こんにちは、My Garden 編集部です。
皆さんは、鮮やかなオレンジ色の花が美しいカレンデュラというハーブをご存知でしょうか。日本ではキンセンカという名前でも親しまれていますが、実はこの花、古くから「お肌のガードマン」と呼ばれるほど優れた力を持っているんです。その魅力をギュッと濃縮して、一年中手軽に使えるようにしたものがカレンデュラチンキです。カレンデュラチンキの作り方は驚くほどシンプルで、初めての方でも自宅で簡単に作ることができるんですよ。ただ、いざ挑戦しようと思うと、ドライカレンデュラの選び方や、化粧水にする際の希釈率、さらにはニキビや乾燥肌への具体的な効能など、知っておきたいポイントがたくさんあります。この記事では、私たちが実際に作ってみて気づいたコツや、赤ちゃんから大人まで安心して使える活用レシピを、どこよりも詳しく解説します。自分だけの特別なハーブエキスで、毎日のセルフケアをもっと豊かにしてみませんか。
この記事のポイント
- 失敗しないカレンデュラチンキの基本的な作り方と材料選び
- ニキビや乾燥肌をケアする化粧水や軟膏への応用レシピ
- 赤ちゃんや敏感肌でも安心して使うための希釈ガイドライン
- キク科アレルギーや保存期間など知っておきたい安全上の注意点
初心者でも失敗しないカレンデュラチンキの作り方
ハーブの力を余すことなく引き出す「チンキ」の世界へようこそ。チンキ(Tincture)とは、ハーブをアルコールに漬けて成分を抽出した液剤のことで、水には溶けない脂溶性成分も効率よく取り出せるのが最大のメリットです。まずは、失敗なく仕上げるための基材選びと、大切な事前準備からじっくり見ていきましょう。
ウォッカや無水エタノールなど基材の選び方

カレンデュラチンキを作る際に最も重要といっても過言ではないのが、抽出に使う「アルコール(基材)」の選択です。カレンデュラの花びらには、フラボノイドやサポニンのような「水に溶けやすい成分」と、カロテノイドや精油のような「油やアルコールに溶けやすい成分」の両方が含まれています。そのため、これらのパワーをバランスよく引き出すためには、アルコール度数の調整が鍵となります。私たちが一番におすすめしているのは、アルコール度数が35度から40度のウォッカです。この度数には適度な水分が含まれているため、水溶性と脂溶性の成分をどちらも効率よく抽出できる「黄金比」と言えるんです。また、ウォッカは蒸留過程で不純物が取り除かれており、無味無臭に近いため、ハーブ本来の香りを邪魔しないという良さもあります。スーパーなどで手軽に購入できるホワイトリカー(35度)でも同様に作れますが、独特の香りが気になる方はウォッカを選んでみてくださいね。
一方で、より強力に成分を抽出したい場合や、手作り石鹸の材料として高濃度のエキスが欲しい場合には、無水エタノール(度数99.5%以上)が使われることもあります。無水エタノールは脂溶性成分の抽出には非常に優れていますが、水溶性成分はほとんど抽出されませんし、何より肌への刺激が非常に強いため、化粧水などに活用する際はかなり薄める必要があります。反対に、お酒に極端に弱い方や、お子さんの肌にアルコールを使いたくないという場合には、植物性BG(ブチレングリコール)を基材に選ぶのも一つの手です。BGは保湿力が高く、化粧品原料としても一般的ですが、抽出には1ヶ月以上の時間がかかるなど少し根気が必要です。まずは汎用性が高く、飲用やうがいにも活用できる「ウォッカ」からスタートするのが、最も失敗が少なくておすすめかなと思います。自分のライフスタイルや肌質に合わせて、最適なパートナーを選んでみてください。
| 基材の種類 | アルコール度数 | 抽出の特徴と向いている用途 |
