こんにちは、My Garden 編集部です。
大切に育てているカーネーションが、最近なんだか元気がなかったり、茎が茶色く硬くなってきたりしていませんか。せっかく綺麗に咲いてくれた花ですから、できるだけ長く、そして元気に育てていきたいですよね。そんな時に検討したいのが、カーネーションの株分けという作業です。
カーネーションの株分けの時期を正しく知ることは、植物をリフレッシュさせて寿命を延ばすためにとても大切なステップになります。また、カーネーションの株分けや植え替えを行うことで、鉢植えの根詰まりを解消し、再び美しい花を咲かせる力を取り戻すことができるんです。もし今、お庭やベランダのカーネーションが枯れるような兆候を見せていても、適切なカーネーションの株分けの育て方を実践すれば、また新しい芽が吹いてくるかもしれません。
この記事では、私たちが実際に育てていく中で感じたコツや、カーネーションの株分けと挿し木ではどちらが手軽なのかといった疑問についても、わかりやすくお話ししていこうと思います。初めて挑戦する方も、この記事を読み終える頃にはきっと自信を持って作業に取り掛かれるはずですよ。
この記事のポイント
- カーネーションを若返らせるための最適な時期と生理的な仕組み
- 失敗を防ぐための土の配合や根の扱い方などの具体的な手順
- 株分け後のデリケートな時期を乗り切るためのアフターケア方法
- プレゼントでもらった鉢植えを翌年以降も楽しむための再生術
カーネーションの株分けを成功させる時期と基礎知識
カーネーションを長く健康な状態で楽しむためには、ただ漫然と育てるのではなく、植物が持つ本来の生命力を引き出すメンテナンスが必要不可欠です。株が大きくなりすぎると、見た目は立派に見えても、実は内部で深刻な「老朽化」が進んでいることが多いんですよ。ここでは、カーネーションの生理特性に基づいた株分けの重要性と、失敗しないための時期選定のメカニズムについて、詳しく掘り下げていきたいと思います。
3月から5月の春が最適な時期である理由

カーネーションにとって、春はまさに一年の中で最もエネルギーが満ち溢れる季節です。冬の寒さを乗り越え、日照時間が長くなって気温が15度から25度程度の安定した「生育適温」に近づくと、植物の内部では成長ホルモンであるオーキシンの分泌が活発になります。この時期にカーネーションの株分けを行うことは、植物のバイオリズムに完全に合致した選択と言えるんですね。
春に作業を行う最大のメリットは、植物の根の細胞分裂が非常に盛んであるため、多少根を傷めてしまっても回復が極めて早いことです。株分けという作業は、どうしても植物に物理的なストレスを与えてしまいますが、春ならそのダメージを自らの成長力で瞬時にカバーしてくれます。特に、3月下旬から4月頃にかけては、これから迎える本格的な開花期に向けて、株全体が「新しい場所へ根を広げたい」という準備ができている状態です。この時期の根は、新しい土に触れると驚くほどのスピードで活着し、水分や養分を吸収する「根毛」を再生させます。
また、春に株分けを済ませておくと、梅雨の湿気や夏の猛暑が来る前に、新しい用土の中でしっかりと「自立」した根系を構築できます。根がしっかりと張っていれば、夏場の水切れによる枯死リスクも大幅に下げることができますね。もし開花中であっても、株の老化が激しい場合は、花を早めに切り戻して株分けを優先してあげると、結果的にその後の数年間のパフォーマンスが劇的に向上します。ゴールデンウィークを過ぎて急激に気温が上がる前までに完了させるのが、成功率を100%に近づける秘訣かなと思います。春の柔らかな日差しの中で作業をするのは、人間にとっても気持ちが良いものですし、植物との対話を楽しむには最高のタイミングですよ。
春の作業における温度管理のヒント
春とはいえ、朝晩の冷え込みが残る時期は注意が必要です。植え付け直後の最低気温が5度を下回るような予報が出ているときは、夜間だけ室内に入れたり、不織布を被せたりして保護してあげると、根の動きが止まらずにスムーズに成長してくれます。植物が「今は成長していいんだ」と安心できる環境を作ってあげることが大切ですね。
秋の9月から10月に行うメリットと注意点

春のタイミングを逃してしまった場合や、夏を越してボロボロになってしまった株があるなら、秋の9月下旬から10月が次なる絶好のチャンスです。夏の酷暑から解放され、夜温が徐々に下がってくるこの時期は、カーネーションが夏のストレスを癒やし、再び栄養成長を活発化させるタイミングになります。春との大きな違いは、これから「冬の休眠期」に向かうという点ですが、これこそが株分けにおいて重要な意味を持ちます。
