こんにちは、My Garden 編集部です。
冬から春にかけての園芸店で、ひときわ鮮やかなグラデーションを放ち、私たちの目を釘付けにするサイネリア。その圧倒的な花数とボリュームに惹かれてお部屋に迎え入れたものの、「数日でしおれてしまった」「つぼみが咲かずに茶色くなってしまった」という経験はありませんか。サイネリアの育て方を室内で実践する場合、実は日本の住宅環境ならではの「暖房」や「光の入り方」に合わせた、ちょっとした工夫が成功の分かれ道になるんです。私自身も、最初はデリケートな性質に翻弄されたことがありますが、彼らが何を求めているのかという「声」に耳を傾けることで、数ヶ月にわたって満開の状態を維持できるようになりました。この記事では、初心者の方から中級者の方までが納得できるような、サイネリアを室内で健康に、そして美しく咲かせ続けるための具体的なプロトコルを、編集部の視点で徹底的に詳しく解説していきますね。
この記事のポイント
- 室内栽培で最も重要な5℃から20℃の温度管理と暖房対策の具体策
- 大きな葉からの蒸散を支えるための底面給水と通常灌水の使い分け術
- 花を途切れさせないための最適なNPKバランスと施肥のタイミング
- 満開後の切り戻しによる二番花の誘導と夏越しへの高度なアプローチ
冬を彩るサイネリアの育て方と室内の環境設定
サイネリアを室内で元気に育てるための第一歩は、そのルーツであるカナリア諸島の気候を想像することから始まります。そこは涼しく、風通しの良い高地。対して、現代の日本の室内は気密性が高く、暖房によって「乾燥した高温状態」になりがちです。この環境のギャップをどう埋めていくかが、サイネリア栽培の鍵となります。まずは、彼らが「ここならずっと咲いていたい」と思えるような、理想的な居住空間の作り方を深掘りしていきましょう。
日当たりの良い窓際で光量を確保するコツ

サイネリアは、その鮮やかな花びら一枚一枚を維持するために、膨大な光エネルギーを必要とする「陽生植物」です。室内という限られた環境下で、いかに効率よく光を浴びさせるかが、花色の鮮やかさや株の寿命を大きく左右します。光が不足すると、光合成によるエネルギー生産が追いつかず、植物体は生き残るために自らつぼみを落としたり、花の色を薄くしたりして「省エネモード」に入ってしまいます。これを防ぐためには、日中の光量確保が不可欠です。
ガラス越しの光学的ジレンマへの対処
室内の特等席は、やはり南向きの大きな窓際です。しかし、ここで注意したいのが「窓ガラスの性能」です。最近の住宅で主流となっているLow-EガラスやUVカットガラスは、人間にとっては快適ですが、植物の着色に必要な特定の光の波長をカットしてしまうことがあります。これを補うためには、日中の数時間、もし外の気温が10℃以上あり風が穏やかなら、屋外の軒下で直接日光に当ててあげるのが非常に効果的です。直接の日光を浴びることで、葉は厚く、茎は強固になり、花色は驚くほど深みを増します。ただし、室内栽培の基本として、基本的にはレースのカーテン越しに柔らかく、かつたっぷりと光が届く場所を定位置にしてくださいね。
光の方向性と株の生理的ストレス
室内では光が常に一方(窓側)からしか差し込まないため、サイネリアは「屈光性」という性質によって、光の方向へ茎を曲げようとします。これを放置すると、株が窓の方へ倒れ込み、反対側の葉には光が当たらなくなって、株の内側から蒸れたり黄色くなったりする原因になります。これを防ぐためには、後述するメンテナンスが重要になりますが、まずは「光を均等に浴びさせる」という意識を持つことが、サイネリアの育て方を室内で成功させる第一歩だと私は考えています。
暖房の風を避けて適切な温度を保つ方法

サイネリア栽培において、もっとも致命的なミスとなりやすいのが「温度の上げすぎ」です。日本の冬、私たちがエアコンをつけて半袖や薄着で過ごせるような20℃を超えるお部屋は、サイネリアにとっては「夏のような過酷な環境」に他なりません。気温が高すぎると、植物の呼吸速度が光合成による蓄積を上回ってしまい、あっという間に株が老化してしまいます。特に、まだ咲いていないつぼみが次々と茶色くなって落ちる現象(落蕾)は、その多くが夜間の高温や暖房による乾燥が原因です。
サイネリアが最も輝く温度帯の秘密
サイネリアが健全な代謝を維持できる至適温度は、5℃から20℃という比較的低い範囲です。リビングよりも、暖房のない明るい玄関や廊下の方が、実はサイネリアにとっては「天国」のような環境だったりします。私が以前、暖房の効いたリビングと、10℃前後に保たれた寒い玄関で同時に育てた際は、玄関の株の方が1ヶ月以上も長く、色褪せることなく咲き続けました。夜間はさらに温度が下がる窓際から、5℃を下回らない程度に部屋の内側へ移動させるのが理想的ですね。
暖房の直撃は「生理的乾燥」を招く!