|---|---|---|
| ウォッカ | 35〜40% | 水溶性・脂溶性成分をバランスよく抽出。化粧水、飲用、うがいに最適 |
| 無水エタノール | 99.5%以上 | 脂溶性成分(カロテノイド等)に特化。強力な殺菌力を求める外用向き |
| ホワイトリカー | 35% | 入手しやすく安価。ウォッカに近い抽出特性だが、独特の酒臭がある |
| 植物性BG | 0%(非アルコール) | 低刺激で保湿力が高い。敏感肌用の化粧水原料に特におすすめ |
乾燥ハーブと瓶の滅菌で腐敗を防ぐコツ

手作りコスメの世界で、私たちが最も気をつけなければならないのが「雑菌の繁殖」と「カビ」です。チンキは数週間という長い時間をかけてじっくり抽出するため、最初の準備段階で少しでも水分や菌が混入してしまうと、せっかくのエキスが台無しになってしまいます。まず、ハーブ選びについてですが、必ず「ドライカレンデュラ(乾燥させた花弁)」を使用してください。摘みたての生のお花は確かにエネルギーに満ち溢れていますが、植物細胞の中に水分をたっぷり含んでいるため、アルコールに漬けた際にその水分が溶け出し、アルコール度数を下げて腐敗の原因になってしまうんです。市販されているハーブティー用のドライカレンデュラであれば、水分が適切に抜けて成分が濃縮されているため、非常に安定したチンキが出来上がります。購入する際は、色が鮮やかなオレンジ色で、香りがしっかり残っているものを選ぶのが、良質なチンキを作るコツですね。
そして、容器の衛生管理も徹底しましょう。使用するガラス瓶は、必ず煮沸消毒、または高濃度アルコール(パストリーゼなど)での拭き取り消毒を行ってください。煮沸消毒の場合は、鍋に瓶が浸かるくらいの水を入れて沸騰させ、5分ほど煮た後に清潔なトングで取り出します。この後、瓶の中に一滴でも水滴が残っているとアウトですので、逆さまにして完全に自然乾燥させることが重要です。水分が残っていると、そこからカビが生えるリスクが跳ね上がります。また、抽出後のチンキを保存するためのボトルには「遮光瓶」を用意しておきましょう。カレンデュラのオレンジ色の正体であるルテインやベータカロテンは非常に光に弱く、透明な瓶だとあっという間に光分解を起こして色が抜け、成分のパワーが落ちてしまいます。青や茶色の瓶、あるいは100円ショップの瓶にアルミホイルを巻くなどして、徹底的に「光」を遮断する準備を整えてくださいね。この一見地味な準備が、1年先まで安心して使い続けられる「魔法の薬箱」を完成させる鍵になります。
抽出期間と成分を引き出す濾過の手順

材料が揃ったら、いよいよ仕込みの段階です。消毒した瓶にドライカレンデュラを入れ、その上からウォッカなどの基材を注いでいきます。比率は、ハーブの重さ1に対してアルコール5の割合(例:ハーブ10gならアルコール50ml)が基本ですが、ドライハーブはかさばるので、瓶の1/3から半分くらいまでハーブを入れ、瓶の肩のあたりまでなみなみとアルコールを注ぐ「目分量」でも大丈夫です。ここから2週間から4週間、じっくりと成分を溶け出させていきます。置き場所は、急激な温度変化がない冷暗所が最適です。昔ながらの知恵では「日光に当てて抽出を早める」という方法もありますが、現代では成分の安定性を重視して、日の当たらない場所での抽出をおすすめしています。
