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こんにちは。My Garden 編集部です。
春の花屋さんやホームセンターの園芸コーナーで、こんもりと美しいドーム状に咲き誇るボンザマーガレット、本当に可愛らしくて目を惹きますよね。その完璧なまでの仕立てと圧倒的な花数に惹かれて、「私もあんな風に育ててみたい!」「お迎えしたい!」と思うものの、いざボンザマーガレットの育て方を本格的に調べ始めると、「あれ、なんだか管理が難しそう…」「私にできるかな…」と急に不安になっていませんか?
「本当にピンチ(摘芯)は不要なの?何もしなくてもあの形になる?」「植え付け時期は秋と春、結局どっちがいいんだろう?」「水やりや肥料のタイミングが分からない…やりすぎたり、足りなかったりしそう…」といった基本的な疑問から、「花が終わった後の切り戻しの方法は?どこまで切っていいの?」「ガーデニング上級者でも難しいと聞く“夏越し”や、初めての“冬越し”の具体的な対策は?」まで、特にガーデニング初心者の方にとっては、次から次へと心配事がでてきて、お迎えするのをためらってしまうかもしれません。
この記事では、そんなボンザマーガレットの育て方に関するあらゆる疑問や不安に対して、基本のステップから、季節ごとのお手入れのコツ、さらには「なぜそうするのか?」という植物生理に基づいた理由まで、ポイントをぎゅっと絞って、できるだけ分かりやすく、そして詳しくお伝えしていきますね。初心者の方がつまずきがちなポイントも、私の経験を交えながらしっかりフォローします。これを読めば、きっと「私にもできそう!」と自信を持って、ボンザマーガレットを育て始められるかなと思います!
この記事のポイント
- ボンザマーガレット最大の特徴「ピンチ不要」の秘密
- 植え付けから開花まで!基本の育て方ステップ
- 長く楽しむための季節ごとのお手入れ(夏越し・冬越し)
- 失敗しない水やり・肥料・切り戻しのコツ
失敗しないボンザマーガレット育て方
まずは、ボンザマーガレットをお迎えする前に、絶対に知っておきたい基本中の基本をしっかり押さえていきましょう。植物を育てる上で、この「最初の準備」が成功の半分以上を占めていると言っても過言ではありません。ここをクリアしておけば、ガーデニング初心者の方でも安心して、あの夢のような満開の姿を目指せるはずです。最大の特徴である「ピンチ不要」の秘密から、苗選び、土作り、植え付けの準備まで、丁寧にていねいに見ていきましょう。
特徴:ピンチ(摘芯)は不要

ボンザマーガレットの育て方を語る上で、一番うれしい、そして最大の革命的な特徴が「ピンチ(摘芯)が不要」なことだと思います。これこそが、サントリーフラワーズさんの育種技術の結晶なんですよね。
従来の一般的なマーガレットは、春先に「ピンチ」という作業が必要不可欠でした。これは、植物の先端の芽(頂芽)が、植物ホルモン「オーキシン」の力で優先的に伸びようとする性質(「頂芽優勢」と言います)を抑えるため。この頂芽をあえて摘み取ることで、それまで抑えられていた脇から出る芽(側芽)の成長を促すスイッチを入れるわけです。これをしないと、茎が数本だけひょろっと上に伸びてしまって、株の真ん中がスカスカに割れたような、ちょっと残念な姿になってしまうことも多かったんです。
でも、このボンザマーガレットは、長年の育種開発の技術によって、その頂芽優勢の性質が遺伝的に弱まるように改良されています。つまり、私たちが何もしなくても、放っておいても自然に枝分かれしてくれる(セルフブランチング)能力が、とっても高いんです!主茎が伸びると同時に、側枝も旺盛に伸びてくるんですね。
だから、私たちが「どこを切ればいいんだろう…」「タイミングは今で合ってる?」と悩んでお手入れしなくても、植えておくだけで、あのこんもりと美しい、プロが仕立てたようなドーム状の草姿に自然と育ってくれる。これは本当に画期的ですよね!
ボンザマーガレットのすごいところ!
- ピンチ(摘芯)一切不要:自然に枝分かれして、誰でも簡単にあの美しいドーム状に仕立てられます!
- 圧倒的な花付き:春には株を覆い尽くすように、文字通りこぼれるように満開になります。
- 改良された丈夫さ:従来のマーガレットが持っていた夏の暑さへの弱さなどを克服し、より日本の気候で育てやすく改良されています。
ガーデニング初心者の方で「剪定とか難しそう…」「どこを切ったらいいか分からなくて失敗しそう…」とためらっていた方や、「忙しくてこまめなお手入れはちょっと苦手かも…」という方にも、まさにピッタリの、救世主のようなお花かなと思います。この「手間がかからない」という特性が、ボンザマーガレットが広く愛されている最大の理由なんですね。
植え付け時期は秋か春か
ボンザマーガレットを新しく植え付けるのに最適なシーズンは、大きく分けて年に2回あります。ひとつは「秋(10月上旬〜11月中旬頃)」、もうひとつは「春(2月中旬〜4月中旬頃)」ですね。(東北や北海道などの寒冷地では、雪解けを待って5月上旬頃に春植えをすることもあります)
「どっちの時期に植えるのがベストなの?」と迷うかもしれませんが、もしお住まいの地域で秋に苗が手に入り、冬越しが可能なのであれば、断然「秋植え」を強く、強くおすすめします!
