こんにちは、My Garden 編集部です。
冬の寒い時期から春先にかけて、お花屋さんの店先でひときわ目を引く鮮やかなサイネリア。一鉢あるだけでお部屋やベランダがパッと明るくなりますよね。でも、せっかく満開だったお花が落ち着いてくると、もう終わりかなと寂しい気持ちになったことはありませんか。実は、サイネリアは切り戻しというお手入れをすることで、もう一度、あるいは二度目、三度目と、あの素晴らしい満開の姿を復活させることができるんです。
サイネリアの切り戻しを3月などの適切なタイミングで行えば、春の終わりまで長く楽しめますし、さらに踏み込んだ管理をすれば難しいとされる夏越しに成功して、翌年も花を咲かせることだって夢ではありません。逆に、やり方を間違えると急にしおれる原因になったり、そのまま枯れることにもつながってしまいます。この記事では、私が実際に育てて感じたコツや、セネッティなどの人気品種にも共通する管理のポイント、失敗しないための肥料の与え方まで、詳しくお伝えしていきますね。最後まで読めば、あなたのサイネリアをずっと元気に咲かせ続けるヒントが見つかるはずですよ。
この記事のポイント
- 二度目の満開を成功させるための具体的な切り戻しの時期とタイミング
- 株を弱らせずに新芽を勢いよく出させるための正しい剪定位置
- 切り戻し後に欠かせない肥料管理と環境づくりのコツ
- 日本の暑い夏を乗り切るための特別な夏越し剪定と鉢の管理術
サイネリアの切り戻しで二度目の満開を楽しむ方法
お花が終わってきたサイネリアをそのままにしておくと、種を作ろうとして株のエネルギーがどんどん削られてしまいます。そこで大切なのが、思い切ってハサミを入れる勇気です。適切なタイミングで形を整えてあげることで、植物本来の「再生する力」を引き出してあげましょう。ここでは、成功率を高めるための具体的なステップを見ていきますね。
3月上旬が期限!最適な時期と温度条件の目安

サイネリアをもう一度咲かせるための挑戦は、時間との戦いでもあります。一般的に、春の再開花を狙うなら3月上旬までには作業を終えておくのが理想だと言われています。これにはちゃんとした生理学的な理由があるんです。サイネリアはカナリア諸島が原産で、本来は涼しい気候を好む多年草。切り戻してから次の花が満開になるまでには、だいたい1.5ヶ月から2ヶ月くらいの時間がかかるのですが、もし3月後半や4月になってから切ってしまうと、次の花が咲く頃には日本の厳しい初夏の暑さがやってきてしまいます。
気温の推移と「15度〜20度」の壁
サイネリアは気温が15度から20度を超え始めると、次第にストレスを感じて新芽の展開が鈍くなってしまいます。3月中旬以降に切り戻すと、新芽が十分に育つ前に強い日差しと高温にさらされることになり、せっかくの蕾が乾燥して枯れてしまう「ブラスチング」という現象が起きやすくなるんです。ですから、まだ涼しさが残る3月のうちに、どれだけ健康な新芽を伸ばせるかが勝負の分かれ目になります。この時期の適切な温度管理が、その後の花芽分化に大きく影響します。
地域別のタイミング調整と「春化」の活用
もちろん、お住まいの地域によって気候は違いますよね。関東以西の温暖な平野部なら、2月中旬から3月上旬がベストタイミングです。一方で、内陸部や寒冷地では3月中旬まで待つこともありますが、その場合は夜間の温度管理が重要になります。最低気温が5度を下回る環境では切り戻し後の回復が著しく遅れるため、夜間は室内の暖かい場所へ取り込むなどの工夫をしてみてくださいね。また、サイネリアには低温(5度前後)を一定期間経験することで花芽が作られる「春化(バーナリゼーション)」という性質があります。春が深まりすぎてから切ると、花がつかずに葉っぱばかりが茂る「栄養成長」に偏ってしまうこともあるので、やはり早めの決断が吉ですよ。
植物ホルモンの働きを最大限に利用するには、外気温の安定を待つよりも、植物自体の「若返り能力」が高い早春のうちにアクションを起こすことが、成功への最短ルートなんです。
わき芽を活かして花数を増やす剪定のやり方

