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ラグランジア ブライダルシャワーが咲かない原因と対策

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こんにちは。My Garden 編集部です。

「ラグランジア ブライダルシャワー」の、まるで純白の滝のように咲き誇るその美しい姿に惹かれて、ワクワクしながらお迎えしたのに、「あれ? なぜか今年は花が咲かない…」「期待していたのと全然違う…」と深く悩んでいませんか?

きっと、「広告やSNSで見た、あの見事な写真のようにならない」「青々とした葉ばかり茂って、花が一向につかない」「買ってきれいに咲いたのはお店に並んでいた1年目だけ。庭に植えたら2年目になったらさっぱり咲かなくなった」「剪定の仕方が合っているか不安で、ハサミを持ったまま固まってしまう…」「冬になったら枝が茶色く枯れたみたいになって、もうダメかもと心配!」「鉢植えや地植えでの管理が、もしかして普通のアジサイと違ってすごく難しいの?」など、たくさんの疑問や不安が頭の中を駆け巡っているかもしれませんね。

実は、ラグランジア ブライダルシャワーには、私たちがよく知る従来のアジサイとは少し違う、とてもユニークで革新的な特性があります。そして、その素晴らしい特性こそが、皮肉なことに、私たちが陥りやすい「咲かない」原因と深く、深く関わっていることが多いんです。この記事では、なぜ待望の花が咲かないのか、その根本的な原因を植物の性質から解き明かし、来年こそあの感動的な開花を迎えるための具体的な対策を、できるだけ分かりやすく、丁寧に解説していきますね。

  • ラグランジア ブライダルシャワーが咲かない最大の理由と植物学的特性
  • 冬の「枯れた」ように見える枝が決して枯れていない重要な役割
  • 来年こそ花を咲かせるための「切る」タイミングと「切らない」勇気
  • 鉢植え・地植えそれぞれで失敗しないための、水と光の管理術
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ラグランジア ブライダルシャワーが咲かない主な原因

ラグランジア ブライダルシャワーが咲かないのには、いくつかのはっきりとした、そして多くの場合つながっている理由が考えられます。多くの場合、私たちが知っている従来のアジサイ(例えばガクアジサイやホンアジサイ)の常識とは異なる、この花の「側芽咲き(そくがざき)」という特別な性質を理解することが、すべての謎を解く解決への一番の近道になります。主な原因を一つひとつ、じっくりと一緒に見ていきましょう。

剪定時期の間違いが最大の原因

剪定ばさみが写っており、その隣に切り落とされたアジサイの枝が積み重なっている。剪定のNG時期を示すカレンダーが背景にぼんやりと見える。

これが、花が咲かない原因として、他のすべてを差し置いても、圧倒的に一番多い「うっかりミス」であり、最大の原因かもしれません。

ラグランジア ブライダルシャワーは、前年に伸びた枝に花芽をつける「旧枝咲き(きゅうしざき)」というタイプのアジサイです。ここが非常に、非常に重要なポイントなんですが、翌年咲くための大切な花芽は、私たちが「花が終わったな」と感じる夏から、涼しくなり始める秋にかけて、もう枝の中で静かに、来年の春の準備を始めているんです。植物の世界ではこれを「花芽分化(はなめぶんか)」と呼び、夏の特定の日照時間や気温を合図にスイッチが入ります。

もし、秋が深まって「ちょっと枝が伸びすぎたな」とか、冬になって「落葉して寂しいから、庭をスッキリさせよう」、あるいは春先に「さあ、これから活動開始だ。古い枝を整理しよう」と思って剪定してしまうと…

その枝にあったはずの、翌春に美しく咲くはずだった花芽を、その未来ごとまるごと切り落としてしまうことになるんです。これはもう、物理的に咲けなくしてしまっているのと同じことなんですね。

剪定の絶対NG時期カレンダー(最重要)

8月下旬(お盆過ぎ)から翌年の春先(新芽が動き出す)までは、ラグランジア ブライダルシャワーにとって「聖域」です。絶対にハサミを入れてはいけません。この時期に枝を切ることは、来年の花を自ら摘み取っているのと同じこと、と強く肝に銘じてください。

