アリウム球根の植え方!秋植えのコツと育て方

アリウム

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こんにちは。My Garden 編集部です。

春のガーデンで、ネギ坊主のような、でもとってもオシャレな紫や白の丸い花が咲いているのを見ると、なんだかワクワクしますよね。あれがアリウムです。品種によっては、子どもの顔くらい大きな花が咲く「ギガンチューム」もあって、その存在感は圧倒的です。

「うちでも育ててみたい!」と思ってアリウムの球根を手に入れたものの、いざ植えようと思うと、「あれ?植え付け時期はいつだっけ?」「地植えと鉢植え、どっちがいいのかな?」「球根の深さや間隔って、どれくらい?」なんて、意外と分からないことが多いかもしれません。

特に大型のギガンチュームなどは、植えっぱなしにできるのか、それとも花が終わったら掘り上げる必要があるのか、管理方法も気になるところですよね。せっかく植えるなら、失敗せずにきれいな花を見たいですから。

この記事では、アリウムの球根の植え方について、基本的なポイントから品種ごとの管理の違いまで、詳しく掘り下げていこうと思います!

この記事のポイント

  • アリウムの品種に合わせた植え付けの深さや間隔
  • 地植えと鉢植え、それぞれの土壌準備のポイント
  • 大型種と小型種の「植えっぱなし」管理の違い
  • 花が咲かない原因と、花後の正しいお手入れ方法

アリウム球根の植え方の基本手順

アリウム球根の植え方の基本手順

まずは、アリウムを植え付けるための基本的な準備から見ていきましょう。球根植物は、植え付け時の最初の準備が、春の開花を左右すると言っても過言ではありません。特に土壌の準備は、その後の成長に大きく影響するそうですよ。一緒に確認していきましょう。

植え付け時期は秋が最適

アリウムは、チューリップやヒヤシンス、スイセンなどと同じ「秋植え球根」の仲間です。

植え付けのベストシーズンは、地域にもよりますが、だいたい8月下旬から10月頃と言われていますね。気温が下がってきて、球根が活動を始めるのに適した時期です。関東の平野部(例えば八王子など)なら、11月の上旬くらいまでならギリギリ間に合うかな、という感じです。

あまり早く植えすぎると、まだ気温が高くて球根が暑さで傷んだり、腐ってしまったりするリスクがあります。逆に遅すぎると、冬の寒さが本格的になる前に球根が十分に根を張ることができず、春の成長がうまくいかないことも。

なぜ秋に植えるかというと、アリウムが春に花を咲かせるためには、冬の一定期間の寒さに当てる必要があるからなんです。この「低温要求(ていおんようきゅう)」と呼ばれるプロセスで、球根は寒さの刺激を受けることで休眠から目覚め、花芽を作る準備を始めます。この寒さのスイッチが、春にきれいな花を咲かせるための大切な鍵なんですね。

植える場所と土壌の準備方法

植える場所と土壌の準備方法

アリウムは、基本的にお日様が大好きです。できるだけ日当たりと風通しの良い場所を選んであげましょう。多くの光を浴びることで、球根が太り、来年の花芽もできやすくなります。(品種によっては、丹頂アリウムのように半日陰でも育つものもあるようです)

風通しも重要で、空気がよどむ場所だと、アブラムシなどの病害虫が発生しやすくなったり、湿気で球根が弱ったりすることもあるので注意したいですね。

そして、すべての準備の中で最も重要なのが「水はけ」です!

アリウムは、ネギの仲間(ユリ科ネギ属)ということもあってか、球根が蒸れや過湿にとても弱いです。水はけが悪いジメジメした土壌だと、せっかく植えた球根が呼吸できずに腐ってしまうことが本当によくあります。

地植えの土壌準備(植え付けの2週間前までに)