秋植えの圧倒的メリット:春の爆発的な成長
なぜここまで秋植えを推奨するかというと、春に咲く花の数、つまり株のボリューム感と豪華さが、春植えとは比べ物にならないくらい圧倒的に良くなるからです。
これにはちゃんとした植物生理学的な理由があります。秋は、これから寒くなるぞという時期なので、地上部(葉や茎)の成長はゆっくりになります。一方で、地温(土の中の温度)はまだ夏の温かさが残っていて比較的安定しています。この絶好のタイミングで植え付けてあげることで、ボンザマーガレットは、本格的な冬の寒さが来る前に、エネルギーを地上部ではなく「地下部(根)」に集中させて、土の中でしっかりと根を張り巡らせる時間(これを「活着」と言います)をたっぷり確保できるんです。
冬の間、地上部は寒さで縮こまっているように見えても、土の中では春への準備が着々と進んでいます。そして、冬の間に土の中で強固な根系ネットワークという名の「強力なエンジン」を構築できた株は、春になって気温が上がると同時に、待ってました!とばかりに爆発的な成長を見せてくれます。充実した根(ソース)が、これから必要になるたくさんの茎葉や花(シンク)を支えるための栄養や水分を、ためらうことなくぐんぐん吸い上げてくれるからですね。結果として、春に植えた株よりも、何倍も大きく、何倍も花数の多い、立派な姿で咲き誇ってくれるんです。
春植えのメリットと注意点
もちろん、春植えがダメというわけでは全くありません!私も春に新しい色をお迎えすることはよくあります。春植えの一番のメリットは、なんといっても購入して植え付けたら、すぐに開花を楽しめる「即効性」ですね。お花屋さんで一番きれいな時期に選べるのも魅力です。
それに、「ピンクレモネード」や咲き進むと色が変わる「サンライズピンク」、清楚な新品種「クリームホワイト」といった人気の花色や、その年限定の希少品種などは、やはり園芸シーズン本番の春のほうが流通量も圧倒的に多く、手に入りやすい傾向があるかなと思います。「この色が絶対に欲しい!」と決めている場合は、春が狙い目かもしれません。
春植えで特に気をつけること:水切れリスク
ただし、春植えは注意点もあります。春は気温の上昇とともに地上部(葉や茎)が「早く大きくなりたい!」とどんどん成長しようとします。が、同時に根も張らなければならず、まだ十分に張りきっていない根からの吸水量(インプット)が、葉からの蒸散量(アウトプット)に追いつかなくなる「水切れ」を起こしやすくなるリスクがあります(この地上部と地下部のバランスをT/R比と言ったりします)。
春に植える場合は、根鉢(ポットから抜いたときの土と根の塊)をガチガチに固まっていなければあまり崩しすぎないように優しく植え付け、特に最初のうちは水切れさせないよう、水管理をいつも以上に徹底することが重要ですね。
元気な苗の選び方(スタートダッシュの鍵)

どちらの時期に植えるとしても、スタートダッシュを決める「苗選び」はとても大切です。ここで良い苗を選べるかどうかが、その後の成長を大きく左右します。
時々、お店の奥の方で、茎がヒョロリと間延びして、葉の色も薄く、頼りない姿の「軟弱徒長苗」を見かけることがありますが、こういった苗(日照不足や肥料切れのサイン)は、植え付けてからの初期生育が遅れがちなので、できれば避けたいところ。
理想的なのは、節と節の間がキュッと詰まっていて(徒長していない証拠)、株元がグラグラせず、茎ががっしりとしている苗です。そして、下葉までイキイキとした濃い緑色をしている苗。こういう苗は、光合成をしっかり行えている健康な証拠です。もし可能なら、ポットの底穴をそっと覗いてみて、白くて元気な根が少し見えている状態なら、根張りも順調で最高ですね!
基本の土と培養土の改良
ボンザマーガレットは生育がとても旺盛で、春にはあの巨体を支えるために、根っこもものすごい勢いで成長します。そして、その活発な根は、たくさんの「酸素」を必要とします。だから、土選びで一番、本当に一番大切なのは「水はけ(排水性)」と「通気性」です!
もし水はけが悪いジメジメした土、例えば粘土質の重い土や、古い土をそのまま使ってしまうとどうなるでしょう?水やりをした後、土の隙間(間隙)がずっと水で満たされたままになり、根っこが呼吸できなくなって(酸素欠乏)、文字通り窒息してしまいます。こうなると、根は数日のうちに機能を停止し、「根腐れ」を起こしてしまいます。地上部があんなに元気そうに見えても、命綱である根がダメになると、一気に株全体が枯れてしまうので、ここは絶対に失敗したくないポイントですね。
根腐れの具体的なサインや、万が一なってしまった場合の対策については、「根腐れの原因と対処法!症状の見分け方と復活のコツ」の記事も参考になるかもしれません。
一番簡単なのは「市販の培養土」+α(ひと手間)

ガーデニング初心者の方にとって、一番簡単で確実なのは、やはり市販の「花と野菜用の培養土」や「草花用の培養土」を使う方法ですね。これなら、植物の生育に必要な基本的な肥料(元肥)があらかじめ入っている製品が多いですし、pH(酸度)も調整済みなので、そのまま使えて本当に便利です。
ただし、市販の培養土の中には、保水性を重視するあまり(例えばピートモスが多く配合されている場合など)、ボンザマーガレットにとっては少し水はけが重すぎる(水持ちが良すぎる)と感じるものもあります。
市販の培養土を最強の「ボンザ仕様」に改良!
