パンジー花壇の配色センスアップ術
こんにちは。My Garden 編集部です。
秋から春のガーデニングの主役といえば、やっぱりパンジーですよね。園芸店に行くと、本当にたくさんの色があって、「ない色はないんじゃないか」と思うくらい多彩です。でも、いざ「パンジーの花壇の配色」を考え始めると、その選択肢の多さで逆に悩んでしまいませんか?
「センス良くおしゃれにまとめたいけど、色をたくさん使いすぎるとごちゃごちゃしそう…」「同系色でまとめるか、反対色でアクセントをつけるか、色の組み合わせ方がわからない…」「結局、悩んだ末にいつも同じ無難な色合わせになってしまう…」そんな風に悩んでいる方も多いかなと思います。
この記事では、パンジーの花壇の配色で失敗しないための基本的な理論から、ニュアンスカラーを使ったおしゃれな寄せ植えのテクニックまで、すぐに試せるアイデアを具体的にまとめてみました。色合わせの「モノサシ」が分かれば、パンジー選びがもっともっと楽しくなりますよ。
この記事のポイント
- 冬の花壇を明るく見せる色の選び方
- 寄せ植えがおしゃれになる「名脇役」
- パンジーと他の植物との組み合わせ術
パンジー花壇の配色の基本理論
「配色理論」というと、なんだか難しく聞こえるかもしれませんが、デザイナーさんが使うような専門的な話ではありませんので安心してください。誰でも簡単に花壇の印象をセンスアップできる、いくつかの「コツ」を知るだけで、ぐっと印象が変わりますよ。まずは、花壇全体の印象を決める「色の選び方」の基本を見ていきましょう。
初心者も簡単な色の選び方
色の組み合わせを考えるとき、よく「色相(しきそう)」や「トーン」という言葉が出てきますよね。
- 色相 (Hue): 赤、青、黄といった「色の種類」のことです。
- トーン (Tone): 明るさや鮮やかさといった「色の調子」のことです。具体的には、「パステルカラー」とか「ビビッドカラー」、最近人気の「アンティークカラー」といった『雰囲気のグループ』のことですね。
もちろん、これらをきっちり揃えると統一感が出やすいのは事実です。でも、園芸店で苗を選びながら「このパンジーのトーンは…」なんて考えるのは、ちょっと大変ですよね。
なので、私のおすすめは、まずもっと簡単に、「どんな雰囲気の花壇にしたいか」というテーマを決めることです。これを先に決めてしまえば、選ぶべきパンジーの色が自然と絞られてきて、苗選びで迷う時間がぐっと減りますよ。
まずは「トーン(雰囲気)」のテーマを決める

例えば、こんなテーマから選んでみてはいかがでしょうか。
- パステル系:淡いピンク、水色、クリームイエロー、ラベンダー色など。春の柔らかな日差しにぴったりの、優しくてロマンチックな雰囲気になります。見ているこちらも優しい気持ちになれそうですね。
- ビビッド系:鮮やかな赤、真っ黄色、濃い青、ショッキングピンクなど。元気でポップ、エネルギッシュな印象です。花壇を一気に明るく、道行く人の注目の的にしたい場合にぴったりです。
- アンティーク系:最近とても人気のあるグループですね。「ニュアンスカラー」とも呼ばれ、くすんだ紫(モーヴカラー)、あせたようなローズ、ブラウン系、ワインレッドなど、意図的に彩度を落としたような、深みのある色合いたちです。これだけでまとめると、とても洗練された上級者の雰囲気が出ます。
このように、まず「色の調子(トーン)」のグループを決めて、そのグループ内の色(例えば「パステル系」のピンクと水色とクリーム色)で組み合わせれば、色相(色味)が違っても、全体の雰囲気が統一されて自然とまとまって見えるんです。
センス良く見せるワンカラー