地植えの場合は、植え付けの最低でも2週間前から準備を始めるのが理想です。

  1. 酸度調整: 日本の土壌は雨の影響で酸性に傾きがちです。アリウムは中性〜弱アルカリ性の土を好むため、まずは「苦土石灰」をまいて土壌の酸度を中和させます。
  2. 土壌改良: 苦土石灰をまいてから1〜2週間後(石灰と肥料が同時に混ざると化学反応を起こすため)、完熟「堆肥」や「腐葉土」を掘り起こした土にたっぷりすき込みます。これで土がふかふかになり、水はけと同時に水持ち(保水性)も良い「団粒構造」の土になります。
  3. 水はけ改善: もし粘土質で水はけが特に悪い場所なら、「パーライト」や「鹿沼土(小粒)」などを追加で混ぜ込むと、さらに排水性が改善されますよ。

腐葉土などの土壌改良については、腐葉土の作り方と使い方に関する記事も参考にしてみてくださいね。

鉢植えの土壌準備

鉢植えの場合は、地植えほど難しく考えなくても大丈夫です。市販されている「草花用の培養土」を使えば、最初からバランス良く配合されているので、まず間違いありません。

もしご自身で土を配合(ブレンド)する場合は、「赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1」くらいの割合を基本に、水はけを意識した配合にすると良いですね。

球根の消毒はした方が良い?

これは悩むポイントですよね。「必ずしなければいけない」というわけではありませんが、カビや病原菌による球根の腐敗を防ぎ、より確実に育てるためには、植え付け前に消毒しておくと安心です。

健康な球根を選ぶのが最大の予防

まず大前提として、購入時に健康な球根を選ぶことが最大の病気予防になります。

  • 持った時にずっしりと重みがあるか
  • 表面にカビが生えていたり、ブヨブヨと柔らかい部分がないか
  • 大きな傷がついていないか

こういった点をチェックして、硬く締まった球根を選びましょう。

消毒する場合の方法

もし消毒する場合は、球根専用の殺菌剤(例えば「ベンレート水和剤」など、園芸店で入手できます)を少量用意します。ビニール袋に球根と規定量の薬剤を入れ、袋を優しく振って球根の表面に薬剤を薄くまぶす「粉衣(ふんい)」という方法が簡単で手軽です。

薬剤使用時の注意点

薬剤を使用する際は、健康への影響を考慮し、必ず製品のパッケージに記載されている使用方法、用量を厳守してください。農薬の取り扱いには十分な知識が必要です。小さなお子様やペットがいるご家庭では、取り扱いに特に注意が必要です。

あくまでご自身の判断と責任においてご使用くださいね。

品種別の深さと間隔(地植え)

アリウム品種別の深さと間隔(地植え)
球根を植える深さの一般論として、「球根の高さ(縦の長さ)の2〜3倍」とよく言われます。アリウムも基本はこれでOKですが、品種によって球根の大きさが本当にピンキリです。

ギガンチュームのような大型種は球根もタマネギのように大きいですし、コワニーなどは小指の先ほどです。具体的な目安を覚えておくと便利ですよ。

品種タイプ 代表例 植え付けの深さ(目安) 植え付けの間隔(目安)
大型種 ギガンチューム、グローブマスター、シューベルティ 約10cm (球根2個分くらい) 約40cm (最低でも30cm以上)
小型種 コワニー、丹頂アリウム、モーリー 約5cm (球根2〜3個分くらい) 5cm 〜 10cm

大型種は、花だけでなく、春先に出る葉もかなり大きく(ホスタのように)広がります。お互いの葉が重なって光合成を妨げないよう、また風通しを確保するためにも、間隔はケチらずにしっかり空けるのが、立派な花を咲かせるポイントです。

一方、小型種は、花が可憐なものが多いので、ある程度まとめて植えた(密植)ほうが、咲いた時にボリュームが出て、まるで花束のように華やかになりますね。

鉢植えで楽しむ場合のコツ

アリウム鉢植えで楽しむ場合のコツ

鉢植えの場合も、基本的な植え付けの深さや間隔は、地植えの目安と同じで大丈夫です。

元肥(もとごえ)を忘れずに

鉢植えは使える土の量が限られるため、地植えよりも肥料が切れやすいです。土を準備する際に、市販の培養土を使う場合でも、あらかじめ「マグァンプK」のような緩効性肥料(ゆっくり長く効くタイプの肥料)を土に混ぜ込んでおく(これを「元肥」といいます)と、春の成長期まで栄養が持つのでおすすめです。