もし使う培養土を袋から出して触ってみて、「ちょっと粘土質っぽいな」「なんだか湿っぽくて重たいな」と感じたら、ぜひ“ひと手間”加えて改良するのがおすすめです。
その培養土全体に対して、「川砂(なければパーライトでもOK)」を1割〜2割ほど混ぜ込んでみてください。川砂は粒が崩れず物理的な隙間を作り、パーライトは土を軽くしつつ排水性を高めてくれます。たったこれだけで、土全体の通気性と排水性が劇的に改善され、根腐れリスクを大幅に減らすことができますよ!
自分で土をブレンド(配合)する場合(中級者向け)
もし土作りからこだわりたい!という場合は、基本の配合例として「赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2」くらいの割合が、水はけと保水性(&保肥力)のバランスが良いとされています。
- 赤玉土(5割): 火山灰土で団粒構造を持ち、水と空気のバランスを取る基本の土(ベース用土)です。
- 腐葉土(3割): 落ち葉が発酵したもので、有機質を補給し、土壌微生物の住処となり土をふかふかにします。また、土の保肥力(肥料を蓄える力)や緩衝能(pHの急激な変化を防ぐ力)を高める重要な役割も果たします。
- 川砂(2割): 粒が崩れにくく、土の中に水と空気の通り道(物理的な排水路)をしっかり確保する「排水のエキスパート」ですね。赤玉土が崩れて微塵化しても、最低限の通気性を維持する保険の役割も担います。
土の基本については、「ガーデニング土壌改良の教科書!ふかふかの土の作り方」の記事でも詳しく解説しているので、よかったらこちらも参考にしてみてください。
鉢植えとプランターの選び方
最高の土が準備できたら、次はその土を入れるお家、つまり鉢やプランター選びですね。ここでも大事なのは「サイズ感」です。
ボンザマーガレットは、秋に植えた株が春に満開になると、最終的に横幅30cm〜40cmくらい、品種によってはそれ以上にこんもりとした見事なドーム状に茂ります。かなり立派になりますよね!これをイメージして、将来窮屈にならないサイズを選んであげることが大切です。
植え付け株数の目安(鉢・プランターサイズ別)
| 鉢・プランターのサイズ | 規格 | 植え付け株数の目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 丸鉢(標準) | 直径 約24cm(8号相当) | 1株 | 1株でこんもりと豪華な「一鉢仕立て」を楽しむのに最適です。 |
| 丸鉢(大きめ) | 直径 約30cm(10号相当) | 1株〜2株 | 1株なら余裕を持って、2株なら豪華ですが蒸れに注意が必要です。 |
| 標準プランター | 幅 約65cm | 2〜3株 | 株間(株と株の間隔)を均等に空けて植えます。3株だとすぐに一杯になりますね。 |
ここでガーデニング初心者の方がやりがちなのが、「どうせ大きくなるんだから!」「植え替えが面倒だから!」と、買ってきたばかりの小さな苗(例:3号ポット)を、いきなり巨大な鉢(例:12号鉢)に植えてしまうこと…。実はこれは、植物の成長にとってあまりおすすめできません。
なぜかというと、小さな苗の吸水能力に対して、土の量が圧倒的に多すぎる(=余分な水分が多すぎる)ためです。植物が吸いきれない水分が土の中に長く滞留し、結果として土がずっと湿った状態が続いてしまい、乾湿のサイクルが崩れ、根の成長が妨げられたり、最悪の場合は根腐れの原因になってしまうことがあるんです。植物の根は、適度に乾燥することで「水を求めて」伸びていく性質(根域制限)もあるので、いきなり広すぎる環境は逆効果になることもあるんですね。(とはいえ、ボンザマーガレットは成長が非常に早いので、春に植えるなら最初から8号鉢に植えてしまうのは、現実的な選択肢としてアリかなと思います)
鉢の材質:素焼き鉢 vs プラスチック鉢、どっちがいい?
鉢の材質も、水やりの頻度や育てやすさに意外と影響します。それぞれのメリット・デメリットを理解しておきましょう。
- 素焼き鉢(テラコッタ): 土を焼いて作られており、鉢の側面からも水分が蒸発し、空気も通すので、通気性は抜群です。土が乾きやすく、根腐れ防止には最強かもしれません。また、夏の高温時に鉢内の温度が上昇しすぎるのを抑えてくれる効果もあります。(デメリット:乾燥が早いため、水やりの回数は増える傾向にあります。また、鉢自体が重く、割れやすいです。)
- プラスチック鉢(プラ鉢): 軽くて扱いやすく、安価で、デザインも豊富なのが魅力です。材質が水を通さないため、保水性が高いのが特徴です。(デメリット:通気性が悪いため、土が乾きにくく、過湿になりやすいリスクがあります。特に真夏は、直射日光で鉢内の温度が非常に上昇しやすく、根が蒸れて傷む原因にもなります。)
結論として、ボンザマーガレットの「過湿を嫌う」性質を考えると、素焼き鉢の方が相性は良いかなと思います。もしプラ鉢を使う場合は、特に水はけの良い土を使い、水やりの頻度に気をつける必要がありますね。ご自身の水やりスタイル(こまめにあげられるか、忘れがちか)や、置く場所の環境(乾燥しやすいか、湿気がちか)に合わせて選ぶのが一番良さそうです。
よく咲く日当たりと置き場所
ボンザマーガレットは、太陽の光が大好きないわゆる「陽生植物」です。あのたくさんの花を咲かせるためには、葉でたくさんの光合成を行って、莫大なエネルギー(光合成産物=糖)を作り出す必要があります。つまり、光合成産物の蓄積量が、そのまま花数に直結すると言ってもいいくらいなんです。
ですから、置き場所の必須条件は、とにかく「半日以上(できれば一日中)、直射日光がしっかり当たる場所」これに尽きます!
