クロッカスを植える時期はいつ?秋咲きと春咲きの違い

クロッカス

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こんにちは。My Garden 編集部です。

早春に、まだ肌寒い雪の間から健気に顔を出すクロッカス。本当に可愛らしくて、見つけると嬉しくなりますよね。春の訪れを一番に告げてくれる、代表的なお花かなと思います。

「今年はうちでもあの可愛い花を咲かせてみたい!」と思って、いざ球根を探し始めたものの、「クロッカスを植える時期って、一体いつがベストなんだろう?」と、手が止まってしまっていませんか?

実はクロッカスには大きく分けて「春咲き」と「秋咲き」の2種類があり、これがとても重要なんです。それぞれ球根がお店に並ぶ時期や、植え付けのタイミングが全く違います。この違いを知らないまま、「秋だから植えよう」と春咲きの球根を買い逃したり、逆に秋咲きの球根を春まで待ったりすると、「植えたのに花が咲かない…」なんていう、悲しい失敗にも繋がりかねません。

また、お住まいの地域が寒冷地や温暖地の場合、植える時期に違いがあるのか、人気の水栽培で楽しむ場合の準備はどうするのか、植えっぱなしでも本当に大丈夫なのか、そして来年も咲かせるための花後の管理はどうすればいいのか…など、気になるポイントも多いですよね。

この記事では、そんな「クロッカスを植える時期」に関するあらゆる疑問をスッキリ解決できるよう、基本的な情報からちょっとした育て方のコツまで、編集部でリサーチした情報を分かりやすく、詳しくまとめてみました。

  • クロッカスの「春咲き」と「秋咲き」の植え付け時期の違い
  • 寒冷地や温暖地など地域別の最適なタイミング
  • 水栽培や植えっぱなし管理のポイント
  • 花が咲かない原因と、来年も咲かせる花後の手入れ方法

クロッカスを植える時期、春咲きと秋咲きの違い

クロッカスの栽培を成功させるために、まず一番大切と言ってもいいのが、この「植える時期」の理解です。私たちが春の花としてイメージするクロッカスと、実は秋に花を咲かせるクロッカス(あの高級スパイスのサフランが有名ですね)では、球根を植えるタイミングが根本的に異なります。

この違いを知っているだけで、球根選びの失敗がぐっと減るはずです。まずはこの2つのタイプの違いを、しっかり押さえていきましょう。

春咲きクロッカス、いつまでに植える?

クロッカス 植える時期9

一般的に、秋のガーデニングシーズン(9月~11月頃)に園芸店やホームセンターで「クロッカス」として球根が並ぶのは、こちらの「春咲き」タイプです。翌年の早春(2月~4月)に、おなじみの黄色や紫、白の可愛い花を咲かせてくれます。

この春咲きクロッカスの植え付け適期は、10月上旬から11月下旬頃がベストシーズンですね。

「なぜこの時期なの?」というと、クロッカスの花芽が成長するためには、植え付け後に一定期間「冬の厳しい寒さ」を体験する必要があるからなんです。これは「低温要求(春化・しゅんか)」と呼ばれる植物特有の性質で、球根が寒さにしっかりあたることで、「厳しい冬が終わったぞ、春が来た!」と認識して、花芽をグッと成長させるスイッチが入るんですね。

この「寒さにあてる」というのが絶対条件なので、鉢植えの場合でも、植え付け後は必ず屋外の寒い場所に置いて冬越しさせます。

植え付け時期が早すぎたり、遅すぎたりすると?

  • 早すぎる場合(9月など): まだまだ地温が高い時期に植えると、球根が「まだ夏だ」と勘違いして休眠からうまく覚めなかったり、高温と多湿で腐ってしまったりするリスクが高まります。
  • 遅すぎる場合(12月下旬~): 本格的な冬が来て地面が凍ってしまうと、球根が土の中で十分に根を張る時間がなくなってしまいます。根が張れないと、水分や養分を吸い上げられず、春に花を咲かせるエネルギーが不足してしまうかも。

つまり、「10月~11月」というのは、地温が下がってきて(目安として15℃前後)根が活動を始めるのに適し、かつ、本格的な冬の寒さが来る前に根を張る時間が確保できる、という絶妙なタイミングなんです。

