こんにちは、My Garden 編集部です。
日本の夏の風景に欠かせない朝顔ですが、いざ自分で育てようと思うと「朝顔は何月から種をまくのが正解なの?」「うちの地域だと開花は何月まで楽しめる?」といった時期にまつわる疑問が次々と湧いてきますよね。朝顔の種まきは何月がベストなタイミングなのか、苗の植え付けは何月に行うのが株を弱らせないコツなのか、そして待ちに待った朝顔の開花は何月まで続くのか。これらのタイミングを少し外すだけで、花の数が減ってしまったり、最悪の場合は芽が出ないなんてこともあります。また、無事に夏を越した後に気になるのが、朝顔の種取りは何月にすべきかという翌年への準備です。今回は、私自身の失敗談や成功のポイントを交えながら、朝顔の栽培サイクルについて徹底的に解説していきます。この記事を読めば、あなたの庭やベランダでも、理想的な朝顔を咲かせることができるはずですよ。
この記事のポイント
- お住まいの地域や毎年の気温変化に合わせた、最も失敗の少ない種まき適期の判断基準
- 初心者でも簡単!発芽率を劇的に向上させるための「芽切り」と「吸水」の具体的な手順
- 朝顔の性質である「短日性」を理解し、夜間の街灯などのトラブルから花を守る方法
- 収穫した種を翌年以降も高い発芽率で維持するための、プロも実践する乾燥と保存の知恵
朝顔は何月に種をまく?地域別の適期と発芽のコツ
朝顔の栽培において、最も重要で、かつ多くの人がつまずきやすいのが「種まきの時期」です。朝顔は熱帯や亜熱帯を原産とする植物なので、私たちが想像している以上に温かさを必要とします。早く花が見たいからと4月のゴールデンウィーク前にまいてしまうと、寒さで種が腐ってしまうことも珍しくありません。逆に遅すぎると、今度は開花期間が短くなってしまいます。ここでは、朝顔は何月に種をまくべきか、その具体的な判断基準と地域ごとの違いについて、初心者の方にも分かりやすくお話ししていきますね。
朝顔の種まきは何月が目安?地温と外気温の条件

朝顔の種をまく時期を検討する際、カレンダーの日付以上に大切にしてほしいのが「気温」と「地温」です。アサガオの発芽に適した温度は、一般的に20℃から25℃と言われています。これは単に日中の最高気温が25℃になればいいというわけではなく、夜間の最低気温が安定して20℃近くまで上がる時期を指します。私たちが夜に「寝苦しいな」と感じ始める少し前、窓を開けて寝ても寒くないくらいの気候が、朝顔にとっては「活動開始!」のサインになるんですね。
なぜここまで温度にこだわるかというと、朝顔の種が水分を吸収して細胞分裂を始めるためには、一定以上の熱エネルギーが必要だからです。もし土の温度(地温)が低い状態で種をまいてしまうと、種は水を吸って膨らむまではいきますが、そこから芽を出す力が湧きません。そのまま低い温度の中に放置されると、土の中の菌に侵されて種が腐ってしまう「種腐れ」が起きてしまいます。私も以前、4月下旬に「もう暖かいだろう」と思ってまいた種が一つも芽吹かず、掘り起こしてみたらドロドロに溶けていたという苦い経験があります。本当に悲しいものです。
目安としては、5月の中旬から下旬にかけて、気象庁のデータなどで夜間の気温推移をチェックしてみてください。日中は半袖でも過ごせるような陽気が1週間ほど続き、地面を触った時に「冷たくない」と感じるようになれば、それが朝顔にとってのベストシーズンです。最近は温暖化の影響で4月から夏日が続くこともありますが、地面の温度は空気に比べてゆっくり上がります。空気が温かくても土が冷え切っていることがあるので注意してくださいね。植物の生理現象に基づいた正しい播種時期の選定は、プロの現場でも徹底されている基本中の基本なんです。
(出典:台東区役所「区の花『あさがお』の育て方」)
理想的な気温の目安
- 最低気温:20℃前後で安定していること
- 最高気温:25℃以上の日が増えてきた時期
- 地温:20℃以上を確保できる環境