配色に本当に迷ったときに、ぜひ試してほしいのが「ワンカラー(単色)」でまとめる方法です。これは、特定の色(+その色を邪魔しない白やシルバー)だけで花壇を構成する、とてもシンプルなテクニックです。
簡単なのに、とてもモダンで力強い印象を与えられますし、何より「ごちゃごちゃする」という配色最大の失敗が絶対にありません。
例えば、白いパンジー、白いスイートアリッサム、そしてシルバーリーフのシロタエギク(ダスティーミラー)やプラチーナだけでまとめる「ホワイトガーデン」。これは、冬の澄んだ空気感や、うっすらと霜が降りた朝などにも映える、とても洗練された雰囲気になります。春に白いチューリップが咲くように仕込んでおくのも素敵ですね。
また、黄色いパンジーと黄色いビオラだけで埋め尽くす「イエローガーデン」も、遠くからでもパッと目立ち、とても明るく元気な印象になります。
冬の「暗い色」のワンカラーは注意
黒系のパンジー(実際は濃紫や濃赤ですが)や、濃い紫だけでまとめる花壇も、非常にシックで魅力的です。私も大好きな組み合わせです。
ただ、パンジーが活躍する冬の季節は、日没が早く、曇りの日も多いですよね。黒や濃紫といった暗い色は、光の反射率が低いため、光が少ない曇天や夕方には花の色が沈んでしまい、遠くから見ると「花が咲いているのか、ただ土が露出しているのか区別がつかない…」なんてことも。せっかく植えたのに、これはちょっと寂しいですよね。
もし暗い色をメインにする場合は、その色が引き立つように、株元に白いスイートアリッサムを「縁取り」のように散らしたり、黄色のビオラを「差し色」として少しだけ混ぜてあげたりすると、お互いを引き立て合って、暗い色もより一層際立ちますよ。
失敗しない色の組み合わせ3選
「テーマで分けるのは分かったけど、やっぱり色々な色を使って華やかにしたい!」「具体的にどの色とどの色を合わせればいいか知りたい!」という方のために、ここでは定番の組み合わせパターンを3つ紹介しますね。
1. 補色(反対色)

色相環(色を円形に並べたもの)で正反対にある色同士の組み合わせです。代表的なのは「黄色と紫」ですね。他にも「オレンジと青」なども補色の関係です。
これらは、お互いの色を最も鮮やかに引き立て合う効果があります。遠くからでもパッと目を引く、メリハリのある元気な花壇を作りたいときに最適な組み合わせです。パンジーの鮮やかな黄色と、濃い紫のパンジー。または、黄色のパンジーと紫色のハボタンとの組み合わせも、お互いを強く引き立て合います。
2. 類似色・グラデーション

色相環で隣り合っている、または近い位置にある色同士(例:赤とオレンジ、青と紫、ピンクと赤)の組み合わせです。色が近いのでケンカすることがなく、自然で落ち着いた、目に優しい調和が生まれます。失敗が最も少ない組み合わせとも言えますね。
また、同じ色相(色味)でトーン(調子)を変える「グラデーション」も、失敗が少なく上品な仕上がりになります。例えば、「濃い青のパンジー → 水色のパンジー → 白いパンジー」というように、色の濃淡でつなげていくイメージ。1つのプランターの中でこれを表現するだけでも、とてもプロっぽい仕上がりになります。
3. トーナル(同一トーン)
これは「初心者の選び方」で紹介したテクニックと同じで、色相(色味)は違っていても、トーン(色の調子)を揃える方法です。例えば「淡いピンクのパンジー」と「淡い水色のパンジー」と「クリーム色のビオラ」を合わせる、といった具合です。
これは少し上級者向けのテクニックかもしれませんが、これがうまく決まると、一番「おしゃれ」「センスが良い」と見られやすい組み合わせです。最近人気の「アンティークトーン(くすみカラー)」だけで、色々な花(パンジー、ビオラ、アリッサム、ハボタン)を集めるのもこの手法ですね。色味は違っても、全体の『くすんだ雰囲気』が統一感を生み出してくれます。
冬の花壇を明るくする暖色