秋に株分けを行うメリットは、湿度が低く安定しているため、作業に伴う切り口からのカビや病原菌の感染リスクが大幅に低いことです。また、秋に定植された株は、地上部の成長を抑えつつ、土の中でじっくりと根を伸ばし、冬の間に耐寒性を高める「ハードニング」と呼ばれるプロセスを自然に行うことができます。これにより、翌春には非常に強固な基礎が出来上がっており、春に株分けした株よりも一歩早く、爆発的な勢いで芽を吹かせることができるんですね。まさに「先手必勝」の管理術と言えるでしょう。私自身も、夏に少し弱らせてしまった株は、秋に早めに手入れをして冬を迎えさせるようにしています。
ただし、注意したいのは「遅すぎる作業」です。11月に入って最低気温が5度を下回るようになると、根の活動が極端に鈍くなり、活着(根付くこと)が不完全なまま冬を迎えてしまいます。そうなると、霜柱で株が浮き上がったり、凍結によって根が傷んだりする可能性が高まります。寒冷地にお住まいの場合は、遅くとも9月中旬には作業を終え、冬が来る前に十分な根量を確保しておくことが、枯らさないための絶対条件となります。この時期の作業は、植物がこれから眠りにつくための「準備」であることを意識しながら、優しく丁寧に行ってあげてくださいね。秋の穏やかな気候は、じっくりと土や根の状態を観察するのにも向いていますよ。
鉢植えの根詰まり解消と植え替えのタイミング

「鉢植えのカーネーションが、水やりをしてもすぐに萎れてしまう」「最近、葉の色が薄くなってきた気がする」……。そんな時は、鉢の中で根が悲鳴を上げているサインかもしれません。カーネーションは非常に根の張りが強い植物で、鉢植えの場合、1年から2年も経てば鉢の中が根っこでぎっしり埋め尽くされてしまいます。これがいわゆる「根詰まり」の状態です。根が鉢の形に沿ってぐるぐると回る「ルーピング」が起きると、新しい根が出るスペースが完全になくなってしまうんですね。
根詰まりが起こると、土の中の空隙(空気の通り道)が消失し、根が深刻な呼吸困難に陥ります。根の呼吸が止まると、エネルギー源であるATPの生成が不足し、水や養分を自ら吸い上げる力がなくなってしまうんです。どれだけ高級な肥料をあげても効果が出ないのは、根が健康ではないから。また、古くなった根は次第に「木質化」し、水分を運ぶ管が詰まって、ただの硬い「棒」のようになってしまいます。株分けは、こうした物理的な制約を根本から取り除き、根に「新しい空気と水分」を与える究極の治療法なんです。具体的には、以下のような症状が見られたら、迷わず植え替えや株分けを計画しましょう。
根詰まりを見分けるチェックリスト
- 鉢の底穴から根がはみ出しているのが見える
- 土の表面がカチカチに固まって、水が表面で弾かれてしまう
- 水やりをした直後なのに、翌日にはもう土がカラカラに乾いている
- 下の方の葉が黄色くなって、触れるとポロポロ落ちてくる
- 株元を持って揺らしたとき、鉢全体が一緒に動くほど固まっている
これらの症状を放置すると、株は次第に衰弱し、病害虫に対する抵抗力も失ってしまいます。株分けによって古い根を整理し、一回り大きな環境、あるいは分割した適切なサイズの環境に移してあげることで、カーネーションは再び本来の鮮やかな緑を取り戻します。一見すると大きな株の方が強そうに見えますが、実は若々しい元気な根を持つ適正サイズの株の方が、はるかに開花能力が高いんですよ。植物の「若返り」を助ける気持ちで、一歩踏み出してみませんか。
準備する用土の配合と赤玉土や腐葉土の役割

カーネーションを成功させる上で、最もこだわりたいのが土の質です。彼らは「適度な湿り気は好きだけど、水が停滞するのは大嫌い」という、少しわがままな性格をしています。そのため、排水性、通気性、そして適度な保肥性の3つのバランスを極限まで高めた土作りが必要になります。私が長年実践してきて、最も安定した結果を出しているのが、赤玉土(小粒)と腐葉土をベースにしたオリジナル配合です。土の基本については、こちらの園芸用土の選び方と基礎知識で詳しく解説していますが、カーネーションにはさらに一工夫加えるのがコツです。
まず主役となる赤玉土は、必ず「硬質」と書かれたものを選んでください。安価な赤玉土は水やりを繰り返すうちに粒が崩れて泥状になり、根を窒息させてしまいます。硬質赤玉土は粒の形を長く保ち、酸素の供給路を確保し続けてくれます。そして、腐葉土は微生物の住処となり、肥料分を蓄えるポケットのような役割を果たします。これに酸度調整のための苦土石灰を加えるのが基本ですが、カーネーションは特に酸性土壌を嫌う性質があります。適切なpH管理を行うことが、健全な生育への第一歩ですね。また、排水性をさらに強化したい場合は、パーライトを1割ほど混ぜるのが私流です。パーライトは非常に軽く、土の中に無数の微細な空気の穴を作ってくれるので、根腐れ防止に抜群の効果を発揮します。