地温を確保するための工夫
もしどうしても少し早めにまきたいという場合は、黒いビニール(マルチ)を土に被せて地温を上げたり、育苗ポットを日当たりの良い窓辺に置いたりすることで、人工的に「朝顔の適温」を作ってあげることも可能です。ただし、朝顔は直根性(根が真っ直ぐ伸びる性質)なので、ポットから植え替える際に根を傷めないよう注意が必要になります。基本的には、焦らずに自然の温度が上がるのを待つのが一番確実かなと思いますよ。
5月から6月の地域別種まきカレンダーと遅霜の注意
日本は南北に長く、また山間部と沿岸部でも気温の差が激しいため、全国一律で「何月何日が最適」とは言えません。関東以南の暖かい平野部であれば、5月のゴールデンウィーク明けから中旬が標準的ですが、北日本や標高の高い地域では6月に入ってからが適期になることもあります。ここでのキーワードは「遅霜(おそじも)」です。春になり、暖かくなってきたと油断した頃にやってくる一時的な冷え込みは、朝顔にとって致命的です。
せっかく芽が出たばかりの幼い苗は非常にデリケートで、一度でも霜に当たると、細胞内の水分が凍って組織が破壊され、一晩で真っ黒に枯れてしまいます。私の知り合いのベテランガーデナーでも、5月の急な寒の戻りで丹精込めた苗を全滅させてしまったことがあり、それ以来「八十八夜(5月2日頃)を過ぎるまでは決してまかない」と心に決めているそうです。八十八夜は古くから農業の目安とされてきましたが、科学的にもこの時期を境に霜の降りるリスクが激減すると言われています。
地域の気候を読み解くことは、園芸の醍醐味でもあります。例えば、桜の開花が例年より極端に早かった年は地温の上昇も早い傾向にありますが、それでも夜間の急な冷え込みには警戒が必要です。ベランダ栽培の場合はコンクリートの照り返しで昼夜の寒暖差が激しくなるため、夕方以降は室内に取り込むなどの工夫をすると、より安全に発芽を迎えられますよ。特にお子さんの宿題で育てる場合は、学校から配られる種が貴重な一袋だけだったりするので、この時期の判断は慎重に行いたいですね。
| 地域区分 | 推奨種まき時期 | 栽培のポイント |
|---|---|---|
| 九州・沖縄 | 4月中旬〜下旬 | 梅雨入り前にしっかり株を大きくし、湿害を防ぎます。 |
| 関東・関西・中国・四国 | 5月上旬〜下旬 | 八十八夜以降、地温20℃以上を確認してから。 |
| 北陸・東北・山陰 | 5月中旬〜6月上旬 | 寒暖差が激しいため、遅霜の心配がなくなってから。 |
| 北海道 | 6月上旬〜中旬 | 夏が短いため、育苗ポットで温かくしてスタートさせます。 |
異常気象への対応
最近では、5月でも4月のような冷え込みがあったり、逆に30度を超える猛暑日になったりすることもありますよね。気象庁の「1ヶ月予報」などを確認し、その年の傾向を掴んでおくのが賢明です。もし種まき後に予期せぬ寒波が来た場合は、不織布を被せたり、鉢植えなら玄関先に入れたりして、物理的に温度を守ってあげてください。朝顔は「芽さえ出て、ある程度大きくなれば」驚くほど強健になります。最初のこの時期だけ、少しだけ過保護に見守ってあげましょう。
発芽率を劇的に上げる芽切りと吸水の正しい手順

朝顔の種をじっくり観察したことはありますか?とても硬い殻に覆われていて、まるでお米の籾(もみ)のようですよね。これを専門用語で「硬実種子(こうじつしゅし)」と呼びます。自然界では、この硬い殻が種を乾燥や寒さから守り、数年かけてゆっくりと風化して水を吸い、適切なタイミングで発芽するようにできています。しかし、私たちが家庭で育てる場合は、まいた種にはすべて、しかも同時に芽を出してほしいものです。そこで、人の手で発芽のスイッチを入れてあげる「芽切り」という作業が必要になります。