「いつまでに植える?」と迷ったら、紅葉が見頃を迎え、朝晩の気温が10℃~15℃くらいに安定してきた頃を目安にするのがおすすめです。

春咲きクロッカスのポイント

  • 球根の入手時期: 9月~11月頃
  • 植え付け時期: 10月上旬~11月下旬
  • 開花時期: 翌年2月~4月
  • 絶対条件: 植え付け後に屋外で冬の寒さ(低温)にあてること

秋咲きクロッカス(サフラン)の時期

一方、「秋咲き」のクロッカスもあります。こちらは春咲き種とはライフサイクルが全く逆で、植え付けたその年の秋(10月~11月頃)に花が咲きます。

代表的なのは、なんといってもスパイスや生薬として非常に高価な「サフラン」(Crocus sativus)ですね。あの独特の香りと色を持つ雌しべは、わずか1gを収穫するために、膨大な数の花が必要とされています。

ほかにも、紫色の美しい花を咲かせる「スペシオサス」(Crocus speciosus)などもこの秋咲きタイプに含まれます。

春咲き種と決定的に違うのは、球根が出回る時期です。

秋咲きクロッカスの注意点

球根の入手時期は「夏(7月~8月頃)」です。

「秋に咲く花だから」と、春咲きクロッカスと同じように秋になってから園芸店を探しに行っても、その時期にはもう球根が売っていないことがほとんどです。これは本当に注意が必要ですね。

植え付け時期は、球根を入手したらできるだけ早く植え付けます。8月中旬から9月中旬頃が一般的な適期です。サフランの場合はもう少し遅くても大丈夫で、9月いっぱい、遅くとも10月下旬までに植え付けるのが目安とされています。

秋咲き種は、植え付けてから開花までの期間が非常に短いのが特徴。「夏に球根を見かけたら、迷わずすぐに買って、すぐに植える」のが基本戦略になります。

寒冷地や温暖地で植えるタイミング

基本的な植え付け時期(春咲きの場合)は10月~11月ですが、お住まいの地域によって、冬の厳しさや訪れるタイミングが異なりますよね。ここでは、地域別のちょっとしたコツをご紹介します。

寒冷地(北海道・東北など)の場合

北海道や東北などの寒冷地でも、植え付けは秋(10月頃、雪が降る前)で大丈夫です。クロッカスはもともと寒さに非常に強い植物なので、雪の下になっても全く問題なく冬越しできます。むしろ、雪が布団代わりになって、地面がカチカチに凍りすぎるのを防いでくれる「保温材」の役割も果たしてくれるんですよ。

ただし、寒さそのものよりも「霜柱(しもばしら)」に注意が必要です。特に植え付けたばかりでまだ根がしっかり張っていない時期に強い霜柱が立つと、土が持ち上がり、球根が地面から押し出されてしまう(露出してしまう)ことがあります。球根が地上に露出すると、極度の乾燥や凍結で深刻なダメージを受けてしまうかも。

対策として、植え付けた後に落ち葉や腐葉土、わら、バークチップなどで地面を5cmほどの厚さで覆う「マルチング」をしておくのが非常に有効です。地温の急激な変化を防ぎ、霜柱の影響を軽減できるのでおすすめです。

温暖地(九州・四国南部など)の場合

逆に九州南部などの温暖な地域では、冬になっても気温が十分に下がりきらず、「寒さ体験が不足する」ことが失敗の原因になる場合があります。低温要求が満たされないと、球根が「まだ冬が来ていない」と勘違いしてしまい、春になっても芽が出なかったり、花が咲かずに葉だけが茂ったりすることがあるんです。

もし「うちの地域は冬も暖かいから心配…」という場合は、球根に擬似的に冬を体験させる「冷蔵処理(春化処理)」が有効です。

  • 処理方法: 球根を購入したら、植え付け前にポリ袋などに入れ、冷蔵庫の野菜室(5℃前後)で保管します。
  • 処理期間(地植え・鉢植えの場合): 約4~6週間ほど冷蔵処理を行います。
  • 植え付け時期: 冷蔵処理が終わった球根を、11月下旬から12月上旬頃に植え付けます。