具体的な数値で言うと、土壌pHは6.0から6.5の弱酸性が理想的とされています。
(出典:農林水産省『花き栽培基準』)
この範囲を大きく外れると、土の中に肥料があっても根が化学的にロックされてしまい、吸収できなくなってしまうんです。もし、市販の「花の土」を使う場合は、少しだけパーライトや軽石を混ぜて「水はけマシマシ」にしてあげると、カーネーションにとってはより快適な環境になりますよ。自分で土をブレンドするのは少し手間かもしれませんが、その分だけ花が美しく咲いたときの感動も大きくなるはずです。
失敗しないためのスコップを使った掘り上げ方

「さあ、株分けを始めよう!」と思った時、いきなり株の根元にスコップを突き刺していませんか。もしそうなら、少しだけ手を止めてくださいね。カーネーションの根系は意外と広く浅く広がっており、最も重要な「水分を吸収する先端部分」は株元から少し離れた場所にあります。掘り上げの段階でこの先端部分を切り刻んでしまうと、その後の活着率がガクンと下がってしまうんです。移植の成功は、この最初の「救出作戦」にかかっていると言っても過言ではありません。
正しい掘り上げ方は、まず株の直径の1.5倍くらいの範囲を目安に、スコップを垂直に差し込んでいきます。この際、一周ぐるりと切れ目を入れるようにスコップを動かしましょう。次に、スコップを深く差し込み、「てこの原理」を使って土を大きく持ち上げます。イメージとしては、「土と一緒に株を丸ごと救い上げる」ような感覚です。決して茎を掴んで力任せに引き抜かないでくださいね。茎がスポンと抜けてしまったり、細根が断裂してしまったりすると、植物にとっては致命的なダメージになります。鉢植えの場合は、鉢の縁を軽く叩いて隙間を作り、鉢を逆さまにして底を押しながら、ゆっくりと引き出すようにしましょう。
掘り上げ時の注意ポイント
- 土が乾燥しすぎていると、掘り上げる時に根鉢がバラバラに崩れやすく、根を傷めます。前日に軽く水やりをして、土を「しっとり」させておくと作業がスムーズですよ。
- 古い土を落とすときは、無理に振るわず、割り箸などを使って優しくつつくように落とします。全部落とす必要はありません。全体の3分の1から半分程度落とせば十分です。
- 作業は直射日光を避け、風の当たらない日陰で行いましょう。剥き出しになった根は乾燥に弱く、数分で細胞がダメージを受けてしまいます。
丁寧な掘り上げは、その後の株の回復速度を劇的に早めます。スコップ選びも重要で、大きな株なら剣先スコップが便利ですが、鉢植えの小さな株なら移植ゴテ(ハンドスコップ)で十分。大切なのは、根の先端にある「白い生きている根」をいかに温存するかです。私はいつも、根っこに「ちょっとだけ引っ越しだよ、ごめんね」と声をかけながら作業しています(笑)。この丁寧な一歩が、翌年の満開の花へと繋がっていると信じて、慎重に進めてみてください。
初心者でもできるカーネーションの株分けの手順とコツ
実際に株を掘り上げたら、次はいよいよ「分割」と「定植」のステップです。目の前にある絡み合った根っこの塊を見て、「どこをどう分ければいいの?」と不安になるかもしれませんが、安心してください。植物には自然な分割ポイントが必ず存在します。ここでは、初心者の方でも自信を持って作業を進められるように、物理的な分け方のテクニックから、その後の管理までを詳しく、熱を込めて解説していきますよ。
親株を分ける方法と健康な根を見分けるコツ

掘り上げた根鉢を目の前にしたら、まずは指先で優しく揉みほぐして余分な土を落としてみましょう。すると、複数の茎が集まっている「分け目」が見えてくるはずです。カーネーションの株分けでは、力任せに引き裂くのではなく、パズルのピースを外すように「自然に離れる場所」を探すのが正解です。どうしても分かれない場所だけ、清潔なハサミやナイフで少し切り込みを入れますが、基本は手で分ける方が組織を傷めにくいんですよ。無理に引き裂くと、茎の付け根が裂けてそこから菌が入る原因になるので、じっくり時間をかけて「ここかな?」というポイントを見極めてください。