芽切りとは、爪切りやヤスリ、カッターなどを使って、種の皮の一部をほんの少しだけ削ってあげることです。これによって、水が種の中に入り込むための「窓」を無理やり作ってあげます。削る場所にはコツがあります。種をよく見ると、少しへこんでいる部分(へそ)がありますよね。そこは芽が出てくる大切な場所なので、絶対に傷つけてはいけません。削るのは、その反対側の盛り上がった「背中」の部分です。白い中身がほんのわずかに見える程度に、皮を薄く削ってあげましょう。あまり深く削りすぎると中身を傷めてしまうので、優しく丁寧に行ってくださいね。
芽切りの後は「吸水」です。削った種をぬるま湯(といっても20度〜25度くらい)に一晩、だいたい6時間から12時間ほど浸しておきます。翌朝、種が水を吸って2倍くらいに膨らんでいれば、発芽の準備は万端です!もし膨らんでいない種があれば、皮の削り方が足りない証拠なので、もう一度軽く削って再度水に浸してみてください。この一手間をかけるかかけないかで、発芽率は劇的に変わります。私は以前、芽切りをせずにまいた時、芽が出るまでに2週間以上かかったことがありますが、芽切りをした時はたった3日で顔を出してくれました。まさに「園芸の魔法」のような手順ですね。
芽切りの注意点
最近市販されている朝顔の種の中には、すでに薬品で処理されていたり、機械で傷がつけられていたりする「発芽処理済み」の種も多いです。その場合は、パッケージの裏面に「芽切り不要」と書かれていますので、無理に削る必要はありません。逆に傷めすぎてしまうことがあるので、必ず確認してから作業に入りましょう。
吸水時の酸素不足に注意
吸水させる際、あまりに深い容器にたっぷりの水を入れて長時間放置すると、種が酸欠になってしまうことがあります。平らな小皿にキッチンペーパーを敷き、それがひたひたに浸かるくらいの水加減にすると、酸素と水分がバランスよく供給されるのでおすすめです。また、水の色が茶色く濁ってきたら、アクが出ているサイン。一度水を取り替えてあげると、種がより清潔な状態で発芽へと向かえますよ。
本葉が出た後の植え替え時期と失敗しない土作り

種をまいてから1週間ほど経つと、土の中から力強く首をもたげた芽が開き、蝶のような形の「双葉」が展開します。この姿は本当にかわいらしくて、毎朝のチェックが楽しくなりますね。双葉が完全に開いてしばらくすると、中心からギザギザとした形の「本葉」が見えてきます。朝顔を鉢上げしたり、大きなプランターに植え替えたりする(定植)のに適しているのは、この本葉が3枚から4枚になった頃です。これより早いと苗がまだ弱く、遅すぎると今度は根が回りすぎて植え傷みを起こしやすくなります。
植え替えの際に最も気をつけてほしいのが、朝顔の「根」の性質です。朝顔の根は「直根性(ちょっこんせい)」と呼ばれ、太い根が真っ直ぐ下に伸び、そこから細かい根が広がる構造をしています。この太い根は一度折れたり傷ついたりすると再生しにくく、株全体の成長が止まってしまう原因になります。そのため、育苗ポットから出すときは、土を絶対に崩さないように「優しく、そっと」が鉄則です。ポットの底を軽く叩いて、土ごとスポッと抜くイメージで行ってください。鉢の中央に少し深めの穴を掘り、苗の深さを調整して植え付けましょう。
土作りについても、朝顔の個性に合わせる必要があります。朝顔は非常に成長が早く、大量の葉と花を次々と展開させるため、非常に「大食漢」な植物です。土は市販の「草花用培養土」でも十分育ちますが、元肥(もとごえ)としてゆっくり効くタイプの化成肥料をあらかじめ混ぜ込んでおくと、その後のスタミナ切れを防げます。また、朝顔は日光と同じくらい、新鮮な空気が根に届くことを好みます。水はけが悪いと、夏の暑い時期に土の中が蒸れて根腐れを起こしやすくなるので、鉢底石をしっかり敷き、通気性を確保することが重要です。土選びに少しだけこだわることが、最終的な花の数に直結しますよ。
朝顔が喜ぶ土の配合例
もし自分でブレンドするなら、「赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1」の割合に、一掴みの緩効性肥料を混ぜるのが黄金比です。水はけが良く、適度に水分を保てるこのブレンドは、夏の過酷な環境でも根がのびのびと育つのを助けてくれます。