抽出期間中、忘れてはならないのが「1日1回、瓶を優しく振る」という作業です。これは、ハーブの周りの液体の濃度が飽和するのを防ぎ、常に新しいアルコールがハーブの細胞壁に触れるようにするためです。「今日も元気に抽出してね」と声をかけるような気持ちで振ってあげると、透明だった液体が日に日に深みのある琥珀色へと変化していくのが分かります。抽出が完了したら、いよいよ濾過(ろか)の手順です。コーヒーフィルターや清潔なガーゼを使い、別の消毒済み容器に液体をこし取ります。この際、ハーブの中に残った一滴にこそ貴重な成分が詰まっていますので、清潔な手やスプーンを使ってぎゅーっと力強く絞り出しましょう。最後の方は少し濁りが出ることもありますが、それも天然成分の証です。完成した美しいオレンジ色の液体を遮光瓶に移し、製造日と内容を書いたラベルを貼れば完成です。この一連のプロセスを経て手に入れたチンキは、植物の生命力が凝縮された自分だけの宝物のように感じられるはずですよ。
ニキビや肌荒れに嬉しいカレンデュラの効能

カレンデュラが「太陽のハーブ」と称えられ、数世紀にわたり伝統医学で重宝されてきたのには、明確な薬理学的理由があります。その花びらには、皮膚の修復と保護に特化した成分が驚くほど豊富に含まれているんです。特に注目すべきは、強力な抗炎症作用を持つフラボノイドと、傷ついた組織の再生を促すカロテノイド(ルテインやゼアキサンチンなど)の相乗効果です。これらの成分は、肌のターンオーバーを整えながら、炎症を穏やかになだめてくれる働きがあります。そのため、化膿を伴うニキビや、赤みが引かない肌荒れ、さらには乾燥によるひび割れなど、多岐にわたる皮膚トラブルに対して非常に優秀なアプローチを見せてくれます。私自身、季節の変わり目にポツンとできてしまったニキビに、希釈したチンキでパックをすると、翌朝には赤みが落ち着いているのを何度も経験し、その実力に驚かされてきました。
また、近年の研究では、カレンデュラのエキスが肌のコラーゲン合成をサポートし、紫外線によるダメージ(フリーラジカル)を中和する抗酸化能を持っていることも分かってきました。つまり、単なる「トラブル対策」だけでなく、エイジングケアや日焼け後のダメージ回復にも適しているということです。さらに、カレンデュラには穏やかな抗菌・抗真菌作用もあるため、肌表面の菌バランスを整え、清潔な状態を保つのにも役立ちます。「なんだか最近肌が敏感だな」「トラブルが長引いているな」と感じる時、カレンデュラはまるでお母さんの手のように、優しく肌のバリア機能を支えてくれます。合成界面活性剤や防腐剤がたっぷり入った市販の化粧品では得られない、植物本来の「癒やす力」を肌で感じることができる。それこそがカレンデュラチンキの最大の魅力であり、多くの自然療法愛好家から「手放せない」と言われる理由なんです。まさに、自然界が私たちの肌のために用意してくれた天然のバリア成分と言えますね。
手作り化粧水に欠かせない正しい希釈率

さて、完成したカレンデュラチンキを実際に肌に使うにあたって、絶対に守っていただきたいのが「希釈」のルールです。抽出されたばかりのチンキは、アルコール濃度が非常に高く、成分も極めて濃縮されています。これをそのまま顔に塗ってしまうと、アルコールの揮発作用で肌の水分が奪われ、逆に乾燥を招いたり、強い刺激で赤みが出てしまったりすることがあります。ハーブの恩恵を安全に受け取るためには、肌質や目的に合わせた「正しい薄め方」を知っておくことが不可欠です。基本となるハーブローション(化粧水)を作る場合、全体の5%から10%程度をチンキの割合にするのが最も標準的で安心なバランスです。精製水やローズウォーターなど45mlに対して、チンキを2.5ml(小さじ半分)から5ml(小さじ1杯)加えるのが、使い心地も良く、効果もしっかり感じられるラインかなと思います。