分けた後の各株(子株)には、必ず「2~3本の元気な芽」と「十分な量の白い根」が付いているように調整します。ここで重要なのが根の選別ですね。よく見てみると、茶色や黒色に変色してスカスカになった根と、白くて瑞々しい根が混在しているはず。この「白い根」こそが、新しい環境で水を吸うためのエース級の根っこです。茶色く老化した根や、一部が腐ってドロドロしている根は、思い切って根元からカットしてしまいましょう。これにより、植物側に「もっと新しい根を作らなきゃ!」という生理的なスイッチが入ります。根が少なくなると不安に思うかもしれませんが、不健康な根を抱えているより、少数精鋭の健康な根を残すほうが、その後の成長は圧倒的に早くなるんですよ。
ハサミの消毒も忘れずに!
作業に使用するハサミは、事前にアルコールやライターの火で消毒しておくと完璧です。カーネーションは「立枯病」などの土壌伝染性病害に弱い側面があるため、切り口から雑菌が入るのを防ぐことが成功の鍵となります。一株分けるごとにハサミを拭くくらいの丁寧さがあれば、まず失敗することはありませんよ。手間はかかりますが、このひと手間が「枯らさない」ための最大の近道です。また、分ける際に蕾が付いている場合は、もったいないですが早めに摘み取っておくと、開花に使うエネルギーを根の再生に回すことができます。
枯れるのを防ぐ深植え厳禁の定植テクニック

株を分けたらいよいよ植え付けですが、ここが最も多くの人が失敗してしまう「運命の分かれ道」と言えるかもしれません。カーネーションの苗を新しい鉢に入れたとき、ついつい「しっかり安定させたい」と思って、茎の深いところまで土を被せてしまっていませんか。実は、これが「深植え」と呼ばれる致命的なミスなんです。カーネーションの茎の付け根は、土に埋まりすぎると極端に蒸れやすく、そこからカビが発生して「地際腐敗」を起こしてしまいます。昨日まで元気だった株が突然しおれてしまった……というケースの多くは、この深植えによる窒息や腐敗が原因であることが多いんですね。
成功させるための合言葉は「浅植え」です。具体的には、以前土に埋まっていた境界線(地際)が、新しい鉢でも土の表面と同じ、もしくは数ミリ高くなるように植え付けます。イメージとしては、株の真ん中が少し小高く盛り上がっているような「亀の背中」のような植え方が理想的です。こうすることで、水やりをしても株元に水が溜まらず、常に新鮮な空気が循環するようになります。根っこが少し見えそうなくらいでも、カーネーションにとってはそちらの方が快適なんですよ。
定植時のプロの小技
- 鉢の縁(ふち)から2〜3cm下までしか土を入れないようにしましょう(ウォータースペース)。これにより、水やり時に土が溢れるのを防ぎ、効率よく吸水させられます。
- 植え付けた後は、指で土を強く押し固めすぎないこと。根が潰れてしまいます。軽くトントンと鉢を地面に叩いて土を馴染ませる程度で十分です。
- 最後に、株元がぐらつかないように、割り箸などで支柱を立ててあげると、新しい根が安定して伸びやすくなります。根が動かないことが活着への近道です。
挿し木と株分けの違いや増やし方の比較
「カーネーションを増やしたいけれど、株分けと挿し木、どっちがおすすめ?」と聞かれることがよくあります。これは、あなたが「いつまでに、どれくらい増やしたいか」によって答えが変わります。株分けの最大の強みは、なんといっても「スピード感」ですね。株分けした時点で既にしっかりとした根系と地上部があるため、作業をしたそのシーズン、遅くとも翌春には立派な花を楽しむことができます。老化して元気のない大株を「若返らせる」目的があるなら、株分けが唯一無二の選択肢となります。ある程度ボリュームのある株からスタートできるので、お庭の寂しい場所をすぐに埋めたいときにも重宝します。
対して「挿し木」は、若い脇芽を切り取ってゼロから発根させる方法です。こちらは一度にたくさんの苗を作れるというメリットがありますが、開花サイズに育つまでには半年から一年以上の時間がかかります。しかし、挿し木の素晴らしい点は、古い株が持っているかもしれない病気のリスクをリセットし、遺伝的に「若い細胞」から再出発できることにあります。もし、親株がウイルス病に罹っていたり、根が全体的に弱りきっていたりする場合は、株分けよりも挿し木でフレッシュな個体を作り直す方が賢明かもしれません。
| 比較項目 | 株分け(分株) | 挿し木(挿し芽) |
|---|---|---|
| 難易度 | 低い(初心者向け) | 中程度(湿度管理が必要) |
| 開花までの期間 | 早い(数ヶ月〜) | 遅い(1年程度) |
| 増やせる数 | 2〜4個程度 | 1つの株から多数可能 |
| 主な目的 | 大株の若返り、寿命を延ばす | 大量に増やす、無病株を作る |