エアコンの温風が直接当たる場所にサイネリアを置くのは、絶対に避けてください。サイネリアの大きな葉は、温風にさらされると急激に水分を蒸発させます。このとき、根からの吸水スピードが蒸散に追いつかなくなると、土は湿っているのに葉がぐったりとしおれる「生理的乾燥」という状態に陥ります。このストレスは株に深刻なダメージを与え、最悪の場合はそのまま枯死してしまうこともあるため、風の通り道には細心の注意を払ってくださいね。
夜間の放射冷却への備え
一方で、冬の深夜から早朝にかけての窓際は、放射冷却によって外気と変わらないほど冷え込むことがあります。サイネリアは0℃近くまで耐えることもありますが、霜が降りるような冷気には弱いです。窓際に置いている場合は、夜間だけは厚手のカーテンを閉めるか、段ボールで囲いを作る、あるいは部屋の段差がある高い場所へ移動させるなどの対策が、冬を越させるための知恵となります。
水切れを防ぐ底面給水鉢の正しい水やり

サイネリアの葉を一枚手に取って見てみると、その大きさと薄さに驚かされます。これは光を効率よく受けるための適応ですが、同時に「広大な面積から常に水分を大気に逃がしている」ということも意味します。特に花が満開の時期は、花弁からも水分が失われるため、驚くほど多量の水を要求します。室内栽培で最も神経を使うのが、この「水切れ」との戦いです。最近主流の底面給水鉢は、この課題を解決するための強力な味方になってくれます。
底面給水システムの物理的メカニズムと管理
底面給水鉢は、鉢底の貯水スペースから毛細管現象によって土に水を吸い上げる仕組みです。これにより、常に一定の湿り気が根に供給されるため、サイネリアのような水を好む植物には最適です。しかし、ここで落とし穴があります。貯水スペースの水が空になっていることに気づかず、一日放置しただけでサイネリアは深刻なダメージを受けてしまいます。私は毎朝、指で貯水タンクの重さを確認したり、水位が見える窓をチェックしたりすることを日課にしています。また、室内が高温になると貯水部の水が腐敗しやすくなるため、週に一度は中の水をすべて捨てて、新鮮な水に入れ替えてあげることが根の健康を保つ秘訣です。
通常鉢における「午前中の灌水」の徹底
底面給水ではない普通の鉢で育てている場合は、土の表面がカサカサに乾いたのを確認してから、鉢底から水が溢れ出すまでたっぷりと与えます。この際、「必ず午前中、できれば日が昇ってから10時頃まで」に済ませるのが鉄則です。夕方以降の水やりは、夜間の土壌温度を不必要に下げ、根の活性を奪うだけでなく、鉢内に余分な水分が残ることで根腐れのリスクを高めます。また、大きな葉が重なり合っているため、花や葉に水がかからないよう、優しくかき分けて株元に直接注ぐようにしましょう。花弁に水がつくと、浸透圧の関係でシミができやすく、観賞価値を著しく下げてしまいます。
| 水やりチェック項目 | 理想的な状態 | 危険なサイン |
|---|---|---|
| 土の感触 | 表面は乾いているが中はしっとり | 中までカサカサで鉢が軽すぎる |
| 水やりの時間 | 気温が上がり始める午前8時〜10時 | 冷え込みが始まる夕方以降 |
| 給水箇所 | 葉を避けて土の表面に直接 | 花の上からシャワーのように浴びせる |
肥料を与えるタイミングとおすすめの種類

サイネリアは、短期間にこれほど多くの花を咲かせるため、植物界でも屈指の「大食漢」として知られています。土に含まれるわずかな栄養分だけでは、あっという間にガス欠を起こしてしまいます。室内栽培では特に、光合成の効率が屋外より落ちる分、適切な施肥による栄養補給が株のパフォーマンスを左右します。肥料切れを起こすと、下の方の古い葉から色が抜け、つぼみが膨らむ前にポロリと落ちてしまう悲しい結果を招きます。
NPKバランスとサイネリアの生理的反応