もし、肌が非常に乾燥している場合は、この希釈液に植物性グリセリンを2〜3mlプラスしてみてください。グリセリンは水分を抱え込む性質があるため、カレンデュラの修復力としっとりとした保湿感を同時に得ることができます。また、ニキビケアとしてスポット的に使いたい場合は、精製水で2〜3倍に薄めたものを綿棒に染み込ませ、患部にちょんちょんと乗せるような使い方も効果的です。ただし、注意していただきたいのは、「薄めた後は保存が効かない」という点です。原液のチンキはアルコールの力で1年ほど持ちますが、水で薄めた瞬間にその防腐力は失われます。一度にたくさん作らず、1週間から長くても2週間で使い切れる量をこまめに作り、必ず冷蔵庫で保管してください。面倒に感じるかもしれませんが、毎回フレッシュな状態で肌に届けることが、肌トラブルを防ぎ、ハーブの力を最大限に引き出す一番の近道になるんですよ。自分だけの「黄金比率」を見つけて、毎日のスキンケアを特別な癒やしの時間に変えてみてください。
実用的なカレンデュラチンキの作り方と活用術
チンキが出来上がったら、そこからはアイディア次第で使い道が無限に広がります。スキンケアはもちろん、救急箱の代わりや育児、口腔ケアに至るまで、カレンデュラチンキは私たちの暮らしを全方位からサポートしてくれる頼もしい存在です。ここからは、編集部で実際に試して「これは便利!」と太鼓判を押した具体的な活用方法をご紹介しますね。
ワセリンやミツロウで作る万能な軟膏レシピ

液体のチンキをさらに一歩進めて、持ち運びやすく、肌への密着度を高めたのが「カレンデュラ軟膏(バーム)」です。チンキだけでは蒸発しやすい有効成分も、油分の膜で閉じ込めることで、肌にじっくりと馴染ませることが可能になります。特に冬場のひどいひび割れや、ガサガサになったかかと、水仕事で荒れてしまった指先などには、この軟膏タイプが圧倒的な威力を発揮します。作り方は大きく分けて2通りありますが、一番手軽なのは白色ワセリンをベースにする方法です。耐熱容器に白色ワセリン20gを入れ、湯煎で液状に溶かします。そこにチンキを10mlほど加え、弱火のまま竹串などで20分ほど絶えずかき混ぜ続けます。この「かき混ぜながら加熱する」ことで、チンキの中のアルコール分が蒸発し、有効成分だけがワセリンの中に綺麗に溶け込んでいくんです。アルコールが残っていると分離の原因になるので、根気よく混ぜるのがコツですよ。
よりナチュラルな素材にこだわりたい方には、ミツロウと植物油を使ったレシピがおすすめです。ホホバオイルやスイートアーモンドオイル20mlと、ミツロウ4gを湯煎で溶かし、火から下ろした直後にチンキを数滴から全量の5%以内を目安に加えます。こちらはワセリンよりもさらっとした使い心地で、顔の乾燥対策やリップバームとしても非常に優秀です。出来上がった軟膏を消毒済みの小さな容器に入れ、冷やし固めれば完成。ワセリンベースなら非常に安定しており、冷蔵庫保存で約半年、常温でも数ヶ月は持ちます。バッグに忍ばせておけば、急な乾燥やちょっとした切り傷、虫刺されのケアにもサッと使えて本当に重宝します。「自分の手で作った薬箱」があるという安心感は、何物にも代えがたいものがありますよ。ぜひ、お好みの香りのエッセンシャルオイルを一滴加えて、自分だけのオリジナルバームを作ってみてください。
赤ちゃんのおむつかぶれに安心な低刺激ケア

カレンデュラは別名「マザー&ベビーハーブ」とも呼ばれ、ヨーロッパでは赤ちゃんのケアに欠かせない存在として知られています。特に、蒸れや摩擦で赤くなってしまった「おむつかぶれ」のケアには、カレンデュラの抗炎症作用が非常に穏やかかつ的確に働いてくれます。ただし、赤ちゃんの皮膚は大人の半分ほどの薄さしかなく、バリア機能も未発達です。チンキを活用する際は、大人以上に慎重なアプローチが求められます。赤ちゃんに使う際の鉄則は、「200倍以上の超低濃度に希釈すること」です。具体的には、精製水100mlに対して、チンキをわずか5滴程度落としたものを作ります。これくらい薄めることで、アルコールの刺激を極限まで抑えつつ、カレンデュラが持つ多糖類やフラボノイドの「粘膜保護・修復作用」だけを届けることができるんです。