私の経験では、お気に入りの一株をずっと大切にしたいなら「2年に1回の株分け」をメインにしつつ、保険として「数年に1回の挿し木」でバックアップ苗を作っておくのが、最強のカーネーションライフの秘訣だと思っています。どちらの方法も、植物の生命力を身近に感じられる素晴らしい作業ですよ。自分のライフスタイルや目的に合わせて、楽しみながら選んでみてくださいね。
母の日のプレゼントを来年も咲かせる育て方
「母の日にもらったカーネーションが、一週間で枯れてしまった……」という悲しい声をよく耳にします。でも、自分を責めないでくださいね。これには理由があるんです。ギフト用のカーネーションは、生産者さんが温室で最適な管理を行い、「出荷の瞬間」が最高の美しさになるように魔法をかけて育てています。そのため、家庭に届いた頃には、鉢の中は根でいっぱいの根詰まり状態で、株のエネルギーも使い果たしていることが多いんです。いわば、フルマラソンを走り終えたばかりのアスリートのような状態なんですね。そのままの状態で放置すれば、どんなに上手に水をあげても、環境の変化に耐えきれず枯れてしまうのは自然なことなんです。
これを来年も咲かせるためには、まず「環境への順化」と「早期のケア」が必要です。花が一通り終わる5月下旬頃になったら、全ての茎を株元から10cmから15cmの高さでバッサリと切り戻しましょう。「まだ花が残っているのにもったいない」と思うかもしれませんが、この英断が株の命を救います。そして、一回り大きな鉢に植え替えるか、この記事で紹介した「株分け」を行ってあげてください。ギフト用の窮屈な鉢から解放してあげるだけで、カーネーションは驚くほど息を吹き返します。また、ラッピングは見た目は素敵ですが通気性を著しく損なうので、届いたらすぐに外してあげるのが、最初にして最大の愛情表現ですよ。翌春、またあの思い出の花が咲いたときの喜びは、買ったときとはまた違った格別なものになるはずです。
活力剤リキダスを使った定着促進と水やり

株分けや植え替えの作業が終わった直後のカーネーションは、人間で言えば手術を終えてリカバリールームにいるような状態です。根の大部分が切り離され、新しい土に馴染もうと必死になっている最中ですから、この「魔の2週間」をどう過ごさせるかが運命を分けます。ここで私が強くおすすめしたいのが、活力剤「リキダス」の活用です。これは肥料(栄養)ではなく、あくまでサプリメント。根の成長を促すコリン、フルボ酸、アミノ酸が含まれており、弱った根を優しく「奮い立たせて」くれるんです。定着を早めるための力強い味方になってくれますよ。
使い方は簡単です。植え付け直後の最初の水やりの際に、規定の1,000倍に希釈して、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。この「最初のたっぷりの水」には、土と根を密着させて隙間を埋めるという物理的な役割もあります。その後は、土の表面が白っぽく乾くまで次の水やりは我慢してください。根が自ら水を求めて土の奥深くへ伸びるように促すことが大切なんです。毎日ちょこちょこ水をあげると、根が甘えてしまい、酸素不足で根腐れを招いてしまいます。「乾いたらたっぷりと」というメリハリこそが、元気な株を作る秘策ですね。また、最初の10日間ほどは直射日光を避け、風の当たらない明るい日陰で「静養」させてあげると、体力を消耗せずに活着に専念してくれますよ。
切り戻しや剪定による開花後のメンテナンス

株分けに成功し、無事に新しい芽が出てきたら、その後のメンテナンスも楽しみながら続けていきましょう。カーネーションを美しく保つ最大のコツは、実は「ハサミを恐れないこと」なんです。特に重要なのが、梅雨前と秋の花後に行う「切り戻し」です。カーネーションは成長するにつれて茎が伸び、下の方がスカスカの「枯れ上がり」状態になりやすいですが、定期的に短く切ることで、常に株元から新しいフレッシュな芽が吹くようになります。これを繰り返すことで、何年も若々しい姿を維持できるんです。
また、成長期の「摘芯(ピンチ)」も忘れずに行いたい作業です。茎の先端を指先で摘み取ることで、脇芽が2本、4本と増えていき、結果的に花束のようなボリューム満点の株になります。花が咲いた後は、種ができる前に「花がら」を茎の節の部分から摘み取りましょう。種に栄養を奪われるのを防ぐことで、株の寿命を劇的に延ばすことができるんです。こうしたこまめなメンテナンスは、ただ見た目を良くするだけでなく、株全体の通気性を確保し、蒸れを嫌うカーネーションを害虫や病気から守る最大の防御策にもなっているんですよ。「切れば切るほど元気になる」というカーネーションの性質を信じて、ぜひチャレンジしてみてください。
害虫対策も万全に!