サイネリアの成育を支えるのは、窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)の三大要素です。特に開花中のサイネリアには、花を次々と咲かせるエネルギー源となる「リン酸」を多く含む肥料が適しています。私は、市販の液体肥料(ハイポネックス原液など)を、通常よりも少し薄めの1000倍程度に希釈して、10日に1回くらいのペースで水やり代わりに与えています。液体肥料は根からの吸収が早いため、エネルギーが必要な開花期には即効性のあるサプリメントのような役割を果たしてくれます。
長期開花を支える「置肥」の重要性
液体肥料だけでも育てられますが、さらに安定させるなら緩効性の固形肥料(置肥)を併用するのが賢い方法です。鉢の縁にプロミックなどの錠剤肥料を2〜3粒置いておくと、水やりのたびに少しずつ成分が溶け出し、栄養の空白期間を作らずに済みます。ただし、1月や2月の厳寒期、室温が常に低いお部屋で管理している場合は、植物の成育も緩慢になるため、肥料は控えめにしてください。成育が止まっている状態で過剰に肥料を与えると、土壌中の塩類濃度が高まり、逆に根を傷めてしまう「肥料焼け」を起こす可能性があるからです。植物の状態をよく観察し、新芽が動いているかどうかで判断するのがプロのコツですね。
なお、サイネリアを含む園芸植物への肥料供給に関する最新の知見や、肥料成分が環境に与える影響については、公的な情報を確認することも非常に有用です。(出典:農林水産省『肥料をめぐる情勢』)
鉢回しで株全体の形を綺麗に整える工夫

室内でサイネリアを育てていて、ふと気づくと株が窓の方におじぎをするように曲がっていたり、窓側の花だけが満開で、部屋側の花がまだつぼみのままだったりすることはありませんか。これは、前述した「屈光性」による自然な反応ですが、放っておくと観賞価値が下がるだけでなく、株のバランスが崩れて、光の当たらない部分が弱ってしまうという生理的な問題も引き起こします。これをスマートに解決するのが「鉢回し」というテクニックです。
週に数回の「180度ターン」が生む美しさ
鉢回しは非常にシンプルですが、その効果は絶大です。週に2〜3回、鉢を180度くるっと回転させて、今まで部屋側を向いていた面を窓側に向けてあげましょう。「光を追いかける性質」を逆手に取り、常に均等に受光させることで、サイネリアはどこから見てもこんもりとした半球状の美しいフォルムを維持してくれます。この微調整を繰り返すことで、すべてのつぼみに均等に光が届き、株全体が一度に満開になる「最高潮の瞬間」を人為的に作り出すことができるのです。
通気性の改善と病害虫の抑制
鉢回しのメリットは形状維持だけではありません。光が当たりにくい株の内側にも日光が差し込むようになることで、葉の呼吸が活発になり、湿気がこもりやすい株元の環境が改善されます。これは、サイネリアの大敵である「灰色かび病」やアブラムシの発生を抑制する副次的な効果もあります。私は鉢を回す際、ついでに枯れた下葉がないかチェックする習慣をつけています。こうした小さな「対話」の積み重ねが、室内でのサイネリア栽培をプロ級の仕上がりに導いてくれるんですよ。
長く楽しむサイネリアの育て方と室内のトラブル対策
「サイネリアは花が終わったらおしまい」……そう思っている方がいたら、それは非常にもったいないことです!実は、サイネリアは適切なお手入れによって開花期間を大幅に延ばすことができ、さらには春にもう一度満開にさせることすら可能な、非常にポテンシャルの高い植物なんです。ここからは、ただ「育てる」だけでなく、サイネリアを限界まで長く、そして深く楽しむためのテクニックと、室内栽培で直面しがちなトラブルの回避術を伝授します。
花がら摘みで開花期間を長く延ばす技術