この超低濃度の希釈液をコットンにたっぷりと含ませ、おむつ替えの際にゴシゴシ擦らず、トントンと優しく押さえるようにして拭いてあげてください。また、あせもや乳児湿疹のケアとして、スプレーボトルに入れてシュッと吹きかけ、清潔なガーゼでそっと押さえるのも効果的です。さらに、出産を終えたばかりのママ自身のケアとしても、この方法は非常に推奨されています。会陰切開の傷跡や産後のデリケートゾーンの不快感を和らげるために、洗面器のぬるま湯にチンキを数滴垂らして行う「座浴」は、伝統的な産後ケアの一つとして今でも大切にされています。親子で同じハーブの恩恵を共有できるのは、心身ともにデリケートな時期のママにとって、大きな癒やしになるはずです。自然の力が持つ優しさを、ぜひ大切な育児の時間に取り入れてみてくださいね。
喉の痛みや口内炎に有効なうがいの活用法

カレンデュラチンキの隠れた実力派な使い道、それが「口腔ケア」です。カレンデュラの花にはサポニンという成分が含まれており、これには天然の界面活性作用(洗浄作用)や殺菌作用があります。さらに、粘膜を保護して修復を早める働きもあるため、喉のイガイガや口内炎、歯肉炎といった「お口の中のトラブル」に驚くほどの効果を発揮してくれるんです。風邪の引き始めで「あ、喉が変だな」と思った時や、疲れが溜まって口内炎ができてしまった時、私は迷わずカレンデュラチンキを手に取ります。使い方は驚くほど簡単で、コップ一杯(約100ml)の水やぬるま湯に、チンキを5滴から10滴ほどポタポタと落とすだけ。これを口に含んで、喉の奥まで届くように「ガラガラ」とうがいをしたり、お口全体に行き渡るように「クチュクチュ」とゆすいだりしてください。
市販のうがい薬は殺菌力が強すぎて、必要な常在菌まで殺してしまったり、粘膜を刺激しすぎたりすることがありますが、カレンデュラのうがい液は非常に穏やかです。独特の薬臭さもなく、ほんのりとお花の香りが漂うため、うがいの時間が楽しみになるほどです。また、高品質なウォッカで作ったチンキであれば、万が一少し飲み込んでしまっても問題ありません(むしろ、胃粘膜の保護にも繋がると言われています)。外出先から帰った時のウイルス対策や、歯磨き後のマウスウォッシュ代わりとして習慣にすると、お口の中が常に清潔に保たれ、トラブルが起きにくい環境が整います。カレンデュラの強力な抗菌・抗真菌パワーを、ぜひ「飲む救急箱」として日常的に活用してみてください。喉の不快感がスッと引いていく感覚は、一度体験すると病みつきになりますよ。
キク科アレルギーや妊娠中の注意点と禁忌
カレンデュラは非常に安全性の高いハーブとして知られていますが、どんなに優れた自然の恵みにも、使用を控えるべきケースや注意点が存在します。まず、最も重要な確認事項は、「キク科アレルギー」の有無です。カレンデュラはその名の通りキク科の植物ですので、ブタクサ、ヨモギ、カモミール、デイジー、アザミといったキク科植物にアレルギーがある方は、交差反応によって皮膚の赤み、腫れ、痒み、あるいは呼吸器の不快感を引き起こすリスクがあります。「花粉症の時期にキク科の植物で鼻がムズムズする」といった自覚がある方は、残念ですが使用を避けるか、必ず専門医に相談してから検討してください。また、パッチテストはどのような体質の方でも必須です。健康への近道は、まず自分の体質を知ることから始まります。
