニュラは品種により一年草、二年草、多年草の3つの型がある
- メジューム等の二年草は5月から6月にまき年内に株を太らせる
- F1改良品種の多くは8月下旬から9月が標準的なまき時
- 多年草タイプは春(2〜4月)か秋(9〜10月)に播種する
- 発芽適温は15〜20℃で25℃を超えると発芽率が著しく低下する
- 光を必要とする好光性種子のため絶対に覆土をしてはいけない
- 微細種子の流出を防ぐため発芽までは底面吸水か霧吹きで管理する
- 日光不足と夜間の高温は苗が弱々しく伸びる徒長の原因になる
- 土壌は石灰を用いて中性から弱アルカリ性に調整しておく
- 直根性で根の再生が弱いため定植時は根鉢を崩さない
- 開花には冬の寒さに当てる春化処理(低温遭遇)が不可欠である
- 梅雨前の切り戻しと夏場の遮光が夏越し成功の最大の鍵を握る
- 花がらをこまめに摘むことで灰色かび病の発生を効果的に抑制できる
- 採取した種子は乾燥剤と共に冷蔵庫で低温低湿保存し寿命を延ばす
- 失敗を防ぐには種袋の裏面を必ず確認し品種ごとのまき時を厳守する
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