パンジーの植え付けは秋ですが、花壇が本番を迎えるのは冬から春にかけて。特に12月〜2月の間は、寒さでガーデニング作業も億劫になりがちですし、景色もどうしても寒々しくなりがちですよね。
そんな時、見た目の好み(美観)だけでなく、機能面でとても役立つのが「暖色」です。黄色やオレンジといった暖色系は、心理的に暖かさを感じさせるだけでなく、冬の少ない光の中でもパッと明るく輝いて見える、視認性の高い色なんです。
プロのテクニック「暖色5割」
花壇のデザインにおいて、プロのガーデナーさんや一部の種苗メーカーさんが推奨することの一つに、「暖色を多めに使う」というテクニックがあります。
例えば、花壇全体の色合いのうち、黄色やオレンジ系の暖色を「5割」くらい、つまり半分程度を占めるように多めに配置するという考え方です。これらの色は花壇全体に暖かい雰囲気をもたらし、冬の日照時間が短い中でも、花壇が「ここにあるよ」と明るく主張してくれるようになります。
逆に、青や紫といった寒色系は、冬の曇天では少し暗く沈んで見えがちです。これらをメインにするのではなく、暖色系の明るさをより際立たせるための「引き立て役」として、あるいは花壇全体の輪郭をはっきりさせる「引き締め役」として、残りの5割の中で使うと、バランスが取りやすいですよ。
おしゃれなパンジー花壇の配色術
色選びの基本がわかったら、次は一歩進んで、パンジー以外の植物との組み合わせ(寄せ植え)で、さらにデザイン性を高めてみましょう。パンジー単体で植えるのもシンプルで素敵ですが、他の植物と組み合わせる『寄せ植え』にすることで、ぐっと深みが出て『プロっぽい』見た目になりますよ。ここでは中級者向けのテクニックを紹介します。
寄せ植えの主役と脇役とは

センスの良い寄せ植えは、人間社会と同じで、植物たちの「役割分担」がはっきりしています。全員が前に出ようとすると、結局何が一番見せたいのか分からなくなってしまいますよね。寄せ植えも同じです。パンジーを「主役」にするなら、それを引き立てる「脇役」や、全体の立体感を出す「リーフ類」を上手に組み合わせるのが成功のコツです。
寄せ植えの「役割分担」
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主役 (Main)
- 寄せ植えの中心、一番目立つ場所に配置する花。パンジー、ビオラはもちろん、冬の「もう一人の主役」であるハボタンや、春に咲くチューリップなどもこの役割です。
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脇役 (Supporting)
- 主役の株元やプランターの縁で、隙間を埋めたり、垂らしたりする役割の花。スイートアリッサム、ノースポール、イベリス、バコパなどが代表的です。主役の色を引き立てる色を選びます。
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構造・アクセント (Structure & Accent)
- 花だけでなく、葉で全体の高低差や動き、色の深みを出す役割。シルバーリーフ(シロタエギクなど)や、カラーリーフ(ハツユキカズラ、コクリュウなど)がこれにあたります。
レイアウトを組む際は、いきなり土に植え付けるのではなく、買ってきたポットのままプランターや花壇に並べてみて、「ここに主役のパンジーを置いて、足元に脇役のアリッサムを…」「この隙間にシルバーリーフを入れたらどうかな?」と配置を試行錯誤するのが失敗しない一番のポイントですね。季節ごとの寄せ植えのデザインも知っておくと、組み合わせの幅がぐっと広がりますよ。
ハボタンとの組み合わせテク

パンジーと同じく、冬のガーデンにおける「もう一人の主役」がハボタン(葉牡丹)です。昔の「キャベツみたい」というイメージとはもう全く違う、バラの花のような美しい造形のものや、シックな黒系、メタリックな光沢のあるタイプなど、多様な品種が登場していて、今や冬の寄せ植えに欠かせない存在ですよね。
その美しい葉の色(正確には苞=ほう ですが)と形は、パンジーとの相性が抜群で、特にリースやハンギングバスケットでは中心的な役割を果たします。
同系色・グラデーションでシックに
例えば、紫色のハボタン(丸葉系やフリル系)をメインに据えて、その周りにワインレッドのパンジーや紫系のビオラを合わせる組み合わせ。色が近いので、とてもシックで「大人可愛い」エレガントなリースや寄せ植えが作れます。ここに、斑入りのアイビーやラミウム(シルバーリーフ)を垂らせば、もう完璧ですね。
補色・コントラストで華やかに
紫色のハボタンに、あえてその補色である黄色のビオラを合わせるテクニック。お互いの色が強く引き立ち、小さくても非常に華やかでインパクトのある仕上がりになります。クリスマスやお正月の寄せ植えなどにもぴったりです。
シルバーリーフで調和を出す