「新枝咲き」アジサイとの決定的な違い

新枝咲きアナベルと旧枝咲きラグランジアブライダルシャワーの比較と剪定時期の表示

最近は、園芸店でも「アナベル(アメリカノリノキ)」や「ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)」といった品種が大人気ですよね。これらは、その年に(春から)新しく伸びた枝に花が咲く「新枝咲き(しんしざき)」の品種たちです。彼らは冬の間に地面近くまでバッサリと強く切り戻しても、春に新しい枝を伸ばし、その先にちゃんと花を咲かせてくれます。この「管理が楽」「冬に切れる」というイメージが先行して、「アジサイ=冬に剪定するもの」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

しかし、ラグランジア ブライダルシャワーは、これらとは正反対の「旧枝咲き」。この性質の根本的な違いを理解していないと、アナベルには良かれと思って行った剪定が、ブライダルシャワーにとっては致命傷になってしまう…という悲しいすれ違いが起きてしまいます。

一般的なアジサイの剪定とはタイミングが異なる場合もあるので、ブライダルシャワーは特別なルールを持つ、繊細な品種として考えるのが安心ですね。

冬に枯れたように見える枝の秘密

冬のラグランジアブライダルシャワーの休眠期の枝と隠れた花芽のクローズアップ

冬になると、ラグランジア ブライダルシャワーは葉をすべて落とします(これは「落葉低木」という性質なので、病気ではなく全く正常なことです)。そうすると、他のガクアジサイなどと比べても、枝が細くしなやかなため、全体が茶色くカサカサした姿になります。初めての冬越しだと、「えっ、これ、枯れてしまったの?」「もうダメかもしれない…」と見えてしまい、とても不安になるかもしれません。

でも、安心してください。それは枯れているのではなく、春に向けてエネルギーを蓄え、寒さから身を守るために、じっと「休眠している」健康な姿なんです。枝の水分量をあえて減らし、凍結しにくい状態になって、厳しい冬を乗り越えようとしているんですね。

その一見枯れたような細い枝の、一つひとつの節(ふし)に、春に爆発的に花を咲かせるための大切な花芽が、まるで小さな宝石のようにしっかり隠れて待機しています。

「庭をきれいにしたいから」「この枯れ枝、見栄えが悪いから」と、この冬の枝を切り詰めてしまうと、春に咲く花が文字通りゼロになってしまいます。春になって、気温が上がり、枝の節々から小さな緑色の新芽が「おはよう!」と顔を出すまで、じっと我慢するのが本当に大切ですね。

枯れ枝との見分け方

「でも、本当に枯れた枝もあるんじゃ?」と心配になりますよね。見分ける簡単な方法は、枝のしなやかさです。生きている枝は、細くても弾力があり、軽く曲げてもしなります。しかし、本当に枯れてしまった枝は、水分がなくパサパサで、曲げると「ポキッ」と簡単に折れてしまいます。色も、生きている枝は茶色くてもどこかツヤがありますが、枯れ枝は灰色っぽく、生気がないことが多いです。判断に迷う場合は、絶対に切らずに春まで待つのが鉄則です。

豆知識:枯れた花殻(はながら)も残してOK

前年に咲いた花が、茶色く枯れたまま枝先に残っていると、つい切りたくなりますよね。もちろん、景観のために花首の下で切っても良いのですが、実は特に寒冷地などでは、この枯れた花殻がフタや傘のようになって、春一番にやってくる「遅霜(おそじも)」から、すぐ下にあるデリケートな新しい芽を守る、天然の防寒カバーの役割を果たしてくれることがあるんです。見た目がどうしても気にならなければ、春になって新芽が元気に展開し始めたのを確認してから取り除く、というのも一つの賢いテクニックですよ。

日照不足と葉ばかり茂る肥料バランス

日照不足で葉ばかり茂るラグランジアと日当たりの良い場所で咲くラグランジアの比較

ラグランジア ブライダルシャワーの最大にして最高の特徴は、枝の先端だけでなく、枝の途中にあるすべての節(側芽)から花が咲く「側芽咲き」であることです。これはつまり、従来のアジサイの何倍もの(一説には6倍とも!)花を咲かせるという、驚異的なポテンシャルを持っているということです。文字通り、枝が花で埋め尽くされるわけです。

想像してみてください。それだけ多くの花を一度に咲かせるには、どれだけたくさんのエネルギーが必要でしょうか。人間で言えば、フルマラソンを何回も走るようなものです。植物にとってのエネルギーは、もちろん「光合成」によって作られる糖分(炭水化物)です。