ハサミを入れる場所、最初はすごく迷いますよね。「こんなに切っちゃって大丈夫かな?」と不安になるかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば大丈夫です。基本的には、茎をよく観察して葉の付け根にある小さな緑色の「わき芽」の約5mmから1cm上でカットします。サイネリアには「頂芽優勢」といって、一番上の芽が優先的に伸び、下の芽の成長を抑える性質があります。これは、頂芽で作られるオーキシンというホルモンが、下にある芽の成長をブロックしているからなんです。ここを切り取ることで抑制が解除され、節々に控えていたわき芽たちが一斉に伸び出すスイッチが入ります。
美しいドーム状に仕上げるテクニック
ただ適当に切るのではなく、成長した後の姿を想像してデザインしてあげましょう。全体をドーム状に仕上げるコツは、株の中心部を少し高めに残し、縁に向かって階段状に低くカットすることです。こうすることで、新芽が伸びてきたときに中心から外側へ向かってバランスよく重なり合い、あのボリュームたっぷりの満開姿が再現されます。また、枯れた花がらや黄色くなった古い葉はこのタイミングで丁寧に取り除いておきましょう。株元の通気性が良くなり、病気の予防にもつながります。
道具の管理と清潔さの保持
使うハサミは必ず鋭利で清潔なものを用意してください。切れ味が悪いと茎の導管(水の通り道)を潰してしまい、水や養分の吸い上げがうまくいかず、その後の成長に悪影響を与えます。また、病原菌の媒介を防ぐため、私はいつも一株切るごとに刃をアルコール等で消毒するようにしています。サイネリアは灰色カビ病などの影響を受けやすい植物なので、こうしたちょっとした手間が、大切な株を守る秘訣なんですね。
| 剪定の種類 | 実施の目安 | 手法と期待効果 |
|---|---|---|
| 弱剪定 | 花が終わった茎が目立つ時 | 花茎の数節下でカット。エネルギーの分散を防ぎ、早い再開花が可能。 |
| 中剪定 | 草姿が乱れ、蒸れている時 | 茎全体の1/2〜1/3の高さでカット。バランスの良い株の再生を促す。 |
| 強剪定 | 夏越しを目指す時 | 株元5cm程度でカット。最小限の新芽を残し、株を根本から更新する。 |
セネッティを何度も満開にさせる管理のコツ

最近、ガーデニング好きの間で特に人気なのが、サントリーフラワーズが開発した「セネッティ」というブランド品種です。従来のサイネリアに比べて圧倒的に分枝(枝分かれ)する力が強く、寒さにも強いのが特徴です。このセネッティを育てているなら、ぜひ「二度の満開」に挑戦してほしいと思います。メーカーの公式情報でも、切り戻しによって何度も咲かせることが前提として推奨されているほどなんですよ。
セネッティ専用の驚異のスケジュール
セネッティの場合、一番のポイントは「花がまだ綺麗でも、2月中旬に思い切って切る」ことです。冬の第一波の満開を楽しんだ後、2月中旬から下旬にかけて、まだ3割くらい花が残っていてもカットしてしまいます。こうすることで、気温が上昇する4月下旬から5月の連休にかけて、購入時よりもさらに大きく、鉢を覆い尽くすほどの第二波の満開を迎えることができるんです。この品種は低温下でも成長が止まらないように改良されているため、一般のサイネリアよりも切り戻し後のリバウンド(再成長)が非常にスピーディーという強みがあります。
ブランド苗ならではの安心感とポテンシャル
もし茎が間延びして徒長しているようなら、早期に一度「摘芯(ピンチ)」を行ってわき芽を増やすのも有効です。セネッティは非常に肥料を欲しがる「大食漢」な一面もあるので、切り戻し後の追肥は絶対に忘れないようにしましょう。詳しい育て方については、開発元であるサントリーフラワーズの公式サイトなども非常に参考になります(出典:サントリーフラワーズ『セネッティ 育て方・栽培方法』)。この公式ガイドにある通り、思い切った剪定こそが、次回の爆発的な開花を生む鍵になります。
セネッティは「冬」と「春」の2回、完全に満開にさせることを前提に設計されています。2月の英断が、5月の歓喜を連れてきてくれますよ!