鉢のサイズ選び

鉢のサイズは、育てる品種によって選びます。

  • 小型種(コワニーなど):標準的な5〜6号鉢(直径15〜18cm)に、5〜6球程度を植え付けるのがバランスが良いかなと思います。
  • 大型種(ギガンチュームなど):正直なところ、大型種を鉢植えで立派に咲かせるのは、なかなか上級者向けかもしれません…。草丈が1m〜1.5mにもなるため、鉢が小さいと頭でっかちになって不安定ですし、何より根がしっかり張るスペースが足りません。もし挑戦するなら、最低でも直径30cm(10号)以上の、深さもしっかりある大型の鉢(プランター)を用意したほうが安心かなと思います。

植え付け後の置き場所

鉢植えの場合、植え付け直後から芽が出るまでは、雨が直接当たらない軒下などに置いて管理しても大丈夫です。ただし、芽が出始めたら、すぐに日当たりの良い場所に移して、しっかり日光浴させてあげてくださいね。

アリウム球根の植え方と花後の手入れ

アリウム植え付け後の置き場所

無事に植え付けが終わったら、次は春に花が咲くまでの管理と、花が終わった後のお手入れについてです。「植えて終わり」ではなく、特に花が終わった後の管理が、来年も花を咲かせられるかどうかの最重要ポイントになります。特に「植えっぱなし」にできるかどうかは、品種によって大きく違うので注意が必要ですよ。

植え付け直後の水やり頻度

球根を植え付けた直後は、鉢植えの場合は鉢底から水が流れ出るまで、地植えの場合も一度たっぷりと水を与えます。これは、乾いた土と球根をしっかり密着させて、球根から根が出やすくするための「呼び水」のような役割です。土の中に隙間があると、根がうまく伸びられませんからね。

その後は、基本的に「土の表面が乾いたらたっぷり」が水やりの基本です。

  • 地植え: 秋〜冬は、基本的に降雨に任せておいて大丈夫です。何週間も雨が降らず、土がカラカラに乾燥している時だけ水やりする程度で十分です。
  • 鉢植え: 地植えより乾きやすいので、土の表面を触ってみて、乾いていたら鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。

むしろ、怖いのは「水のやりすぎ」による過湿です。特に冬場は球根が休眠に近い状態なので、あまり水を吸いません。常に土がジメジメしていると、球根が腐る一番の原因になるので、くれぐれも水のやりすぎには注意してくださいね。

冬越しのマルチングは必要?

アリウムは寒さに強い植物で、むしろ冬の寒さに当たることで花芽ができます。関東(八王子)近辺の平野部であれば、特にマルチング(腐葉土やワラなどで土の表面を覆う防寒対策)はしなくても、元気に冬越ししてくれますよ。

ただし、北海道や東北などの寒冷地で、地面がガチガチに凍結する(凍上する)ような場所では、球根が傷むのを防ぐために、落ち葉や腐葉土などで厚めにマルチングしてあげた方が安全ですね。

ギガンチュームは植えっぱなし不可

ここで大きな分岐点です。ガーデンで圧倒的な存在感を放つ、ギガンチュームやグローブマスターといった大型のアリウムは、「植えっぱなし」にはできません。

これらの品種の原産地は中央アジアなどの乾燥した地域が多く、日本のジメジメとした高温多湿な夏がとても苦手なんです。花が終わった後、球根が休眠期に入るタイミングで梅雨と猛暑を迎えるため、植えっぱなしにしておくと、夏越し中に球根が蒸れて腐ってしまう可能性が非常に高いんです。

そのため、来年も花を楽しみたい場合は、花が終わって、葉が黄色く枯れ始めたタイミング(だいたい初夏ごろ)で、球根を掘り上げる必要があります。

掘り上げ後の処理と保存

この「掘り上げ」が、大型種を来年も咲かせるための重要な作業になりますね。

  1. 葉が1/3〜半分ほど黄色くなってきたら、晴れた日を選んで球根を掘り上げます。
  2. 土を優しく落とし、茎や葉を切り取ります。(根も取ってしまって大丈夫です)
  3. (できれば)再度、殺菌剤で消毒します。
  4. 雨が当たらない、風通しの良い日陰で、数日間しっかり乾燥させます。
  5. タマネギ用のネットなどに入れ、秋の植え付け時期まで、風通しの良い涼しい暗所で保管します。

基本的な流れは、チューリップの球根の掘り上げと保存方法と似ているので、こちらも参考にしてみてください。

小型種は植えっぱなしでOK?