「半日陰でも育つ」とされていますが、それは「半日程度は日が当たる」という意味であり、「日陰(シェードガーデン)で育つ」という意味ではありません。もし、一日中ほとんど日の当たらない暗い場所(例えば建物の北向きの壁際や、常緑樹の真下など)に置いてしまうと、光合成がまったく足りません。植物はエネルギー不足に陥り、「花を咲かせる」という体力を使う活動を諦め、まずは生きるために最低限必要な「葉を出す」ことだけを優先します。これが「葉ばかり青々と茂る」状態の正体です。

理想は、午前中の柔らかい光がたっぷりと当たる場所かなと思います。植物の光合成は午前中が最も効率的ですし、日本の夏の強すぎる午後の西日は、葉焼けの原因になったり、水分の蒸散が激しくなりすぎたりするので、それを避けられる場所がベストですね。

肥料バランス(C/N比)の崩壊

もう一つ、「葉ばかり茂る」原因として考えられるのが、与える肥料のバランスです。

早く大きくしたい、元気になってほしいという親心から、観葉植物用の肥料や、窒素(N)成分が多い肥料を与えすぎていませんか? 窒素は「葉肥え(はごえ)」とも呼ばれ、「葉」や「茎」を育てるための栄養素です。これを過剰に与えると、植物体内の「炭素(C:光合成で作るエネルギー源)」と「窒素(N:体を作る材料)」のバランス(C/N比)が崩れてしまいます。

簡単に言えば、体を作る材料(おかず=窒素)ばかり大量にあって、活動エネルギー(ごはん=炭水化物)が足りない状態です。そうなると、植物は「今は花(子孫)より、体(葉や枝)を大きくする時だ!」と判断し、花芽を作ること(生殖成長)を後回しにし、葉や枝を伸ばすこと(栄養成長)を優先してしまいます。これでは本末転倒ですね。

花を咲かせるための肥料のコツ

ラグランジア ブライダルシャワー用の緩効性肥料を土に与える手のクローズアップ

  • 与える時期: 年に2回が基本。春の芽出し前(2〜3月頃)に「寒肥(かんごえ)」として、そして花が終わった後(7月頃)に「お礼肥(おれいごえ)」として与えます。
  • 肥料の種類: アジサイ用、または花木用の緩効性肥料(ゆっくり長く効くタイプ)がおすすめです。
  • 成分の目安: 窒素(N)が控えめで、花付きや実付きを良くするリン酸(P)成分が多めのバランスのものを選びましょう。肥料袋の裏の「N-P-K」の比率をチェックしてみてください。

夏の水切れが翌年に影響する

夏の水切れでしおれたラグランジアブライダルシャワーの葉と元気な株の比較

「春の管理はバッチリだったはず。剪定もしていない。日当たりも悪くない。肥料もあげた。なのに咲かない…」という場合、その原因はタイムマシーンに乗って、「去年の夏」にあるかもしれません。

何度も繰り返しますが、ラグランジアの花芽が作られるのは、まさに真夏の暑い時期(夏〜秋)でしたね。この植物にとって一年で最も重要な「来年の準備期間」に、「うっかり水切れ」で葉がぐったりとしおれさせてしまうと、植物は強烈な生命の危険(ストレス)を感じます。

そうなると、植物は「この環境はヤバい!」「生き残るのが精一杯だ!」と判断し、エネルギー消費の激しい「花芽作り」のプロセスを、生理的に直ちにストップしてしまうんです。植物体内のホルモンバランスが崩れ、成長モードから生存モードに切り替わってしまうんですね。

一度しおれても、慌てて水をやれば見た目は元に戻るかもしれません。しかし、植物の内部では「この環境では子孫(花)を残すのは無理だ」という重要な判断が下され、その年の花芽形成がキャンセルされてしまっている可能性があるのです。人間には見えないところで、来年の開花が「ゼロ」に決定してしまっているかもしれません。