失敗を防ぐための葉を数枚残すカットの重要性

「スッキリさせて新芽を待とう!」と張り切るあまり、茎を根元から全部丸坊主にしてしまうのは、実はサイネリアにとって最も危険な行為の一つです。植物は葉っぱを使って日光を浴び、光合成をして生きるためのエネルギー(炭水化物)を作っています。特に切り戻し直後は、新しい芽を出すために膨大なエネルギーが必要なのですが、葉っぱをゼロにしてしまうと、その供給源が絶たれてしまうんですね。
根の窒息を防ぐ「光合成工場」の役割
葉がない状態が続くと、植物は蒸散(水分を葉から外に出すこと)ができなくなり、根っこが水を吸い上げる力も弱まります。すると、鉢の中の水分がいつまでも減らずに停滞し、根っこが酸素不足で「根腐れ」を起こし、そのまま枯死してしまう原因になります。切り戻すときは、株元にある新しく小さな葉や、下の方の健康な葉を少なくとも2〜3枚は残すように意識してください。これが、新芽に栄養を送るための大切な「工場」としての役割を果たしてくれます。
リジュベネーション(若返り)の生理学
適切に葉を残して切り戻すことで、株全体のエネルギー消費が最適化されます。終わった花を取り除き、種ができるのを防ぐことで、植物は「あ、今は種を作る時じゃなくて、自分の体を大きくする時なんだ!」と判断し、根や新しい茎葉の成長へエネルギーを全振りします。これを園芸用語で「リジュベネーション(若返り)」と呼びますが、サイネリアはこの反応が顕著に出る植物なので、正しいカット一つで驚くほど元気に若返ってくれます。葉を一枚も残さないような「強すぎる剪定」は、夏越しなどの特殊な状況を除いては控えるのが無難ですよ。
切り戻した後の肥料不足と蕾落ちを防ぐ対策

切り戻し直後のサイネリアは、組織を再生させようとものすごいスピードで土中の養分を吸収します。この時期に肥料が切れてしまうと、せっかく出てきた新芽がひょろひょろの弱々しい姿(徒長)になったり、蕾が開かずに茶色くなってポロッと落ちてしまう「蕾落ち」を引き起こします。サイネリア栽培において「肥料を絶やさない」ことは、開花を維持するための鉄則と言っても過言ではありません。
緩効性と速効性のダブル使いで隙をなくす
私は切り戻しをした直後に、まず土の上に置くタイプの固形肥料(緩効性肥料)を与えます。これでベースとなる栄養を1〜2ヶ月にわたって常に供給できるようにしておきます。さらに、新芽が本格的に伸び始めたら、10日から2週間に一度、規定倍率に薄めた液体肥料を水やり代わりに与える「ダブル使い」をおすすめしています。窒素(N)で健康な葉を育て、リン酸(P)でしっかりとした蕾を作らせ、カリ(K)で根を丈夫にするイメージですね。この隙のない栄養供給が、二度目の満開の「質」を決定づけます。
ただし、4月以降に気温が急上昇してくると、肥料の効きすぎが逆に根を傷める(肥料焼け)こともあります。植物の状態をよく見て、葉の色が不自然に濃すぎたり、葉の縁が茶色くなるようなら少し控えるなど、柔軟に調整してあげてください。
肥料が切れると、一度止まった蕾の成長を復活させるのは至難の業です。花芽が見え始めてからこそ、定期的かつ適切な追肥を心がけましょう。継続こそが力なりです!