もし、日当たりが足りない場所(例えば半日陰や、明るい日陰)で育てると、どうなるでしょうか…?
植物は、生き残るために少しでも多くの光を求めて、茎をヒョロヒョロと間延びさせてしまいます。これが「徒長(とちょう)」という生理反応ですね。徒長すると、見た目がだらしなくなる(節間が伸びてスカスカになる)だけでなく、組織全体が軟弱になり、細胞壁も薄くなってしまいます。その結果、病気や害虫(特にアブラムシなど)への抵抗力が著しく低下してしまいます。そして何より、肝心の花芽を分化させるためのエネルギーが不足して、花数が激減してしまいます。
ベランダでもお庭でも、その場所で一番日当たりが良く、同時にもう一つ大事な「風通し」も良い「特等席」を、ぜひボンザマーガレットのために用意してあげてください!風通しは、蒸れを防ぎ、病気を予防するためにも日照と同じくらい重要です。
置き場所の最重要注意点:コンクリートへの「直置き」は厳禁!

「うちはベランダで日当たり最高だから大丈夫!」と安心して、コンクリートの床や、お庭のアスファルトなどの上に鉢を直接置くのは、絶対に避けてください。これは夏も冬も、根にとって非常に過酷な環境を作ってしまいます。
- 夏場(熱害): 真夏の日中、コンクリートは強烈な照り返しの熱を発します。鉢の中は、外気温+照り返し熱で、ときに50℃を超えるような「蒸し風呂」状態になり、根が文字通り「煮えて」しまい、回復不能なダメージを受けてしまいます。
- 冬場(底冷え): 逆に冬場は、夜間の放射冷却で地面がキンキンに冷えます。その「底冷え」が直接鉢に伝わり、土の中の水分が凍結し、根の細胞壁が破壊されて傷んでしまいます(霜害と同じメカニズムです)。
これを防ぐためには、フラワースタンドやレンガ、スノコ、鉢スタンド(キャスター付きなど)を利用して、必ず鉢底と地面の間に「空気の層」を作ってあげてください。この空間が断熱材の役割を果たし、通気性も確保してくれるため、根を熱害や凍害から守るための非常に重要なテクニックになります!
もっと楽しむボンザマーガレット育て方
さて、基本的な植え付けの準備と環境が整いましたね。ここまでの「失敗しない」ための基盤作りができていれば、ボンザマーガレットは春にきっと美しい姿を見せてくれるはずです。ここからは、さらにそのポテンシャルを最大限に引き出して、春に「感動的な」満開の姿を楽しみ、さらにその先、夏や冬を越して長くお付き合いするための、一歩進んだ育て方のコツをご紹介します。日々の水やりや肥料のさじ加減、そして季節ごとに行うべき剪定やお手入れが鍵になりますよ。
水やりの基本と季節ごとの注意点
ガーデニングのお世話で一番基本的でありながら、一番奥が深く、多くの人が失敗する原因ともなるのが「水やり」かもしれません。「水やり三年」という言葉があるくらい、植物と土の状態を見極める技術の習得は難しいんですよね。ボンザマーガレットの水やりで常に意識したいのは、土がずっと湿っている状態(過湿)を極端に嫌うため、「乾湿のメリハリ」をしっかりつけることです!
基本のルールは、これだけです。シンプルですが、これが全てと言ってもいいくらい重要です。
「土の表面が白っぽく乾いたら、鉢底の穴から水が流れ出てくるまで、たっぷりと与える」
土がまだ湿っているのに「昨日あげたから今日も」「毎朝のルーティンだから」と義務感で水やりをしてしまうと、根が常に水に浸かった状態になり、呼吸ができず「根腐れ」の最大の原因になります。逆に、カラカラに乾かしすぎると、水を吸うための大切な細い根(細根)が乾燥して枯死してしまい、株が弱る原因になります。この両極端を避けることが大切です。
必ず水やりの前に、土の表面を指で軽く触ってみて、「乾いたな」と確認してからあげるクセをつけましょう。土の色(乾くと白っぽく、湿ると濃い茶色になる)で判断したり、鉢全体を持ち上げてみて「あ、軽くなったな」と感じたら乾いているサイン、というのも分かりやすいですね。
なぜ鉢底から流れるまで「たっぷり」あげる必要があるの?