切り戻しを行って風通しを良くすることは、アブラムシやハダニの発生を抑えることにも繋がります。特に新芽の時期は害虫が寄り付きやすいので、剪定と合わせて葉の裏をチェックする習慣をつけると安心ですね。もし虫を見つけても、早めに対処すれば株へのダメージは最小限で済みます。植物の状態をよく観察することが、何よりの肥料になるかなと思います。
適切な管理でカーネーションの株分けを楽しもう
カーネーションの株分けは、単なる園芸作業ではなく、植物との「深い対話」そのものだと私は感じています。古い根を整理し、新しい土に植え替える。その一つ一つの工程が、カーネーションの眠っていた生命力を呼び覚まします。もし途中で少し元気がなくなって不安になっても、大丈夫。植物は必ず反応で示してくれます。葉がピンと張ってくれば成功の合図、少し萎れてきたら場所を移動してみる……。そうした小さな試行錯誤と経験の積み重ねが、あなたを素晴らしいガーデナーにしてくれるはずです。この記事が、あなたのカーネーションライフをより豊かなものにするお手伝いができれば、これほど嬉しいことはありません。まずは身近な一株から、愛情を持って思い切って挑戦してみてくださいね。
最後に大切なこと
この記事で紹介した内容は一般的な目安です。植物は生き物ですので、その年の気候や品種、お住まいの環境によって様子が異なります。もし、「どうしても様子がおかしいな?」と感じたら、迷わず近所のベテランガーデナーさんや、信頼できる園芸店のスタッフさんに相談してみてくださいね。正確な情報は、ぜひ植物の様子と照らし合わせながら、最終的な判断はご自身の目で行ってください。あなたのカーネーションが、今年もまた綺麗な花を咲かせてくれることを心から願っています!
この記事の要点まとめ
- カーネーションの株分けは春(3-5月)と秋(9-10月)が最適なタイミング
- 春の作業は成長ホルモンの活性を最大限に活かして強力な根を張らせる
- 秋の作業は涼しい気候を利用して病気リスクを抑えながら冬越し準備をする
- 株分けが必要なサインは水切れの早さや鉢底からの根のはみ出しで判断する
- 数年経った株は木質化が進み吸水力が落ちるため株分けでの更新が不可欠
- 用土は硬質赤玉土と腐葉土をベースに排水性を最優先に確保する
- 土壌のpHは6.0から6.5の弱酸性が理想的で苦土石灰で微調整を行う
- スコップは株元から1.5倍離して垂直に入れ根の先端を保護しながら掘り上げる
- 株を分けるときは手で優しく引き裂き白い健全な根を必ず残す
- 定植時は地際を埋めすぎない浅植えを徹底して蒸れと腐敗を防止する
- 株分け後は活力剤リキダスの1000倍液で根の活着を力強くサポートする
- 最初の2週間は直射日光を避けた明るい日陰で管理し徐々に環境に慣らす
- 母の日のギフト鉢は花後の切り戻しと植え替え・株分けで翌年も楽しめる
- 挿し木は大量増殖や無病化に向き株分けは即戦力の大きな株を維持するのに最適
- 定期的な切り戻しと摘芯を行うことで株をコンパクトに保ち花数を最大化できる
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