サイネリアを数ヶ月にわたって咲かせ続けるための最も重要な作業、それが「花がら摘み」です。植物にとって「花を咲かせること」は、次世代へ命を繋ぐ種子を作るための手段に過ぎません。花が萎れて受粉が完了すると、植物体はすべてのエネルギーを種子形成(生殖成長)へとシフトさせ、新しいつぼみを作る活動(栄養成長)をストップさせてしまいます。私たちはこの性質を逆手に取り、種ができる前に花を摘み取ることで、無理やり「栄養成長」を続けさせる必要があるのです。
ハサミを入れるべき「絶好のタイミング」
花弁が色あせ始め、中心部の管状花が茶色くなってきたら、それがカットのサインです。サイネリアは花が密集しているため、一輪ずつ摘むのは根気がいりますが、一房(集散花序)が終わった段階で、その房の付け根にあるわき芽のすぐ上でカットしましょう。ハサミは必ず清潔なものを使用してください。古い花を取り除くことで、株全体の通気性が劇的に改善され、室内栽培で多発するカビの発生を物理的に阻止することができます。私は、毎日のお茶の時間に枯れた花を一つつまみ取る、そんなゆとりある時間を楽しむようにしています。
エネルギーの再配分という生理学的メリット
花がらを摘むことで節約されたエネルギーは、即座に次のつぼみの肥大へと回されます。これにより、一番花が咲き終わる頃には次のつぼみが準備万端となり、開花の空白期間を最小限に抑えることができるのです。このメンテナンスを徹底している株と、放置している株では、3月時点での花数に2倍以上の差が出ると言っても過言ではありません。お部屋を常に満開の状態に保ちたいなら、この手間を惜しまないことが、サイネリアの育て方を室内でマスターする近道ですね。なお、カビによる病気対策については、こちらの灰色かび病の予防と対策ガイドも非常に参考になります。
満開後に二番花を咲かせる切り戻しの手順

3月頃、最初からついていたつぼみがすべて咲ききり、少し株の形が乱れてきた時こそが、サイネリア栽培の「第二幕」の始まりです。ここで「切り戻し」という大胆な剪定を行うことで、サイネリアは驚くべき再生能力を見せてくれます。一度は役割を終えたかのように見える株が、再びフレッシュな緑を湛え、数週間後には新品のように瑞々しい花を咲かせる姿は、まさに感動ものですよ。
再生のスイッチを入れる剪定のコツ
切り戻しのポイントは、株元をよく観察し、新しく芽生えてきている小さな「わき芽」を見つけることです。そのわき芽を傷つけないように、株全体の高さの1/3から1/2程度までバッサリと切り戻します。このとき、古い大きな葉を数枚残しておくと、光合成を維持しながらスムーズに新芽へとバトンタッチできます。「こんなに切って大丈夫かな?」と不安になるくらい大胆にカットしても、健康な株なら数日で新しい芽がグンと伸び始めます。この作業を行うことで、老化し始めた茎がリフレッシュされ、より分岐の多い密な株へと生まれ変わるのです。
切り戻し後のブーストケア
切り戻し直後は、一時的に蒸散量が減るため、水やりは少し控えめに(でも乾かしすぎず)管理します。そして、新芽が本格的に動き出したら、待ってましたと言わんばかりに液体肥料による追肥を再開してください。日光にたっぷりと当て、適切な栄養を与えることで、4月の終わり頃には「二番花」が満開になります。この二番花は、一番花よりも少し小ぶりになることが多いですが、その分ナチュラルで繊細な美しさがあり、また違った趣を楽しめるのが魅力ですね。
葉が急にしおれる原因と復活させる対処法

サイネリアを育てていると、朝起きた時に「昨日まであんなに元気だったのに、今日はもうダメかもしれない……」と絶望するほど、株がぐったりとしおれている場面に遭遇することがあります。でも、どうか諦めないでください。サイネリアのしおれ方はダイナミックですが、原因を正確に突き止めて素早く対処すれば、魔法のようにシャキッと復活することが多いのです。
原因別:しおれの診断チャート
まず、指で鉢土を触ってみてください。そして以下の表を参考に、現在の状況を判断しましょう。原因によって、やるべきことが180度変わってきます。
| 土の状態 | 疑われる原因 | 復活のためのアクション |
|---|---|---|