一方で、コワニー(アリウム・ネアポリタヌム)や、丹頂アリウム、モーリーなどの小型種は、非常に丈夫な性質のものが多いです。原種に近い性質を残しているためか、耐寒性・耐暑性ともに強く、環境が合えば、数年間植えっぱなしで大丈夫です。

むしろ、植えっぱなしにしておくと自然に分球(球根が分かれて増えること)して、年々花数が増えていく楽しみもあります。手間がかからないので、ロックガーデンや、花壇の縁取りにもぴったりですね。

植えっぱなしの注意点

ただし、「植えっぱなしでOK」といっても、何年も放置しすぎると、土の中で球根が混み合ってくる「過密状態」になります。こうなると、お互いに栄養の奪い合いになってしまい、だんだん花が小さくなったり、花の数が減ったりしてきます。

そう感じ始めたら、3〜4年に1度くらいを目安に、葉が枯れた時期(初夏)に掘り上げて、球根を分けて(分球して)植え直してあげると、また元気に咲いてくれるようになりますよ。

葉だけ茂り花が咲かない原因

「春になったのに、葉っぱは元気に出てきたけど花が咲かない…」というのは、球根植物あるあるかもしれません。ガッカリしてしまいますが、必ず原因があります。主な原因をチェックしてみましょう。

花が咲かない主な原因

  • 寒さにあっていない(低温要求不足):これが意外と多い原因です。植え付け時期が遅すぎたり、暖冬だったり、鉢植えをずっと暖かい軒下や室内で管理して、冬の寒さに十分当たらなかった可能性があります。アリウムは寒さで花芽のスイッチが入ることを思い出してくださいね。
  • 球根の栄養不足(花後のお礼肥え不足):花が終わった後、すぐに邪魔だからと葉を切ってしまいませんでしたか?葉は、光合成をして来年のための栄養を球根に送る、大切な「栄養工場」です。葉が自然に黄色く枯れるまで、絶対に切らずに待つのが鉄則です。また、花が終わった直後に「お礼肥え」として液体肥料などを与えるのも効果的です。
  • 肥料のバランスが悪い(窒素過多):肥料の三要素として、窒素(N)=「葉肥え」、リン酸(P)=「花肥え」、カリウム(K)=「根肥え」があります。(出典:株式会社ハイポネックスジャパン『肥料の基本』)もし春先に、窒素(N)成分ばかりが多い肥料を与えすぎると、葉ばかりが茂って花が咲きにくくなる(窒素過多)ことがあるようです。芽が出た後の追肥は、リン酸(P)が多めの液体肥料(ハイポネックスなど)を月に2〜3回施すのが良いですね。

植えっぱなしの場合、先ほども触れた「球根の混み合いすぎ」も、花が咲かなくなる大きな原因の一つです。

アリウム球根の植え方まとめ

アリウム球根の植え方まとめ

アリウム球根の植え方、いかがでしたか?

見た目がユニークで、ちょっと難しそうに感じるかもしれませんが、ポイントを整理すると、

  1. 秋に植える(寒さに当てるため)
  2. とにかく水はけの良い土に植える(過湿は厳禁)
  3. 品種によって「深さ・間隔・花後の管理」が全然違う

という3点が重要かなと思います。

特に、大型のギガンチュームは「植えっぱなし不可(要掘り上げ)」で、小型のコワニーなどは「植えっぱなしOK」という違いは、植える前に知っておきたい最大のポイントですね。

私も今年は、大型種と小型種、両方の植え付けに挑戦してみようと思います。春にあのユニークで可愛らしい花が、ガーデンでゆらゆら揺れる姿を想像すると…今から楽しみです!

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