剪定した枝を挿し木にして株を増やす手順

切り戻しで出た大量の茎、そのままゴミ箱へポイしてしまうのは本当にもったいないです!もし病害虫のない健康で若い茎があれば、それを「挿し穂」にして新しいクローン株を増やすことができます。挿し木の適期は、花後の新芽が充実する4月下旬から5月頃です。親株とはまた違った愛着がわきますし、万が一親株が夏越しに失敗した時のための貴重なバックアップにもなります。
成功率を劇的に高める挿し穂の調整と水揚げ
まず、節間の詰まった勢いのある茎を5〜7cmくらいの長さで切り取ります。一番上の葉を2〜3枚残し、下の方の葉は丁寧に取り除きます。残した葉が大きすぎる場合は、蒸散量を抑えるためにハサミで面積を半分くらいにカットしましょう。切り口を鋭利なカッターなどでスパッと斜めに切り直し、1時間ほど清潔な水に浸けてしっかりと水揚げをさせます。このとき、切り口にルートンなどの発根促進剤を薄く塗っておくと、カルスの形成が促され、その後の発根が驚くほどスムーズになりますよ。
発根までのデリケートな管理と植え替えのサイン
用土は清潔な赤玉土(小粒)や、市販の「挿し芽専用の土」を使いましょう。割り箸などで穴を開けてからそっと挿し、その後は約3週間、直射日光の当たらない明るい日陰で管理します。土が乾かないようにこまめに霧吹きをしたり、高湿度を保つために透明なビニールやペットボトルでカバーをかける「密閉挿し」に近い状態にするのがコツです。3週間ほど経って中心部の新芽が動き出したら、それは無事に発根したサイン!徐々に外の空気に慣らしてあげてください。ただし、種苗法などで守られている登録品種については、あくまで個人の範囲で楽しみ、譲渡や販売はしないように気をつけてくださいね。
サイネリアの切り戻し後に枯れる原因と夏越しの技術
「切り戻しをした途端にしおれてしまった」「数日後には真っ黒になって枯れた」という失敗談をよく耳にします。サイネリアは非常にデリケートな一面を持っているため、剪定という「手術」の後のアフターケアが生死を分けることも多いんです。ここからは、失敗の真犯人を特定し、最高難度とも言われる「夏越し」を成功させるための具体的な戦略を深掘りしていきます。
突然しおれる原因と根腐れを防ぐ水やりの基本
切り戻した後のサイネリアが急にしおれる原因は、大きく分けて二つあります。一つは単純な「水切れ」ですが、もう一つはもっと厄介な「根腐れ」です。実は、切り戻した直後の株は葉っぱが大幅に減っているため、以前のように大量の水を吸い上げる力がありません。それなのに、良かれと思って毎日ジャブジャブお水を与えてしまうと、鉢の中がいつまでも水浸しになり、根っこが呼吸できずに窒息死してしまうんです。これが切り戻し直後に「枯れる」最大の要因です。
「乾湿のメリハリ」が生存の鍵を握る
水やりの基本は、必ず「土の表面が乾いてから」です。指で土を1cmほど触ってみて、カサカサして湿り気を感じないことを確認してから、鉢底から水が出るまでたっぷりと与えましょう。この「乾く時間」があることで、土の中に新しい空気が入り込み、根っこに酸素が供給され、健康な成長を促します。また、サイネリアに多い底面給水鉢は、春以降の気温上昇とともにカップ内の水が腐りやすく、カビや細菌の温床になるため、私は春からは通常の鉢と同じように上から水を与えるスタイルに変更しています。これで余分な水が溜まるのを防げます。
もし、しおれてしまった時の緊急診断
もし土がカラカラに乾いていてしおれているなら、すぐにたっぷりと水を与え、涼しい日陰に移動させてください。健康な株なら数時間でシャキッと戻るはずです。逆に、土がしっかり湿っているのにぐったりとしおれている場合は、すでに根っこが深刻なダメージを受けています。この場合は一旦水やりをストップし、風通しの良い日陰で様子を見るしかありませんが、復活の可能性は正直50/50。そうなる前に、毎日「土の状態を観察する癖」をつけておくことが一番の防御策になります。
切り戻し直後は「蒸散量が激減している」ということを常に意識してください。これまでと同じ頻度での水やりが、サイネリアを苦しめているかもしれません。
蕾が茶色くなるブラスチング現象と環境管理

せっかく切り戻して新芽が出てきたのに、蕾が茶色くなって枯れてしまう「ブラスチング」現象。これは、主に4月以降の急激な温度上昇と、空気の極端な乾燥によって引き起こされます。サイネリアは15度から20度くらいの涼しい環境を好むため、日中の気温が25度を超えるようになると、植物は生存を優先して蕾へのエネルギー供給をバッサリと断ってしまうんです。これはある種の自己防衛反応なのですが、育てる側としては悲しいですよね。