これには単に水分を補給する以外に、2つの非常に大事な意味があります。
- ガス交換(酸素供給): 土の中に溜まった古い空気(根が呼吸して排出した二酸化炭素など)を、新しい水の力で鉢底から押し出して、根の周りに新鮮な酸素を供給するため。根も私たちと同じように呼吸(酸素が必要)しているんです。
- 塩類除去(土壌リセット): 水やりに使った水道水に含まれる微量なミネラルや、与えた肥料の残りカス(塩類)は、土の中に少しずつ蓄積していきます。これを放置すると土壌環境が悪化するので、たっぷりの水で洗い流し、土壌環境をリセットするためです。
「ちょろちょろ」と表面だけ湿らせる水やり(これが一番ダメな水やりです)は、これらの効果が全く得られず、根も表面にしか張らなくなるので絶対にNGですね。
上からジャーはNG!株元にあげましょう

水やりの時、特に花がたくさん咲いている時期に、ジョウロのハス口(シャワー状になる部分)で、株全体の上から「ザ〜ッ」と豪快にかけるのは、できれば避けたほうがいいかなと思います。
なぜかというと…
- 繊細な花弁や蕾に水が溜まると、そこがシミになったり、重みで傷んだり、腐敗の原因になります。
- 葉や茎が長時間濡れていると、特に湿度が高い時期(梅雨など)は、「灰色かび病(ボトリチス菌)」などの病原菌が非常に繁殖しやすい環境を作ってしまいます。このカビは、濡れた花弁や枯れた葉が大好きなんです。
ちょっと一手間かもしれませんが、葉っぱをそっと持ち上げて、株元の土に直接お水を注ぐ(スポット水やり)のが、病気を防ぎ、株をきれいに保つためのベストな方法です。これなら地上部(花や葉)は乾いた状態を保ちつつ、根に必要な水分だけを効率よく届けられますね。
季節ごとの水やり頻度とタイミング(最重要)
水やりの頻度は、季節や天気、鉢の大きさ、株の成長度合いによって毎日変わります。「週に何回」というカレンダー通りの管理ではなく、必ず「土の乾き」という“植物のサイン”で判断しましょう。
季節別・水やりのポイント
| 季節 | 状態 | 水やりの頻度・タイミング |
|---|---|---|
| 春・秋 | 生育旺盛期 | 土が乾きやすい。天気が良い日はほぼ毎日〜2日に1回になることも。「乾いたらたっぷり」の基本を守る。時間帯は午前中がベスト。 |
| 夏 | 休眠・ストレス期 | 株はバテ気味だが蒸散は激しい。水やりは「朝の涼しい時間帯(午前9時頃まで)」に1回済ませるのが鉄則!
<NGタイミング> ・昼間:絶対NG!鉢内水温が上昇し「お湯」になり、根が茹だって枯死します。 ・夕方:厳禁!土が湿ったまま熱帯夜を迎え、夜間の高温多湿で「立ち枯れ病」などの病原菌が爆発的に増殖する最大のリスクとなります。 |
| 冬 | 低温休眠期 | 生育が緩慢で蒸散量も少ないため、土はかなり乾きにくくなる。「表面が乾いたことを確認してから、さらに数日待つ」くらいのペースでも良いくらい。過湿は根を傷め、凍結・腐敗の原因に。ただし、完全にカラカラに乾燥させると根が枯死するので注意。暖かい日の午前中に与えるのがベスト。 |
肥料を与える時期と頻度
ボンザマーガレットは、春にあれだけたくさんの花を、休むことなく次から次へと咲かせ続けるため、かなりの「肥料食い」さん(多肥性)とも言われます。人間でいえば、フルマラソンを走りながら、さらに短距離ダッシュを繰り返しているような、ものすごいエネルギー消費量のアスリートみたいなものかもしれません。
そのため、エネルギー源である肥料が切れてしまうと、途端にスタミナ切れを起こします。具体的には、花数が目に見えて減ったり、花色が薄くぼやけてきたり、株のエネルギーを新芽に集中させるために、下葉から黄色くなってきたり…と、分かりやすいSOSのサインが出てきます。
だから、生育期(春と秋)には、肥料を切らさないように、計画的にしっかり与え続けることが、あの見事な満開を維持し、株を疲れさせないために非常に大切なんです!
基本の施肥プログラム:緩効性+速効性の合わせ技

植物の生育には、特に「窒素(N:葉や茎を作る、葉肥)」「リン酸(P:花や実を付ける、花肥)」「カリウム(K:根を丈夫にし、環境ストレスへの抵抗力を高める、根肥)」の三大栄養素が重要です。ボンザマーガレットには、これらがバランスよく、特にリン酸が多めに配合された肥料が向いていますね。
ボンザマーガレットの施肥カレンダー(推奨プラン)
- 元肥(もとごえ): 植え付けの時、土にあらかじめ混ぜ込んでおく「ベース肥料」です。「マグァンプK」のような「緩効性肥料」(ゆっくり長く効くタイプ)を使います。これで植え付け直後の初期生育をしっかりサポートします。
- 追肥(ついひ): 生育が旺盛になる春(3〜6月頃)と秋(10〜11月頃)に与える「追加肥料」です。この時期は肥料切れ厳禁!
スタミナ源となる「固形肥料」と、即効性のある「液体肥料」、この両方を併用するのが、スタミナ切れさせず、最高のパフォーマンスを引き出す一番のおすすめプランです!
特に、冬の終わり(2月下旬頃)から春先にかけては、春の開花ラッシュ(フラッシュ)に備えるための、一年で一番大事な「仕込み」の時期。この時期に肥料をしっかり効かせておくと、春に形成される蕾の数が断然違ってきますよ!
夏と冬の肥料は?(超重要!メリハリを!)
夏(高温ストレス期)の肥料 →【原則ストップ!】
原則ストップ(施肥厳禁)です!