私が寄せ植えを作るときに、絶対に欠かせないと思っているのが「シルバーリーフ」です。シロタエギク(ダスティーミラー)がお馴染みですが、他にもヘリクリサム、プラチーナ、ラミウムなど、たくさんの種類があります。
シルバーリーフのすごいところは、色相環(色の環)にない「ニュートラル(中立)」な色であるため、どんな色のパンジーとも馴染み、寄せ植え全体を調和させてくれる「究極の調和役」である点です。
どんな派手な色の隣に来てもケンカせず、むしろその派手な色を上品に受け止めてくれる「クッション」のような役割を果たします。鮮やかな色同士(例えば赤と黄色)がぶつかり合って見える時も、その間にシルバーリーフを挟むだけで、不思議と馴染んでくれます。
それだけでなく、特にワインレッドや濃紫、黒系パンジーといった暗い色のパンジーと合わせた時は、その暗い色をパッと明るく引き立てる「レフ板」のような効果も発揮してくれます。シルバーリーフがあるだけで、暗い色がより一層美しく映えるんです。入れるだけで、寄せ植え全体の雰囲気が明るく、プロっぽくなる便利なアイテムですよ。
チューリップを仕込む上級ワザ

これは、秋の植え付け時にしかできない、とっておきの「時間差」のテクニックです。パンジーやビオラは、春に咲く主役、チューリップの「伴走植物」としても非常に優秀なんです。
やり方は簡単で、秋にパンジーの苗を植え付ける際、その株と株の間や、プランターの深い位置(パンジーの根鉢の下など)に、チューリップの球根を一緒に仕込んでおく(植えておく)だけ。
冬の間はパンジーとビオラが主役として花壇を彩り、忘れかけた頃の春になって気温が上がってくると、そのパンジーたちの株元からチューリップがニョキニョキと顔を出し、豪華な共演が始まります。冬を越えて、春の訪れとともにパンジーの間からチューリップが顔を出す瞬間は、「植えておいてよかった!」と心から思える、ガーデナーの醍醐味の一つですね。
配色の応用(ダブルデッカー)
この時も色彩理論が活かせます。例えば、「赤紫のパンジー」の株元に、補色である「黄色のチューリップ」の球根を仕込んでおくと、春に強烈なコントラストが楽しめます。「ピンクのパンジー」の足元に「白いチューリップ」を植えてパステル調でまとめたり、「オレンジのパンジー」の間に「紫のチューリップ」を植えたりするのも素敵ですね。
こうした球根と一年草を重ねて植えるテクニックは「ダブルデッカー」とも呼ばれます。ぜひチューリップのプランターでの植え方なども参考に、試してみてくださいね。
品種特性で変わる色の見せ方
パンジーやビオラの多様性は、単色のバリエーションだけではありません。近年の品種改良は本当にすごくて、特に個人育種家さんの活躍もあり、一昔前では考えられなかったようなユニークな「特性」のある品種がたくさん登場しています。これを知っておくと、さらに高度で複雑な配色が可能になります。
2色咲きと花色変化の活用
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H4 2色咲き(ブロッチ・ピコティ)の活用
- 中央に「ブロッチ(目)」が入るタイプや、花弁の縁の色が違う「ピコティ」、上と下の花弁の色が違うタイプなどがあります。これらは1株で既に2色持っているので、組み合わせ方にコツが要ります。
例えば、複数の2色咲きパンジーを植える場合、花弁の色は赤や黄色や白でバラバラでも、全部「黒ブロッチ入り」の品種で揃えると、ブロッチが共通点となって不思議と全体に統一感が出ます。あるいは、上弁が紫で下弁が黄色の品種なら、他の「黄色いパンジー」と合わせて黄色を優勢にする、といったデザインも可能です。
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H4 花色が変わる品種の活用
- 最近とても人気があるのが、咲き始めから咲き終わりまでの間に、花色が徐々に変化していく品種です。例えば、咲き始めは淡い黄色で、だんだん淡い紫色に変わっていく品種や、ピンクの濃淡が変化していく品種(有名なビオラ「キティももか」など)があります。
これなら1株植えるだけで、自動的に自然なグラデーションが楽しめて、まるで複数の品種を植えたかのような複雑な色彩表現ができます。1株で2色、3色の働きをしてくれるので、とてもお得で便利な選択肢ですね。植え付けた時と、春になってからで花壇の印象が変わるのも面白いですよ。
青と紫は万能な差し色