室内管理の罠を避けて涼を確保する
特に注意したいのが、室内で窓越しに日光を当てている場合です。春の午後の日差しは意外と強く、窓際は閉め切っているとあっという間に30度近くまで上がることがあります。蕾をきれいに咲かせたいなら、暖かくなってきたら屋外の明るい日陰や、午前中だけ優しく日が当たる場所に移動させてあげましょう。また、エアコンの暖風が直接当たるような場所も、蕾を極端に乾燥させてブラスチングを誘発するので絶対に避けてくださいね。
湿度管理と風通しの絶妙なバランス
適度な湿度も、蕾を保護するためには重要です。乾燥が激しい日は、株の周囲の床に打ち水をしたり、霧吹きでそっと葉水を与えてあげると(直接花にかけないように!)、周囲の湿度が上がりブラスチングの予防になります。ただし、風通しが悪すぎると今度は灰色カビ病などの別のリスクが高まるので、空気が停滞しない、涼しくて爽やかな場所を選んであげることが、美しい二度目の満開への近道ですよ。私はよく、サーキュレーターを回して空気を動かす工夫もしています。
5月の強剪定で難しい夏越しに挑戦する方法

日本の高温多湿な夏は、カナリア諸島出身のサイネリアにとって最大の試練です。一般的には「夏越しは無理」と思われがちですが、これを乗り越えて翌年も花を咲かせることができれば、あなたはもうサイネリアの達人!夏越しの準備は、春の二度目の花が完全に終わる5月下旬からスタートします。この時期の「攻めの管理」がすべてを決めます。
断腸の思いでの「強剪定」とリセット
まず、株元にある元気な新芽だけを数ミリ残し、それ以外の古い茎や傷んだ葉をすべてバッサリと切り落とします。地表から5cm程度の高さまで切り詰める「強剪定」です。これは夏季の蒸散量を極限まで抑え、蒸れによる腐敗を防ぐための必須作業です。見た目はかなり寂しくなり、不安になるかもしれませんが、生き残るためにはこの潔いリセットが必要不可欠なんです。枯れた部分は病原菌の温床になるので、この時、株元は徹底的に綺麗にしておきましょう。
「減鉢(げんばち)」という逆転の発想テクニック
さらに有効なのが、一回り小さな鉢への植え替え、いわゆる「減鉢」です。通常、植物は大きく育てたいなら鉢を大きくしますが、夏越しにおいては逆です。5号鉢で育てていたなら、4号や4.5号のスリット鉢など、とにかく通気性に優れた小型の鉢へサイズダウンします。夏の間は根の活動が極端に低下するため、大きな鉢だと土の水分がなかなか抜けず、確実に根腐れを起こします。根鉢を半分ほど慎重に崩して、水はけ抜群の清潔な新しい土で植え替えてあげてください。このひと手間が、夏を乗り切るための最強の防具になります。
夏越しに成功した株は、秋の涼しさが戻ってくると再び魔法のように勢いよく成長を始めます。その瞬間の感動は、一度体験するとガーデニングがもっと好きになりますよ!
休眠期の水やりを控えて夏を乗り切る管理術
6月から9月にかけて、サイネリアは「休眠」に近い状態でじっと暑さをやり過ごします。この期間、最も大切なのは植物を「育てようとしないこと」です。ただ「生かし続ける」ことに全力を注いでください。この時期に肥料をあげたり、無理に大きな葉を出させようとするのは逆効果。弱っている根に肥料を流し込むのは、熱を出して寝込んでいる人にステーキを食べさせるようなもので、植物をさらに追い詰めてしまいます。肥料は9月下旬の涼しくなる頃まで、完全に封印してください。
水やりのタイミングは「極限まで遅らせる」
休眠期の水やりは、春よりもさらに慎重になります。「土の表面が乾いてから」は基本ですが、そこからさらに1〜2日待ってから与えるくらいの「断水気味」の管理がベストです。水を与える時間帯も生死を分けます。日中に行うと、鉢の中の水が太陽光で温められてお湯のようになり、根を「煮て」しまいます。必ず早朝か、日が完全に沈んで涼しくなった夕方以降に、静かに与えるようにしてください。私はこの時期、水の量を極端に減らし、霧吹きだけでしのぐ日も作っています。
置き場所の「四つの黄金条件」
夏越しのための置き場所は、「日陰」「風通し」「地熱回避」「打ち水」がキーワードです。直射日光は遮光ネットで50%〜60%カットし、コンクリートのベランダなら熱の照り返しが致命傷になるので、フラワースタンドなどで床から30cm以上離して、上下左右に空気が通るようにしましょう。また、夕方に周囲の壁や地面に水をまく「打ち水」をすると、気化熱で温度が数度下がります。こうした小さな工夫の積み重ねが、サイネリアの命をつなぐ架け橋になります。