こうすることで、人工的な冷蔵期間と、その後に訪れる「本物の冬(の残り)」を組み合わせて、低温要求をしっかり満たしてあげることができます。

※なお、これは後述する「水栽培」の冷蔵処理(室内で完結させるため、もっと長い期間が必要)とは少し目的が異なりますので、混同しないように注意してくださいね。

クロッカスの基本的な植え方と深さ

クロッカス 植える時期8

植える時期が決まったら、次は実際の植え付け作業ですね。クロッカスはとても丈夫ですが、いくつかの基本を押さえておくと、さらに元気に育ってくれますよ。

良い球根の選び方

まず、スタートラインである球根選びも大切です。園芸店で球根を選ぶ際は、以下の点をチェックしてみてください。

  • 手に持ったときに、ずっしりと重みがあるもの
  • 傷やカビ、変色がない、表面がきれいなもの
  • 芽や根が伸びすぎていないもの
  • (同じ品種なら)なるべく直径が大きいもの

あまりに小さい球根は、その年に花が咲く体力がなく、葉だけで終わってしまう可能性もあります。しっかりとした健康な球根を選ぶことが、成功への第一歩ですね。

土づくりのコツと場所選び

クロッカスが好むのは、「日当たり」と「水はけの良い」場所です。特に水はけは重要で、ジメジメした場所だと球根が腐る(軟腐病など)原因になってしまいます。

  • 鉢植えの場合: 市販の「草花用培養土」や「球根用の土」を使えば、まず間違いありません。とても手軽で便利です。
  • 地植えの場合: 植える場所の水はけが悪い(雨の後に水たまりができるような)場合は、土壌改良をしましょう。掘り起こした土に、腐葉土を3割ほど、水はけを良くするための赤玉土(小粒)や鹿沼土を1~2割混ぜ込みます。さらに元肥として、緩効性化成肥料(マグァンプKなど)を規定量混ぜ込んでおくと良いですね。

日当たりについては、特に「花が終わった後、葉が茂っている時期」に重要になります。この時期に葉がしっかり光合成できないと、来年のための球根が太れないんです。落葉樹の株元など、「冬から春先は日が当たるけれど、夏は日陰になる」ような場所も、クロッカスにとっては理想的な環境の一つかもしれません。

植え付けの深さと間隔

いよいよ植え付けです。ここで大事なのは「植える深さ」

目安は、球根の上に土が5cmほどかかる深さ(=だいたい球根2~3個分の深さ)です。

「浅く植えた方が早く芽が出るのでは?」と思うかもしれませんが、クロッカスには「古い球根の上に新しい球根ができる」という、ちょっと変わった性質があります。

もし浅く植えすぎると、翌年、翌々年と年を重ねるうちに、新しくできた球根がどんどん地表近くに押し上げられてしまいます。地表に露出してしまうと、球根がうまく太れなかったり、乾燥でダメージを受けたりして、だんだん花が咲かなくなってしまいます。

数年後のことも考えて、推奨される「深さ5cm」を守ってあげるのが、植えっぱなしで長く楽しむための重要なコツですね。

植え付けの「間隔」については、どう咲かせたいかによります。

  • 地植え・植えっぱなしの場合: 球根2~3個分(約5~10cm)の間隔をあけて植えます。数年後の分球(球根が増えること)を見越して、少し余裕を持たせます。
  • 鉢植え・寄せ植えの場合: その年限りで豪華に咲かせたい場合は、球根同士がギリギリくっつかない程度(1~2cm)に密植しても大丈夫です。ただし、この場合は翌年球根が太りにくいので、掘り上げる前提になります。

水栽培を始める時期と冷蔵処理

クロッカス 植える時期0

クロッカスは、ヒヤシンスと同じように水栽培(水耕栽培)でも楽しめます。透明な容器の中で白い根が伸びていき、室内で可憐な花が咲く姿は、本当に魅力的ですよね。

ただし、水栽培を成功させるには、地植えや鉢植えとは決定的に違う、必須の作業があります。それが「冷蔵処理」です。

室内は冬でも暖かいので、普通に球根を水にセットしただけでは、クロッカスは「冬」を体験できません。そのため、花芽が成長するスイッチが入らず、根も出ないか、出ても葉だけで花が咲かない、という結果になってしまいます。そこで、私たちが人工的に「厳しい冬」を作ってあげる必要があるんです。