夏は高温で株も根もバテバテになっています。根の養分吸収機能が著しく低下しているため、この時期に肥料を与えても、ほとんど吸うことができません。それどころか、吸われない肥料が土壌中に蓄積して濃度が上がりすぎ、浸透圧障害(いわゆる「肥料焼け」)を起こして根をさらに傷めたり、根腐れを助長する「毒」になってしまうことさえあります。夏は「がんばれ!」と肥料をあげるのではなく、「休んでいいよ」と肥料を我慢して、涼しくなるのを待つのが正解です。
冬(低温休眠期)の肥料 →【ごくごく控えめに】
ごく控えめにします。
気温が低くなると生育が緩慢(ほぼストップ)になるため、肥料はほとんど必要ありません。もし与えるとしても、液肥の濃度を普段の倍以上(例:1000倍〜2000倍程度)に薄めたものを、暖かい日の日中を選んで、2週間に1回程度与えるくらいで十分です。寒い時期の過剰な施肥は、吸われないまま土に残り、根を傷める原因になります。
葉が黄色くなったら?(栄養診断)
栽培中、葉が黄色くなる現象はよくありますが、その「現れ方」によって原因はいくつか考えられます。慌てず、どこが黄色くなっているかをよく観察してみましょう。
- 下葉(古い葉)から順番に黄色くなってきた: これは「肥料不足(特に窒素)」の典型的なサインである可能性が高いです。窒素やマグネシウムなどの「植物体内で移動しやすい養分」が不足すると、植物は生き残るために、それらの養分を古い下葉から分解・回収し、成長点である新しい新芽へ転送して再利用しようとします(これを「転流」と言います)。その結果、古い下葉が犠牲になって黄色くなります。この場合は、追肥(特に速効性のある液肥)を与えてみましょう。(ただし、株元の葉が混み合って単に日照不足で枯れたり、生理的な老化の場合もあります)
- 新芽(上の方の新しい葉)が黄色い(葉脈は緑): これは「鉄」や「カルシウム」などの「移動しにくい養分」の欠乏(クロロシス)が考えられますが、多くの場合、土の中に養分がないのではなく、根腐れや根詰まりで「根の機能が低下」し、吸いたくても吸えない状態になっている可能性が高いです。根の状態をチェックする必要があります。
- 葉全体がなんとなく黄ばんで元気がなくなってきた: これは、上記の肥料不足とは逆に、肥料の与えすぎ(肥料焼け)で、土の中の塩類濃度が高くなりすぎ、浸透圧の関係で逆に根が水分を吸えなくなっている(浸透圧障害)可能性も。この場合、大量の水を与えて土の中の余分な肥料分を鉢底から洗い流す「リセット水やり」が有効な場合があります。
花柄摘みと切り戻しのコツ
「ピンチ(摘芯)は不要」で手がかからないボンザマーガレットですが、その美しさを長く、最大限に楽しむためには、「花柄摘み」と「切り戻し」という2つの重要な外科的処置(剪定)がとっても重要になってきます。どちらも、植物のホルモンバランスやエネルギー配分を私たちが意図的にコントロールして、より良い状態に導くための大切な作業ですね。
花柄摘み(デッドヘディング)の生理学的意義

これは、咲き終わった花(花柄)をこまめに摘み取る作業です。もちろん、枯れた花を取り除いて見た目をきれいにする(美観維持)という大切な目的もありますが、それ以上に重要な「生理学的な意義」があります。
植物にとって、花が咲き終わって受粉が成功すると、「子孫(種子)を作る」という、その個体にとっての最大のミッションがスタートします。この「種子」は、植物体内の養分(光合成で作った貴重なエネルギー)をものすごい勢いで吸い寄せる、超強力な「シンク(受容部)」なんです。
これを放置するとどうなるか?
株のエネルギーがすべて種子作りに奪われてしまい、次の新しい蕾(つぼみ)を作るためのエネルギーが回ってこなくなります。その結果、連続開花性が著しく損なわれ、花数がガクッと減ってしまうんですね。
花柄を、花首の付け根(できれば次の蕾のすぐ上)から摘み取ることで、この「種子形成プロセス」を強制的に遮断!「あ、種作りが失敗した。じゃあ、もう一回花を咲かせて子孫を残すチャンスを作らなきゃ!」と植物に“勘違い”させることで、エネルギーを次の花芽分化へと回させ、次々と花を咲かせ続けることができるわけです。
また、副次的な効果として、枯れた花弁は湿気を含むとカビ(特に灰色かび病)の絶好の温床になるため、これを除去することは、株を清潔に保つ衛生管理(サニテーション)の面でも非常に重要ですね。
切り戻し(プルーニング)の理論と実践
「切り戻し」は、花柄摘みのような細かい作業とは違い、株全体をある程度の高さでバッサリと刈り込む、少し勇気がいる強めの剪定です。
<実施する最重要タイミング>
- 春の花が一通り咲き終わり、花数が減ってきた頃(5月下旬〜梅雨入り前): これが一年で一番重要な切り戻しです!目的は、あの過酷な日本の夏(高温多湿)を乗り切るための「夏越し対策」です。株が密集したままだと、内部が蒸れて「立ち枯れ病」の巣になってしまいます。バッサリ切って風通しを良くすることが最大の目的です。
- 草姿が乱れてきた時(例:秋口): 夏越しに成功した株が、秋に再び美しい姿で咲くように、夏の終わりに形を整えるために軽く行うこともあります。
<剪定の強度(どれくらい切るか)>
梅雨入り前の切り戻しでは、思い切って、株全体の高さの1/3〜1/2程度を残すイメージで、上部を丸く(ドーム状に)カットします。
切り戻しで絶対に注意したい「木質化」という現象

ボンザマーガレットを長く育てていると、だんだん株元の茎が茶色く、まるで木の幹のように硬く変質してきます。これを「木質化(もくしつか)」と呼びます。
この木質化してしまった部分には、新しい芽の元となる「潜伏芽(せんぷくが)」が非常に少ないか、あっても休眠が深くてなかなか動き出しません。そのため、この木質化した部分しか残らないくらい深く切り戻してしまうと、新芽が全く吹かずに、そのまま枯死してしまうリスクが非常に高いです!