肥料の与えすぎに注意
朝顔は肥料を好みますが、植え付け直後に窒素分が多すぎる肥料を与えると、つるや葉ばかりが異常に茂り、花が全く咲かない「つるボケ」という現象を引き起こすことがあります。最初は「じわじわ効く」肥料を使い、つるが伸び始めてから様子を見て追肥するのが、美しい花をたくさん咲かせるコツです。
旺盛につるを伸ばす摘心とグリーンカーテンの作り方

朝顔を育てる楽しみといえば、やはりあのぐんぐんと伸びる「つる」ですよね。しかし、ただ放っておくだけでは、ひょろひょろと一本の長い茎が伸びるだけで、スカスカな印象になってしまいます。特に「グリーンカーテンを作りたい」と思っているなら、必須となるのが「摘心(てきしん)」というテクニックです。これは親づるの先端をカットすることで、植物の「上に伸びたい」というエネルギーを「横に広がりたい」というエネルギーに変えてあげる作業です。
具体的な方法は、本葉が5枚から8枚くらいになった頃、親づるの先端(一番上の芽)を指先やハサミでパチンと切り落とします。これを「芯を止める」と言います。すると不思議なことに、今まで大人しくしていた葉の付け根にある脇芽が、一斉に伸び始めます。これを「子づる」と呼び、この子づるが増えれば増えるほど、葉の密度が濃くなり、カーテンとしての機能が向上します。子づるがさらに伸びてきたら、またその先端を摘心して「孫づる」を出す……という具合に繰り返すと、驚くほどボリュームのある緑の壁が出来上がります。私も初めてこれを知ったときは「せっかく伸びたのに切っちゃうの?」と抵抗がありましたが、結果的に花の数も3倍くらいになり、やって良かったと確信しました。
グリーンカーテンにする場合は、ネットの張り方にもコツがあります。ネットはピンと張り、朝顔のつるが巻き付きやすいように少し余裕を持たせて設置しましょう。朝顔のつるは「上から見て左巻き(反時計回り)」に巻き付く性質があります。無理やり逆方向に巻き付けるとストレスになるので、自然な巻き方向に添わせてあげてください。また、最近の猛暑は朝顔にとっても過酷です。朝顔の横にゴーヤやフウセンカズラなどを一緒に植えると、葉の形が違うため影が濃くなり、より涼しい天然のエアコンが完成しますよ。手をかければかけるほど、朝顔は美しい緑と花で応えてくれます。
摘心と誘引の重要ステップ
- 本葉5〜8枚で親づるを摘心する
- 伸びてきた子づるをネットの左右に広げるように誘導する(誘引)
- 下の方に隙間ができないよう、最初のうちはつるを横に寝かせて巻き付ける
- 子づるがさらに伸びたら、必要に応じて再度摘心して孫づるを出す
つるが巻き付かない時の対処法
朝顔のつるは、自分からネットを探して巻き付きますが、たまに迷子になって空中を彷徨っていることがあります。そんな時は、優しく手で誘導してあげましょう。ただし、つるの先端は非常に柔らかく折れやすいので、少し手前のしっかりした部分を持って、ネットに一、二度回してあげれば大丈夫。朝顔は賢いので、一度足がかりを見つければ、あとは自力で登っていきます。毎朝のチェックのついでに、この「迷子のつる」を助けてあげるのも、朝顔栽培の楽しい日課になりますよ。
朝顔は何月に咲く?開花の仕組みと猛暑の管理術
朝顔が「何月に咲くのか」という問いに対して、多くの方は「7月から8月の夏休み期間中」と答えるでしょう。確かにその通りなのですが、実は朝顔が花を咲かせるスイッチが入るには、気温以外のある重要な要素が関係しています。最近では秋遅くまで咲く姿もよく見かけますよね。また、近年の日本の夏は「酷暑」とも呼べるレベルになっており、伝統的な育て方だけでは朝顔がバテてしまうケースも増えてきました。ここでは、朝顔の開花のメカニズムと、厳しい夏を乗り切るための最新の管理術について、詳しく深掘りしていきましょう。