水栽培のための冷蔵処理(春咲き種)

  1. 球根の入手(10月頃): 秋になったら、水栽培に向く大きめで健康な球根を入手します。
  2. 冷蔵処理(10月~12月): 球根を紙袋に入れるか、湿らせたキッチンペーパーなどで軽く包んでからビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室(5℃前後の環境が理想)で保管します。処理期間は、約2ヶ月(8週間)~最大80日(約11週間)程度と、地植えのための処理(4~6週間)よりもかなり長く必要です。これは、室内では「本物の冬」の助けが得られないため、冷蔵庫の中だけで「冬の全期間」を完了させる必要があるからです。
  3. 水栽培スタート(12月下旬~1月頃): 十分に冷蔵処理を終えた球根を、水栽培用の容器(球根のお尻がギリギリ水につかない程度)にセットします。
  4. 根出し(暗所で管理): すぐに明るい窓辺に置かず、まずは玄関や暖房の入らない部屋など、暗くて涼しい場所に置きます。ここでじっくりと根を伸ばさせます。水は1週間に1回程度、新鮮なものに交換しましょう。(根腐れ防止剤を少量入れておくと安心です)
  5. 開花準備(明るい場所へ): 根が十分に伸び、芽が数センチ伸びてきたら、室内の明るい(ただし暖房が直接当たらない)窓辺などに移動させます。

少し手間と時間はかかりますが、このプロセスを踏むことで、室内での開花がぐっと現実的になります。根が伸びて花が咲く様子を間近で観察できるのは、水栽培ならではの最高の楽しみかなと思います。

クロッカスを植える時期と花後の管理

クロッカスは、植え付け時期と場所さえ間違えなければ、本当に丈夫で育てやすいお花です。春に可愛い花が咲いた後は、「来年も咲いてもらう」ための準備期間に入ります。

ここでは、植えた後のお手入れや、「植えっぱなし」で大丈夫?といった、長期的な管理に関する疑問についてお話ししますね。

植えっぱなしでも大丈夫?

クロッカス-植える時期1

ガーデニング好きにとって、これは大きなポイントですよね。結論から言うと、クロッカスは植えっぱなしでも大丈夫です!

とても強健な性質を持っていて、水はけや日当たりなどの環境が合えば、3年~5年くらいは植えっぱなしでも毎年かわいく咲いてくれます。手間がかからないのは、本当に嬉しいポイントですよね。芝生の中に植えて、春先にだけ花を咲かせる、なんていうのも素敵です。

ただ、「何年も植えっぱなしにしていたら、だんだん花が咲かなくなった…」という声もよく聞きます。これは寿命が来たわけではなく、主に2つの物理的な理由があるんです。

植えっぱなしで咲かなくなる理由

  1. 過密化(ぎゅうぎゅう詰め): クロッカスは自然に分球(球根が分裂して増える)していきます。数年経つと、植えた場所が新しい球根でギューギュー詰めになり、それぞれが十分に栄養や日光を得られなくなって、球根が太れなくなります。
  2. 浅植え化(せり上がり): 先ほどお話ししたように、クロッカスは「古い球根の上に新しい球根ができる」性質があります。そのため、年々球根の位置が地表に近くなり(浅植えの状態になり)、うまく育たなくなったり、夏の高温でダメージを受けやすくなったりします。

この「過密化」と「浅植え化」によって、個々の球根が小さくなり、花を咲かせる体力がなくなってしまうんですね。

これを防ぎ、植えっぱなしでも長く楽しむためには、2つの対策があります。

対策A:増し土(ましつち)

これは「浅植え化」を防ぐための簡単な方法です。毎年、秋の植え付けシーズン(または春先)に、球根が植わっている場所の上に、新しい培養土や腐葉土を2~3cmほどフワッとかぶせてあげる(土を足す)だけです。これにより、球根が地表に露出するのを防ぎ、土の栄養補給にもなります。