パンジーの配色において、青・紫系(ブルー系)の花は、花壇の印象を自在に操ることができる、とても重要なキーカラーだと私は思っています。主役にも脇役にも、そして花と花の間を繋ぐ「調和役」にもなれる、本当に頼りになる万能選手です。
濃い青・紫(引き締め役)
春の花壇は、チューリップやパンジーのピンクや黄色、オレンジといった暖かい色(暖色)が中心になりがちで、ともすれば全体が膨張して「ぼやけた」印象になることがあります。
そこに、F1ピカソ「シルバーブルー」のような濃いブルー系や、濃い紫のパンジーを「点」として配置すると、花壇全体がグッと引き締まり、エレガントな深みが出ます。暖色系の鮮やかさも、かえって際立つから不思議です。
淡い水色(名脇役)
一方で、F1ビビ「ヘブンリーブルー」や「ピアアクア」のような淡い水色(アクアブルー)は、他の花の色を邪魔せず、むしろ引き立てる「名脇役」として非常に重宝します。
これらの色は、どんな色の隣にあってもケンカせず、グラデーション効果を生み出してくれます。特に暖色系の花と合わせた時に、その間にこの淡い水色が入るだけで、全体のトーンが和らぎ、センスが格段にアップする気がします。花壇の「マストカラー」と言ってもいいかもしれませんね。もし色合わせに迷ったら、とりあえずこの淡い水色を間に挟んでみると、だいたいうまくいきますよ。
パンジー花壇の配色センスを磨く
ここまで「パンジーの花壇の配色」について、基本的な考え方から応用テクニックまで紹介してきましたが、いかがでしたか? 色彩理論というと難しく聞こえたかもしれませんが、要点はとてもシンプルだということがお分かりいただけたかなと思います。
一番大切なのは、難しく考えすぎず、まずは「こんな雰囲気が好き」というトーンのテーマ(パステル系、アンティーク系など)を決めて、使う色数を欲張らずに2〜3色に絞ってみること。これが一番の近道です。そこに、どんな色とも馴染むシルバーリーフのような「調和役」を加えれば、まず失敗することはありません。
そして、もう一つ。せっかく秋に完璧な配色デザインを施しても、それを春まで美しく維持する「管理」も、デザインの重要な一部です。春になる前に株が弱ってスカスカになってしまっては台無しです。美しく咲かせ続ける『管理』も、デザインの重要な一部ですね。
美しい配色を維持するための管理術
パンジーは開花期間が半年近くにも及ぶため、非常に多くの養分を必要とします(いわゆる「肥料食い」ですね)。
- 肥料切れは「色褪せ」の元もし肥料が切れると、花数が減るだけでなく、葉が黄色っぽくなり、何より花色が褪せて「ボケた」色になってしまいます。せっかく濃い青で引き締めようと思ったのに、肥料切れで水色になってしまっては、デザインの意図が崩壊しますよね。植え付け時の元肥(球根植物にも使えるような緩効性肥料など)だけでなく、開花が続く真冬や春先には、定期的な追肥(液体肥料など)が欠かせません。(出典:サカタのタネ 園芸通信「パンジー、ビオラの育て方・栽培方法」)
- 花がら摘みで花数を維持終わった花(花がら)を放置すると、株は「種を作る」ことにエネルギーを使い始め、新しい花を咲かせる勢いが衰えてしまいます。花びらがしおれたり、縁が巻いてきたりしたら、早めに花茎の根元から指で摘み取ってください。花びらだけを摘むのではなく、花がついていた茎ごと、根元から指でプチッと摘み取ってくださいね。これをこまめに行うだけで、株が「もっと花を咲かせなきゃ」と頑張ってくれるようになり、春の花数が圧倒的に変わってきますよ。
美しい配色を長く楽しむためにも、パンジーの基本的な育て方や植える時期と合わせて、日々のお手入れも楽しんでみてくださいね。
パンジーは、ガーデナーにとってまさに「最強の絵の具」とも言える存在です。この豊富な絵の具を使いこなし、ぜひあなただけのオリジナルな配色で、晩秋から春までの長い花壇シーズンを思いっきり楽しんでください!
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