開花時期を左右する短日植物の性質と花芽形成

朝顔が花を咲かせるための最大のキーワードは「短日性(たんじつせい)」です。これは、一日のうちの「夜の長さ(暗期)」が一定の時間より長くなることで、花を咲かせる準備(花芽形成)を始めるという植物の性質です。私たちが「夏は日が長いから咲くんだろう」と思いがちなのですが、植物生理学的にはその逆。朝顔は、夜が十分に長くならないと「あ、もうすぐ秋が来るから種を作らなきゃ!」という危機感が芽生えず、ひたすら葉を茂らせることに専念してしまいます。どんなに暖かくなっても、昼の時間が一番長い夏至(6月21日頃)までは、朝顔は自分の体を大きくすることに夢中で、なかなか花をつけません。
夏至を過ぎて、夜がじわじわと長くなり始めると、朝顔の葉がそれを敏感に察知します。「そろそろ子孫を残す準備をしなきゃ!」と判断されると、成長点に花芽が作られ始めます。これが、朝顔の開花が7月中旬以降に集中する科学的な理由です。種をまいてからおよそ1ヶ月半から2ヶ月。ちょうど学校の夏休みが始まる頃に最初の花が見られるのは、この緻密な体内時計のおかげなんです。そして、もう一つ面白いのが開花のタイミングです。朝顔は「日の出」に反応して咲くのではなく、実は「日没」から何時間経ったかで開花時間を決めています。種類にもよりますが、夕方暗くなってから約10時間後に花が開くように精密にセットされています。
だから、私たちがまだ夢の中にいる午前4時や5時の暗い時間から咲き始め、日の出とともに全開になり、私たちが起きて庭に出る頃には、一番美しい姿を見せてくれるわけです。この精密な体内時計を知ると、朝顔が単なる観賞植物ではなく、一種の「知性」を持った生き物のように感じられませんか?自然の摂理に寄り添って、朝一番の美しさを愛でる喜びは、早起きをした人だけが味わえる特権ですね。もし「うちの朝顔は咲くのが遅いな」と思ったら、一度夜の暗さを確認してみてください。現代ならではの意外な理由が隠れているかもしれません。
日本朝顔や西洋朝顔など種類による開花時期のズレ

「朝顔」と一言で言っても、実は世界中には数え切れないほどの種類があるのをご存知ですか?私たちが普段、朝顔と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、小学校の校庭で咲いているような大きな花の「日本朝顔」だと思います。でも、実は種類によって「何月に咲くのが一番得意か」というスケジュールがかなり違うんです。このズレを知らずに育てていると、「隣の家の朝顔はもう咲いているのに、うちはまだかな?」と不安になってしまうこともあるので、それぞれの個性をしっかり把握しておきましょうね。
まず、王道の「日本朝顔」は、7月中旬から8月にかけてが最も華やかな時期となります。日本の高温多湿な夏にぴったり適応していて、早朝にパッと咲いてお昼前には潔くしぼんでしまう姿は、まさに夏の風物詩。一方で、最近お庭やベランダでよく見かけるようになった「西洋朝顔(ヘブンリーブルーなど)」は、実は少し遅咲きなんです。西洋朝顔は日本朝顔よりもさらに夜の長さに対して敏感で、本格的に咲き始めるのは8月の終わりから、下手をすると9月に入ってからということも珍しくありません。私の友人も「8月半ばなのに葉っぱばかり茂って花が一つも咲かない!」と嘆いていましたが、9月の声を聞いた途端に、毎朝数十輪もの青い花が溢れ出すように咲き始め、結局11月の初め頃まで楽しませてくれました。まさに秋の朝顔と言えますね。
さらに、近年人気なのが「宿根(しゅっこん)朝顔」です。特に琉球朝顔(オーシャンブルー)などは、一度植えると毎年芽を出す多年草で、その成長力は驚異的です。こちらは6月の終わり頃からポツポツと咲き始め、夏の猛暑もどこ吹く風で、11月の霜が降りる直前までずっと咲き続けます。しかも、午前中だけでなく夕方近くまで花が持つという特性があります。このように、朝顔の種類によって「何月から何月まで楽しめるのか」という期間は大きく変わります。自分が育てている子がどのタイプなのかを知っておくだけで、ゆったりとした気持ちで見守ってあげられるようになりますよ。最近は温暖化の影響もあり、日本朝顔の開花が以前よりも少し後ろにずれて、10月まで元気に咲いている姿もよく見かけるようになりました。