対策B:分球(ぶんきゅう)と植え直し

クロッカス 植える時期6

こちらは「過密化」を根本的に解消する方法です。3~4年に一度、葉が枯れた後の休眠期(6月頃)に、球根を一度掘り上げます。土の中で固まっている球根を手で優しくほぐし(分球)、新しい球根を分けてあげます。そして、秋の植え付け時期に、適切な間隔(5~10cm)をあけて、適切な深さ(5cm)に植え直してあげます。

少し手間はかかりますが、これをすることで株がリフレッシュされ、また元気に花を咲かせてくれるようになりますよ。

クロッカスの花が咲かない主な原因

「ちゃんと植えたつもりなのに、花が咲かない…」「葉っぱだけしか出てこなかった…」という場合、いくつかの原因が考えられます。諦める前に、どれに当てはまるかチェックしてみてください。

症状・原因 解説・対策
低温不足(寒さにあてていない) 【最重要】春咲き種の場合、植え付けが遅すぎたか、鉢植えを暖かい室内に置いていた可能性があります。クロッカスは必ず屋外の寒い場所で冬越しさせましょう。
水栽培の冷蔵処理不足 水栽培で咲かない原因のほとんどはこれです。室内栽培では、約2ヶ月以上のしっかりとした冷蔵処理が必須です。
日照不足(特に花後) 花が咲いている間だけでなく、特に「花が終わった後、葉が茂っている時期」に日当たりが悪いと、光合成ができず、来年の球根が太れません。葉が緑の間は、半日以上日が当たる場所が必要です。
葉を早く切ってしまった 花が終わった後、見栄えが悪いからと緑色の葉をすぐに切ってしまうと、球根に栄養が蓄えられません。葉は自然に黄色く枯れるまで(6月頃)絶対に切らないでください。
肥料(窒素)が多すぎた 肥料の中でも窒素(N)成分が多すぎると、葉ばかりが異常に茂ってしまい(徒長)、肝心の球根が太らないことがあります。肥料バランスが大切です。
過密・浅植え化(植えっぱなし) 数年植えっぱなしの場合、これが原因かも。球根が混み合い、地表近くに上がってきています。掘り上げて植え直す(分球)か、増し土をしましょう。
球根が小さすぎた 購入した球根があまりに小さい場合や、分球でできた子球(小さい球根)は、その年に咲く体力がなく、葉だけで終わることがあります。1~2年養生させれば咲くようになります。
食害・病気 ネズミやモグラが球根を食べてしまうことがあります。また、水はけが悪いと球根が腐る病気になることも。掘り上げて確認してみるのも手です。

思い当たる節がないか、一度チェックしてみてくださいね。

花後の手入れと葉を切るタイミング

来年もキレイな花を咲かせてもらうためには、実は「花が終わった後」のお手入れが一年で最も重要だと言っても過言ではありません。

クロッカスにとって、花が終わった瞬間から、「来年の花のために、新しい球根を太らせる」という、大事な仕事が始まるんです。私たちはその仕事をサポートしてあげましょう。

1. 花がら摘み

花が咲き終わってしぼんできたら、その花(花がら)は、こまめに摘み取ります。茎の根元、できるだけ葉に近い部分から摘み取りましょう。

なぜなら、花がらを残しておくと、植物は「タネ」を作ろうとして、そちらにエネルギー(栄養)を集中させてしまいます。私たちはタネではなく「球根」に栄養を蓄えてほしいので、「タネは作らなくていいですよ」という合図を送るために、花がらを摘むんです。これにより、栄養がタネに奪われるのを防ぎ、球根を太らせる方にエネルギーを回すことができます。

2. 葉の管理(最重要)

花が終わった後、緑色の葉っぱだけが残ります。これが少し見栄えが悪く感じるかもしれませんが、この葉は、来年のための栄養を作る「工場」です。絶対に、絶対に切らないでください。

この葉が太陽の光を浴びて光合成を行うことで、栄養分(デンプン)を作り出し、それを新しい球根にどんどん送り込んで蓄えています。この葉を早く切ってしまうということは、来年のための栄養工場を閉鎖してしまうのと同じことなんです。