特に鉢植えは、夏の猛暑日には朝夕2回の水やりが必要になることもあります。ブライダルシャワーは葉が小さくても、枝数が多い分、全身で蒸散しているので、水切れには本当に注意が必要です。「土の表面が乾いたらたっぷりと」という基本を、特に花芽分化期である夏場は、絶対に徹底してくださいね。権威ある英国王立園芸協会(RHS)も、植物への水やりは、土壌の深くまで水が浸透するように、一度にしっかりと与えることが植物の健康な根を育むと推奨しています。(出典:RHS「Watering Plants Wisely」

2年目に咲かないのは株の成長期

ラグランジアブライダルシャワーの1年目、2年目、3年目の成長段階を示すイラスト

「お店で満開の苗を買ってきた1年目は、すごくきれいに咲いたのに、庭に植えたら2年目はさっぱり咲かなかった」という声も、本当によく、本当によく聞きます。これは「あるある」な悩みですね。

これは、植物の成長サイクルと、苗が置かれていた「環境の激変」が関係しているかもしれません。

園芸の世界には「Sleep, Creep, Leap(1年目は眠り、2年目は這い、3年目に跳躍する)」という有名な言葉があります。これは、植え付けた後の多年草や樹木の成長段階を、とてもうまく表しています。

株の成長ステップ「Sleep, Creep, Leap」

  • 1年目 (Sleep): 生産農家さんという、完璧に管理された温室(いわばエリート育成機関)から、お庭や鉢という新しい環境(気温や日照、水やりも不規則なリアルな世界)へのお引越し。1年目は花を咲かせつつも、実は新しい土に「根」を張ることに必死で、環境に適応しようと集中しています(眠っているように見える)。
  • 2年目 (Creep): 新しい環境に少し慣れ、根が少しずつ張りだし、地上部もゆっくりと成長し始めます(這うように広がる)。しかし、まだ株のエネルギーは、たくさんの花を咲かせることよりも、将来のためにしっかりとした土台(根や枝)を充実させることに使われがちです。
  • 3年目 (Leap): 根がしっかりと大地を掴み、環境にもすっかり慣れ、「ここが私の家だ」と定着。いよいよ株が成熟し、持てる力のすべてを発揮し、私たちが驚くほど爆発的に花を咲かせ始めます(跳躍する)。

つまり、2年目に咲かないのは、株が「跳躍」するために、地面の下で私たちには見えない「根」を一生懸命に伸ばし、エネルギーを蓄えている、とても大切な「基礎工事」の最中なのかもしれません。

ここで「咲かない!」と焦って、過剰に肥料を与えたり、「やっぱり場所が悪かったかも」と再び掘り上げて植え替えたりすると、植物はさらに大きなストレスを感じてしまいます。焦らず、基本的な水やりや肥料のお世話を続け、3年目の「Leap(跳躍)」を、気長に(でも楽しみに!)待ってみるのも、ガーデナーとしての大切な心構えかもしれませんね。

ラグランジア ブライダルシャワーが咲かない時の対策

さて、咲かない原因がだいたいわかってきましたね。その多くは「すれ違い」だったようです。今度は、そのすれ違いを解消し、来年こそラグランジア ブライダルシャワーのあの素晴らしい花を思いっきり楽しむために、私たちができる具体的な対策を、鉢植え・地植えそれぞれの管理方法や、最も重要な剪定のタイミングを含めて、もう一度しっかり確認しましょう。

鉢植えで失敗しない夏の水やり

鉢植えで育てる場合、春から秋の成長期において、一番のポイントは、地植えとは比べ物にならないほどシビアな「水管理」です。地植えと違って、根が張れる範囲(=水分を吸収できる範囲)が、あの小さな鉢の中に限られています。そのため、水切れの影響を非常にダイレクトに、そして迅速に受けてしまいます。

春と秋は、ガーデニングの基本通り、「土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと」与えます。これが基本ですね。

問題は、花芽分化期と重なる「夏」です。

夏場は、私たちの想像以上に乾燥のスピードが速いです。朝、たっぷり水やりをしたはずなのに、夕方帰宅したら葉がぐったり…なんてことも日常茶飯事。できれば「朝の涼しい時間帯」と、「気温が下がってきた夕方」の2回、土の状態を指で触ってチェックしてあげてください。朝の1回だけでは足りないことが多い、と認識するのが重要です。

日中の炎天下で、葉がしおれているからと慌てて水やりをすると、鉢の中で水が「お湯」のようになり、根が蒸れて致命的なダメージを受ける原因になるので、絶対に避けましょう。水やりは必ず涼しい時間帯に。

鉢の素材にも注目

素焼きのテラコッタ鉢は通気性が良い反面、非常に乾燥しやすいです。プラスチック鉢は保水性がありますが、夏場は鉢内が蒸れやすいです。ご自身の水やりの頻度や置き場所に合わせて、鉢の素材を選ぶのも一つのテクニックですね。

根腐れ(ねぐされ)にも要注意!