| 朝顔の分類 | 主な開花期間 | 見頃のピーク | 特徴・性質 |
|---|---|---|---|
| 日本朝顔 | 7月中旬〜10月 | 7月下旬〜8月 | 大輪が多く、午前中にしぼむ。繊細な美しさ。 |
| 西洋朝顔 | 8月下旬〜11月 | 9月〜10月 | 花数が多く、お昼頃まで咲き続ける。秋に強い。 |
| 宿根朝顔 | 6月下旬〜11月 | 8月〜10月 | 極めて強健。一度植えると毎年咲き、夕方まで持つ。 |
夜間の街灯が原因?花が咲かない時の遮光対策

「毎日お水も肥料もあげているのに、8月になっても花が一つも咲かない…」という切実なご相談をよくいただきます。実はこれ、病気や育て方のミスではなく、意外な伏兵が原因であることが多いんです。それが「夜の明かり」です。前にお話しした通り、朝顔は夜の暗闇の長さを測ることで花芽を作るスイッチをオンにします。でも、現代の住宅地は夜でも本当に明るいですよね。防犯灯や街灯、自動販売機の明かり、さらには隣の家のベランダから漏れてくる光など……。私たち人間にとっては便利な光ですが、朝顔にとっては「まだお昼が続いている!」という勘違いの元になってしまうんです。
朝顔の葉は、驚くほどわずかな光でも敏感に感じ取ります。街灯のすぐ下や、窓から室内の明かりが直接当たる場所に置いている場合、植物の体内時計が狂ってしまい、いつまで経っても「子孫を残す準備(花芽作り)」に入れません。これを「光公害(ひかりこうがい)」なんて呼んだりもします。特に、大輪系の日本朝顔や西洋朝顔はこの影響を受けやすいデリケートな性質を持っています。もし心当たりがあるなら、今すぐ試してほしいのが「物理的な遮光」です。夕方の5時か6時頃から翌朝の8時頃まで、大きな段ボール箱をスポッと被せて、朝顔の周りを強制的に真っ暗闇にしてあげてください。これを2週間ほど根気強く続けると、朝顔は「あ、もう秋が近いんだ!早く花を咲かせなきゃ!」とスイッチが入り、節々に小さな花芽が見えてくるはずですよ。
ベランダ栽培の場合は、室内のレースのカーテン越しに漏れる光でも反応してしまうことがあります。植物を育てるということは、その植物が本来持っている「眠りのリズム」を守ってあげることでもあるんだな、と私も気づかされました。最近では、暗くなってから庭に出ると、自分の家の窓が意外と明るいことに驚かされることもあります。少しの工夫で、朝顔はまた元気に花を咲かせようとしてくれます。ぜひ、夜の庭やベランダを一度「朝顔の目線」でチェックしてみてくださいね。しっかり暗闇を確保してあげることが、翌朝の輝くような花への一番のプレゼントになります。
光に敏感な品種と対策
大輪系の朝顔は特に光に敏感ですが、最近開発された「曜白(ようしろ)アサガオ」などは比較的、光の影響を受けにくいとされています。それでも、基本的には「夜はしっかり暗く」が朝顔の健康には理想的です。段ボールでの遮光が難しい場合は、光の当たらない家の裏側へ一時的に移動させるのも有効な手段ですよ。
猛暑による受粉障害を防ぐ水やりと追肥のポイント
近年の日本の夏は「酷暑」といっても過言ではないほど、植物にとっても厳しい環境になっています。特に最高気温が35℃を超えるような日が続くと、朝顔も夏バテのような状態に陥ります。一番の問題は「受粉障害」です。あまりに気温が高いと、朝顔がせっかく花を咲かせても、花粉の力が弱まって受粉できず、種ができずに枯れ落ちてしまうことがあるんです。また、夜の気温が下がらない「熱帯夜」も強敵。夜間に朝顔が体力を回復できず、エネルギーを使い切ってしまうため、翌朝に咲く花の大きさが極端に小さくなったり、つぼみが開かないまましおれてしまったりすることもあります。