病害虫から守るための通風確保と薬剤の活用

切り戻し後の新芽は、みずみずしくて組織が非常に柔らかいため、害虫にとってはまさに「ごちそう」です。また、剪定による切り口は病原菌にとって格好の侵入口。切り戻しという「手術」を行う以上、その後の消毒と防除はセットで考えるべき義務とも言えます。特に注意したいのが、3月以降に爆発的に増えるアブラムシと、高温乾燥を好むコナジラミです。これらは植物を弱らせるだけでなく、ウイルス病という治らない病気を運んでくることもあるので、早期発見・早期治療が鉄則です。
物理的防除と化学的防除のハイブリッド戦略
私は切り戻しを行うその日に、あらかじめオルトラン粒剤などの殺虫剤を株元に規定量撒いておきます。これにより、新芽が出てきたときにはすでに植物の体内に成分が行き渡っており、虫が一口かじっただけで撃退できる環境を作っておくんです。また、コナジラミ対策には、黄色い粘着トラップを鉢の近くに設置しておくと、成虫を効率的に捕獲できますよ。化学薬品だけに頼りたくない場合は、ニームオイルなどを定期的に散布するのも一つの手ですね。
灰色カビ病への警戒と水やりのマナー
高湿度下で発生しやすい「灰色カビ病」は、サイネリアにとって最大の天敵です。終わった花がらをそのままにすると、そこからカビが発生し、あっという間に茎を腐らせて株をドロドロにしてしまいます。切り戻しによって株の「窓」を開けて通風を確保することはもちろん、水やりの際も花や葉を濡らさず、株元の土に直接静かに与える「おしとやかな水やり」を徹底してください。もしカビを見つけてしまったら、速やかにその部位を摘み取り、周辺に殺菌剤を散布して感染拡大を防ぎましょう。
サイネリアの切り戻しを覚えて一年中満喫しよう
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。サイネリアの切り戻し、最初は「せっかく咲いているのを切るなんて……」と勇気がいるかもしれません。でも、その植物が持っている驚異的な再生メカニズムを知れば知るほど、ハサミを持つ手がワクワクしてくるはずです。3月にあなたが下すその決断が、数週間後に再びベランダや部屋を彩る、さらにパワーアップした満開の花々を連れてきてくれます。植物は驚くほど正直です。あなたが注いだ愛情と、ほんの少しの知識に基づいた工夫に、彼らは必ず最高の輝きで応えてくれます。
もし一度でうまくいかなくても、それはサイネリアがあなたに教えてくれた、その場所だけの「攻略データ」です。「次はもう少し早く切ってみようかな」「水やりをもう少し我慢してみようかな」と試行錯誤することこそが、ガーデニングという名の冒険の本当の楽しみだと私は思います。この記事の内容をヒントに、ぜひあなたの家の環境に寄り添った「世界に一つだけの管理術」を完成させてくださいね。最後に、大切なポイントをもう一度まとめておきますので、これからの作業の合間に見直してみてください。あなたのサイネリアが、明日も明後日も、そして来年も、元気に咲き誇ることを願っています!
この記事の要点まとめ
- 二度目の満開を目指すなら3月上旬までに切り戻しを終えることが絶対条件
- 切り戻してから再開花までは1.5ヶ月から2ヶ月の成長期間が必要になる
- 剪定箇所は葉の付け根のわき芽から5mmから1cm上がベストなポイント
- 中心部を高く縁を低く切ることで再生後に美しいドーム型の株が出来上がる
- 光合成と蒸散を維持するために株元に数枚の健康な葉を必ず残しておく
- 切り戻し直後は水の消費が激減するため土の状態を見て水やりを控える
- 肥料が切れると蕾が咲かずに枯れる蕾落ちの原因になるので注意する
- 液体肥料は10日から14日に一度の頻度で継続的に与え続ける
- セネッティは特に再生力が強く2月の切り戻しで5月に大きな満開を迎える
- 室内温度が25度を超えると蕾が枯れるブラスチング現象が起きやすくなる
- 夏越しを成功させるには5月下旬に株元5cmまで切り詰める強剪定を行う
- 鉢をあえて小さくする減鉢テクニックで夏の根腐れリスクを大幅に減らす
- 6月から9月の休眠期は一切の肥料を絶ち水やりも最小限に留める
- アブラムシやカビ病を防ぐために通気性の確保と事前の粒剤散布を行う
- 切り戻しで出た健康な茎は挿し木にして新しいクローン株として増やせる
|
|