葉が自然に黄色く枯れ始める6月頃までは、見栄えが悪くてもぐっと我慢。葉が完全に枯れたら、それは「栄養を送り終わりましたよ」というサイン。そこではじめて、枯れた葉を取り除いてOKです。

3. 追肥(お礼肥え)

花が終わった後、なるべく早いタイミングで追肥(ついひ)をします。「今年も咲いてくれてありがとう」という感謝を込めて、「お礼肥え(おれいごえ)」とも呼ばれますね。

この肥料は、今咲いた花のためではなく、「花後の光合成を助け、来年の球根を太らせる」ためのものです。球根の肥大を助ける「カリ(K)」成分や、根の成長を助ける「リン酸(P)」成分が多い液体肥料や緩効性化成肥料を与えます。

肥料の注意点

この時期、窒素(N)成分が多い肥料は避けた方が無難です。窒素は「葉を茂らせる」肥料なので、多すぎると葉ばかりが茂りすぎて、かえって球根の太りが悪くなったり、病気にかかりやすくなったりすることがあります。

球根の掘り上げと保存方法

クロッカス 植える時期10

「植えっぱなし」にせず、毎年球根をしっかり管理する場合や、鉢植えで夏越しが心配な場合(夏の高温多湿で腐るのを防ぎたい場合)は、休眠期に球根を掘り上げます。

  • 掘り上げ時期: 葉が自然に黄色く枯れ、地上部がなくなった6月頃が適期です。
  • 掘り上げ後の処理:
    1. 掘り上げた球根は、土を優しく払い落とします。この時、球根を傷つけないように注意してください。水洗いは原則しません(腐敗の原因になるため)。
    2. 古い球根(下部)の上にできた新しい球根や、分球した子球根を、手で優しく分けます。無理に取れなければ、そのまま乾燥させます。
    3. 風通しの良い日陰(直射日光が当たらない場所)で、新聞紙などの上に広げ、1~2日(土が湿っている場合は数日)しっかりと乾燥させます。
  • 保存方法: 十分に乾燥したら、タマネギやみかんが入っているようなネット袋に入れます。なければ、穴をいくつか開けた紙袋でも代用できます。ビニール袋など通気性のないものは、蒸れてカビが生えるので絶対にNGです。
  • 保存場所: 秋の植え付け時期(10月頃)まで、雨が当たらず、涼しくて(高温多湿は避ける)、風通しの良い日陰で吊るして保存します。物置やガレージの軒下などが理想的ですね。

掘り上げ・保存時の絶対的な注意

掘り上げてから秋に植えるまでの「休眠期間中」は、球根は絶対に水に濡らしてはいけません。休眠中に水分に触れると、球根は「活動時期だ」と勘違いするか、あるいはそのまま腐敗してしまいます。

また、土壌の状態や病気(球根がブヨブヨしているなど)が心配な場合は、一度専門家や詳しい園芸店の方に相談してみるのが良いかなと思います。最終的な判断は、ご自身の責任において慎重にお願いしますね。

そして、秋(10月頃)になって涼しくなったら、また新しい土に植え付けてあげます。

まとめ:クロッカスを植える時期の総点検

今回は、クロッカスを植える時期について、春咲きと秋咲きの大きな違いを中心にご紹介しました。なんだか情報が多くなってしまいましたが、一番のポイントは本当にシンプルです。

それは、「自分が育てたいのが、春に咲くクロッカスか、秋に咲くサフランの仲間かを確認すること」です。

クロッカスを植える時期の総まとめ

  • 春咲き(一般的・黄色や紫の花):秋(10月~11月)に球根を植えて、屋外で冬の寒さにあてる。
  • 秋咲き(サフラン、スペシオサス等):夏(8月~9月)に球根を植えて、その年の秋に咲くのを楽しむ。

この一番大事な分岐点さえ押さえておけば、クロッカスは本当に丈夫で、ガーデニング初心者の方にも心からおすすめできるお花です。

植える時期をしっかり守って、ぜひ来年の春(あるいはこの秋)、足元で可憐に咲き誇るクロッカスの姿を楽しんでみてくださいね。きっと、春の訪れを実感できる、特別な瞬間になるかなと思います。

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