切り戻しを行う際は、必ず緑色の元気な葉っぱが、株全体にしっかり残っている節の「上」で切るようにしてください。これが失敗しないための絶対の安全策です!
(※ちなみに、根が非常に元気であれば、木質化した部分だけの「丸坊主状態」からでも、植物の生存本能で稀に新芽が吹き返す事例も確認されていますが、これは上級者向けの「賭け」に近い処置なので、基本的にはおすすめはしません…)
夏越しの方法と蒸れ対策

ボンザマーガレットの育て方において、最大の難関であり、最大の山場がこの「夏越し」かもしれません…。私も含め、多くのガーデナーがここで涙をのんできました。もともとマーガレットの原産地は、アフリカ大陸の北西沖に浮かぶカナリア諸島という、比較的乾燥した冷涼な気候の場所。一方、日本の夏は、ご存知の通り「高温多湿」。この気候のギャップが、彼女たちにとって最も過酷な環境なんです。
夏に枯らしてしまう一番の原因は、実は高温そのものよりも「高温+多湿」のコンボによる「蒸れ」です。
気温と湿度が高い状態が続くと、土の中ではフザリウム菌やリゾクトニア菌といった、カビの仲間である土壌病原菌が「待ってました!」とばかりに猛烈な勢いで活動を始めます。そして、株が弱ったタイミングを見計らって、茎の地際部(土と接する部分)から侵入して腐敗させ、植物にとっての命綱である水の通り道(道管)を塞いでしまう…。
その結果、地上部はまだ青々としているのに、ある日突然、水やりをしても回復しないほどグッタリと萎れて枯れてしまう、最も恐ろしい「立ち枯れ病(青枯れ状態)」を引き起こしやすくなります。こうなると治療薬はなく、残念ながら株は土ごと廃棄するしかありません。
この最悪の事態を避けるため、夏越しを成功させるためには、以下の対策が必須です!これはもう「対策」というより「儀式」に近いかもしれません。
夏越し成功のための3大鉄則!
- 置き場所の強制移動(最重要): 春まで日向の特等席に置いていた鉢を、直射日光が絶対に当たらない、できるだけ涼しく、そして「風通しの良い」場所へ必ず移動させます。具体的には、家の北側や東側、すだれや50%程度の遮光ネットの下、大きな木の陰などが理想的です。直射日光は葉焼けと地温上昇の元凶です。そして「風通し」が蒸れを防ぐ最大の武器になります。
- 梅雨入り前の「夏越し剪定」: 上記で説明した通り、梅雨入り前に必ず「切り戻し」を行います。これは株をコンパクトにするだけでなく、内部の枝葉を整理して、株の中心部まで風が通り抜ける「隙間」を作るために不可欠な作業です。葉が密集していると、そこが湿気のドームとなり、蒸れは必至です。
- 水やりの徹底管理(超厳戒態勢): 夏の水やりルール(「朝9時までの涼しい時間帯」に限定し、「土が乾いてから」与える)を厳守します。「過湿は厳禁」「夕方の水やりは自殺行為」を肝に銘じましょう。土が乾くか乾かないかのギリギリを攻めるくらいの気持ちで、水やりは控えめにします。
正直なところ、これだけ万全の対策を講じても、日本の猛暑日や熱帯夜が続くような過酷な夏では、夏越しは難易度が高く、うまくいかない年もあります…。私も「完璧だ」と思った年に限って失敗したりしました。
ですから、特にガーデニング初心者の方や、お住まいの地域が特に暑い(例:都市部のアスファルトジャングル)場合は、「夏越しは無理に挑戦しない」と割り切るのも、大切な心の持ち方です。「春から初夏まで、最高の花をありがとう」と感謝して見送り、「春までの一年草」として楽しみ、秋にまたフレッシュな新しい苗をお迎えする、というのも賢明で合理的な楽しみ方の一つかなと思いますよ。無理は禁物です。
冬越しの耐寒性と病気予防
あの神経をすり減らす過酷な夏越しに比べれば、冬越しは比較的やさしいかな、というのが私の実感です。ボンザマーガレットは「半耐寒性」といって、完全な耐寒性(どんな寒さでもOK)はないものの、ある程度の寒さには耐えてくれます。植物としての生育適温は5℃〜25℃くらいで、0℃を下回ると危険ライン、マイナス3℃〜5℃で枯死のリスク大、と覚えておくと良いかもしれません。
冬越しの場所(お住まいの地域別)
冬越しの方法は、お住まいの地域が「0℃を下回るか、下回らないか」で大きく変わります。
- 関東以西の暖かい地域(温暖地): 冬でも最低気温が0℃〜5℃程度で、滅多に氷点下にならないような比較的暖かい地域なら、戸外(屋外)での越冬も可能です。ただし、絶対に守りたい条件が「霜や雪が直接当たらない場所」に置くこと!霜に当たると、植物の細胞内の水分が凍結して膨張し、細胞壁が破壊されて枯死してしまいます(霜害)。雨風や霜雪を直接避けられる「軒下」や「屋根のあるベランダ」などがベストポジションですね。それでも夜間に氷点下まで冷え込みが厳しいと予報が出た日は、不織布(ふしょくふ)をふわりとかけてあげる(被覆保護)と、放射冷却を防いでくれるので、なお安心です。