次に、妊娠中の方への使用制限についてです。カレンデュラには古くから「通経作用(月経を促す作用)」があることが知られています。これは、骨盤内の血流を促進し、子宮を刺激する可能性があることを意味します。そのため、特に流産のリスクが気になる妊娠初期においては、内服はもちろん、お腹周りや広範囲への外用も控えるのが世界的なスタンダードな考え方です。妊娠中期以降の使用についても、自己判断せず、必ず主治医や助産師さんに確認を取るようにしましょう。さらに、授乳中の内服についても、成分が母乳を通じて乳児に与える影響についての臨床データが十分ではないため、治療目的での高濃度の飲用は避けるのが賢明です。自然療法は、正しく使ってこそ最大の味方になります。「植物だから100%安全」と過信せず、体調やライフステージに合わせた賢い選択を心がけましょう。正確で詳細な情報は、公式サイトや公的な研究機関の発表を常にチェックするようにしてくださいね。
遮光瓶での保存期間と品質管理のポイント

時間をかけて丁寧に作ったカレンデュラチンキ。そのパワーを最後の滴まで維持するためには、適切な「保管」と「期限の把握」が欠かせません。チンキに含まれる有効成分は、光、熱、そして空気(酸素)に触れることで刻一刻と劣化(酸化)していきます。特にカレンデュラの代名詞である美しいオレンジ色の色素成分は、非常に光感受性が高く、窓際などの明るい場所に置いておくと、わずか数週間で色が退色し、その薬理効果も激減してしまいます。保存容器には必ず青や茶色の遮光瓶を選び、さらに戸棚の中や床下収納などの、1年を通じて温度変化が少なく光が入らない「冷暗所」に置いておきましょう。もし透明な瓶しか手元にない場合は、瓶の周りにアルミホイルを密に巻いたり、可愛い布でカバーを作ったりして、物理的に光を遮断してあげてくださいね。
気になる保存期間ですが、40度程度のアルコール(ウォッカ等)で適切に作られたチンキ原液であれば、約1年間が目安となります。アルコール自体に強い保存力があるため、雑菌が入り込まなければ比較的長持ちするんです。ただし、これはあくまで「原液」の話。一度水や精製水で希釈して化粧水などにしたものは、防腐剤が入っていないため、数日で雑菌が繁殖し始めます。希釈液は必ず冷蔵庫に入れ、1週間から長くても2週間以内に使い切ることを徹底してください。また、保存中のチンキに「酸っぱいような異臭がする」「カビのような浮遊物が見える」「色が極端に薄くなった」といった変化が見られた場合は、未練があっても迷わず廃棄して新しく作り直しましょう。手作りだからこそ、自分の五感(目・鼻)で状態を常に確認する癖をつけることが、安全で楽しいハーブライフを送るための大切な心得です。
インフューズドオイルとの使い分けの基準
カレンデュラの活用法を調べていると、チンキの他に「インフューズドオイル(浸出油)」という言葉をよく目にしませんか?どちらもドライカレンデュラから成分を抽出したものですが、実はこの2つ、抽出される中身が少し違うんです。この使い分けができるようになると、ハーブ使いの上級者への仲間入りです。まず、アルコールで抽出するチンキは、「水溶性」と「脂溶性」の両方の成分をバランスよく含んでいるのが最大の特徴です。浸透が早く、さらっとしていて、殺菌力や収斂(しゅうれん)作用に優れています。そのため、ニキビのケア、マウスウォッシュ、夏場のあせも対策、あるいはさっぱりした使い心地を求める化粧水に向いています。
対して、ホホバオイルなどの植物油に漬けて作るインフューズドオイルは、「脂溶性成分(カロテノイドやビタミンE)」に特化して抽出されます。オイルは肌のバリア機能を高める皮膜を作る力が強く、成分をじっくりと時間をかけて浸透させるのが得意です。したがって、冬場の深刻な乾燥対策、赤ちゃんの全身保湿マッサージ、あるいは手作り石鹸のベースオイルとしては、オイルの方が適していると言えます。