| カサカサに乾いている | 深刻な水切れ | バケツに水を張り、鉢ごと15分浸す(腰水) |
| 湿っている・水が溜まっている | 根腐れ | 灌水を中止し、明るい日陰の風通しの良い場所へ |
| 表面だけ少し乾いている | 高温ストレス(蒸れ) | 直射日光を避け、エアコンのない涼しい廊下へ |
究極の復活術「腰水(こしみず)法」
もし原因が「水切れ」なら、通常の水やりでは土が水を弾いてしまい、十分に吸い上げられないことがあります。そんな時は、深めのバケツに水を張り、鉢の高さの半分くらいまで浸ける「腰水」を行ってください。そのまま数時間置くと、細胞内に水圧(膨圧)が戻り、葉が再びピンと立ち上がってきます。復活した姿を確認できたら、速やかに水から上げ、風通しの良い場所で休ませてあげましょう。ただし、根腐れが原因の場合は逆効果になるので、事前のチェックは絶対に忘れないでくださいね。
アブラムシやコナジラミなど害虫の予防策
室内でのサイネリア栽培において、避けて通れないのが病害虫との付き合いです。特にサイネリアの瑞々しく柔らかい茎やつぼみは、害虫たちにとっても最高のご馳走です。一度発生を許すと、室内という天敵のいない閉鎖空間では、彼らは爆発的に増殖してしまいます。大切なのは「出してから叩く」のではなく「出さない環境づくり」と「初期消火」です。
サイネリアを狙う「厄介な三銃士」
最も多く発生するのがアブラムシです。彼らは新芽の先にびっしりと群生し、植物の栄養を吸い取るだけでなく、ウイルス病を運んでくる運び屋でもあります。次に、葉の裏に潜むコナジラミ。触るとふわっと白い粉のような虫が舞い上がるなら要注意です。そして、土が湿りすぎていると発生するキノコバエ。これらは直接株を枯らすことは少ないですが、室内栽培では不快指数が高く、早期の対策が求められます。
家庭でできるスマートな防除法
私は、サイネリアを購入して家に入れたその日に、まず「オルトラン粒剤」などの浸透移行性殺虫剤を土にパラパラと撒いておきます。これが根から吸収されて株全体に行き渡ることで、虫が一口かじっただけで撃退できる「バリア」が完成します。また、コナジラミに対しては、市販の黄色い粘着トラップを鉢の近くに設置しておくと、成虫を効率的に捕獲でき、農薬の使用量を抑えることができます。室内という居住空間だからこそ、薬剤に頼りすぎず、物理的な対策と組み合わせて、賢く守ってあげましょうね。
難しい夏越しに挑戦するための温度設定
サイネリアは一般的に「秋まき一年草」として販売されています。これは、日本の夏の猛烈な暑さと湿気が彼らにとって死の宣告に近いほど過酷だからです。しかし、実はサイネリアの本来の寿命は一年ではありません。もし、あなたが「この株をどうしても来年も咲かせたい」と願うなら、室内環境を完全にコントロールすることで、夏越しのハードルを乗り越えることができます。
夏越しのための「3つの絶対ルール」
成功のための必須条件は、以下の3点に集約されます。
- 24時間の温度管理: 25℃を超えるとサイネリアの生命活動は極端に低下し、根腐れを誘発します。エアコンが常に稼働している冷涼な部屋(20℃〜23℃が理想)で、文字通り「夏眠」させてあげる必要があります。
- 断食(施肥の中止): 暑さで弱っている時に肥料をあげるのは、高熱が出ている時に焼肉を食べるようなものです。夏の間は一切の肥料を断ち、根を休ませることに徹してください。
- 極限の乾燥管理: 夏は代謝が落ちているため、ほとんど水を必要としません。土がカサカサに乾き、葉が少し柔らかくなってから、夕方の涼しい時間帯に少量の水を与える「生存維持のための水やり」に切り替えます。
これらを守り抜き、9月の終わり頃に夜風が涼しくなってきたら、新しい土に植え替えて通常のケアに戻します。難易度は最高ランクですが、夏を越した株は非常に大きく成長し、翌年はさらに見事な花を咲かせてくれますよ。挑戦する価値は十分にあります!