水切れが怖いからといって、「常に土がジメジメ湿っている」「受け皿にいつも水が溜まっている」という状態は、「過湿」と呼ばれ、水切れと同じくらい(あるいはそれ以上に)植物にとって危険です。根も呼吸をしているので、水浸しでは窒息してしまいます。

これが「根腐れの原因と対処法!症状の見分け方と復活のコツ」で詳しく解説しているような、深刻なトラブルにつながります。水やりはメリハリが大切。受け皿に溜まった水は、必ず毎回捨てるようにしましょう。

地植えの管理と植え替えのコツ

明るい半日陰に地植えされ土壌改良されたラグランジアブライダルシャワー

地植えの場合は、一度植えたら簡単には動かせません。「10年後、この株はどれくらい大きくなっているかな?」と想像しながら、最初の「植える場所」を厳選することが、将来の成功を(ほぼ)左右する、と言っても過言ではありません。

先ほどからお話ししている通り、「午前中に柔らかい日がたっぷりと当たり、夏の午後の強い西日や直射日光は避けられる」ような、明るい半日陰がベストプレイスです。一日中日陰だと花付きが悪くなりますし、一日中強すぎる日光に当たり続けると葉焼けや水切れで株が弱ってしまいます。家の東側や、落葉樹の下などが理想的な場所になることが多いですね。

土壌改良で快適なベッド(土)を

また、アジサイ類は全般的に、水はけが良すぎても(すぐに乾燥する砂地など)、悪すぎても(ずっとジメジメしている粘土質など)育ちが悪くなります。適度な保水性と排水性を兼ね備えた、ふかふかした土壌が理想です。

もし植える場所の土が粘土質で固かったり、逆に砂地で水持ちが悪かったりする場合は、植え付ける前にぜひ「土壌改良」をしてあげてください。掘り上げた土に対して、完熟した腐葉土やバーク堆肥を3〜4割程度、水はけが悪ければパーライトなども混ぜ込んで、土をふかふかに改良してあげること。この「ひと手間」が、その後の根の張り方、つまり成長に大きく、大きく影響しますよ。

一度植えたら、株がしっかり根付くまで(最低でも2〜3年)は、頻繁に植え替えるのは避けましょう。植物も「お引越し」は大きな体力を消耗し、根が切れることで大きなダメージを受けます。じっくり腰を据えて、その場所で成長させてあげるのが一番です。

寒冷地での冬越しと霜よけの方法

ラグランジア ブライダルシャワーは、アジサイの中では耐寒性がある方とされており、品種の公式な情報では「耐寒性ゾーン7a」つまり約-15℃程度まで耐えられる、とされています。

しかし、ここで冷静になって注意したいのは、この温度はあくまで「株全体が枯死しない」限界の目安であり、「春に咲く、あのデリケートな花芽が無傷でいられる」温度ではない、ということです。

特に寒風が常に吹き付ける場所や、放射冷却で地面が凍りつくような場所では、枝の水分が奪われて乾燥凍結したり、強い霜が降りたりすることで、枝の中の花芽だけがピンポイントでダメージを受けて壊死してしまうことがあります。「春になって葉は元気にたくさん出てきたのに、花だけがなぜか咲かない…」という場合は、冬の寒さや乾燥が原因かもしれません。