- 0℃を日常的に下回る寒冷地・豪雪地帯: 最低気温が恒常的に0℃を下回るような寒冷地や、雪に埋もれてしまう地域では、戸外での越冬は不可能です。必ず室内に取り込んでください。ただし、ここでも注意点が。良かれと思って暖房の温風が直接当たるようなリビングなどは絶対にダメです!人間には快適でも、植物にとっては極度の乾燥地獄。葉からの蒸散が激しくなりすぎて、あっという間に葉がチリチリになり、枯死(ドライアウト)してしまいます。理想的なのは、できるだけ日当たりの良い、「暖房の効いていない窓辺」や、凍らない程度の「明るい玄関先」などですね。
注意したい病害虫(早期発見・早期対応)
ボンザマーガレットは改良されて丈夫になったとはいえ、やはり狙われやすい病害虫は存在します。特に株が弱っている時期(春先の急成長期や、夏越し・冬越し中)は注意が必要です。早期発見・早期対応が何より大切ですね。
主な病害虫と対策
- アブラムシ: 春先、気温が上がってくると、どこからともなく飛んできて、新芽や蕾の先にびっしりと群生することがあります。吸汁して株を弱らせるだけでなく、病気のウイルスを媒介することもあるので本当に厄介です。見つけ次第、数が少なければテープなどで物理的に除去、多い場合は薬剤などで早めに駆除しましょう。「アブラムシの簡単な駆除方法!手作りから予防まで
」が参考になるかもしれません。 - ハダニ: 高温で乾燥する時期(梅雨明け後など)に発生しやすい、非常に小さな害虫です。葉裏に寄生し、葉の養分を吸うため、葉の表面が白っぽくカスリ状に抜けてきたら要注意。水に非常に弱いので、定期的に葉裏に霧吹きで水をかける(シリンジ)ことが、物理的な予防になります。大発生すると厄介です。
- 立ち枯れ病(フザリウム菌など): 夏越しの部分でも触れましたが、これが最も恐ろしい土壌伝染性の病気です。梅雨時期や夏の高温多湿期に、地際部が腐って急に萎れます。発病したら治療薬はなく、株は土ごと廃棄するしかありません…。とにかく「水はけの良い土」「過湿にしない」「梅雨前の切り戻しで通気性確保」という“予防策”に尽きます。
- ネコブセンチュウ: 土壌中に生息する微細な生物で、根に寄生して「コブ」を作り、養分や水分の吸収を阻害します。地上部が、水やりをしても回復しない原因不明の萎れを示し始めたら、根を確認してみてください。コブがあればセンチュウ被害の可能性大。これも治療は困難なため、株は廃棄し、土の連作を避け、新しい清潔な用土を使用することが最大の防御です。
病気や害虫の対策(薬剤使用)について
病気や害虫の症状が見られた場合は、早めの対策が肝心です。ホームセンターなどで園芸専用の薬剤(殺虫剤・殺菌剤)を使用する際は、それがその症状や害虫に有効かを確認し、製品のラベルに記載されている使用方法、対象植物、希釈倍率、使用回数、注意事項を必ずよく読んで、正しく使用してくださいね。E-E-A-Tの観点からも、不適切な薬剤使用は推奨できません。
どの薬剤を使えばいいか判断に迷う場合は、自己判断せず、お近くの園芸店やホームセンターの専門スタッフに、可能であれば症状が出ている部分の写真などを持参してご相談いただくのが、一番確実で安全かなと思います。
まとめ:ボンザマーガレット育て方
今回は、ガーデニング初心者の方にも本当におすすめしたい、素晴らしいお花「ボンザマーガレット」の育て方について、基本的な植え付けから、季節ごとのお手入れまで、かなり詳しく、そして熱を込めてご紹介してきました。
「ピンチ不要で、誰でもこんもりとドーム状に茂る」という、本当に優秀で画期的な品種ですが、そんな“優等生”のボンザマーガレットにも、やはり苦手なこと、デリケートな部分があります。私もこれまで何鉢も育ててみて実感していますが、一番の失敗(枯らしてしまう)原因は、やはり「水のやりすぎ(過湿)」と、日本の気候特有の「夏の高温多湿による蒸れ」の2点にほぼ集約されるかな、と感じています。
だからこそ、ボンザマーガレットの育て方を成功させるための近道は、派手なテクニックではなく、以下の「地味だけど最も重要な基本」を、一年を通して忠実に守り続けることだと思います。
- 「水はけが抜群に良い土」で植えること。(市販の培養土を使う場合も、川砂やパーライトを混ぜる“ひと手間”を惜しまない!)
- 「日当たりと風通しが良い特等席」で管理すること。(ただし、夏だけは直射日光を避けた涼しい場所へ必ず移動!)
- 「乾湿のメリハリ」をつけた水やり(土の表面が乾いたらたっぷり、湿っているうちは我慢)を徹底すること。
- 梅雨入り前には必ず「切り戻し」をして、株の内部まで風が通り抜けるようにしてあげること。
この4つの基本さえしっかり押さえておけば、ボンザマーガレットはきっと春に、あなたの期待や想像を遥かに超える、見事で感動的な満開の姿を見せてくれるはずです!その達成感は、何物にも代えがたいものがありますよ。
定番の「レモンイエロー」や鮮烈な「チェリー」「ルビー」、咲き進むにつれて花色がロマンチックに変化する「ピンクレモネード」や「サンライズピンク」など、色のバリエーションも本当に豊富で、お店で「どの子にしようか」と選ぶ時間も至福のひとときですよね。
ぜひこの記事を参考に、お気に入りのボンザマーガレットを見つけて、春のガーデニングの主役として、その圧倒的なパフォーマンスを楽しんでみてくださいね!
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