縁起の良い花言葉と贈り物としてのマナー

サイネリアの育て方を室内でマスターしたら、その美しさを大切な誰かと共有したくなるものです。サイネリアは、その鮮やかな色彩が持つエネルギーから、心理学的な癒し効果も非常に高いとされています。贈り物として選ぶ際には、その華やかな外見だけでなく、秘められた花言葉や、日本ならではのちょっとしたマナーを知っておくと、あなたの心遣いがより深く伝わります。
色彩が語るメッセージ
サイネリア全体の花言葉は「いつも快活」「喜び」。冬の凍てつく空気の中で力強く咲く姿そのものですね。色別では、白は「純愛」、青や紫は「悩み」……といっても、これは「恋に悩む健気な姿」を象徴しており、どこか詩的な趣があります。ピンクや赤は「常に輝かしく」で、お祝い事にもぴったりです。私は友人の誕生日に、その人のイメージカラーのサイネリアを選び、メッセージカードに花言葉を添えて贈ったことがありますが、とても喜んでもらえました。
知っておきたい日本独自のギフトマナー
サイネリアはその音の響きが「シネ(死ね)」や「サ(災)イネリア」を連想させるとして、特にお見舞いや新築祝いには不向きとされる古い習慣があります。最近はあまり気にしない方も多いですが、ご年配の方や礼儀を重んじる方に贈る場合は、「富貴菊(ふうきぎく)」というおめでたい別名を伝えたり、西洋での「 Always delightful(いつも愉快に)」という前向きな意味を添えるのが、大人のマナーですね。知識を持って選ぶ一鉢は、どんなプレゼントよりも温かく相手の心を照らすはずです。
美しいサイネリアの育て方を室内で極めるまとめ
ここまで長い間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。サイネリアの育て方を室内で実践することは、単なる作業の連続ではなく、日々変化する植物の生命力と向き合い、微細な環境調整を繰り返す、とてもクリエイティブで豊かな体験です。5℃から20℃という涼しい環境を整え、喉が渇きやすい彼らのために適切な水分を与え、そして何より、毎日少しだけ彼らの表情を観察してあげる。そのささやかな愛情こそが、サイネリアが応えてくれる圧倒的な美しさの源泉になります。
植物を育てる喜びは、自分の手で「生命が輝く瞬間」を演出できることにあります。この記事が、あなたとサイネリアの素晴らしい共同生活を支える、ささやかな道標になれば幸いです。もし途中で迷うことがあっても、それは植物を深く理解するためのステップに過ぎません。どうぞ、自信を持って、あなただけの一鉢を慈しんでくださいね。なお、最終的な栽培の判断は、ご自宅の環境や地域の気候を考慮し、自己責任において行ってください。お困りの際は、お近くの園芸店など専門家の知恵を借りるのも、園芸を長く楽しむための大切な知恵ですよ。
この記事の要点まとめ
- 室内の置き場所は南向きの明るい窓際を確保しレースのカーテンで遮光する
- 日光が不足すると花色の退色や徒長を引き起こすため注意が必要
- 5度から20度の涼しい環境が最も長持ちする理想的な温度帯である
- 暖房の温風は生理的乾燥を招くため株に直接当ててはならない
- 水やりは土の表面が乾いたタイミングで午前中に株元へ直接注ぐ
- 底面給水鉢は貯水スペースを常にチェックし週に一度は水を入れ替える
- 開花中はリン酸を多く含む液体肥料を10日〜2週間に一度追肥する
- 鉢を数日おきに180度回転させる鉢回しで株のバランスを整える
- 枯れた花をこまめに摘み取る花がら摘みが開花期間を劇的に延ばす
- 3月上旬に大胆な切り戻しを行うことで4月以降に二番花を楽しめる
- 深刻なしおれにはバケツを使った腰水法が緊急蘇生術として有効
- アブラムシやコナジラミは浸透移行性殺虫剤で初期段階から防除する
- 夏越しを狙う場合はエアコンが効いた25度以下の部屋で乾燥気味に管理する
- ギフトの際は別名の富貴菊やポジティブな花言葉を添えるのがマナー
- 毎日の小さな観察と環境への微調整が長期開花を成功させる最大の鍵
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