寒冷地・積雪地での具体的な冬越し対策

  • 鉢植えの場合(最強の対策): 凍結や雪の重みを避けられる、軒下や風の当たらない壁際、あるいは無暖房の明るい玄関や物置などに取り込むのが一番安全で確実です。
  • 地植えの場合(マルチング): 根が凍らないよう、株元(根が張っていそうな範囲)を、腐葉土やバークチップなどで厚め(5〜10cm目安)に「マルチング(お布団をかける)」して、地面の凍結から根を守ります。
  • 地植えの場合(雪囲い・防風): 枝は雪の重みで折れやすいので、軽く束ねて支柱を立てたり、雪囲いをしたりすると安心です。また、寒風が直接当たるのを防ぐために、寒冷紗や不織布で株全体をふんわりと覆うのも効果的です。
  • 遅霜(おそじも)対策(最重要!): これが一番厄介です。春先に暖かくなって「お、新芽が動き出したぞ!」と喜んだ後、天気予報で氷点下になりそうな「遅霜」の予報が出たら、最大限の警戒を。動き出した柔らかい花芽は霜に非常に弱いです。その日だけでも、寒冷紗や不織布、あるいは古いシーツなどを株全体にふんわりとかけて、花芽を霜から守ってあげてください。

咲かせるための剪定は花後すぐ

何度も、何度も繰り返してしまいますが、ここがラグランジア ブライダルシャワーを育てる上で、最も重要で、最も間違えやすく、そして最も「咲かない」原因に直結するポイントです。

ラグランジア ブライダルシャワーを来年、確実に咲かせる一番簡単な方法は、驚くかもしれませんが、「基本的に剪定しない」ことです。ハサミは使わない、と決めてしまうこと。

なぜなら、この品種はもともと樹形が暴れにくく、細い枝が重力に従ってしなやかに枝垂れるように咲く、その「自然な樹形」こそが最大の魅力だからです。「剪定」という作業から解放され、自然のままの姿を楽しむ。これが、一番失敗がない育て方だと私は思います。

もし、どうしても、数年育てて「株が大きくなりすぎた」「通路にはみ出して邪魔になってしまった」という場合だけ、必ず、花が終わった直後(できれば7月頃まで)に作業を終えてください。なぜなら、先ほどからお話ししている通り、それ以降(8月頃から)は、もう来年の花芽が枝の中で作られ始めているからです。

ブライダルシャワー剪定の絶対的な鉄則(まとめ)

ルール 具体的な内容 理由
原則 剪定しない(推奨) 自然樹形が美しく、花芽を切るリスクがゼロになるため。
切る場合 花が終わった直後(7月中)までに、最小限に済ませる。 来年の花芽が作られる「前」に作業を終えるため。
NG時期 8月以降〜翌春まで 既にできている来年の花芽を切り落としてしまうため。
冬の枝 「枯れ枝」と絶対に間違えて切らない。春までひたすら待つ! その細い枝の節々に、花芽が休眠しているため。

切る場合も、花が咲いた枝の花首から2〜3節下で軽く切り戻す程度に留め、株全体を半分にするような強引な「強剪定」は、花が咲かなくなるリスクが非常に高いので、避けた方が無難です。

ラグランジア ブライダルシャワーが咲かない悩み解決

満開のラグランジアブライダルシャワーを見上げるガーデナーの後ろ姿

ここまで、ラグランジア ブライダルシャワーが咲かない原因と対策を詳しく見てきました。いかがでしたでしょうか。

その原因の多くは、品種そのもののせいではなく、その「側芽咲き(すべての節から咲く)」や「旧枝咲き(花芽は夏にできる)」という、私たちを魅了するユニークな特性を、私たちがまだよく知らずに、従来のアジサイと同じ管理をしてしまったことによる、ちょっとした「すれ違い」にありそうですね。

来年こそ、あの溢れるような純白の花のシャワーを、あなたのお庭で楽しむために。私たちができることは、実はとてもシンプルです。

「秋以降は絶対に切らない(剪定しない勇気)」と、

「花芽が作られる夏場の、カラカラにさせない適切な水やり」、そして

「たくさんの花を咲かせるための、十分な日照(特に午前中の光)の確保」

まずは、この3つを、来年の花が咲くまでの「お約束」として意識するだけで、咲かない悩みはかなり解決できるかなと思います。

この花は、適切に管理すれば、本当に驚くほどのたくさんの花で私たちを魅了してくれる、素晴らしいポテンシャルを持った革新的なアジサイです。もし今、咲かずに悩んでいても、どうか諦めずに、「今年はすれ違っちゃっただけ。来年こそは!」という気持ちで、ぜひチャレンジを続けてみてくださいね。その待った時間に見合うだけの、言葉を失うほど素晴らしい景色を、きっとあなたのお庭で見せてくれるはずです。

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