「今は肌を清潔に保ちたいのか(チンキ)」、それとも「油分を補ってしっとりと保護したいのか(オイル)」という視点で選んでみてください。私の個人的な使い分けとしては、汗ばむ季節や吹き出物が気になる時はチンキベースのローションをたっぷり使い、乾燥が厳しい季節や、膝・かかとなどの角質が硬い場所には、オイルベースの軟膏を重ねて塗るようにしています。この2つの「動」と「静」の特性を理解して組み合わせることで、一年中どのような肌トラブルにも対応できる、盤石のホームケア体制が整いますよ。
カレンデュラチンキの作り方をマスターしよう
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。カレンデュラチンキの作り方から、暮らしに役立つ多彩な活用レシピ、そして安全のための注意点まで、その魅力を余すことなくお伝えしてきました。いかがでしたでしょうか。一輪の鮮やかな花に秘められた「太陽のエネルギー」を、瓶の中に閉じ込めて大切に使うという行為は、単なる美容を超えて、私たちの心まで温かく癒やしてくれる素晴らしい習慣になります。最初は「滅菌」や「希釈」といった言葉に少し身構えてしまうかもしれませんが、一度コツを掴んでしまえば、これほど心強く、そして愛着の湧くアイテムは他にありません。自分の手でハーブを濾し、美しいオレンジ色の雫を手にする瞬間の喜びを、ぜひ皆さんにも味わっていただきたいなと思います。
もちろん、自然の力は時にパワフルですので、アレルギーへの配慮や適切な管理は忘れないでくださいね。もし、実際に作ってみて「この使い心地はどうかな?」と迷った時は、いつでもこの記事を読み返して、基本のルールを再確認してみてください。あなたの毎日のスキンケアや健康維持の時間が、カレンデュラの優しいパワーによって、より笑顔あふれるものになることを心から願っています。自然界からの贈り物であるカレンデュラを、あなたの「最高のパートナー」として迎えてあげてくださいね。それでは、素敵なハーブライフを!
この記事の要点まとめ
- カレンデュラはキク科の植物で皮膚の修復と保護を助ける働きがある
- チンキの基材には成分バランスが良く香りの少ない35度から40度のウォッカが最適
- 失敗やカビを防ぐため必ず水分を含まない高品質なドライハーブを使用する
- 抽出用の容器は煮沸またはアルコールで徹底的に滅菌し乾燥させるのが鉄則
- ハーブとアルコールの比率は重さで1対5の割合を目安に仕込む
- 抽出期間は2週間から4週間とし直射日光の当たらない冷暗所で保管する
- 抽出期間中は1日1回瓶を優しく振って成分の溶出を促進させる
- 濾過したチンキ原液は遮光瓶に入れれば冷暗所で約1年間の保存が可能
- 肌に使用する際は精製水などで5パーセントから10パーセントに希釈して使う
- 水で薄めた化粧水は腐敗しやすいため必ず冷蔵庫に入れ1週間程度で使い切る
- ニキビや肌荒れの鎮静には抗炎症作用のあるカレンデュラチンキが非常に有効
- ワセリンやミツロウと組み合わせれば持ち運びに便利な万能軟膏が作れる
- 赤ちゃんのおむつケアには200倍以上に薄めた超低濃度の希釈液を推奨する
- 喉の痛みや口内炎のケアには水に数滴垂らしたカレンデュラうがいが効果的
- キク科アレルギーや妊娠中の方は交差反応や子宮刺激のリスクを考慮し使用を控える
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