この猛暑を乗り切るための最大のポイントは、やはり「水やりのタイミング」です。基本は、太陽が昇る前の早朝にたっぷりとあげること。この際、鉢の底から水がジャブジャブ流れ出るくらいあげてください。これは単に水分を補給するだけでなく、土の中の古い熱や空気を押し出し、根っこの温度を下げてリフレッシュさせるという大切な役割も持っています。日中に土が乾いてしまって、葉っぱがぐったりしている時は、応急処置として夕方にも水をあげますが、この時は「夜の間に土が少し乾く程度」の量に留めるのがコツです。夜に水が多すぎると、つるばかりが異常に伸びる「つるボケ」の原因になりやすく、花の数が減ってしまうこともあるからです。肥料も重要ですが、猛暑で弱っている時に濃い液体肥料をあげると「根焼け」を起こして逆効果になるので、通常の2倍から3倍に薄めたものを「回数を増やして」あげることがスタミナ維持には効果的ですよ。
猛暑から根を守るプロの知恵
鉢植えの場合、コンクリートに直接置くと地熱で根が煮えてしまいます。すのこやレンガの上に置くだけでも、空気の通り道ができて地熱を逃がせます。また、二重鉢(大きな鉢の中に苗を入れる)にすると、外側の鉢が断熱材のような役割をしてくれるので、猛暑日のダメージをかなり軽減できますよ。
翌年も楽しむための種取り時期と収穫後の保存方法

花のシーズンが終盤を迎えると、次は命をつなぐための「種取り」の時間がやってきます。朝顔の種取りは何月に行うのが正解かというと、一般的には9月の終わりから11月にかけてです。花が終わった後にできる緑色の実は、最初はぷっくりとしていて水分を多く含んでいますが、これをすぐに採ってはいけません。中の種がまだ未熟で、来年芽を出す力が備わっていないからです。じっと我慢して、種を包んでいる「萼(がく)」が茶色く枯れ、実の表面がパリパリに乾いて、触るとカサカサと音がするようになるのを待つのが鉄則です。「茶色くなって、触ると皮が簡単に割れる状態」こそが、最高の収穫タイミングです。
収穫した種は、そのまますぐに袋に入れるのはNGです。まずは平らなトレイなどに並べて、風通しの良い日陰で1週間ほどしっかりと「追熟」と乾燥をさせましょう。水分が残っていると、保存中にカビが生えて全滅してしまうこともあります。十分に乾いたら、茶封筒などの紙袋に入れるのがおすすめ。ビニール袋だと蒸れることがあるので注意してくださいね。さらに、その封筒をタッパーなどの密封容器に入れ、乾燥剤(お菓子に入っているものでOK)を一緒に入れて冷蔵庫の野菜室で保管すると、発芽能力を数年間も維持することができます。冷暗所での保管は、種を「深い眠り」につかせるためにとても大切な手順なんです。朝顔の種にはわずかな毒性があるので、お子さんが「お豆だ!」と口にしないよう、保管場所には気をつけてくださいね。来年の春、またこの種から新しい芽が出るのを想像する時間は、園芸を趣味にしていて本当に良かったなと思える瞬間です。
良質な種を収穫するチェックリスト
- 実の皮が完全に茶色く変色し、乾燥していること
- 雨の日ではなく、晴天が2〜3日続いた日の午後に収穫する
- 種が黒々と光り、指で押しても潰れないくらい硬いものを選ぶ
- 品種が混ざらないよう、収穫したその場でラベルを貼っておく
宿根朝顔を枯らさないための冬越しの剪定と防寒

一年草の朝顔は種を採って終わりですが、宿根(しゅっこん)朝顔である琉球朝顔などは、命をつないで翌年も楽しむことができます。でも、もともと沖縄などの暖かい場所の出身なので、本州の冬は彼らにとって死活問題。適切な冬越し準備は何月にするべきかというと、最低気温が10℃を下回り始める11月頃が目安となります。まずは、あんなに旺盛に伸びていたつるを、地面から20cm〜30cmほどの高さでバッサリと切り戻します。この「強剪定」を行うことで、冬の間のエネルギー消耗を抑え、株元に栄養を集中させることができます。残った葉もすべて取り除いて、スッキリした姿にしてあげましょう。
剪定が終わったら、次は根っこを寒さから守る「防寒」です。地植えの場合は、株元を腐葉土や敷き藁、あるいはウッドチップなどで厚めに覆ってあげる「マルチング」が欠かせません。これがお布団のような役割をして、地面が凍るのを防いでくれます。鉢植えの場合は、室内の日当たりの良い暖かい場所に移動させるのが一番確実ですが、外で冬越しさせるなら、鉢全体をプチプチ(緩衝材)で包んだり、発泡スチロールの箱に鉢ごと入れて地熱を遮断したりしてあげましょう。冬の間はほとんど成長しないので、お水は「土が完全に乾いてから数日後」に、暖かい日の午前中に少しあげる程度で十分です。春になり、4月下旬から5月にかけて地面からひょっこりと緑の芽が顔を出した時の感動は、宿根朝顔を育てている人だけの特権。種から育てるよりも成長が早く、早い時期から大きなグリーンカーテンが楽しめますよ。
冬越し成功の秘訣
冬越しで一番多い失敗は、実は「水のあげすぎ」による根腐れです。冬の朝顔は冬眠しているような状態なので、水を欲しがりません。また、室内に取り込む場合は、暖房の風が直接当たらない場所に置いてあげることも大切ですよ。
小学校の観察で役立つ朝顔は何月に何をするかのまとめ
小学校1年生の生活科で、多くのご家庭が初めて朝顔と向き合うことになりますよね。親御さんにとって、夏休みの宿題をどうサポートするかは悩みの種かもしれませんが、朝顔は子供たちに「命のサイクル」を教えてくれる最高の先生です。一般的なスケジュールをおさらいすると、5月の連休明けに学校で種をまき、6月には自分の身長くらいまで伸びた様子を観察、7月の夏休み前に「持ち帰り」が発生します。夏休み中の8月は、毎日のお水やりがメインになりますが、近年の猛暑では朝顔もバテやすいので、親子ですのこを敷いたり、日除けを作ったりする工夫をしてみるのも、立派な自由研究になりますよ。
また、8月の後半にはぜひ「人工受粉」を教えてあげてください。猛暑で自然に種ができない時に、朝一番に咲いた花の雌しべに、他の花の花粉をチョンチョンとつけてあげる。この一手間で秋に立派な種が取れた時の達成感は、お子さんにとって忘れられない思い出になるはずです。9月には茶色くなった種を収穫し、学校へ持って行って「種パーティー」をしたり、来年の一年生にプレゼントしたりすることもあります。朝顔の一生を通じて、季節の移ろいやお世話をすることの責任感を学ぶ。そんな素敵な経験を、ぜひ親子で楽しんでください。詳しい育て方や、お子さんの観察で困ったことがあれば、地域の園芸店の方もきっと力になってくれますよ。正確な栽培技術を身につけて、日本の美しい夏を彩る朝顔との生活を、もっともっと豊かなものにしていきましょうね。
この記事の要点まとめ
- 種まきは夜間の最低気温が20度を安定して超える時期まで待つ
- 関東以南では5月中旬以降が最も失敗の少ない種まき適期
- 種をまく前にヤスリ等で削る芽切りが発芽を揃える最大のコツ
- 本葉が数枚出たタイミングで根を傷つけないよう慎重に植え替える
- 大きなカーテンにするなら親づるを摘心して子づるを増やす
- 水やりは早朝にたっぷりと行い土の温度を下げることも意識する
- 夕方の過剰な水やりはつるばかり伸びて花が減る原因になる
- 夜間の街灯や室内灯の光は開花を妨げるので夜は暗く保つ
- 35度以上の猛暑期は不妊になりやすいため人工受粉が効果的
- 日本朝顔は8月がピークだが西洋朝顔は秋が見頃のピーク
- 種は茶色く完全に乾燥してから晴れた日に収穫する
- 採取した種はしっかり乾燥させてから冷蔵庫で保管すると長持ち
- 宿根朝顔は11月に切り戻してマルチングすれば翌年も芽吹く
- 肥料は暑い時期ほど薄く回数を多めにあげるのが植物に優しい
- 正確な栽培情報は地域の気候を確認しつつ園芸店や専門家に相談する
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